第100話 【登場人物紹介と世界観について】
◇◇登場人物紹介◇◇
【バッシュ家関連】
●エレノア・バッシュ(現13歳)
バッシュ公爵家の一人娘。ヘーゼルブロンドの髪と、インペリアルトパーズのような黄褐色の瞳を持つ美少女。『土』の魔力保持者であり、転生者。
9歳の時、唐突に前世を思い出す。元は日本人で『真山里奈』という19歳の少女だった。9歳までエレノアとして過ごした記憶や常識などを一切忘れてしまった為、無駄に顔面偏差値の高い男性陣に囲まれ、傅かれて奉仕される事にはいまだに困惑している。
前世において、彼氏いない歴=実年齢という喪女であった為、兄達やロイヤル軍団の顔面破壊力にやられ、鼻血を噴く事もしばしば。(今現在はどうにか改善されている)周囲に常軌を逸した美形が多い為、自己評価が限りなく低い。エレノアを溺愛する兄達や父達の策略で、外に出る時はわざと不器量な外見にさせられている事も、自信が持てない一因となっている。だが、この世界の女性では有り得ないとされる、初々しさや恥じらいを持ち、更に優しく素直な性格な為、接する男性達のことごとくを虜にしている。
後に、グラントの元冒険者仲間であり、『
兄達や父親達に、余計な情報や知識(主に男女間のあれこれ)を与えられていない為、考え方や価値観が前世寄りで、その結果、ナチュラルに周囲を翻弄する事が多い。
婚約者に、異父兄のオリヴァーとクライヴ、そしてオリヴァーの異母弟であるセドリックがいる。
最近、リアムとアシュルが自分に恋をしていると知り、「何故!?」と戸惑っている。
●オリヴァー・クロス(現19歳)
クロス伯爵家の長男。カラスの濡れ羽色とエレノアに称される、艶やかな黒髪と黒曜石のような瞳の、絶世の美貌を持つ青年。『火』の魔力保持者で、エレノアの筆頭婚約者。
エレノアの異父兄であり、クライヴの異父弟。眉目秀麗で、知力、魔力、思慮深さは他に追従を許さず、社交界において「貴族の中の貴族」と称されている。若いご令嬢方の憧れを一心に受けるが、本人はエレノア一筋で、他の女性には目もくれない。
とても穏やかな性格で、全ての者に対して優しく丁寧に接するが、エレノアに害を成す者や、エレノアを奪おうとする者に対しては『火』の属性そのままに、容赦なく牙を剥く。実際は『火』の属性そのままの気性なのを、父親を反面教師に徹底的に自制しているとの事。(クライヴ曰く「かっこつけしい」)
父親の事は尊敬しているが、父親から受けるからかいに辟易しており、事あるごとに言い合いをしている。
エレノアの事は、出逢った当初から溺愛しており、エレノアが『転生者』と知った後も、変わらぬ愛情を注ぎ続けている。
全てにおいて完璧であるが、心を許した相手に対しては子供っぽい一面も見せる。第三王子であるフィンレーとは、一目見た瞬間、互いに「敵」認定をした。彼と衝突している姿を見たエレノアからは、「ひょっとして、兄様ヤンデレ?」との疑いを持たれている。
●クライヴ・オルセン(現20歳)
オルセン子爵の一人息子。輝く銀髪とアイスブルーの瞳を持つ青年。『水』の魔力保持者で、エレノアの婚約者&専従執事。
エレノアやオリヴァーの異父兄。オリヴァーの異父弟であるセドリックの事も、実の弟のように可愛がっている。
オリヴァーと張る程の怜悧な美貌を持っているが、母親を含む、女性全般を苦手としている。エレノアの事も最初は嫌っていたが、エレノアが転生者として覚醒した後、関係が良好となり、エレノアの婚約者となる。今では心の底からエレノアの事を愛しく想っている。
