第60話 【登場人物紹介】

◇◇登場人物紹介◇◇



【バッシュ家関連】



●エレノア・バッシュ(現12歳)


バッシュ公爵家の一人娘。ヘーゼルブロンドの髪と、インペリアルトパーズのような黄褐色の瞳を持つ美少女。『土』の魔力保持者であり、転生者。

9歳の時、唐突に前世を思い出す。元は日本人で『真山里奈』という19歳の少女だった。9歳までエレノアとして過ごした記憶や常識などを一切忘れてしまった為、無駄に顔面偏差値の高い男性陣に囲まれ、傅かれて奉仕される事にはいまだに困惑している。

前世において、彼氏いない歴=実年齢という喪女であった為、兄達やロイヤル軍団の顔面破壊力にやられ、鼻血を噴く事もしばしば。周囲に常軌を逸した美形が多い為、自己評価が限りなく低い。

兄達や父親達に、余計な情報や知識(主に男女間のあれこれ)を与えられていない為、考え方や価値観が前世寄りで、その結果、ナチュラルに周囲を翻弄する事が多い。

婚約者に、異父兄のオリヴァーとクライヴ、そしてオリヴァーの異母弟であるセドリックがいる。


●オリヴァー・クロス(現18歳)


クロス伯爵家の長男。カラスの濡れ羽色とエレノアに称される、艶やかな黒髪と黒曜石のような瞳の、絶世の美貌を持つ青年。『火』の魔力保持者で、エレノアの筆頭婚約者。

エレノアの異父兄であり、クライヴの異父弟。眉目秀麗で、知力、魔力、思慮深さは他に追従を許さず、社交界において「貴族の中の貴族」と称されている。ご令嬢方の憧れを一心に受けるが、本人はエレノア一筋で、他の女性には目もくれない。

とても穏やかな性格で、全ての者に対して優しく丁寧に接するが、エレノアに害を成す者や、エレノアを奪おうとする者に対しては『火』の属性そのままに、容赦なく牙を剥く。

父親の事は尊敬しているが、父親から受けるからかいに辟易しており、事あるごとに言い合いをしている。

エレノアの事は、出逢った当初から溺愛しており、エレノアが『転生者』と知った後も、変わらぬ愛情を注ぎ続けている。

全てにおいて完璧であるが、心を許した相手に対しては子供っぽい一面も見せる。


●クライヴ・オルセン(現19歳)


オルセン子爵の一人息子。輝く銀髪とアイスブルーの瞳を持つ青年。『水』の魔力保持者で、エレノアの婚約者&専従執事。

エレノアやオリヴァーの異父兄。オリヴァーと張る程の怜悧な美貌を持っているが、母親を含む、女性全般を苦手としている。エレノアの事も最初は嫌っていたが、エレノアが転生者として覚醒した後、関係が良好となり、エレノアの婚約者となる。今では心の底からエレノアの事を愛しく想っている。

粗野でぶっきらぼうに見えるが、その実人情に厚く、優しい性格をしている。だが『敵』だと判断した相手には冷徹になり、一切容赦をしない。

『ドラゴン殺し』の異名を持つ英雄を父に持ち、剣技や武術に秀でている。また魔力量もずば抜けており、いずれ英雄の父をも超えると噂されている。父親は尊敬しているものの、うっとおしくも思っている。

エレノア以外の女性には冷たく接するが、ご令嬢方の求愛行動が止まず、苦労している。


●セドリック・クロス(現12歳)


クロス伯爵家の次男。深い茶色の髪と瞳を持つ少年。『土』の魔力保持者で、エレノアの婚約者。

オリヴァーの異母弟で、クライヴの事も「兄」と呼んで慕っている。父親や兄達には劣るが、エレノアに「将来の大有望株」と称される程の美少年。

過去、自分の母親に虐待されていた経歴を持ち、容姿、実力共に完璧とも言える父や実兄に対して深いコンプレックスを持っていた。だがエレノアと出逢った事により、「自分を変えたい」と思うようになる。今では父と兄から距離を取るのではなく、自分が目指すべき目標と定め、積極的に教えを請うようになった。

