第十八章 ヴァンドーム公爵領編
第438話 【登場人物紹介と世界観について】※ネタバレ要素あり
※ヴァンドーム公爵領編突入で区切りが良い為、登場人物紹介を入れます。お話を進めるにつれ、登場人物を増やしていきます。
◇◇登場人物紹介◇◇
【バッシュ家関連】
※エレノアが王立学院に入学直前、バッシュ侯爵家→公爵家、クロス子爵家→伯爵家、オルセン男爵→子爵家と、爵位が上がっています。
●エレノア・バッシュ
バッシュ公爵家の一人娘。ヘーゼルブロンドの髪と、インペリアルトパーズのような黄褐色の瞳を持つ美少女。『土』の魔力保持者であり、転生者。
9歳の時、唐突に前世を思い出す。元は日本人で『真山里奈』という19歳の少女だった。9歳までエレノアとして過ごした記憶や常識などを一切忘れてしまった為、無駄に顔面偏差値の高い男性陣に囲まれ、傅かれて奉仕される事にはいまだに困惑している。
前世において、彼氏いない歴=実年齢という喪女であった為、兄達やロイヤル軍団の顔面破壊力にやられ、鼻血を噴く事もしばしば(今現在はどうにか改善されている)。
周囲に常軌を逸した美形が多い為、自己評価が限りなく低い。エレノアを溺愛する兄達や父達の策略で、外に出る時はわざと不器量な外見にさせられていた時期があった事も、自信が持てない一因となっている。だが、この世界の女性では有り得ないとされる、初々しさや恥じらいを持ち、更に優しく素直な性格な為、接する男性達のことごとくを虜にしている。
後に、グラントの元冒険者仲間であり、『
兄達や父親達に、余計な情報や知識(主に男女間のあれこれ)を与えられていない為、考え方や価値観が前世寄りで、その結果、ナチュラルに周囲を翻弄する事が多い。
本人は知識として、男女&男性同士のアレコレを知っているが、実体験がともなっていない為、あまり役に立っていない。
婚約者に、異父兄のオリヴァーとクライヴ、そしてオリヴァーの異母弟であるセドリックがいるが、後に非公式で、王家直系のアシュル、ディラン、フィンレー、リアムも婚約者に加わった。
今現在は新旧婚約者達の溺愛により、大海に漂う木っ端のごとく翻弄されまくっている。
初代『姫騎士』が持っていたとされる『大地』の魔力を持っているとして、今現在『聖女』となるべく修行中。
『大地』の魔力はあらゆる植物を咲かせる事が出来るとされているが、今のところ自分の意志で咲かせられるのは『ナズナ(ぺんぺん草)』と『タンポポ』のみ。またその所為で、庭師達の間では『野花の聖女』と言われ畏怖の対象となってしまっている。
帝国の思惑と自分がこの世界に生を受けた理由について悩んだが、アリアに諭され、前世の家族や仲間に恥じぬよう、この世界で誰よりも幸せに生きる事を決意。それに伴い、王家直系のアシュル、ディラン、フィンレー、リアムとも、非公式とは言え正式な婚約者となった。
『元日本人』な為和食に目がなく、いつかバッシュ公爵領でお米の栽培をし、毎日おにぎりを食べる事を夢見ている。
●オリヴァー・クロス
クロス伯爵家の長男。カラスの濡れ羽色とエレノアに称される、艶やかな黒髪と黒曜石のような瞳の、絶世の美貌を持つ青年。『火』の魔力保持者で、エレノアの筆頭婚約者。
エレノアの異父兄であり、クライヴの異父弟。眉目秀麗で、知力、魔力、思慮深さは他に追随を許さず、社交界において「貴族の中の貴族」と称されている。若いご令嬢方の憧れを一心に受けるが、本人はエレノア一筋で、他の女性には目もくれない。
とても穏やかな性格で、全ての者に対して優しく丁寧に接するが、エレノアに害を成す者や、エレノアを奪おうとする者に対しては『火』の属性そのままに、容赦なく牙を剥く。実際は『火』の属性そのままの気性なのを、父親を反面教師に徹底的に自制しているとの事。(クライヴ曰く「かっこつけしい」)
父親であるメルヴィルの事は尊敬しているが、彼から受ける揶揄いに辟易しており、事あるごとに言い合いをしている。
エレノアの事は、出逢った当初から溺愛しており、エレノアが『転生者』と知った後も、変わらぬ愛情を注ぎ続けている。その溺愛は留まるところを知らず、いつしか周囲からは、『万年番狂い』の異名で呼ばれるようになってしまった。
全てにおいて完璧であるが、心を許した相手に対しては子供っぽい一面も見せる。が、最近は己を取り繕わず、わりと誰にでも己の『素』を見せるようになった。
エレノアを狙う者達により、失いかける事が多々あったのも、取り繕う事を止めた要因とクライヴは推察している。
第三王子であるフィンレーとは、一目見た瞬間、互いに「敵」認定をしている。更には彼と衝突している姿を見たエレノアからは、「ひょっとして、兄様ヤンデレ?」との疑いを持たれている。
●クライヴ・オルセン
オルセン子爵の一人息子。輝く銀髪とアイスブルーの瞳を持つ青年。『水』の魔力保持者で、エレノアの婚約者&専従執事。
エレノアやオリヴァーの異父兄。オリヴァーの異母弟であるセドリックの事も、実の弟のように可愛がっている。
オリヴァーと張る程の怜悧な美貌を持っているが、母親を含む、女性全般を苦手としている。エレノアの事も最初は嫌っていたが、エレノアが転生者として覚醒した後、関係が良好となりエレノアの婚約者となる。今では心の底からエレノアの事を愛しく想っている。
粗野でぶっきらぼうに見えるが、その実人情に厚く、優しい性格をしている。その為、リアムに対して冷たい態度に徹し切れていない。だが『敵』だと判断した相手には冷徹になり、一切容赦をしない。エレノア曰く「自分達兄弟妹、全てのオカンポジ」
『ドラゴン殺し』の異名を持つ英雄を父に持ち、剣技や武術に秀でている。また魔力量もずば抜けており、いずれ英雄の父をも超えると噂されている。父親は尊敬しているものの、うっとうしくも思っている。
エレノア以外の女性には冷たく接するが、ご令嬢方の求愛行動が止まず、苦労している。エレノアには密かに「巨乳好きでは?」と思われている。
更にはその長男気質の世話好きな性質を見抜かれ、現在ヒューバードからディランの副官(女房役)にと期待されている。
アシュル同様、長男気質ゆえの苦労性である。
●セドリック・クロス
クロス伯爵家の次男。深い茶色の髪と瞳を持つ少年。『土』の魔力保持者で、エレノアの婚約者。
オリヴァーの異母弟で、クライヴの事も「兄」と呼んで慕っている。父親や兄達には劣るが、エレノアに「将来の大有望株」と称される程の美少年。「最近、謎の色気が出て来た」とエレノアに言われている。
過去、自分の母親に虐待されていた経歴を持ち、容姿、実力共に完璧とも言える父や実兄に対して深いコンプレックスを持っていた。
だがエレノアと出逢った事により、「自分を変えたい」と思うようになる。今では父と兄から距離を取るのではなく、自分が目指すべき目標と定め、積極的に教えを請うようになった。
エレノア同様天然な所があり、性格は穏やかで優しく、気配り上手。エレノアからは「癒し要員」と言われている。――が、末っ子特有の要領の良さも併せ持っている。現在は敬愛する兄オリヴァーの影響で、着々と腹黒さを磨いている。
趣味は料理で、特にお菓子作りの天才。エレノアがずっと食べたいと希望した和菓子の再現にも成功しており、聖女のアリアからも大絶賛されている。
エレノアを一途に愛し、ライバルには兄達同様、割と容赦をしない。リアムとは互いにエレノアを巡るライバルであり親友。最近、エレノアがリアムの想いを知った事により、ライバルとしてリアムと対立する事が増えた…が、エレノアの天然に翻弄されるリアムに対し、同情&激励する事もしばしば。
癖の強い兄達に対抗する為、自分同様婚約者となったリアムとは、共同戦線を張る事も多い。
●アイザック・バッシュ
バッシュ公爵家の現当主であり、エレノアの父親。鮮やかな赤い髪とエレノア同様、インペリアルトパーズのような黄褐色の瞳を持っている。『火』の魔力保持者で次期宰相。
穏やかで優しい性格をしており、協調性と話術に長けている為、誰とでも上手く接する事が出来る。また、かなりの切れ者でもあり、現宰相のワイアットから直接次期宰相職を譲りたいと打診されていた。だが本人は「娘との時間が無くなる」と言って断り続けていた。
とにかく娘であるエレノアを溺愛しており、周囲をもドン引きさせる程のレベルである。
王家の信頼も厚いが、本人はエレノアを奪われるのを警戒している為、王家に対しては割と辛辣。というか、国王であるアイゼイアと常に「クビ上等!」なガチバトル(罵り合い)を繰り広げている。
メルヴィルとグラントとは、王立学院時代からの親友。グラント経由で知り合ったメイデン(出会った時は本名のライナーと名乗っていた)に、一途な恋心を向けられている。エレノアがメイデンの事を「第二の母」と慕っている為、済し崩し的に貞操の危機を迎えそうで戦々恐々としている。
エレノア曰く「有能だが、割と打たれ弱い」。だが実際は『氷の宰相』に引けを取らぬ程に有能で、オリヴァーやアシュル達ですら一歩引いてしまう程、冷酷にもなれる。
本邸の家令であるイーサンとは乳兄弟で、エレノアが0歳児の時からパパの座を巡り、取り合いをしている。
●メルヴィル・クロス