粗野でぶっきらぼうに見えるが、その実人情に厚く、優しい性格をしている。その為、リアムに対して冷たい態度に徹し切れていない。だが『敵』だと判断した相手には冷徹になり、一切容赦をしない。エレノア曰く「自分達兄弟妹、全てのオカンポジ」
『ドラゴン殺し』の異名を持つ英雄を父に持ち、剣技や武術に秀でている。また魔力量もずば抜けており、いずれ英雄の父をも超えると噂されている。父親は尊敬しているものの、うっとおしくも思っている。
エレノア以外の女性には冷たく接するが、ご令嬢方の求愛行動が止まず、苦労している。エレノアには密かに「巨乳好きでは?」と思われている。
●セドリック・クロス(現12歳(もうすぐ13歳))
クロス伯爵家の次男。深い茶色の髪と瞳を持つ少年。『土』の魔力保持者で、エレノアの婚約者。
オリヴァーの異母弟で、クライヴの事も「兄」と呼んで慕っている。父親や兄達には劣るが、エレノアに「将来の大有望株」と称される程の美少年。「最近、謎の色気が出て来た」とエレノアに言われている。
過去、自分の母親に虐待されていた経歴を持ち、容姿、実力共に完璧とも言える父や実兄に対して深いコンプレックスを持っていた。だがエレノアと出逢った事により、「自分を変えたい」と思うようになる。今では父と兄から距離を取るのではなく、自分が目指すべき目標と定め、積極的に教えを請うようになった。
エレノア同様、天然な所があり、性格は穏やかで優しく、気配り上手。エレノアからは「癒し要員」と言われている。――が、末っ子特有の要領の良さも併せ持っている。
趣味は料理で、特にお菓子作りの天才。エレノアがずっと食べたいと希望した和菓子の再現にも成功している。(今現在は抹茶作りの研究に着手している)
エレノアを一途に愛し、ライバルには兄達同様、割と容赦をしない。リアムとは、互いにエレノアを巡るライバルであり親友。最近、エレノアがリアムの想いを知った事により、ライバルとしてリアムと対立する事が増えた…が、エレノアの天然に翻弄されるリアムに対し、同情&激励する事もしばしば。
●アイザック・バッシュ
バッシュ公爵家の現当主であり、エレノアの父親。鮮やかな赤い髪とエレノア同様、インペリアルトパーズのような黄褐色の瞳を持っている。『火』の魔力保持者で次期宰相。
穏やかで優しい性格をしており、協調性と話術に長けている為、誰とでも上手く接する事が出来る。また、かなりの切れ者でもあり、現宰相のワイアットから直接次期宰相職を譲りたいと打診されていた。だが本人は「娘との時間が無くなる」と言って断り続けていた。
とにかく娘であるエレノアを溺愛しており、周囲をもドン引きさせる程のレベルである。
王家の信頼も厚いが、本人はエレノアを奪われるのを警戒している為、王家に対しては割と辛辣。というか、国王であるアイゼイアと常に「クビ上等!」なガチバトル(言い合い)を繰り広げている。
メルヴィルとグラントとは、王立学院時代からの親友。グラント経由で知り合ったメイデン(出会った時は本名のライナーと名乗っていた)に、一途な恋心を向けられている。エレノアがメイデンの事を「第二の母」と慕っている為、済し崩し的に貞操の危機を迎えそうで戦々恐々している。
エレノア曰く「有能だが、割と打たれ弱い」
●メルヴィル・クロス
クロス伯爵家の現当主であり、オリヴァーとセドリックの父親。オリヴァー同様、カラスの濡れ羽色のような艶やかな黒髪と、黒曜石のような瞳を持っている。『火』の魔力保持者で、宮廷魔導士団長。
若い頃から、ご令嬢方やご婦人方の人気を独占している程、麗しい美貌と優雅な所作を持つ美丈夫で、魔力量もアルバ王国有数。アルバ王国を代表する実力者の一人と称されている。だが本人は煩わしい事や面倒事を嫌い、国から要請されていた宮廷魔導士団長の地位や爵位上げを断り続けていた。だが現在、「エレノアを守る為には、肩書はいくつあってもいい」と、そのどちらも受けている。