エレノア同様、天然な所があり、性格は穏やかで優しく、気配り上手。エレノアからは「癒し要員」と言われている。――が、末っ子特有の要領の良さも併せ持っている。

エレノアを一途に愛し、ライバルには兄達同様、割と容赦をしない。

リアムとは、互いにライバルであり親友。


●アイザック・バッシュ


バッシュ公爵家の現当主であり、エレノアの父親。鮮やかな赤い髪とエレノア同様、インペリアルトパーズのような黄褐色の瞳を持っている。『火』の魔力保持者で次期宰相。

穏やかで優しい性格をしており、協調性と話術に長けている為、誰とでも上手く接する事が出来る。また、かなりの切れ者でもあり、現宰相から直接次期宰相職を譲りたいと打診されていたが、本人は「娘との時間が無くなる」と言って断り続けていた。

とにかく娘であるエレノアを溺愛しており、周囲をもドン引きさせる程のレベルである。

王家の信頼も厚いが、本人はエレノアを奪われるのを警戒している為、王家に対しては割と辛辣。メルヴィルとグラントとは、王立学院時代からの親友。

エレノア曰く「有能だが、割と打たれ弱い」


●メルヴィル・クロス


クロス伯爵家の現当主であり、オリヴァーとセドリックの父親。オリヴァー同様、カラスの濡れ羽色のような艶やかな黒髪と、黒曜石のような瞳を持っている。『火』の魔力保持者で、宮廷魔導士団長。

若い頃から、ご令嬢方やご婦人方の人気を独占している程、麗しい美貌と優雅な所作を持つ美丈夫で、魔力量もアルバ王国有数。アルバ王国を代表する実力者の一人と称されている。

エレノアの事を実の娘のように可愛がっており、あまりの可愛がりっぷりに、オリヴァーから嫉妬される事もしばしば。

理知的で落ち着いた見た目と裏腹に、グラント同様、面白い事が大好きで、エレノアには「見た目に反しておちゃめな性格をしている」と言われている。特に息子をからかって遊ぶのが好き。グラントとアイザックとは、王立学院時代からの親友。


●グラント・オルセン


オルセン子爵家の現当主。クライヴの父親。クライヴ同様、輝く銀髪とアイスブルーの瞳を持っている。『水』の魔力保持者で、軍部総大将(将軍)。

若い頃から、メルヴィルとご令嬢方やご婦人方の人気を二分する程の魔力量と美貌を持った美丈夫だが、本人は「女より魔物討伐」がモットーの、かなりの脳筋。

世界を股にかけた冒険家であり、ドラゴンを打ち倒した程の剣技を持つ『英雄』。その功績から一代限りの男爵位を王家から賜っていたが、ずっと断り続けていた将軍職を拝命した事により、永久貴族の仲間入りを果たした。

メルヴィル同様、エレノアを実の娘のように可愛がっている。その上、息子を弄ってからかうのが趣味な為、クライヴから非常に煙たがられている。

メルヴィルとアイザックとは、王立学院時代からの親友。


●マリア・バッシュ


バッシュ公爵夫人であり、エレノア、オリヴァー、クライヴの母親。エレノアと同じヘーゼルブロンドの髪と、杏子色の瞳を持っている。目元はエレノアより細い(グラント談)らしいが、美人クラス。

「貴婦人の中の貴婦人」と言われる程、数多の男性達と恋をし、子を成している奔放な女性。性格は裏表が無く、直情的。蓮っ葉な物言いをし、息子達と喧嘩をしても、感情論で打ち負かす程に強い。オリヴァーとクライヴが女性を苦手とする原因を作った張本人。

子供達の事は、ちゃんと大切に思っている。エレノアが転生者として覚醒する前、王子様と結婚したがっていた事を覚えており、王子であるリアムとお近づきになれるからと、エレノアを王立学院に通わせる事を決めた。


●ジョゼフ・マーティン


バッシュ公爵家の家令。白髪長身、初老のナイスミドル(エレノア曰く、イケオジ)

アイザックが幼い頃からバッシュ家に仕えており、エレノアの事は密かに自分の孫のように思っている。今現在の野望は、エレノアの子供が成人するまで傍にいてお仕えする事。常に冷静沈着に物事を取り仕切る、バッシュ公爵家のオカン的存在。実はかなりの武闘派との情報アリ。