クロス伯爵家の現当主であり、オリヴァーとセドリックの父親。オリヴァー同様、カラスの濡れ羽色のような艶やかな黒髪と、黒曜石のような瞳を持っている。『火』の魔力保持者で、『天災級』と称される程の大魔導師。現在は宮廷魔導師団長を拝命している。
若い頃から、ご令嬢方やご婦人方の人気を独占している程、麗しい美貌と優雅な所作を持つ美丈夫で、魔力量もアルバ王国有数。アルバ王国を代表する実力者の一人と称されている。だが本人は煩わしい事や面倒事を嫌い、国から要請されていた宮廷魔導師団長の地位や爵位上げを断り続けていた。だが現在、「エレノアを守る為には、肩書はいくつあってもいい」と、そのどちらも受けている。
エレノアの事を実の娘のように可愛がっており、あまりの可愛がりっぷりに、オリヴァーから嫉妬される事もしばしば。
理知的で落ち着いた見た目と裏腹に、グラント同様面白い事が大好きな為、エレノアには「見た目に反しておちゃめな性格をしている」と言われている。特に息子達をからかって遊ぶのが好き。グラントとアイザックとは、王立学院時代からの親友。
自分の結界を破壊しかけたフィンレーに対しては、「クソガキ」と言ったり、派手に喧嘩をしたりしており、目下犬猿の仲。だがその実力は高く評価している。
●グラント・オルセン
オルセン子爵家の現当主。クライヴの父親。クライヴ同様、輝く銀髪とアイスブルーの瞳を持っている。『水』の魔力保持者で、軍部総大将(将軍)。
若い頃から、メルヴィルとご令嬢方やご婦人方の人気を二分する程の魔力量と美貌を持った美丈夫だが、本人は「女より魔物討伐」がモットーの、かなりの脳筋。
だが脳筋ゆえに、その場その場の最善を無意識的に選ぶ特技がある。エレノアの自信の無さを息子達に相談された時、即座に『
世界を股にかけた冒険者であり、ドラゴンを打ち倒した程の剣技を持つ『ドラゴン殺しの英雄』。その功績から一代限りの男爵位を王家から賜っていたが、それ以上の地位は「めんどい」「かったるい」と断り続けていた。
だがメルヴィル同様、「エレノアを守り、尚且つ傍にいられる為」に、ずっと断り続けていた将軍職を拝命し、その地位に合わせて爵位も賜った。その事により、永久貴族の仲間入りを果たす。
メルヴィル同様、エレノアを実の娘のように可愛がっている。その上息子を弄ってからかうのが趣味な為、クライヴから非常に煙たがられている。
メルヴィルとアイザックとは、王立学院時代からの親友。
●マリア・バッシュ
バッシュ公爵夫人であり、エレノア、オリヴァー、クライヴの母親。エレノアと同じヘーゼルブロンドの髪と、杏子色の瞳を持っている。目元はエレノアより細い(グラント談)らしいが、かなりの美人。
「貴婦人の中の貴婦人」と言われる程、数多の男性達と恋をし、子を成している奔放な女性。性格は裏表が無く、直情的。蓮っ葉な物言いをし息子達と喧嘩をしても、感情論で打ち負かす程に強い。オリヴァーとクライヴが女性を苦手とする原因を作った張本人。
世の貴婦人方と違い、子供達の事をちゃんと見て理解し、心の底から大切に思っている。エレノアが転生者として覚醒する前、王子様と結婚したがっていた事を覚えており、王子であるリアムとお近づきになれるからと、エレノアを王立学院に通わせる事を決めた。
ブランシュ・ボスワース元辺境伯(故人)と恋人同士だった事があり、現在その子供を身に宿している。
●ジョゼフ・マーティン
バッシュ公爵家の家令。白髪長身、初老のナイスミドル(エレノア曰く、イケオジ)
アイザックが幼い頃からバッシュ家に仕えており、エレノアの事は密かに自分の孫のように思っている。今現在の野望は、エレノアの子供が成人するまで傍にいてお仕えする事。常に冷静沈着に物事を取り仕切る、バッシュ公爵家のオカン(祖父)的存在。実はかなりの武闘派との情報アリ。
本邸で家令をしているイーサンは甥にあたる。
●ウィル・ブラン
オリヴァーとクライヴに付き従い、バッシュ公爵家にやって来た、クロス伯爵家の元騎士。父親はクロス伯爵家の騎士団長。茶色い髪と目を持ち、『風』と『土(こちらはごく少量)』の魔力保持者。
オリヴァーの命令で、エレノア付きの従者となる。性格は非常に温厚で優しく、エレノアも「お兄さんみたい」と言って懐いている為、バッシュ公爵家の使用人達から嫉妬される事もしばしば。(そういう時は、皆の知らないエレノアの小ネタを披露している)
エレノアの前世的に言えば十二分にイケメンだが、この世界の基準で言えばフツメンとの事。エレノアを心から大切に思い、見守っている。気遣い魔の苦労人。
●ベン
バッシュ公爵家王都邸の庭師長。高齢だが、その動きには隙が無い。一説によると、ジョゼフとは旧知の間柄らしい。
他の庭師達と共に、エレノアが心安らぐよう、常に色とりどりの花を咲かせている。
エレノアの事を、自分の孫のように可愛がっていて、エレノアも「心の祖父其の三」と言って慕っている。
最近は、エレノアとお揃いのつなぎを着ながら、花の剪定や農作業に勤しむ時間を生き甲斐にしている。
ペットに、黒い長毛種の猫(ジュリ)がいる。
●リドリー
バッシュ公爵家王都邸の副庭師長。エレノアを崇拝している。好物はエレノア考案の『カツサンド』。王都邸の中で最も馬術が優れていた為、オリヴァーらがバッシュ公爵領に行く際、御者を(無理矢理)任された。
エレノアシークレットシリーズの中でもダントツの人気を誇る『八番(苔ノア)』の製作者であり、ヴァンドーム公爵家に八番を誘拐(?)された事を知った時は、その場に泣き崩れた。
●ルーベン・ブラン
クロス伯爵家に忠誠を誓う、騎士団の団長であり、ウィルの父親。ウィルと同じく、茶色い髪と瞳を持つ。『風』の魔力保持者。大柄で、無精髭がワイルドさを引き立てている、ナイスミドル(エレノア談)
気さくで豪快な性格をしているが、場の空気を読むのが苦手。それゆえ息子のウィルが気遣い魔になったのではないかと、エレノアは推察している。
以前はエレノアの事を良く思っていなかったが、エレノア本人と接し、その人柄と愛らしさに惚れ、騎士の忠誠をエレノアに捧げた。
●パトリック・グロリス
バッシュ公爵家の分家筋である、グロリス伯爵家嫡男。
グロリス伯爵家は、エレノアの母であるマリアの生家。祖父であるバートンは、エレノアの父アイザックの叔父である。
ストロベリー・ブロンドの髪と、柘榴のような瞳の色を持つ、中性的な美形。
エレノアが剣舞を舞った際、学院に現れ、エレノアに「自分が君の筆頭婚約者だ」と告げる。
実は本人、心が女性の『第三勢力』であるが、男性血統至上主義である祖父や父の手前、それを隠してきた。エレノアの事は妹として大切に思っている。
祖父の計画を知り、愛想が尽きたと裏でアイザックやオリヴァーらと通じていた。
だがブランシュらにより、母のマリアを人質に取られていた為、エレノアらを裏切るような行動を取らざるを得なかった。
希少属性である『時』の魔力保持者。エレノアがブランシュ・ボスワースに連れ去られた時、その力を使ってエレノアの窮地を助ける。
現在は、妊娠中の母マリアと一緒に王宮の離れで生活をしており、いずれは平民に下り、その子の養い親となる予定。
『
●バートン・グロリス
バッシュ公爵家の分家筋である、グロリス伯爵家前当主。
女性を国の宝として尊ぶこのアルバ王国にありながら、群を抜いた『男性血統至上主義者』として知られている。
バッシュ公爵家を掌握するという野望を持ち、自分の内孫であるパトリックをエレノアの筆頭婚約者にすべく、実の娘であるマリアを利用しようとする。
後に計画が露見し、グロリス伯爵家がお取り潰しになった挙句、自身は鉱山での強制労働を命じられた。
●アーネスト・グロリス
バッシュ公爵家の分家筋である、グロリス伯爵家当主。パトリックの父。
一人娘であるマリアがバッシュ公爵家に嫁いだ為、婿養子としてグロリス伯爵家に入る。
その際、グロリス家の跡継ぎをもうける為、マリアと結ばれ、パトリックが生まれる。
マリアを心から愛しており、マリアを自分だけのものにする為、バートンの計画に乗る。
後に計画が露見し、グロリス伯爵家がお取り潰しになった挙句、自身は鉱山での強制労働を命じられた。
●シャノン・ライマン
バッシュ公爵家が誇る美容班の一人。ライマン子爵家の次男。
金褐色の髪と瞳を持っている、一見中性的な美青年。
バッシュ公爵家の美容班のほぼ全てが第三勢力であるが、その中でもツンデレ要素がかなり激しい。
他の使用人達同様、エレノアガチ勢の一人。常にエレノアを美しく装わせる事に妥協と余念がない。その為なら、エレノアをてるてる坊主のようなスタイルにしたり、オリヴァーであろうが王族であろうが、不敬をものともしない発言をする事もしばしば。
ウィルとは何だかんだ言って、エレノアガチ勢同士ゆえに仲が良い。
【バッシュ公爵家本邸関連】
●イーサン・ホール
バッシュ公爵家本邸の家令。闇のように漆黒の髪と瞳を持ち、髪は長髪で夜会巻のように整えている。
バッシュ公爵家の筆頭家門、ホール伯爵家の嫡男(家督は弟に譲っている)。フィンレーと同じく、希少属性である『闇』の魔力保持者。
アイザックとは乳兄弟であり、幼少の頃より腹心として傍らに仕えている。アイザックの事は敬愛しているものの、エレノアが生まれた事により今現在、その忠誠の全てがエレノアに移行している。オリヴァーと張る程のエレノア廃。
