第5話 優柔不断

 私は優柔不断である。

 小さいことでもとことん悩む。即決したことは今までにない。例え文房具1つを選ぶとしても。何か裏があるのではないか、自分が想定できていない懸念点があるのではないか、そんな考えをまずしてしまうのである。優柔不断というのは時として良い方向に向くこともある。ものごとに絶対はない。必ず、一長一短があると思う。しかし、場合によっては直感を頼って即決した方が良い時がある。それは緊急を要するときや判断材料が十分にない状態で判断が必要なときなど。

 今日は星野源さんのオールナイトニッポン400回記念放送を遅ればせながら聴いた。最近は、特にラジオがマイブームである。ラジオは終始、お祝いムードで私も自然と口角が上がる。リスナーからの悩みに対して源さんの寄り添ったアドバイスや言葉に学ぶことが多くある。聴いていく中でふとある予定を思い出した。それは飲みの予定だが、私はどこか参加を躊躇っていた。しかし、明確な理由はなくてそんな状態を優柔不断の私は右往左往していた。普段の私であればなんとなくで参加してしまうだろう。でもそのラジオを聴き終わった後、『あの予定、申し訳ないけど断ろう』と思えた。そして、その判断をして即、参加できない旨連絡した。

 以前、その飲みと同じメンバーで同様の飲みがあった。約2年ぶりに集まったメンバー、それぞれ社会人として頑張っている同級生である。時間が経つにつれ、何か溶け込めず表面上の自分でいた。心から楽しめなかった。そのときの経験がまだ引きずっているのだろう。

 生きていくうえで選択を迫られる場面は数多くある。小さな悩み、買うもの、進路、人生を左右する大きな決断。私は今まで、その全てにおいて考えすぎなくらい考えて答えを導いていた。でも、答えが出なかったり、心が暗くなってしまう時さえあった。でも、今日の経験でふとしたことで自分の意思が固まることがあるんだと思ったし、そんな決め方があっても良いのではないかと感じた。1つ1つに考えを募らせていては身体が持たない。もっと楽観的に生きようそう思えた1日だった。

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