エレノアの事を実の娘のように可愛がっており、あまりの可愛がりっぷりに、オリヴァーから嫉妬される事もしばしば。
理知的で落ち着いた見た目と裏腹に、自分の結界を破壊しかけたフィンレーに対し「クソガキ」と言ったり、グラント同様、面白い事が大好きな為、エレノアには「見た目に反しておちゃめな性格をしている」と言われている。特に息子をからかって遊ぶのが好き。グラントとアイザックとは、王立学院時代からの親友。
●グラント・オルセン
オルセン子爵家の現当主。クライヴの父親。クライヴ同様、輝く銀髪とアイスブルーの瞳を持っている。『水』の魔力保持者で、軍部総大将(将軍)。
若い頃から、メルヴィルとご令嬢方やご婦人方の人気を二分する程の魔力量と美貌を持った美丈夫だが、本人は「女より魔物討伐」がモットーの、かなりの脳筋。
だが、脳筋ゆえに、その場その場の最善を無意識的に選ぶ特技がある。エレノアの自信の無さを息子達に相談された時、即座に『
世界を股にかけた冒険者であり、ドラゴンを打ち倒した程の剣技を持つ『英雄』。その功績から一代限りの男爵位を王家から賜っていたが、それ以上の地位は「めんどい」「かったるい」と断り続けていた。だがメルヴィル同様、「エレノアを守り、尚且つ傍にいられる為」に、ずっと断り続けていた将軍職を拝命し、その地位に合わせて爵位も賜った事により、永久貴族の仲間入りを果たした。
メルヴィル同様、エレノアを実の娘のように可愛がっている。その上、息子を弄ってからかうのが趣味な為、クライヴから非常に煙たがられている。
メルヴィルとアイザックとは、王立学院時代からの親友。
●マリア・バッシュ
バッシュ公爵夫人であり、エレノア、オリヴァー、クライヴの母親。エレノアと同じヘーゼルブロンドの髪と、杏子色の瞳を持っている。目元はエレノアより細い(グラント談)らしいが、美人クラス。
「貴婦人の中の貴婦人」と言われる程、数多の男性達と恋をし、子を成している奔放な女性。性格は裏表が無く、直情的。蓮っ葉な物言いをし、息子達と喧嘩をしても、感情論で打ち負かす程に強い。オリヴァーとクライヴが女性を苦手とする原因を作った張本人。
子供達の事は、ちゃんと大切に思っている。エレノアが転生者として覚醒する前、王子様と結婚したがっていた事を覚えており、王子であるリアムとお近づきになれるからと、エレノアを王立学院に通わせる事を決めた。
●ジョゼフ・マーティン
バッシュ公爵家の家令。白髪長身、初老のナイスミドル(エレノア曰く、イケオジ)
アイザックが幼い頃からバッシュ家に仕えており、エレノアの事は密かに自分の孫のように思っている。今現在の野望は、エレノアの子供が成人するまで傍にいてお仕えする事。常に冷静沈着に物事を取り仕切る、バッシュ公爵家のオカン的存在。実はかなりの武闘派との情報アリ。
●ウィル・ブラン
オリヴァーとクライヴに付き従い、バッシュ公爵家にやって来た、クロス伯爵家の元騎士。父親はクロス伯爵家の騎士団長。茶色い髪と目を持ち、『風』と『土(こちらはごく少量)』の魔力保持者。
オリヴァーの命令で、エレノア付きの従者となる。性格は非常に温厚で優しく、エレノアも「お兄さんみたい」と言って懐いている為、バッシュ公爵家の使用人達から嫉妬される事もしばしば。(そういう時は、皆の知らないエレノアの小ネタを披露している)