●ウィル・ブラン


オリヴァーとクライヴに付き従い、バッシュ公爵家にやって来た、クロス伯爵家の元騎士。父親はクロス伯爵家の騎士団長。茶色い髪と目を持ち、『風』と『土(こちらはごく少量)』の魔力保持者。

オリヴァーの命令で、エレノア付きの従者となる。性格は非常に温厚で優しく、エレノアも「お兄さんみたい」と言って懐いている。エレノアの前世的に言えば十二分にイケメンだが、この世界の基準で言えばフツメンとの事。エレノアを心から大切に思い、見守っている。気遣い魔の苦労人。


●ルーベン・ブラン


クロス伯爵家に忠誠を誓う、騎士団の団長であり、ウィルの父親。ウィルと同じく、茶色い髪と瞳を持つ。『風』の魔力保持者。大柄で、無精髭がワイルドさを引き立てている、ナイスミドル(エレノア談)

気さくで豪快な性格をしているが、場の空気を読むのが苦手。それゆえ息子のウィルが気遣い魔になったのではないかと、エレノアは推察している。

以前はエレノアの事を良く思っていなかったが、エレノア本人と接し、その人柄と愛らしさに惚れ、騎士の忠誠をエレノアに捧げた。





【王室関係者】



●アシュル・アルバ(現19歳)


アルバ王国、現国王であるアイゼイアの嫡子で、第一王子。

輝く黄金色の髪と、アクアマリン・ブルーの瞳を持っている。全属性の魔力を持つものの、主である属性は明らかにしていない。

オリヴァーやクライヴと比べても遜色ない程の甘やかな美貌を持ち、文武両道のザ・王子様というべき存在。オリヴァー達と違い、女性への気遣いや扱いは完璧で、数多の女性達と浮名を流していた。今現在は女性と遊ぶのを控えている。

友人であるクライヴに対してのエレノアの態度に立腹し、リアムのお茶会の際、エレノアを侮辱する形で意地悪をする。が、後にそれが演技である事を知り、深く後悔している。エレノアと直接話しをした後の、自分自身の心境の変化に戸惑っている。


●ディラン・アルバ(現18歳)


アルバ王国の第二王弟デーヴィスの嫡子で、第二王子。

燃える様な深紅の髪と瞳を持ち、野性味溢れる精悍な美貌を持つ美丈夫。『火』の魔力属性を持つ。

王宮内にいるより、王家直轄のダンジョンや、地方の視察に出向く事が多いアウトドア派。攻撃魔法や剣技に特化しており、オルセン将軍を崇拝している。

エレノアとは、その王家直轄のダンジョンにヒューバードと共に視察に行った際、偶然知り合った。

男装していたエレノアの事は、最初男の子だと思っていた。だがヒューバードに女の子だと指摘され、驚愕する。その後、様々な経緯を経て、エレノアを自分の妃にと望むようになるが、ダンジョン内で生き別れ、現在に至るまで必死にエレノアの行方を捜索中。


●フィンレー・アルバ(現16歳)


アルバ王国の第三王弟フェリクスの嫡子で、第三王子。

漆黒の髪とエメラルドのような瞳を持ち、怜悧で理知的な雰囲気を持つ美少年。滅多に顕われる事のない『闇』の魔力属性を持つ。

他人に対してあまり興味を示さず、ほぼ王宮内にある自身の塔で、魔術の研究をしている。いわゆるインドア派。

己が『闇』の魔力を持って産まれたせいで、聖女である母親が体調を崩した事をずっと気に病んでいた。魔術の研究も、自分の『闇』の魔力を打ち消す方法を探す為である。

たまたま精神体のエレノアと出逢い、エレノアの考え方や言葉に触れた結果、気持ちを救われる。

結構なヤンデレ気質で、み属性持ちである(エレノア談)


●リアム・アルバ(12歳)


アルバ王国の第四王弟レナルドの嫡子で、第四王子。

強力な『風』の魔力を持つ者に顕われるという、晴れ渡る青空のような青銀の髪と瞳を持つ。中性的で「透き通るような」と称される程の美貌の持ち主である。魔力属性は当然というか『風』。その魔力量は、クライヴをも唸らせる程。