過去には、エレノアの初めて(のパパ呼び)を巡り、アイザックと戦った(?)経緯がある。その結果、アイザックがエレノアと共に王都邸へと逃亡する事となってしまい、血の涙を流した。
王都邸で家令を務めるジョゼフは伯父であり、未だ頭が上がらない。エレノアの「心の父」を自負しており、アイザック曰く「指一本になろうが、悪魔と契約しようが、エレノアを守るだろう」との事。
エレノアと引き離された事により人格破綻を起こしたらしく(影談)、その鬱憤を帝国で密かに暴れる事で晴らしていた(らしい)
そのついでと称して、帝国貴族達に捨てられた子供達を、バッシュ公爵家本邸の『影』としてスカウトし、育て上げている。
魔王のような見た目や言動に合わず、実はかなりの子供好き。
●ジャノウ・クラーク
バッシュ公爵家騎士団の騎士団長(後に除隊させられる)
代々騎士を輩出する騎士爵クラーク家の嫡男。アッシュブロンドの髪と黄緑色の瞳を持つ精悍な容姿をした大柄な美丈夫。
実直で誠実な人柄を持ち、平民出身であるクリストファーにも分け隔てなく接し、その才能を伸ばす事に尽力した。
アルバの男らしく、愚直過ぎる程に一途な性格のせいでフローレンスに心酔し、騎士の誓いを主家の姫であるエレノアではなく、フローレンスへと捧げる。そしてその事により、破滅への道を歩む事となった。
亡くなる直前、己のこれまでの行いを深く悔い、エレノアによって心を救われる。
●クリストファー・ヒル
バッシュ公爵家騎士団の副団長(後に団長となる)
黒髪にオレンジ色の瞳を持つ、一件優男風にも見えるほっそりとした体躯をした、柔和な顔立ちの美青年。魔力属性は『風』
だがその容姿からは想像も出来ない程の優れた剣技と、一旦キレると獰猛な猟犬のごとくに、敵の喉笛に喰らい付き離さないとされるその気性から、数多いる爵位持ちの騎士達を蹴散らすように副団長の地位へと爆走した。
強者と戦う事に喜びと興奮を見出す
フローレンスの行動と態度に疑念と不信感を持ち、誰憚る事無くその事について進言していた事により、周囲と孤立していた。
エレノアが子猿であった時代を知っていた為、主家の姫に対して懐疑的であったが、今現在のエレノアと接した事により彼女に心酔。誰よりも先に騎士の誓いを捧げた。
腹心であるティルロードの奇想天外な行動に、常に頭と胃を痛めている。特に最近は、エレノアに対する距離感ゼロの行動に、鉄拳制裁を繰り返す羽目になっている。
ティル曰く、「無自覚にジャノウに想いを寄せていた」との事。
●ティルロード・バグマン
蜂蜜色の癖毛と。黒い瞳を持つやんちゃ系イケメン(エレノア談)三年前にバッシュ公爵家騎士団に入隊した。平民。魔力属性は、『風』属性または『光』属性から派生されるとされる亜種属性である『雷』
武具の扱いに異様に慣れている事と、後ろ暗い過去を持っていそうな雰囲気が気に入って、クリストファーが直属の部下に抜擢した。
その際、「え~!?でも俺、副団長は好みじゃないんっすけど」と言ってのけた猛者(直後、クリスに床に沈められた)。
クリストファーと同じく、男性として男性が好きなタイプの第三勢力者であり、クリス同様、フローレンスを毛嫌いしている。ついでに、彼女に傾倒している男達の事も心底見下し馬鹿にしている。
能天気とも言える程に明るく、飄々としている。だがその実、好き嫌いがハッキリ分かれている上に毒舌家であり、自他共に認めるトラブルメーカー。
そしてこちらもクリストファー同様、強者と戦う事に喜びと興奮を見出す
初めて接した時からエレノアを気に入り、クリストファー同様その場で騎士の誓いを捧げた。今現在は忠犬のようにエレノアに懐いている。
その正体は元帝国民であり、バッシュ公爵家本邸の『影』
今の本邸の『影』達は、イーサンが帝国に潜入した時に勧誘した(拉致した?)帝国貴族の子供達で、『魔眼』を持たずに生まれたがゆえに放逐された者達が殆ど。ティルもその内の一人だった。
その高い戦闘力とスルースキルを買われ、前担当者から推薦され、イーサン付きの『影』を務めている。
団長であるクリスを気に入っており、「押し倒し甲斐がありそう」と、密かに狙っている(らしい)。
●アリステア・マキシミリオン
バッシュ公爵家騎士団員。クリストファーの直轄部隊の実質No2。赤褐色というか、赤みを帯びた黒髪と黒目の筋骨隆々の美丈夫。
寡黙で落ち着いた雰囲気を持ち、常に穏やかに周囲と接している。後に、クリストファーが団長となった時、副団長の任を与えられた。
第三勢力であり、エレノアからは「タチ(攻)と見せかけて、実はネコ(受)」疑惑を持たれていたが、牧場を視察した時、可愛らしい少年が好みである事が判明した。
その正体は、帝国第四皇子シリルの近衛騎士デヴィン。(【帝国関係者】参照)
●ネッド・オスニエル
バッシュ公爵家騎士団員。クリストファーの直轄部隊であり、プラチナブロンドを短く刈り込んだ水色の瞳の美青年。第三勢力。
全体的に華奢な印象があり、仕草がやけに色っぽいとの事で、エレノアからはネコ(受)疑惑を持たれている。
女性にはまるで興味が無かったが、エレノアと接してその人柄に心酔し、騎士の誓いを捧げている。
同じ隊のティルには、ポール同様かなり迷惑を掛けられているが、何だかんだと仲間意識が強い為、渋々尻拭いをしてやっている事が多々ある。
●ポール・ラッセル
バッシュ公爵家騎士団員。クリストファーの直轄部隊であり、少し藤色がかった長めの銀髪と、切れ長の銀色の瞳を持っている美青年。第三勢力。
冷静沈着そうなタイプで、纏う雰囲気から、エレノアから「タチ(攻)」疑惑を持たれている。
ネッド同様、女性にはまるで興味が無かったが、エレノアと接してその人柄に心酔し、騎士の誓いを捧げている。
ネッド同様、ティルに迷惑をかけられまくっている為、「いつかアイツ〆る!」と心に誓っている。
●エルモア・ゾラ
ゾラ男爵家当主。やや黒に近い焦げ茶色の髪と瞳を持った美丈夫。
父親から継いだ商会を大商会へと育て上げ、バッシュ公爵家直轄集積市場の統括の地位にも就いている。
バッシュ公爵領の発展に多大な尽力をし、その功績により男爵位を賜っていた。
半年前より、バッシュ公爵家本邸の管理人を任せられていたが、本人はアイザックの依頼により、国内外で米を探しており、管理を妻と娘に任せていた。
不器用な程に実直で誠実な気質をしており、周囲やイーサンからの信任も篤い。
妻と娘を心の底から愛しており、全幅の信頼を置いていたが、その事により後に最愛の妻と娘を同時に失う事となる。
妻子の罪が暴かれた後、己の所業を深く悔い、罪を贖う為に、身分と私財を全て投げうった。
その事により温情を与えられ、一商人としてバッシュ公爵領でやり直す事を許される。
●フローレンス・ゾラ
ゾラ男爵家の令嬢(後に母と父が離縁した為、平民となる)。乳白色に蜂蜜を垂らしたような、艶やかで癖のない腰まで伸ばされたアイボリー色の髪と、杏子色の瞳を持つ美少女。
父親がやり手の新興貴族であり、半年前から本邸の管理者の任を与えられていた為、母親共々バッシュ公爵家本邸に住んでいる。
外見の儚げな美しさと謙虚な振舞から、領民の男性達はもとより、本邸で働く召使い達や騎士達の心を次々と掴んでいった。
だがその実、裏では故意にエレノアの悪評を広めていた。
エレノアの事を、我儘なご令嬢であると信じ込んでおり、それを利用し、自分を「主家の姫の暴挙に耐える被害者」として、バッシュ公爵領での自分の確固たる立場を築こうとした。だが、エレノアの天然な言動にその計画をことごとく潰され、逆に馬脚を現される形で窮地に追い込まれてしまった。
実は彼女の思惑はアイザックやイーサンの知るところであり、不穏分子をあぶり出す為に、母共々あえて泳がされていた。
ジャノウ・クラークを『狂人化』させる為に利用され、最終的には帝国の第三皇子により、帝国に連れ去られてしまった。
●マディナ・ゾラ
ゾラ男爵夫人(後にエルモアと離縁し、平民となる)。元は夫であるエルモアがよく利用していた宿屋の看板娘であった。
娘同様、儚げな美貌を持ち、内助の功として夫のエルモアを支え、大商会に昇りつめる事に貢献した。
だがその実、自己顕示欲と権力欲に塗れており、娘共々、公爵夫人であるマリアと主家の姫であるエレノアを貶める発言を繰り返していた。
実はその事はアイザックやイーサンの知るところであり、娘同様、不穏分子をあぶり出す為に泳がされていた。
一連の事件の聴取の為に拘束されていたが、今現在はバトゥーラ修道院に送られている。
●ガブリエル・ライト
大商会であるライト商会の会長であり、バッシュ公爵家直轄集積市場の副統括。
本人、未だに現役バリバリのやり手で、爵位や地位よりも目新しい挑戦が大好きという、根っからの商人。
また、アルバ男性あるあるの可愛いもの好きでもあり、最近移住してきた獣人達の可愛らしさに打ちのめされている。将来、ウサミミの孫を腕に抱く事を夢見ている。
エレノアの視察で、不在であったエルモアの代役として集積市場の視察の陣頭指揮を取った。