エレノアの前世的に言えば十二分にイケメンだが、この世界の基準で言えばフツメンとの事。エレノアを心から大切に思い、見守っている。気遣い魔の苦労人。
●ルーベン・ブラン
クロス伯爵家に忠誠を誓う、騎士団の団長であり、ウィルの父親。ウィルと同じく、茶色い髪と瞳を持つ。『風』の魔力保持者。大柄で、無精髭がワイルドさを引き立てている、ナイスミドル(エレノア談)
気さくで豪快な性格をしているが、場の空気を読むのが苦手。それゆえ息子のウィルが気遣い魔になったのではないかと、エレノアは推察している。
以前はエレノアの事を良く思っていなかったが、エレノア本人と接し、その人柄と愛らしさに惚れ、騎士の忠誠をエレノアに捧げた。
【王室関係者】
●アシュル・アルバ(現20歳)
アルバ王国、現国王であるアイゼイアの嫡子で、第一王子。
輝く黄金色の髪と、アクアマリン・ブルーの瞳を持っている。全属性の魔力を持つものの、主である属性は明らかにしていない。
オリヴァーやクライヴと比べても遜色ない程の甘やかな美貌を持ち、文武両道のザ・王子様というべき存在。オリヴァー達と違い、女性への気遣いや扱いは完璧で、数多の女性達と浮名を流してきた。今現在は意中の女性が出来た事により、女性と遊ぶのをスッパリ止めてしまった。
友人であるクライヴに対してのエレノアの態度に立腹し、リアムのお茶会の際、エレノアを侮辱する形で意地悪をする。が、後にそれがエレノアの演技である事を知り、深く後悔している。エレノアと直接話しをした後の、自分自身の心境の変化に戸惑っていたが、王宮で母の事を指摘され、エレノアへの想いを自覚した。そのすぐ後、オリヴァーやクライヴに宣戦布告をしている。
誰に対しても朗らかかつ、爽やかに接するが、理不尽な事を要求してくる相手や自分の愛する者を傷付ける者に対しては容赦しない。
根っからの長男気質な為、癖のある弟達や父親達に手こずる事もしばしばで、母親である聖女に心配されていた。フィンレー曰く「ああ見えて苦労人」
●ディラン・アルバ(現19歳)
アルバ王国の第二王弟デーヴィスの嫡子で、第二王子。
燃える様な深紅の髪と瞳を持ち、野性味溢れる精悍な美貌を持つ美丈夫。『火』の魔力属性を持つ。
王宮内にいるより、王家直轄のダンジョンや、地方の視察に出向く事が多いアウトドア派。攻撃魔法や剣技に特化しており、将軍であるグラントを崇拝している。
そのグラントからは、エレノアを助けてくれた恩人という事で、直々に剣の手ほどきを受けている。が、それを知らない本人は、気分屋のグラントが何で自分に剣の稽古をつけてくれているのだろうかと不思議に思っている。
エレノアとは、その王家直轄のダンジョンにヒューバードと共に視察に行った際、偶然知り合った。
男装していたエレノアの事は、最初男の子だと思っていた。だがヒューバードに女の子だと指摘され、驚愕する。その後、様々な経緯を経て、エレノアを自分の妃にと望むようになるが、ダンジョン内で生き別れ、現在に至るまで必死にエレノアの行方を捜索している。王家主催の夜会で、精神体のエレノアと邂逅し、エレノアが死んだと錯覚した後、フィンレーによってエレノアが生きている事を知った。
今現在は、フィンレーと共同戦線を張ってエレノアの行方を捜している。兄弟内では、フィンレーに対してのツッコミ要員。
●フィンレー・アルバ(現17歳)
アルバ王国の第三王弟フェリクスの嫡子で、第三王子。
漆黒の髪とエメラルドのような瞳を持ち、怜悧で理知的な雰囲気を持つ美少年。滅多に顕われる事のない『闇』の魔力属性を持つ。
他人に対してあまり興味を示さず、ほぼ王宮内にある自身の塔で、魔術の研究をしている。いわゆるインドア派。(ひきこもりとも言われている)
