第10話眠ってはいけない布団
私の家には絶対に眠ってはいけない布団がある。
なんでもその布団で眠ると必ず死んでしまうとか。
そう言われると好奇心から、一度試してみたくなる。
その布団は屋根裏部屋奥、頑丈な鍵を付けて保管されていた。
私はその鍵を父の引き出しからくすねてきた。
ちなみに何故そのような布団を残しているかと言うと、代々伝わる大切なモノ?らしい。
「ワクワクするな」
ガチャ。
鍵を開ける。
中に入っていた布団は紫と赤の縞模様の敷布団。
いかにも何かが起きそうな布団である。
私はその布団を自分の部屋まで持っていき敷いてみた。
時刻は19時すぎ。
外も暗いので寝るにはうってつけだ。
両親も仕事でいないので、とやかく言われる心配もない。
「さぁ、いざ夢の世界へ」
電気を消し布団に入る。
布団に入ってから私は急に眠くなり、意識を失った。
どれくらいたったのか。
目がかすかに開いた。
いや開かされた。
口を大きく開けた老若男女が、私の布団の周りにいる。
数にして10数人。
そのうちの老婆が私の目を指で開けて、覗いている。
覗かれた私の目が宙に浮いた。
引きづり出されたわけではない。
私の目が自ら顔から離れたのだ。
ビチャ!。
私の目が弾けて飛び散った。
今度は若い女にもう片方の目を開かされ、覗かれる。
私は最後に奴らを睨みつけた。
口を大きく開け、目を細め笑う奴らを。
私の視界が消えた。
ビチャ!。
私の短い人生が幕を閉じた。
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