その際、エレノアの驕らない優しさと、奇想天外で斬新な発想力に感服し、将来の主たるエレノアに対し、絶大なる忠誠を自身の息子(愚息とよく呼んでいる)や仲間達と誓い合った。
●ジャック・ライト
大商会であるライト商会会長、ガブリエルの一人息子。王立学院在学。
例に漏れず、エレノアを姫騎士として心酔しており、父親からエレノアが視察に訪れると知るや休み前にも関わらず、あろう事か「父親が危篤」と称していち早く学院を休み、バッシュ公爵領に駆け付けた。
そのお陰で父親からは常に「愚息」と呼ばれるようになってしまったが、本人に悔いはないもよう。
●レスター
バッシュ公爵家本邸の料理長。古参の使用人の一人。
過去において、エレノアが「こんな田舎臭いお菓子なんて食べたくない!」と、自分が作ったお菓子を床にぶちまけて以来、エレノアに対し、苦手意識を抱いていた。
それに加え、フローレンスに心酔していた為、離れでエレノア付きとして料理を作る事を命じられ、憂鬱に思っていたが、エレノアが自分の料理を喜んで食べてくれ、尚且つ残った料理をお弁当にしたいと言われた事により、エレノアの為に誠心誠意、真心を込めて料理を作る事を誓う。
●オーブリー
バッシュ公爵領の、果実栽培を主としている村の村長を父に持つ苺農家の少女。
バッシュ公爵領はアルバ王国で一番治安がよく、女性の数も多い為、積極的に表で働く女性が多いのだが、彼女も例に漏れず、女だてらに実家の家業を精力的に手伝っている。
王家御用達と言われる程甘く、大ぶりで瑞々しい苺が主力商品だが、あまりに瑞々しく柔らかい為、大量出荷が出来ない事に悩んでいた。だがエレノアにより、苺のフリーズドライが開発され、その事により新たなる商品展開への道が開けた。
婚約者や恋人達がフローレンスに心酔し、自分を比較対象にした事に腹を立て、全員スパッと切り捨てている。今現在は、ウサギ獣人のジャンの事が気になっている。
他の領民達同様、エレノアを心の底から敬愛し、心酔している。
【王室関係者】
●アシュル・アルバ
アルバ王国、現国王であるアイゼイアの嫡子で、第一王子。
輝く黄金色の髪と、アクアマリン・ブルーの瞳を持っている。全属性の魔力を持つものの、主である属性は明らかにしていなかったが、ボスワース辺境伯との戦いの際、自身の真の属性が、本来聖女にしか顕現しないとされる『光』である事を明かした。
オリヴァーやクライヴと比べても遜色ない程の絶世の美貌を持ち、文武両道のザ・王子様というべき存在。オリヴァー達と違い、女性への気遣いや扱いは完璧で、数多の女性達と浮名を流してきた。今現在はエレノアという最愛の女性が出来た事により、女性と遊ぶのをスッパリ止めている。
友人であるクライヴに対してのエレノアの態度に立腹し、リアムのお茶会の際、エレノアを侮辱する形で意地悪をする。が、後にそれがエレノアの演技である事を知り、深く後悔している。
エレノアと直接話しをした後の、自分自身の心境の変化に戸惑っていたが、王宮で母の事を指摘され、エレノアへの想いを自覚した。そのすぐ後、オリヴァーやクライヴに宣戦布告をしている。
誰に対しても朗らかかつ、爽やかに接するが、理不尽な事を要求してくる相手や自分の愛する者を傷付ける者に対しては容赦しない。
根っからの長男気質な為、癖のある弟達や父親達に手こずる事もしばしばで、母親である聖女に心配されていた。フィンレー曰く「ああ見えて苦労人」
エレノアとは「仮婚約者」を経て、正式に婚約者となった。
●ディラン・アルバ
アルバ王国の第二王弟デーヴィスの嫡子で、第二王子。
燃える様な深紅の髪と瞳を持ち、野性味溢れる精悍な美貌を持つ美丈夫。『火』の魔力属性を持つ。
王宮内にいるより、王家直轄のダンジョンや、地方の視察に出向く事が多いアウトドア派。およそ王族とは思えない程、気さくでほがらかな性格。しめるところはビシッと決めるが、基本的には天然な脳筋。攻撃魔法や剣技に特化しており、将軍であるグラントを崇拝している。
そのグラントからは、エレノアを助けてくれた恩人という事で、直々に剣の手ほどきを受けている。が、それを知らない本人は、気分屋のグラントが何で自分に剣の稽古をつけてくれているのだろうかと不思議に思っている。
エレノアとは、その王家直轄のダンジョンにヒューバードと共に視察に行った際、偶然知り合った。
男装していたエレノアの事は、最初男の子だと思っていた。だがヒューバードに女の子だと指摘され、驚愕する。その後様々な経緯を経て、エレノアを自分の妃にと望むようになるが、ダンジョン内で生き別れ、必死にエレノアの行方を捜索していた。
王家主催の夜会で精神体のエレノアと邂逅し、エレノアが死んだと錯覚した後、フィンレーによってエレノアが生きている事を知った。
その後はフィンレーと共同戦線を張ってエレノアの行方を捜していたが、エレノアがエルである事をヒューバードに知らされる。兄弟内では、フィンレーに対してのツッコミ要員。
エレノアとは「仮婚約者」を経て、正式に婚約者となった。
●フィンレー・アルバ
アルバ王国の第三王弟フェリクスの嫡子で、第三王子。
漆黒の髪とエメラルドのような瞳を持ち、怜悧で理知的な雰囲気を持つ美少年。滅多に顕われる事のない『闇』の魔力属性を持つ。
他人に対してあまり興味を示さず、ほぼ王宮内にある自身の塔で魔術の研究をしていた。いわゆるインドア派(ひきこもりとも言われている)。
己が『闇』の魔力を持って産まれたせいで、聖女である母親が体調を崩した事をずっと気に病んでいた。魔術の研究も、自分の『闇』の魔力を打ち消す方法を探す為である。
たまたま精神体のエレノアと出逢い、エレノアの考え方や言葉に触れた結果、気持ちを救われる。今では『闇』の魔力を消すのではなく、いかに有効活用できるかの研究に勤しんでいる。
結構なヤンデレ気質で、
オリヴァーと出会った瞬間、互いを「敵」認定しており、今現在も顔を合わせるたび、なにかといがみ合っている。クライヴ曰く、「同族嫌悪」。同時にメルヴィルの事も「クソジジイ」と言い放ち、なにかしら衝突している。だが根っこの部分では、偉大なる大魔導師として尊敬している。
ボスワース辺境伯との戦いで、己の体力の無さを痛感しており、密かに修行をしているものの、ディランには「体力ダメダメ」と言われてしまっている。
エレノアとは「仮婚約者」を経て、正式に婚約者となった。
●リアム・アルバ
アルバ王国の第四王弟レナルドの嫡子で、第四王子。
強力な『風』の魔力を持つ者に顕われるという、晴れ渡る青空のような青銀の髪と瞳を持つ。中性的で「透き通るような」と称される程の美貌の持ち主である。魔力属性は当然というか『風』。その魔力量は、クライヴをも唸らせる程。
見た目の儚さに反して、かなりの天然。実直で素直だが、ぶっきらぼうな性格をしている(母親談)。10歳の時、自分の誕生祭を兼ねたお茶会で、複数のご令嬢達に絡まれている所をエレノアに助けられ、エレノアに対して興味を持つ。
その後、アシュルと自分の両親の策略で、エレノアと共に王立学院に通う事となる。その中で、エレノアの破天荒な言動や優しさに触れ、次第に本気で惹かれていくようになる。かなりな笑い上戸でもある。
エレノアと空中散歩の約束をした事により、必死に魔力操作の修行をした結果、魔力を安定して使う事が出来るようになり、結果的にクッキーも上手く焼けるようになっている。
セドリックとは、互いにライバルであり親友。自分の焼いたクッキーがエレノアの好みどストライクであった為、セドリックにやっかまれている。…が、基本的に間が悪く、ライバルである筈のオリヴァー、クライヴ、セドリックに同情される事もしばしばな不憫体質。実の兄にも無意識的に背後から撃たれている。
癖の強い兄達に対抗する為、セドリックとは共同戦線を張る事も多い。
エレノアとは「仮婚約者」を経て、正式に婚約者となった。
●アイゼイア・アルバ
アルバ王国の現国王であり、アシュルの父親。容姿はアシュルと同じく、黄金色の髪と、アクアマリン・ブルーの瞳を持っている。王として振舞う時は厳格な雰囲気を持つが、大切な身内の前では穏やかに接する。
次期宰相のアイザックとは、先輩・後輩の仲であり、気の置けない喧嘩相手。そして口喧嘩では大体勝っている。
愛する妻との仲を結果的に取り持ってくれたエレノアをいたく気に入り、「将来の義娘」と事あるごとに言ってはアイザックの怒りを買っている(将来的には自分の事を「パパ」と呼ばせようと画策している)。
●デーヴィス・アルバ
国王であるアイゼイアの弟で、第二王弟。ディランの父親。容姿はディランと同じく、燃える様な深紅の髪と瞳を持っている。ディラン同様快活で、兄である王の右腕として辣腕をふるっている。アシュルを揶揄うのが趣味。
愛する妻との仲を結果的に取り持ってくれたエレノアをいたく気に入っている。エレノアが実は息子の想い人である事を知らず「あの子が息子の嫁になってくれたら」と密かに思っていた。
現在、エレノアが正式に義娘になった事に小躍りしているが、自分の息子のあまりの脳筋っぷりに頭を痛める日々を送っている。
●フェリクス・アルバ
国王であるアイゼイアの弟で、第三王弟。フィンレーの父親。容姿はフィンレーと同じく、漆黒の髪とエメラルドの様な瞳を持っている。穏やかで理知的な雰囲気を持っていて、フィンレー同様、魔力が強い。