己が『闇』の魔力を持って産まれたせいで、聖女である母親が体調を崩した事をずっと気に病んでいた。魔術の研究も、自分の『闇』の魔力を打ち消す方法を探す為である。
たまたま精神体のエレノアと出逢い、エレノアの考え方や言葉に触れた結果、気持ちを救われる。今では『闇』の魔力を消すのではなく、いかに有効活用できるかの研究に勤しんでいる。
結構なヤンデレ気質で、
オリヴァーと出会った瞬間、互いを「敵」認定した。
●リアム・アルバ(現13歳)
アルバ王国の第四王弟レナルドの嫡子で、第四王子。
強力な『風』の魔力を持つ者に顕われるという、晴れ渡る青空のような青銀の髪と瞳を持つ。中性的で「透き通るような」と称される程の美貌の持ち主である。魔力属性は当然というか『風』。その魔力量は、クライヴをも唸らせる程。
見た目の儚さに反して、かなりの天然。実直で素直だが、ぶっきらぼうな性格をしている(母親談)。10歳の時、自分の誕生祭を兼ねたお茶会で、複数のご令嬢達に絡まれている所をエレノアに助けられ、エレノアに対して興味を持つ。
その後、アシュルと自分の両親の策略で、エレノアと共に王立学院に通う事となる。その中で、エレノアの破天荒な言動や優しさに触れ、次第に本気で惹かれていくようになる。かなりな笑い上戸でもある。
エレノアと空中散歩の約束をした事により、必死に魔力操作の修行をした結果、魔力を安定して使う事が出来るようになり、結果的にクッキーも上手く焼けるようになっている。
セドリックとは、互いにライバルであり親友。自分の焼いたクッキーがエレノアの好みどストライクであった為、セドリックにやっかまれている。…が、基本的に間が悪く、ライバルである筈のオリヴァー、クライヴ、セドリックに同情される事もしばしばな不幸体質。実の兄にも無意識的に背後から撃たれている。
●アイゼイア・アルバ
アルバ王国の現国王であり、アシュルの父親。容姿はアシュルと同じく、黄金色の髪と、アクアマリン・ブルーの瞳を持っている。王として振舞う時は厳格な雰囲気を持つが、大切な身内の前では穏やかに接する。
次期宰相のアイザックとは、先輩・後輩の仲であり、気の置けない喧嘩相手。そして口喧嘩では大体勝っている。
愛する妻との仲を結果的に取り持ってくれたエレノアをいたく気に入り、「将来の義娘」と事あるごとに言ってはアイザックの怒りを買っている。
●デーヴィス・アルバ
国王であるアイゼイアの弟で、第二王弟。ディランの父親。容姿はディランと同じく、燃える様な深紅の髪と瞳を持っている。ディラン同様快活で、兄である王の右腕として辣腕をふるっている。アシュルを揶揄うのが趣味。
愛する妻との仲を結果的に取り持ってくれたエレノアをいたく気に入っている。エレノアが実は息子の想い人である事を知らず「あの子が息子の嫁になってくれたら」と密かに思っている。
●フェリクス・アルバ
国王であるアイゼイアの弟で、第三王弟。フィンレーの父親。容姿はフィンレーと同じく、漆黒の髪とエメラルドの様な瞳を持っている。穏やかで理知的な雰囲気を持っていて、フィンレー同様、魔力が強い。
交渉事に長けており、外交のほぼ全てを取り仕切っている。妻であるアリアには「腹黒」であると言われている。愛する妻との仲を結果的に取り持ってくれたエレノアをいたく気に入っている。
●レナルド・アルバ
国王であるアイゼイアの弟で、第四王弟。リアムの父親。容姿はリアムとそっくりだが、髪と瞳の色は明るめな紺色である。アシュル達いわく「割と引きこもり」
リアム同様、不器用な性格をしている。愛する妻との仲を結果的に取り持ってくれたエレノアをいたく気に入っていて、アイゼイア同様、エレノアの事は密かに「義娘」と呼んでいる。
