第11話髪の毛

髪の毛は便利だ。


腹が減ったら食べられる。


味はイマイチだが、まぁ腹の足しにはなる。


髪の毛は凶器にだってなる。


私の長い髪の毛を束にすれば、縄の出来上がり。


人の首を絞めることが出来る。


もちろん自殺することだって。


洋服にも髪の毛はなるんだ。


髪の毛を一生懸命繋いで合わせて。


多少ごわついているが着れれば問題ない。


さぁ、こんな便利な髪の毛だが私はある計画を思いついた。


家を髪の毛で覆うんだ。


髪の毛に包まれた家。


きっと素敵だ。


そのためには私の髪だけでは足りない。


そこら辺にいる人から、むしり取ろう。


めんどくさいから頭ごとだ。


私は大きなハサミを持ち出し、意気揚々と街に繰り出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る