交渉事に長けており、外交のほぼ全てを取り仕切っている。妻であるアリアには「腹黒」であると言われている。愛する妻との仲を結果的に取り持ってくれたエレノアをいたく気に入っており、他の兄弟達同様、エレノアが義娘になる事が決定した事を心の底から喜んでいる。
現在、息子であるフィンレーが精力的に外の世界に出るようになった事を喜びつつ、息子による被害が多方面に及ぶようになった事に頭を痛めている。特にメルヴィルによく謝罪をしているらしい。
オリヴァーの事は「父親同様、たいしたタマ」と称している。
●レナルド・アルバ
国王であるアイゼイアの弟で、第四王弟。リアムの父親。容姿はリアムとそっくりだが、髪と瞳の色は明るめな紺色である。アシュル達いわく「割と引きこもり」。
リアム同様、不器用な性格をしている。愛する妻との仲を結果的に取り持ってくれたエレノアをいたく気に入っていて、アイゼイア同様、エレノアの事は密かに「義娘」と呼んでいた。今現在は正式に義娘となった事を他の兄弟達同様、心の底から喜んでいる。
「エレノアと空中散歩したいから、空を飛べるようになりたい」というリアムの願いを叶えるべく、徹底的に息子を鍛え上げた。
●聖女:アリア
アシュル達の母親であり、国王や王弟達を夫に持つ『公妃』。光を含んだ柔らかい黒髪と瞳をした絶世の美女。実は16歳の時、とある事故が切っ掛けでこの世界へとやって来た『転移者』。
自他共に認めるツンデレ気質で、それを見抜いたエレノアの助言(?)により、夫達が自分に対して押しまくってくるようになってしまい、今現在戸惑いながらもハネムーン期真っ盛りな状態になっている(戸惑いながらも幸せらしい)。
『光』の魔力属性と、『癒し』の力を持っている。アルバ王国国民全てにおける崇拝の対象。
同郷であるエレノアを実の娘のように大切に思っており、彼女が帝国の思惑に晒された時は、自分の出自を語った上で、エレノア自身がどう在るべきかを自身で考えさせるよう導いた。
エレノアと同郷である『元日本人』である為、和食が大好物であり、その再現に余念がない。エレノア同様、かなりの食いしん坊。
未だ発見できていなかった、山菜やキノコなどの珍味と引き換えに、エレノアに
お米を提供する事となった。
●ヒューバード・クライン
王家を守護する最強の剣と言われる、王家直属である『影』の総帥。黒い髪と瞳を持ち、イケメンだが目付きが鋭く、アサシンと言われても納得してしまう風貌をしているらしい(エレノア談)。『風』の魔力属性を持っている。
王子達の剣の指南役も務めており、今現在は主にディランに付き従っている。
職業柄、観察眼に鋭く、エレノアと初めて会った時も瞬時に女の子であると見抜き、すかさず餌付けしようとするなど、かなりちゃっかりした性格。エレノアを嫁にする等の冗談(本気?)を口にし、ディランに睨まれている。アシュルやディランに女遊びを教えた張本人。
クライン子爵家嫡男。マテオの異父兄であり、宰相のワイアットの孫。唯一の弟であるマテオを非常に可愛がっているが、マテオには「女好きな兄様は穢れている!」と言われて距離を置かれている。
最近、『
●ベイシア・マロウ
エレノア達が通う王立学院で、攻撃魔法の教師をしている男性。エレノア達のクラスの担任でもある。背中まで垂らした薄紫色の髪と瞳をしている。魔力属性は『火』……と見せかけて、実は『風』属性。
王子であろうが貴族であろうが、容赦せずに攻撃魔法をぶっ放す、ちょっとアレな人。エレノアの事も割と容赦なくこき使っているが、素直で頑張り屋のエレノアの事は、一生徒として非常に気に入っている模様。
実は王家直属である『影』の副総帥。性格に難がある為、王立学院に送り込まれ、『影』の資質がある生徒のスカウト役をしている。が、存外教職が気に入っているもよう。
エレノアを『姫騎士』として、影ながら崇拝している。
【四大公爵家関連】(現在は三大公爵家)
●ギデオン・ワイアット
筆頭公爵家、ワイアット公爵家の前当主。ヒューバードとマテオの実の祖父であり、現アルバ王国宰相。厳格で威圧感たっぷりなナイスミドルであるが、エレノアには好々爺な表情を見せた。
ワイアット公爵家は代々、王家の『影』を統括する家系で、本人は歴代最強と謳われた
人材発掘の一環でアイザック、メルヴィル、グラントが在校中の王立学院で講師をしていた事があり、アイザックの宰相としての才能を見出し、自分の後継に無理矢理した。(そして事あるごとに「バカ弟子」と罵っている)グラントとガチバトルで勝った事があるらしい。メルヴィルとグラントが頭が上がらない唯一の人物。
アイザックとは、常に罵り合いを繰り広げているようで、何気に仲が良く、エレノアの事も『孫の嫁に』と願っている(らしい)。
●マテオ・ワイアット
現宰相ギデオンの孫であり、第四王子リアムの幼馴染にして、直属の『影』魔力属性は『水』と『風』
現在では、主力属性は『風』である事が判明している。
シルバーがかったグレイの髪と、シルバー色の切れ長な瞳を持つ美少年。
『
当然の事ながら、リアムに気に入られているエレノアを快く思っていなかったが、なんだかんだと接するうち、喧嘩友達的ポジションになっていき、終いには親友ポジに収まってしまった。(それをエレノアから言われた時、喜色満面になった)
かなりのツンデレであり、密かに可愛い物が大好き。兄であるヒューバードの事は、嫌っている素振りを見せつつも実は大好きで、エレノアの影響もあり、無意識にデレている。最近、無自覚にエレノアの事が気になっており、自身の連絡鳥兼ペットである『ぴぃ』を通じて、親交を深めている。
●アルロ・ヴァンドーム
ヴァンドーム公爵家当主。明るい濃紺の髪と瞳、大柄な体躯を持つ壮年の美丈夫。
三大大公爵家の中では最も穏健派とされる公爵家であり、当主のアルロも人好きする温和そうな雰囲気を持っている。
領海内を守護する水の
海に面する領土を所有している為、国内に流通する海産物の一大ルートを築き上げている。かなりのやり手であり、『男性血統至上主義』の元となる思想を掲げ、公爵家を起こした王家を祖先に持つ王家の分家筋。王家とは不可侵条約を結び、『裏王家』として一大派閥を築いている。
だがそれは仮初の姿であり、真実は『男性血統至上主義』を隠れ蓑に、過激思想を持つ貴族達を監視している。
性格は見た目通りの豪胆かつ陽気で温和……とされているが、飄々と相手を手玉に取るのを得意としている。ギデオン同様、油断の出来ない相手。
過去、エレノアに自分の五人いる息子の釣書を送りつけて来た事があり、その後オリヴァーにより海の白の養殖事業の共同事業を持ち掛けられ、大いに関心を示した。
末っ子であるベネディクトを家族共々溺愛しており、その婚約者に同派閥であり、強硬派筆頭であるウェリントン侯爵の一人娘、キーラを婚約者に指名している。
●リュエンヌ
ヴァンドーム公爵領内の海域を守護する、白金の髪とサファイアブルーの瞳を持つ水の
絶世の美少女風であるが、アルロとの間に五人の息子を持ち、齢は三百歳を軽く超えている。
幼少期のアルロに一目惚れをし、彼が成人した折、海底神殿に詣でて来た時を狙ってハニートラップを仕掛け、父親の大精霊の後押しを得て見事アルロの妻の座を射止める。後に『死の契り』を互いに取り交わす程の溺愛夫婦となり、五人の息子を儲ける。
たおやかな見た目と裏腹に、性格は天真爛漫でかなりボケている。楽しいものが大好き。よく海洋生物に憑依してアルロの許へとやってくるが、以前ウツボに憑依し地上に出た時は呼吸困難で死にかけた。
息子達の意中の女性であり、『女神様の愛し子』でもあるエレノアの事は、一目見た瞬間から気に入っており、「将来絶対、息子達の嫁にする!」と固く誓っている。
●アーウィン・ヴァンドーム
ヴァンドーム公爵家長男。
父親譲りの明るい濃紺の髪と瞳、大柄な体躯を持つ美丈夫。そして内面も父親に瓜二つと言われており、豪快で大らかな上、愉快な事が大好き。
船上で調子に乗り、上半身を晒してエレノアを憤死させかけた事により、オリヴァーに『歩く強制猥褻』という不名誉な二つ名を付けられている。
溺愛している末っ子が興味を示しているエレノアを見て見たいと、精霊島への案内役の船長に扮していた。実は姫騎士のファンでもあった事が後に明かされている。
一時期は他の女性達と同様、エレノアがベネディクトの事を傷付けたと誤解をしたが、後に真相を知り、深く反省をしている。
そしてエレノアと接し、その愛らしさと優しさ。そして面白さに心を撃ち抜かれ、彼女との婚約を切望するようになった。
ベネディクトと同じぐらいエレノア砲(天然のボケ)に被弾しており、思い出し笑いが止まらなくなるという発作に悩まされている。
●クリフォード・ヴァンドーム
ヴァンドーム公爵家次男。
明るい濃紺の髪と、コバルトブルーに翡翠色を溶かしたような瞳を持つ、
父親や長男の補佐をしており、ヴァンドーム公爵領の財務の一切を取り仕切っている。……が、自分で漁に出て仕留めた獲物を食卓に出したりするなど、その見た目に合わず、しっかり海の男としての豪胆さも持ち合わせている。