「エレノアと空中散歩したいから、空を飛べるようになりたい」というリアムの願いを叶えるべく、徹底的に息子を鍛え上げた。
●聖女:アリア
アシュル達の母親であり、国王や王弟達を夫に持つ『公妃』。光を含んだ柔らかい黒髪と瞳をした絶世の美女。実は16歳の時、とある事故が切っ掛けでこの世界へとやって来た『転移者』
自他共に認めるツンデレ気質で、それを見抜いたエレノアの助言(?)により、夫達が自分に対して押しまくってくるようになってしまい、今現在戸惑いながらもハネムーン期真っ盛りな状態になっている。(戸惑いながらも幸せらしい)
『光』の魔力属性と、『癒し』の力を持っている。アルバ王国国民全てにおける崇拝の対象。
【その他】
●ヒューバード・クライン
王家を守護する最強の剣と言われる、王家直属である『影』の総帥。黒い髪と瞳を持ち、イケメンだが目付きが鋭く、アサシンと言われても納得してしまう風貌をしているらしい(エレノア談)。『風』の魔力属性を持っている。
王子達の剣の指南役も務めており、今現在は主にディランに付き従っている。
職業柄、観察眼に鋭く、エレノアと初めて会った時も瞬時に女の子であると見抜き、すかさず餌付けしようとするなど、かなりちゃっかりした性格。エレノアを嫁にする等の冗談(本気?)を口にし、ディランに睨まれている。アシュルやディランに女遊びを教えた張本人。マテオの異父兄であり、宰相のワイアットの孫。唯一の弟であるマテオを非常に可愛がっているが、マテオには「女好きな兄様は穢れている!」と言われて距離を置かれている。
最近、『
●マテオ・ワイアット
現宰相ギデオンの孫であり、第四王子リアムの幼馴染にして、直属の『影』魔力属性は『水』
シルバーがかったグレイの髪と、シルバー色の切れ長な瞳を持つ美少年。
『
当然の事ながら、リアムに気に入られているエレノアを快く思っていなかったが、なんだかんだと接するうち、喧嘩友達的ポジションになっていき、終いには親友ポジに収まってしまった。(それをエレノアから言われた時、喜色満面になった)
かなりのツンデレであり、密かに可愛い物が大好き。兄であるヒューバードの事は、嫌っている素振りを見せつつも実は大好きで、エレノアの影響もあり、無意識にデレている。
●ギデオン・ワイアット
ヒューバードとマテオの実の祖父であり、現アルバ王国宰相。厳格で威圧感たっぷりなナイスミドルであるが、エレノアには好々爺な表情を見せた。
ワイアット公爵家は代々、王家の『影』を統括する家系で、本人は歴代最強と謳われた
人材発掘の一環でアイザック、メルヴィル、グラントが在校中の王立学院で講師をしていた事があり、アイザックの宰相としての才能を見出し、自分の後継に無理矢理した。(そして事あるごとに「バカ弟子」と罵っている)グラントとガチバトルで勝った事があるらしい。メルヴィルとグラントが頭が上がらない唯一の人物。
●ベイシア・マロウ
エレノア達が通う王立学院で、攻撃魔法の教師をしている男性。エレノア達のクラスの担任でもある。背中まで垂らした薄紫色の髪と瞳をしている。魔力属性は『火』
王子であろうが貴族であろうが、容赦せずに攻撃魔法をぶっ放す、ちょっとアレな人。エレノアの事も割と容赦なくこき使っているが、素直で頑張り屋のエレノアの事は、一生徒として非常に気に入っている模様。
●オーウェン・グレイソン
エレノア達の同級生であり、王宮第一騎士団団長の息子。
過去、婚約者を失っているが、それの原因がエレノアだと勘違いし、エレノアを罵倒するものの、その後リアムにより真実が明らかとなった。
