第八話 "大聖堂の闇の底にて" / 前編

~ あらすじ ~


 サヤリの行方に関する手掛かりの続報を待っている間に、一行はキャラバンがここを訪れた本来の目的である、グリフォンの営巣地の巡回に協力することになった。

 そこでひっ捕えた、グリフォンの雛の密漁を目論んだ不届き者の男・ジェイクから気になる情報を手に入れた。なんでも、ヤミアデミアが大量のならず者を雇って、この営巣地への襲撃を計画しているのだという。

 これについての詳しい情報を手に入れるために、ジェイクの案内のもと、ヤミアデミアに脅されて協力させられていたタビット・アルナブを仲間に招き入れ、この襲撃部隊を撃退。無事にグリフォン達を守りきった。


 個人的な目的の調査に進展は無かったが、そもそもキャラバンの手伝いをすることを条件に付いてきているのだ、たまには仕事しておかなければなるまい。

 そう納得しつつも、続報が来る時を今か今かと待ちわびるのであった。


 ところでめちゃくちゃ金欠(残金:1100G)なんですけど大丈夫でしょうか。プラトーンの雇用費払ったらそれすらもなくなるし。


~ あらすじおわり ~


 ◇ 導入 ◇


 前話からまたしばらくの時が経ち、ついに夏が始まった。

 それはすなわち、グリフォン達の巣立ちの時でもある。雛たちがある程度成長し、一人で空を飛べるようになった、とかそんな感じなんだろうか。

 システム的にも変化があるようで、グリフォンの子供がプラトーンメンバーに復帰。しかもステータスが成長しているらしい。この時を待っていた。


フィオラ:「ちょっとデカくなったか?そう言えばまだ子供なんだったな、こいつ」

サウリル:「人間で言うと、ようやく成人ってとこかしら?ここからもうひと回りくらいは大きくなるわね」


 攻撃や防護といった基礎ステータスが上がっているほか、《ガーディアンⅠ》も習得したようで、1ラウンドに3回まで攻撃を受けてくれるようになっている。

 もっとも、物理攻撃をフィオラが喰らうことはほとんど無いので、あまり意味は無いかもしれないが。


ウルリサ:「この子達に合わせて、キャラバンも移動を開始しないとだけど……神殿からの続報を待った方が─────」

クセナウイ:「いや、その心配は無い。丁度、神殿騎士様がおいでなさったとこだ」

ハリス:「お久しぶりです。大変お待たせしてしまい、申し訳ありません」

ヤザン:「ハリスさん!サヤリさんに関する情報が掴めたので?」

ハリス:「えぇ。その前に、まずは誘拐事件の調査の結果の報告から」


 そしてハリスとも再会。記述的に、七話開始~八話開始までに、一ヶ月と少しくらい経っているだろうか。起きた事件の内容と後処理のことを考えれば、まぁ仕方なしだろう。


 それで、ハリスの報告なのだが……なっっっがい(B5用紙1ページをぎっしり埋め尽くしている。文字数にして約1800)。全部書き起こしてRPまで挟んでいるとえげつない文章量になりそうなので、ざっくりまとめながら進めます。


 まず、今回の事件の真の黒幕について。リーム司祭は、ラウダ騎士団長はただのスケープゴートであると考えたらしい。

 曰く、権威主義的で独創性の欠片もなく、団長の座に就いたのも親の七光りによるものでしかない凡人。そんな男に、奴隷売買組織と手を組む計画を立てる能力や、それが露見しないように手回しをする才覚があったとも思えない(原文ママ)……とのこと。辛辣すぎる、本人が聞いたら泣いちゃうよこんなの。

 ともかく、裏で糸を引いている何者かがいるはずなので、捕まえた背信者どもを、ティダンの大聖堂がある"太陽王国"マーティアスへと移送したついでに、そちらで調査を行なってみたそうだ。


 結果、リーム司祭の名義で、邪神の使徒だという女性が、サンシャイン神殿から移送されていたという記録を見つけた。もちろんリーム本人にそんなことをした覚えは無く、そもそも邪神の使徒を捕らえた記憶もない。

 ないが、直近で一人、マーティアスへ移送された女性ならば知っている。


シヴァニカ:「それがサヤリではないか、という訳ね」

ハリス:「えぇ。リーム様の名義が使われていたのも、大聖堂内に潜んでいる黒幕による工作とみて間違いないでしょう」

ヤザン:「なるほど。では早速、助けに向かうとしようじゃないか」

ハリス:「そうしたいのですが……捕らえられている場所が厄介でして」


 どうやら彼女は、神罰房というところに収監されているらしい。

 そこは、蛮族や邪神の神官などを、なんらかの事情で生かしておかなくてはならない時に使われる特別な牢獄らしく、これの使用には、大司祭以上の者の許可が必要になるとのこと。