溺愛している弟や、尊敬している長兄がエレノアに向ける憧憬に興味を持つ。そして本人と直接対話を行い、その『転生者』としての博識や優しさ、そして面白さに心を撃ち貫かれ、他の兄弟達同様エレノアとの婚約を切望している。
●シーヴァー・ヴァンドーム
ヴァンドーム公爵家三男。
明るい濃紺の髪と、青みがかった明るめのエメラルドグリーンの瞳を持つ、第三勢力ばりに柔和で女性的な美貌を持った青年。
柔和で優し気な見た目に反し、身内や自身が信用した相手以外には非常に淡白で冷静。
領内にいながらにしてあらゆる情報を入手し、父と公爵家を支えている。
将来は諜報部や『影』を統率する爺の後継として期待をされているのだが、なにぶん一匹狼気質なので、「面倒くさいから嫌です」と、思い切り渋って家族を悩ませている。
エレノアが溺愛する末っ子を傷付けるような少女だったら揶揄ってやろうと、『
エレノアを篭絡するつもりが逆に返り討ちに遭い、心底惚れてしまう。そして他の兄弟達同様、エレノアとの婚約を切望するようになった。
●ディルク・ヴァンドーム
ヴァンドーム公爵家四男。
明るい濃紺の髪と、どこまでも晴れ渡る南国の空のような青い瞳を持つ、天真爛漫系美少年。
体躯は長兄や末っ子と同じく、ガッシリとしている。ディランのように、ヴァンドーム領の内外の軍権を持ち、長兄と共に領内の治安の維持に努めている。
その屈託のない大らかさから、明るい脳筋のように見られているものの、実はかなり思慮深く策士。海洋領地を治める血統の通り漁が趣味。初めてエレノアを目にした瞬間、一目惚れをしている。
更には可愛い末っ子を庇い、損得抜きで、ヴァンドーム公爵領の領民達の慢性疾患を癒す食材を提供しようとしてくれたその優しさに深く心酔し、他の兄弟達同様、エレノアとの婚約を切望している。
●ベネディクト・ヴァンドーム
ヴァンドーム公爵家の五男。
父親譲りの明るい濃紺の髪と瞳、そして大柄な体躯を持っている。エレノアとは一つ違いで、王立学院での後輩。
家族以外に対して表情を殆ど崩さず、口数も少ない。エレノアの事を密かに観察しているようなそぶりを見せていた。
ヴァンドーム公爵家の家門であるウェリントン侯爵の一人娘、キーラの筆頭婚約者であるが、キーラに対してあまり良い感情を持っていなかった。後に婚約は破棄される予定。
家族仲は良好そのもの。末っ子として家族中から溺愛されている。
母親である大精霊の血を最も濃く受け継いでいる為、海の中で魔力を使うと耳が半透明のヒレのような形状となってしまう。その事を兄の元婚約者やキーラ達に蔑まれており、女性不信だった。
だが、エレノアの優しさに触れ、素直で真っすぐな気性を前面に出すようになった。
現在進行形でエレノアに惹かれており、エレノアとの婚約を強く望んでいる。
●ジャレット・アストリアル
アストリアル公爵家当主。北方の国境を守る辺境伯でもある。群青色の瞳と、ダークシルバーの髪を持つ、美しいが少し神経質そうな容姿をした痩身な紳士。
良質な木材や加工に適した土壌が豊富に採れる自然豊かな土地柄ゆえ、工芸品や芸術品を産み出す職人を手厚く保護しており、ドワーフの優れた職人の数多くが、この領土に移住している。
中には『黒青磁』など、門外不出とされる芸術品もあり、『アストリアル産』と名が付いたものは、全て超一流品と認められるのと同義とされている。
嫡男であるジルベスタが、ノウマン公爵家令嬢であるレイラ・ノウマンと婚約していた。
●ジルベスタ・アストリアル
アストリアル公爵家嫡男。ノウマン元公爵家令嬢のレイラの元婚約者。
群青色の瞳と、ダークシルバーの髪を持つ、理知的な美形。(エレノア曰く「モノクルが似合いそう」)
グロリス元伯爵のお茶会の場でエレノアと初めて出会い、エレノア愛らしさと心根に心酔。自身も婚約者にならんと画策している。
オリヴァー達に阻まれ、エレノアに求婚する事も出来なかったが、エレノアのデビュタントに招待客として参加し、直接挨拶をする事に成功する。
エレノアに心酔する他の貴族令息達同様、密かにシリルの『魔眼』によって、己の中のエレノアへの恋情を増幅させ、操られそうになった。だが間一髪のところで、エレノアが舞った剣舞により、正気を取り戻した。
●リオ・ノウマン
ノウマン公爵家当主。(現在は侯爵家に降格)赤銅色の髪とはしばみ色の瞳を持つ美丈夫。
四大公爵家の中では一番歴史が浅い家柄で、この公爵家の中では一番若い。
所有する領地も農耕に不向きな土地柄な上、ダンジョンの所有数も決して多くない。
だが、ダイヤモンドやエメラルドといった、主に宝石を産出する鉱山を多く所有しており、品質も超一級品ばかりな為、アストリアル公爵家と組んで国内外に手広く販路を広げ、財を成している。
愛娘であるレイラが、クライヴに懸想している為、エレノアの婚約者を自分の息子に変更させようと、釣書をバッシュ公爵家に送りつけた。
レイラの所業に対する責任を取り、降格処分を受け入れた後、息子のカミールに当主の座を譲る。
●レイラ・ノウマン
ノウマン元公爵家令嬢。豪奢な金髪と翡翠色の瞳を持つ美少女。
クライヴと出会った瞬間、彼に夢中となる。家の権力でクライヴと恋仲になろうとした過去があるが、クライヴがエレノアと婚約した事により、失敗している。
逆メイクアップ眼鏡の着用を止めたエレノアの愛らしさと男子生徒達の彼女に対する崇拝ぶりに、敵愾心を募らせていた。
グロリス伯爵の奸計に乗り、結果的にボスワース辺境伯を手助けしたとされ、現在は廃嫡のうえ、バトゥーラ修道院に収監されている。
●カミール・ノウマン
ノウマン公爵家の嫡男。(現在は侯爵家に降格)父親と同じ、赤銅色の髪とはしばみ色の瞳を持つ美少年。
オリヴァーが会長を務める生徒会の副会長。獣人王国の王女達とエレノアの戦いを見た後、他の男子生徒達同様、エレノアを姫騎士として崇拝している。
姉であるレイラがエレノアをよく思っていない事を指摘し、エレノアに何かしたら容赦しないと牽制していた。
姉であるレイラの処分に伴い、侯爵家に降格されたノウマン家を、王立学院卒業と同時に継ぐ予定。
オリヴァーの計らいにより、次期生徒会長に指名される。
●リック・ウェリントン
ヴァンドーム公爵家の家門の一つ、ウェリントン侯爵家当主。オレンジブロンドの髪とペリドットグリーンの瞳を持つ、一見優美な痩身の紳士。
『男性血統至上主義』を掲げる派閥の中でも、強硬派の筆頭であり、帝国人を祖に持つ。帝国が『男性上位主義』である事から、女児の誕生が尊ばれるアルバ王国において、キーラが生まれた時、「男子ではない」という事であからさまに落胆した過去がある。
どうやら帝国と繋がりがあるようで、王家や主家であるヴァンドーム公爵家に対しても、心の中では見下している。
ベネディクトの事も、「平民の血が入った卑しい半端者」と蔑んでいるが、とある目的の為に、娘であるキーラとの婚約をアルロに進言し、了承されている。
●キーラ・ウェリントン
ウェリントン侯爵家の一人娘。父親譲りのオレンジブロンドの髪とペリドットグリーンの瞳を持つ美少女。
幼そうな見た目通りの幼稚で浅はかな言動を繰り返しているが、その実それらを計算づくで行っているような節が見受けられる。(エレノア曰く「エセゆるふわ令嬢」)
何か特殊な『力』を持っているようで、エレノアの周囲は警戒を深めていたが、後にその能力が相手の気持ちの『反転』である事が判明する。
三大公爵家のヴァンドーム公爵家五男、ベネディクト・ヴァンドームを筆頭婚約者に持っているが、仲はあまりよくない。彼の身体変化の事を知っており、そのことでベネディクトの事を内心では馬鹿にし毛嫌いしている。
エレノアの咲かせる野花(ぺんぺん草)により、自身の『力』が上手く学院で発揮されない事にイラついているが、そうなっている原因については気が付いていない。
自身よりも劣る女性達が、無条件に男性に大切にされている事に不満を持っており、エレノアの事も「自分よりも遥かに劣るくせに、運の良さと家柄だけでもてはやされている」と、憎悪に近い感情を抱いている。
【その他】
●ワーズ
ダンジョン妖精。果物が大好物で、それを利用し捕らえられた後、以前、エレノアが歪む要因となった子爵家の次男の手により、オリヴァーを殺す為に、ベビーダンジョンへと送り込まれ、疑似スタンピードを起こす。
その後、エレノアの手により解放された。
エレノアの事をとても気に入っており、自分の『名』を預け、何かと出没するようになる。
●ぴい
丸々としたオレンジ色をした、マテオの連絡鳥。胸の白い綿毛部分がチャームポイント。リアムに己の恋心を伝えるという任務が主だったが、一回目で失敗して以降、そのお役目は未だ果たされていない。
今ではもっぱら、エレノアとの交換日記的立ち位置となっている。
エレノアの事はマテオと同じぐらい大好きで、第二のご主人様として慕っている。
●ポチ
黒曜石のように艶やかな鱗に優美で巨大な肢体を持ち、背には複雑な文様が浮き出た大きな羽を有している、世界でも数頭しか確認されていない
グラントが冒険者時代、襲い掛かったところフルボッコにされ、従魔となった。
グラントの強さに心酔し、絶対服従している。だが密かに、彼の名付けのセンスに不満を持っているようである。