「学院を卒業するまで、上位10位以内に入り続ける事」を条件に、王家からの処罰を免れる。
その事で深くエレノアに感謝し、騎士の誓いを捧げようとしたが、セドリックとリアムに返り討ちに遭った。
●マダム・メイデン(本名:ライナー)
グラントの昔の相棒であり、男でありながら女性の心を持った
グラントらに要請され、女人禁止の自分の店にエレノアを迎え入れた。
その結果、自分の事を「母と呼びなさい」と言ってしまう程エレノアの事を気に入った。
エレノアの自信の無さの原因を作ったグラント達を〆た後、エレノアに対して「自分自身をちゃんと見つめて、大切にしてあげなさい」とアドバイスをした。
【獣人関係】
●ヴェイン・シャニヴァ
シャニヴァ王国の皇太子であり、正妃が産んだ息子。輝くような銀髪と鋭い金色の瞳を持つ美少年。身体能力に特化した獣人の中において、群を抜いた魔力量を持つ。狼の獣人であり、レナーニャは同腹の姉である。
父である国王から、アルバ王国を内部から制圧する密命を受け、短期留学生としてアルバ王国へとやって来た。
獣人特有の選民意識を強く持ち、人間を見下していたが、その人間であるエレノアが自分の番である事に強く戸惑っている。
今現在、嫌悪と愛しさの相反する気持ちに突き動かされ、なにくれとなくエレノアに暴言を吐いたり突っかかったりしている。特にエレノアの婚約者やエレノアに懸想している男に強い嫉妬と憎悪を向けている。
●レナーニャ・シャニヴァ
シャニヴァ王国の第一王女。白金の髪と金色の瞳を持つ妖艶な美女。正妃である母親譲りの強い魔力と妖術を使う事が出来る。狐の獣人であり、ヴェインは同腹の弟。
父である国王から、アルバ王国を内部から制圧する密命を受け、短期留学生としてアルバ王国へとやって来た。
獣人特有の選民意識を強く持ち、自分の美貌と力に絶対の自信を持っている。人間は全般的に劣等種族とみなしているが、特に女性を見下している。
オリヴァーが自分の番である事を知り、自分の夫となるように命じるが、すげなく断られた。その原因であるエレノアに対し、激しい嫉妬と憎しみを向ける。
●ジェンダ・シャニヴァ
シャニヴァ王国の第二王女。金色の髪と瞳を持つ、大柄でグラマラスな美女。虎の獣人。父である国王から、アルバ王国を内部から制圧する密命を受け、短期留学生としてアルバ王国へとやって来た。魔力はさほど強くないが身体能力が高く、拳で丸太を破壊する程の剛腕を持っている。
獣人特有の選民意識を強く持ち、姉妹達同様人間を劣等民族と見下している。本能的にアルバ王国の男達の強さと美しさに惹かれ、褥に誘うも誰からも相手にされず、不満と怒りを募らせている。
クライヴに強く興味を持つが相手にされず、彼の婚約者であるエレノアに姉同様、強い嫉妬と憎しみを向けている。
●ロジェ・シャニヴァ
シャニヴァ王国の第三王女。黒い髪と瞳を持ち、浅黒い肌を持ち、小柄ながらしなやかな肢体を持つ美女。黑豹の獣人。
父である国王から、アルバ王国を内部から制圧する密命を受け、短期留学生としてアルバ王国へとやって来た。魔力はさほど強くないが身体能力が高く、相手の目に止まらぬ程俊敏に動く事が出来る。
獣人特有の選民意識を強く持ち、姉妹達同様人間を劣等民族と見下している。本能的にアルバ王国の男達の強さと美しさに惹かれ、褥に誘うも誰からも相手にされず、不満と怒りを募らせている。
ジェンダ同様、クライヴに強く興味を持つが相手にされず、彼の婚約者であるエレノアに姉同様、強い嫉妬と憎しみを向けている。
◇◇世界について◇◇
この世界では、大陸はザックリと東西に分かれている。