 また、サヤリがマーティアスへ送られたのは、黒幕が彼女の黄金呪刻師としての知識・技術を必要としたから、という話でもあった。どのような形であれ、彼女が黒幕と接触している可能性は非常に高いだろう。

 同時に、黒幕が大司祭以上の立場にある者だという可能性も。


フィオラ:「上手いこと頼んでどうにか、ってのはリスキーってことか。頼んだ相手が黒幕だったら最悪だもんな」

ハリス:「えぇ。それに……リーム様は、大聖堂に幽閉されてしまいまして」

カデア:「おっと。嗅ぎ回ってたのがバレちまったのか?」

ハリス:「おそらくは。調査のために大聖堂内の極秘資料を閲覧しなければならなかったのですが、これもまた、司祭であるリーム様には権限が無かったもので……無許可で資料室へ踏み入った結果、それを理由に敵対勢力への内通の容疑を掛けられてしまいました」

サウリル:「あちゃー……異端者を見つけだすつもりが、自分が容疑者にされちゃったのね」


 闇を暴くためにもここで退くわけには、という不退転の覚悟が決まっていたのであろう。あるいは、ハリス、そして我々のことを信じての、勇気の前ステップというやつだったのか。

 いずれにせよ、そこまでされては期待に応えなくては、というもの。


ハリス:「えぇ……しかし、資料だけはどうにか、私が密かに持ち出すことができました。こちらです」

フィオラ:「でかした。……(文献判定基準値:2)よし。アルナブ、読んでくれ」

アルナブ:「うん。そうなるんだろうなぁって思ってた」


 資料によると、マーティアス大聖堂は、魔動機文明時代の遺跡を再利用して作られている建物らしい。もともとは魔動列車の巨大ターミナル駅だったらしく、地下にはプラットホームも残っているそうだ。新宿とか梅田の如きラスダンめいた駅でないことを祈ろう。


 で、その地下遺跡、およびそこから延びている坑道、もとい線路が、街周辺の遺跡と繋がっているはずなので、そこから潜入して神罰房のある場所を目指そう、という話のようだ。

 ……この設定いいな。普通にシナリオ作る時につかわせてもらおう。


ハリス:「もしもこの作戦が失敗すれば、リーム様は黒幕の手によって、神殿を追放されてしまうことでしょう。そうなる前に、真の黒幕を暴き、糾弾しなければ」

フィオラ:「任せな。身体張ってここまでしてくれたんだ、ちゃんと成果上げてやる義務ってもんがあるだろ、あたしらには」

ウルリサ:「そうね。同じ神官として、司祭の行動に敬意を表するわ。……あの人も助けないといけないってとこが、なんとも言えないけど」

クセナウイ:「ま、そう言うな。あたしとしても、よろしくお願いするよ。協力してやれることは無いんだがね」


 あくまでネジュドナジュの街から請け負った仕事は、誘拐事件の解決。少なくとも、サヤリ以外に捕らわれていた子どもたちは皆無事であったし、そのサヤリも、それこそ邪教徒ではないという物的証拠を提示できなければ、キャラバンとしては大聖堂相手に物申せない。

 そういう訳なので、今回のサヤリとリーム司祭救出のための一大作戦は、フィオラ一行のみでの決行となるようだ。


ハリス:「ありがとうございます。案内のためにも、私も同行させて頂きます」


 ちなみに、ハリスもプラトーンに復帰することになった。なんなら今回は強制的に参加するらしい。

 グリフォンと合わせてステータスの暴力がすごい……というか、プラトーンメンバー合計で八人か。ついに上限の六人を上回ってしまった。

 なので、出発前にプラトーン編成あらため、スタメン選びをすることに。


 少し考えて、やはりどうしても影が薄くなりがちなシヴァニカとサウリルに外れてもらうことにした。前衛にウルリサ、グリフォン、ハリスで、後衛にカデア、ヤザン、アルナブという並びだ。

 ……ハリスからもらった前金2700G、雇用費で丁度ぴったりなくなってしまった。

 多分これ、一文無しになってる人が誰も雇えなくなってしまうのを回避するための救済的なものなんだろうな……SNEの慈悲を感じる。


 ◇ 地下鉄道坑 ◇


 潜入作戦の前に、ハリスが持ってきた資料の確認作業と称してチャレンジがある。

 ……全部知力ボーナス使うやつだった。とても泣きたい。


 とりあえず4点疲労をプラトーンと共に消化して、あとひとつは〔異常感知判定:/目標値13〕をやってみる(コロコロ)やはり失敗。疲労が9点溜まったので、ハーブとタブレットを使って6点解消しておく。