●オーウェン・グレイソン
エレノア達の同級生であり、王宮第一騎士団団長の息子。
過去において婚約者を失っているが、それの原因がエレノアだと勘違いし、エレノアを罵倒するものの、その後リアムにより真実が明らかとなった。
「学院を卒業するまで、上位10位以内に入り続ける事」を条件に、王家からの処罰を免れる。
その事で深くエレノアに感謝し、騎士の誓いを捧げようとしたが、セドリックとリアムに返り討ちに遭った。
●マダム・メイデン(本名:ライナー)
グラントの昔の相棒であり、男でありながら女性の心を持った
グラントらに要請され、女人禁止の自分の店にエレノアを迎え入れた。
その結果、自分の事を「母と呼びなさい」と言ってしまう程エレノアの事を気に入った。
エレノアの自信の無さの原因を作ったグラント達を〆た後、エレノアに対して「自分自身をちゃんと見つめて、大切にしてあげなさい」とアドバイスをした。
●マリアンヌ
『
誰よりも女性らしいが、誰よりも男らしい見た目に辛い思いをする事が多かった。
エレノアに、人生初めて初対面で『お姉様(オネェ様)』と呼ばれ、女扱いされた事により感涙する。
●ジョナサン・ヘイル
ウェーブかかった灰色の髪に、金のメッシュを施した長めの髪と翡翠色の瞳を持つ、社交界きっての人気デザイナー。バッシュ公爵家と専属契約を結んでいる。
ヘイル男爵家の三男坊だが、実家とは絶縁している。
エレノアの事を実の妹のように可愛がっているが、可愛がり方が第三勢力独特のツンデレ仕様な為、どう見ても揶揄って遊んでいるようにしか見られない。
エレノアを着飾らせたいのに、ジャージやらつなぎ服やら、ロクなものを作らせてもらえないのが目下の悩み。
だがその一方で、エレノアの斬新なアイデアに触発され、新たなる流行を作り上げる事もしばしば。
●ブランシュ・ボスワース
アルバ王国北方に位置する、ユリアナ領を守る辺境伯である、ボスワース家現当主。
エレノアの母親であるマリアの現在の恋人。青みがかった紫紺の髪と瞳を持つ美丈夫。
アルバ王国内で最も魔物発生率が高く、そして隣国との小競り合いも多いユリアナ領を、その絶対的な武力と統率力で守護する猛者。グラントにもその実力を称えられており、思慮深い人格者としても知られている。
一目見た瞬間から、エレノアを恋い慕っており、エレノアを最終的に自分のものにする為にバートンと協力関係を結んだ。
実は禁忌とされる『魔眼』を持って生まれたが、父であるロレンスがそれを秘匿していた。
エレノアを欲しいという欲が、『魔眼』により増長され、最終的に『魔眼』にその心身を侵食されてしまう。
●ケイレブ・ミラー
辺境を守護する辺境伯家の中でも屈指の力を誇るボスワース家直下の魔獣討伐部隊『ユリアナの饗乱』の総大将。
エルフの血ゆえ精霊を使役し、転移門を作る事が出来る程の魔力を有している。
エルフの父と人間の母を持つハーフであり、生家に捨てられたところを、ブランシュの祖父と、その父であるロレンスにより拾われ、ロレンスとは兄弟同然に育てられた。
ロレンスが魔物討伐で命を落とした後は、ブランシュを我が子のように慈しみ守り続けた。
実母やロレンスの恋人の事もあり、心の底では『女性』を嫌っている。
エレノアに恋狂い、『魔眼』に侵食されていくブランシュを止める事が出来ず、そのまま命運を共にし、ブランシュの本懐を遂げさせようと画策する。
エレノアの優しさと強さに触れ、最終的には己の所業を悔い、牢の中でエレノアに心からの謝罪をする。
●ロレンス・ボスワース
アルバ王国北方に位置する、ユリアナ領を守る辺境伯である、ボスワース家前当主(故人)。父親と共に森でケイレブを拾う。
ケイレブを兄弟のように可愛がり、成長した後も腹心とし、共にブランシュを育てた。
ブランシュの母親を心の底から愛し、捨てられ利用されてもその愛は揺らぐことはなく、彼女が亡くなった後は生きる気力を失い、魔物討伐の際命を落とした。
●レオ・ネルソン
ボスワース辺境伯家騎士団長。
幼い頃より、ケイレブに師事し、師としてケイレブを慕っている。そのケイレブには「表舞台でユリアナ領を守れる男になれ」と言われていた。
ブランシュとケイレブの計画を知り、苦悩しながらもケイレブの指示に従い行動する。
●シャーロット・コヴィー
コヴィー伯爵家の一人娘。ゆるくウェーブのかかった赤い髪と青い瞳を持つ美少女。
二年生となったエレノアの同級生であり、『姫騎士同好会』の会員。
エレノアへの萌えを糧に、学業を頑張るツンデレ令嬢。
●エラ・フォスター
フォスター子爵家の一人娘。サラサラのプラチナブロンドと、蜂蜜色の瞳を持つ美少女。二年生となったエレノアの同級生であり、『姫騎士同好会』の会員。
エレノアへの萌えを糧に、学業を頑張るツンデレ令嬢。
●クロエ・ロイグ
ロイグ伯爵家の一人娘。艶やかな黒髪とシルバーブルーの瞳を持つ美少女。
二年生となったエレノアの同級生であり、『姫騎士同好会』の会員。
エレノアへの萌えを糧に、学業を頑張るツンデレ令嬢。
●ヘイスティング
黒髪黒目を持ち、長髪を一つ縛りにまとめている細身の青年。どことなく東洋風の、この世界ではごく一般的とされる容姿をしている(つまり前世ではしっかりイケメン)。
キーラの専従執事としてヴァンドーム公爵家本邸までやって来たが、キーラの能力を使い、ヴァンドーム公爵家本邸を混乱の渦に突き落とした。
その正体は、帝国の属国である貧乏な小国に生まれた『転生者』であり、その能力に目をつけた帝国の第二皇子マルスにより身体を乗っ取られ、無理矢理『青潮』の元となる虫を作らされた。
●フルビア・ハイエッタ
ハイエッタ侯爵家の令嬢。実家である侯爵家はヴァンドーム公爵家の家門であり、ウェリントン侯爵家同様、強硬派の派閥に入っている為、監視の意味を込めてアーウィンの婚約者となった。
だが、ベネディクトを悪し様に罵った事によりアーウィンの逆鱗に触れてしまい、デビュタントの折に大恥をかくように誘導され、自分から婚約を解消するように仕向けられた。
その後は良縁に恵まれず、オリヴァーに目をつけ婚約者の座に収まろうとするものの、激怒したオリヴァーによって、更なる恥をかかされることとなった。
【獣人関係】
●ヴェイン・シャニヴァ
シャニヴァ王国の王太子であり、正妃が産んだ息子。輝くような銀髪と鋭い金色の瞳を持つ美少年。身体能力に特化した獣人の中において、群を抜いた魔力量を持つ。狼の獣人であり、レナーニャは同腹の姉である。
父である国王から、アルバ王国を内部から制圧する密命を受け、短期留学生としてアルバ王国へとやって来た。
獣人特有の選民意識を強く持ち、人間を見下していたが、その人間であるエレノアが自分の番である事に強く戸惑っている。
今現在、嫌悪と愛しさの相反する気持ちに突き動かされ、なにくれとなくエレノアに暴言を吐いたり突っかかったりしている。特にエレノアの婚約者やエレノアに懸想している男に強い嫉妬と憎悪を向けている。
エレノアと王女達との試合と同時期に、アルバ王国と結託した東方連合軍がシャニヴァ王国と交戦し、祖国が滅ぼされ消滅。その後、東方連合国に引き渡される。
●レナーニャ・シャニヴァ
シャニヴァ王国の第一王女。白金の髪と金色の瞳を持つ妖艶な美女。正妃である母親譲りの強い魔力と妖術を使う事が出来る。狐の獣人であり、ヴェインは同腹の弟。
父である国王から、アルバ王国を内部から制圧する密命を受け、短期留学生としてアルバ王国へとやって来た。
獣人特有の選民意識を強く持ち、自分の美貌と力に絶対の自信を持っている。人間は全般的に劣等種族とみなしているが、特に女性を見下している。
オリヴァーが自分の番である事を知り、自分の夫となるように命じるが、すげなく断られた。その原因であるエレノアに対し、激しい嫉妬と憎しみを向ける。
侍女たちの命を盾に、『娶りの戦い』をエレノアに仕掛けるものの、破れる。
エレノアとの試合と同時期に、アルバ王国と結託した東方連合軍がシャニヴァ王国と交戦し、祖国が滅ぼされ消滅。その後、東方連合国に引き渡される。
●ジェンダ・シャニヴァ
シャニヴァ王国の第二王女。金色の髪と瞳を持つ、大柄でグラマラスな美女。虎の獣人。父である国王から、アルバ王国を内部から制圧する密命を受け、短期留学生としてアルバ王国へとやって来た。魔力はさほど強くないが身体能力が高く、拳で丸太を破壊する程の剛腕を持っている。
獣人特有の選民意識を強く持ち、姉妹達同様人間を劣等民族と見下している。本能的にアルバ王国の男達の強さと美しさに惹かれ、褥に誘うも誰からも相手にされず、不満と怒りを募らせている。
クライヴに強く興味を持つが相手にされず、彼の婚約者であるエレノアに姉同様、強い嫉妬と憎しみを向けている。
侍女たちの命を盾に、『娶りの戦い』をエレノアに仕掛けるものの、破れる。
エレノアとの試合と同時期に、アルバ王国と結託した東方連合軍がシャニヴァ王国と交戦し、祖国が滅ぼされ消滅。その後、東方連合国に引き渡される。
●ロジェ・シャニヴァ
シャニヴァ王国の第三王女。黒い髪と瞳を持ち、浅黒い肌を持ち、小柄ながらしなやかな肢体を持つ美女。黒豹の獣人。