東の大陸は、獣人やエルフ、ドワーフ、巨人族といった、主に亜人種達が暮らしていて、様々な種族が国家ないし集落を築いている中、身体能力が高く、好戦的な獣人達が大国として覇権を握っている。
西の大陸は主に人族が暮らし、大小様々な国家を形成している。エレノア達の住まうアルバ王国は大国と呼ばれている国の一つである。
どの国家においても、女性不足は深刻な問題で、人族においては大体50人に一人程度しか女性が生まれない。精力旺盛で繁殖能力が強い獣人達でも、女性の数は男性の1/2程度である。それゆえ一部の国家を除いて、どの国でも女性はとても大切にされている。
【アルバ王国】
別名『精霊が宿る国』と呼ばれている。西の大陸随一の大国。貴族達の統べる領地も、どの精霊が多くいるかで気候や風土が変わる為、特産品や伝統が各地域で全く異なっている。その為、他国からの輸入に頼る必要が無い、完全なる内需国家。
各地域で唯一共通しているのは、ダンジョンが他国に比べて非常に多いという事である。特にクロス伯爵領はダンジョン発生率が突出して多く、その恩恵も莫大なものとなっている。
ちなみにバッシュ公爵領は、通年通して温暖な気候と肥沃な大地を有し、穀物や果物の一大産地として知られている。エレノアはいずれ領内でお米を生産したいと目論んでいる。
アルバ王国は女性を大切にする国家の中でも、女性至上主義が徹底されている上、他の国で不遇を強いられた者や、犯罪に巻き込まれたりした女性の保護や受け入れも積極的に行っている。その為、他国よりも圧倒的に女性の数が多く、出生率も高い。
更に、少ない女性達に率先して選ばれ、次代に自分の血を残さんが為、容姿も含めた自分達の能力を向上させて来た結果、男性達の顔面偏差値が異常に高い国となった。それに対し、女性は容姿も能力も、平均してごく一般的である。
エレノアはこれについて、「雌に選ばれる為、たゆまぬ努力を繰り広げた結果、パプアニューギニアの極楽鳥や庭師鳥のように進化したのでは?」と自分なりに分析している。ついでに男性に比べて女性がごく一般的なのは「何をしなくても男性が群がるから、そういう意味で進化しなかったのでは?」と推測している。
【シャニヴァ王国】
獣人達の暮らす国。東の大陸において、最も力を持っている国家である。
戦闘民族であり、身体能力は他の亜人種や人間とは比べ物にならない程突出している。その代わり、魔力量はさほど多くない。
選民意識が強く、肉食獣の部族と草食獣の部族との間には、絶対なるヒエラルキーが存在している。
精力が旺盛で繁殖力が強い為、他の亜人種国家に比べて人口が多く、女性の数も多い。
『力こそ全て』という価値観の為、王族、貴族、部族長はほぼ肉食獣の獣人で占められている。貴重な女性も、下位種族出身であるというだけで、ぞんざいに扱われる事が多い。
基本、獣人族以外の種族を見下しているが、人族はその中でも最たる劣等民族と蔑んでいた。だがここ数年で、人族を使って産ませた子供は獣人の優れた能力をそのまま継承させる事が出来ると知り、人族を使ってより多くの優れた子供を作ろうと、人族国家を植民地化しようと企んでいる。
===================
記念すべき100話目は、登場人物紹介となりました。
新しい登場人物もそうですが、今迄の登場人物にも加筆修正をしております。
ついでに、世界の設定なども追記しておきました。
お話が進んだら、また加筆修正したものを載せる予定ですので、宜しくお願いします!
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