見た目の儚さに反して、かなりの天然。実直で素直だが、ぶっきらぼうな性格をしている(母親談)。10歳の時、自分の誕生祭を兼ねたお茶会で、複数のご令嬢達に絡まれている所をエレノアに助けられ、エレノアに対して興味を持つ。

その後、アシュルと自分の両親の策略で、エレノアと共に王立学院に通う事となる。その中で、エレノアの破天荒な言動や優しさに触れ、次第に本気で惹かれていくようになる。かなりな笑い上戸でもある。現在の目標は、クッキーを上手に焼けるようになる事。

セドリックとは、互いにライバルであり親友。


●アイゼイア・アルバ


アルバ王国の現国王であり、アシュルの父親。容姿はアシュルと同じく、黄金色の髪と、アクアマリン・ブルーの瞳を持っている。王として振舞う時は厳格な雰囲気を持つが、大切な身内の前では穏やかに接する。


●デーヴィス・アルバ


国王であるアイゼイアの弟で、第二王弟。ディランの父親。容姿はディランと同じく、燃える様な深紅の髪と瞳を持っている。ディラン同様快活で、兄である王の右腕として辣腕をふるっている。アシュルを揶揄うのが趣味。


●フェリクス・アルバ


国王であるアイゼイアの弟で、第三王弟。フィンレーの父親。容姿はフィンレーと同じく、漆黒の髪とエメラルドの様な瞳を持っている。穏やかで理知的な雰囲気を持っていて、フィンレー同様、魔力が強い。


●レナルド・アルバ


国王であるアイゼイアの弟で、第四王弟。リアムの父親。容姿はリアムとそっくりだが、髪と瞳の色は明るめな紺色である。アシュル達いわく「割と引きこもり」


●聖女(名前は不詳)


アシュル達の母親であり、国王や王弟達を夫に持つ『公妃』。光を含んだ柔らかい黒髪と瞳をした絶世の美女。

『光』の魔力属性と、『癒し』の力を持っている。アルバ王国国民全てにおける崇拝の対象。





【その他】



●ヒューバード・クライン


王家を守護する最強の剣と言われる、王家直属である『影』の総帥。黒い髪と瞳を持ち、イケメンだが目付きが鋭く、アサシンと言われても納得してしまう風貌をしているらしい(エレノア談)。『風』の魔力属性を持っている。

王子達の剣の指南役も務めており、今現在は主にディランに付き従っている。

エレノアと初めて会った時も瞬時に女の子であると見抜き、すかさず餌付けしようとするなど、かなりちゃっかりしている。エレノアを嫁にする等の冗談(本気?)を口にし、ディランに睨まれている。アシュルやディランに女遊びを教えた張本人。


●マテオ・ワイアット


現宰相の孫であり、第四王子リアムの幼馴染にして、直属の『影』魔力属性は『水』シルバーがかったグレイの髪と、シルバー色の切れ長な瞳を持つ美少年。

同性愛好家ゲイ』であり、リアムの事を愛し、慕っている。ついでにセドリックも好みドストライクらしい。

当然の事ながら、リアムに気に入られているエレノアを快く思っていなかったが、なんだかんだと接するうち、喧嘩友達的ポジションになっていく。


●ベイシア・マロウ


エレノア達が通う王立学院で、攻撃魔法の教師をしている男性。エレノア達のクラスの担任でもある。背中まで垂らした薄紫色の髪と瞳をしている。魔力属性は『火』

王子であろうが貴族であろうが、容赦せずに攻撃魔法をぶっ放す、ちょっとアレな人。エレノアの事も割と容赦なくこき使っているが、素直で頑張り屋のエレノアの事は、一生徒として非常に気に入っている模様。


●オーウェン・グレイソン


エレノア達の同級生であり、王宮第一騎士団団長の息子。

過去、婚約者を失っているが、それの原因がエレノアだと勘違いし、エレノアを罵倒するものの、その後リアムにより真実が明らかとなった。

「学院を卒業するまで、上位10位以内に入り続ける事」を条件に、王家からの処罰を免れる。

その事で深くエレノアに感謝し、騎士の誓いを捧げようとしたが、セドリックとリアムに返り討ちに遭った。

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