父である国王から、アルバ王国を内部から制圧する密命を受け、短期留学生としてアルバ王国へとやって来た。魔力はさほど強くないが身体能力が高く、相手の目に止まらぬ程俊敏に動く事が出来る。
獣人特有の選民意識を強く持ち、姉妹達同様人間を劣等民族と見下している。本能的にアルバ王国の男達の強さと美しさに惹かれ、褥に誘うも誰からも相手にされず、不満と怒りを募らせている。
ジェンダ同様、クライヴに強く興味を持つが相手にされず、彼の婚約者であるエレノアに姉同様、強い嫉妬と憎しみを向けている。
侍女たちの命を盾に、『娶りの戦い』をエレノアに仕掛けるものの、破れる。
エレノアとの試合と同時期に、アルバ王国と結託した東方連合軍がシャニヴァ王国と交戦し、祖国が滅ぼされ消滅。その後、東方連合国に引き渡される。
●ミア
シャニヴァ王国出身の、真っ白い髪と赤い目を持つ兎の獣人。王女達のメイドとしてアルバ王国に同行した。
草食獣人らしく、大人しく控えめな性格。エレノアから密かに「ウサミミ!触りたい!!」と、その真っ白でフワフワの耳に触る事を熱望されていた。
アルバの男性達に愛を囁かれる(本人は戸惑っている)事を、主人である王女達に嫉妬され、暴行を加えられたところをエレノアに助けられ、ディランにより王家に保護される
シャニヴァ王国消滅後、命を助けてくれたエレノアの優しさと強さに深く心酔し、エレノア付きのメイドとしてバッシュ公爵家に就職する。
最近、エレノアの専属従者仲間のウィルの事が気になっている。
●ノラ
ミアと同じ、シャニヴァ王国出身のリス獣人で、王女達のメイドとしてアルバ王国に同行した。
小柄でフワフワの尻尾が特徴。ミア同様、エレノアに助けられ、心の底から感謝をしている。
王宮でアリアの侍女として働いていたが、グラントの部下の騎士達と恋仲となり(エレノア曰く、捕食された)妊娠した事を切っ掛けに、エレノアの母であるマリアに乳母としてスカウトされ、現在マリアの傍で働いている。
●ガイン
レナーニャ第一王女付きの護衛兼愛人。虎の獣人で、父親はシャニヴァ王国将軍。
レナーニャを一途に愛しており、レナーニャが番と恋い慕うオリヴァーに対し、激しい嫉妬と憎しみを抱いている。
【帝国関連】
●シリル
帝国の第四皇子であり、王位継承権最高位を持つ、黒曜石のように艶やかな黒い髪と瞳の美少年。
長年帝国が行ってきた、『異世界召喚』が13年前から出来なくなった為、各国の魔力の高い女性達を得る手段として、リンチャウ国を使い、人身売買を行っていた(後に発覚し、アルバ王国に潰される)
他人の『欲』を増幅し、操る魔眼を持ち、最終的にその対象の生命力を糧に、何倍もの力を引き出す『狂人化』をさせる事が出来る。
エレノアが転生者である事を見抜き、『こぼれ種』として自分のものにしようと画策するものの、アルバ王国の男達に返り討ちに遭い、瀕死の重傷を負わされ、最終的には母違いの兄であるセオドアにより、助け出された。
●デヴィン
シリルに絶対の忠誠を誓う帝国人。魔力無効化の『魔眼』を所有している。
バッシュ公爵家本邸に間者として潜り込んでいたが、エレノアが『こぼれ種』である事を知ったシリルの命により、『
その後、エレノアのデビュタントでバッシュ公爵家全体に魔力無効化を施し、オリヴァー達の魔力を直接使えないようにした。
その正体は、バッシュ公爵家騎士団副団長である、アリステア・マキシミリオン。
エレノアを手中に収めようとしたところを、実は同郷であったティルにより阻まれ、最終的にフィンレーにより五感を奪われ、虜囚となった。
●セオドア
帝国の第三皇子であり、漆黒の髪に紫暗の瞳を持つ、飄々とした雰囲気の美青年。
母親がアルバ王国から拉致された、元平民の愛妾であった為、皇位継承権が最も低い。が、本人にそれを気にする素振りは見られない。
今回、シリルが『こぼれ種』を得る為の計画に一枚噛む為に、バトゥーラ修道院の襲撃の案をシリルに持ちかけ、実際に成功させる。
転移に特化した『魔眼』を所有しており、捕らえられそうになったシリルとフローレンスを連れ、バッシュ公爵領から逃亡する。
鼻持ちならない我儘な女を調教する事を趣味としている。
●マルス
帝国の第二皇子であり、漆黒の髪と瞳を持つ美青年。
『転移者』である母親から生まれており、今までは第四皇子のシリルよりも継承権が下であったが、シリルの失脚からその継承権を大いに上げている。
ヴァンドーム公爵家の家門であるウェリントン侯爵家と裏で繋がっており、自分を慕うキーラを利用し、ヴァンドーム公爵家を潰そうと画策する。
所有する『魔眼』の能力は精神支配系統であり、『魂の同調及び支配』。
その能力を使い、『転生者』であるヘイスティングを操り、ヴァンドーム公爵領の海域に『青潮』を発生させた。
◇◇世界について◇◇
この世界では、大陸はザックリと東西に分かれている。
東の大陸は、獣人やエルフ、ドワーフ、巨人族といった、主に亜人種達が暮らしていて、様々な種族が国家ないし集落を築いている中、身体能力が高く、好戦的な獣人達が大国として覇権を握っている。
西の大陸は主に人族が暮らし、大小様々な国家を形成している。エレノア達の住まうアルバ王国は大国と呼ばれている国の一つである。
どの国家においても女性不足は深刻な問題で、人族においては大体30人に一人程度しか女性が生まれない。精力旺盛で繁殖能力が強い獣人達でも、女性の数は男性の1/2程度である。それゆえ一部の国家を除いて、どの国でも女性はとても大切にされている。
【アルバ王国】
別名『精霊が宿る国』と呼ばれている。西の大陸随一の大国。貴族達の統べる領地も、どの精霊が多くいるかで気候や風土が変わる為、特産品や伝統が各地域で全く異なっている。その為、他国からの輸入に頼る必要がない。完全なる内需国家。
各地域で唯一共通しているのは、ダンジョンが他国に比べて非常に多いという事である。特にクロス伯爵領はダンジョン発生率が突出して多く、その恩恵も莫大なものとなっている。
ちなみにバッシュ公爵領は、通年通して温暖な気候と肥沃な大地を有し、穀物や果物の一大産地として知られている。エレノアはいずれ領内でお米を生産したいと目論んでいる。
アルバ王国は女性を大切にする国家の中でも、女性至上主義が徹底されている上、他の国で不遇を強いられた者や、犯罪に巻き込まれたりした女性の保護や受け入れも積極的に行っている。その為、他国よりも圧倒的に女性の数が多く、出生率も高い。
更に、少ない女性達に率先して選ばれ、次代に自分の血を残さんが為、容姿も含めた自分達の能力を向上させて来た結果、男性達の顔面偏差値が異常に高い国となった。それに対し、女性は容姿も能力も平均してごく一般的である。
エレノアはこれについて、「雌に選ばれる為、たゆまぬ努力を繰り広げた結果、パプアニューギニアの極楽鳥や庭師鳥のように進化したのでは?」と自分なりに分析している。ついでに男性に比べて女性がごく一般的なのは「何をしなくても男性が群がるから、そういう意味で進化しなかったのでは?」と推測している。
【シャニヴァ王国】
獣人達の暮らす国。東の大陸において、最も力を持っている国家である。
戦闘民族であり、身体能力は他の亜人種や人間とは比べ物にならない程突出している。その代わり、魔力量はさほど多くない。
選民意識が強く、肉食獣の部族と草食獣の部族との間には、絶対なるヒエラルキーが存在している。
精力が旺盛で繁殖力が強い為、他の亜人種国家に比べて人口が多く、女性の数も多い。
『力こそ全て』という価値観の為、王族、貴族、部族長はほぼ肉食獣の獣人で占められている。貴重な女性も下位種族出身であるというだけで、ぞんざいに扱われる事が多い。
基本、獣人族以外の種族を見下しているが、人族はその中でも最たる劣等民族と蔑んでいた。だがここ数年で、人族を使って産ませた子供は獣人の優れた能力をそのまま継承させる事が出来ると知り、人族を使ってより多くの優れた子供を作ろうと、人族国家を植民地化しようと企んでいたが、アルバ王国にその企みを看破され、滅ぼされる。
【帝国】
西大陸において古くから在るとされる、アルバ王国と同等の国力と領土を持つ軍事大国。一説によると、魔人を祖に持つとされている。
それを証明するように、高い魔力を誇り、皇族や高位貴族を中心に『魔眼』保有者が多い。
女性の数が激減した頃より、幾度となく『異世界人召喚』を行い女を得ていた。
女性を愛し尊び、選ばれる為に己の能力を高める形で力をつけていったアルバ王国を見下しているが、同時に警戒もしている。
十三年前から『異世界人召喚』が出来なくなり、他国の転移者や転生者を密かに狩りまくっている。
それは、彼等がそもそも自分達の行った『異世界人召喚』から零れ落ちた者達であると信じているからである(ゆえに、転移者・転生者の事を、帝国では『こぼれ種』と呼んでいる)
今現在、エレノアがその『こぼれ種』であると確信し、その身を狙っている。
だがその一方で、第二皇子マルスのように、エレノアが過去において帝国が衰退する原因となった『姫騎士』の再来である事を警戒し、命を狙おうとする者もいる。
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