 ボーナスチャレンジで真偽判定もあるが……やめておこう、出目8要求で疲労5点は分が悪すぎる。

 これで経験点720と、遺跡に関する情報をそこそこ得ることができた。


アルナブ:「えーと……マーティアス周辺にある遺跡は、マシャリキ、クッシーニ丘、マグハリ郊外の三つだね」

ハリス:「クッシーニ丘の遺跡には、私達の神殿から、何度か調査隊が派遣されていた記憶がありますね。しかし、強力な防衛機構が存在したため、あまり詳しくは調べられていないそうです」

カデア:「マシャリキの方は、昔は大きな街があったみたいだな。50年前の大地震で壊滅しちまったみたいだが」

ウルリサ:「マグハリについては……うーん、それらしい資料が見当たらないわね。どうしましょうか」

フィオラ:「ノーヒントのとこに突っ込むのもなぁ……ってなると、行くならクッシーニかマシャリキか」

ヤザン:「そうだな……これだけの人数がいるんだ、分担するのはどうだ?」


 得られた情報を見た上で、行き先をどうするか決めることになったが、どうやらプラトーンのみの部隊でフィオラとは別の遺跡を調査させることができるようだ。

 そのための別部隊を編成するには三人以上必要らしいので、ベンチにいるサウリル、シヴァニカと、編成中のメンバー一人にそちらに移動してもらう必要がある。

 うーん……回復役のウルリサは絶対に欲しい。カデアはメインスカウトだし、ヤザンは(通るかどうかは別として)デバフ撒きが優秀。魔動機相手なら精神抵抗の機会は多い、のでアルナブもカンタマ要員としていて欲しい。

 残るはタンクの一人と一匹。能力の差から、グリフォンに残ってもらうことに決定。ハリスには女子二人を守って頂くことに。


ハリス:「では、私達の方でマシャリキの遺跡を調べてみます。皆さんは、クッシーニ丘の方をお願いします」

フィオラ:「あいよ。お互い上手くやろーぜ」


 役割の分担を決めて、それぞれの場所へ向かう。乾期に入りつつある砂漠はただ歩くだけでも体力を持っていかれるとのことで、疲労点を2点プレゼントされたりした。

 さて、我々の担当であるクッシーニ丘の遺跡には、防衛機構の魔動機がいるという話だったが。


アルナブ:「……うようよいるね」

ヤザン:「いるな。この辺りのは、大したことなさそうだが」


 入ってすぐに、さっそくお出迎えがあった。再びチャレンジの時間である。


 今度は戦闘系のものばかりだったので、遠慮なく暴れていく。〔回避力判定/目標値14〕に〔生命抵抗力判定/目標値15〕、どちらも成功。プラトーンにも生命抵抗を振らせて成功し、これで経験点840を獲得。

 あと1390点でグラップラーを7にできるが、どうしようか。《トレジャーハント》や各種判定のために、スカウトも5までは上げたいところなんだよな。

 しかしそうなると2890点も必要なので、流石に今回だけでは稼ぎきれない。前回戦闘がまあまあ厳しかった点を踏まえて、戦闘能力を優先するべきだろうか。


フィオラ:「この程度ならどうってこたねえな。で、マーティアス方面ってどっちだ、このまま真っ直ぐ?」

カデア:「あぁ。あっちに見える、プラットホームの方に進めば……っと。まだまだ防衛用の魔動機がいるみたいだな」


 更に奥へ進んでみると、魔動機のおかわりがやって来た。今度はチャレンジではなく、通常の戦闘処理になるようだ。

 相手は〔インサイドバルバ〕というグリフォンロードオリジナルのものが2体。命中も回避もそれなり(固定値14)だが、浮遊しているので〈投げ〉が通用しない。

 ……と思ったが、《撃爆投獣》によって移動方法は無視することができるので、単部位の時点でボコボコにできることが確定していた。済まねえ、文句はこれを再録したSNEによろしく頼む。


 とはいえ、プラトーンはダメージを負う可能性が十分にあるので、省略せずに戦闘を行なった。内容はひたすら投げて蹴ってボコるだけだったので割愛とする。

 ギミックも色々あったが使うまでもなかった。


フィオラ:「お勤めご苦労、っと。ところで、このプラットホームは調べといたほうがいいのか?」

カデア:「こいつらが邪魔で調査できなかった、って話だしな。それこそ抜け道があったりするかもしれないし、見ておくか」


 戦闘後、このホームを軽く探索していくことに。すると、ティダンの聖印が刻まれた鎧を纏った骸骨が横たわっているのを発見した。


ヤザン:「これは……サンシャイン神殿の騎士だった者、だろうか」

アルナブ:「だと思う。鎧の損傷を見るに、さっき戦ったバルバの光線剣にやられたんじゃないかな」

ウルリサ:「弔ってあげましょう。ティダン様の神官にとって、アンデッドになってしまうことほど、受け入れがたいことはないでしょう」

フィオラ:「よろしく。……ん、なんだこれ。本か?だいぶボロいけど」


 調べてみると、遺品の中に分厚い本が混ざっているのを見つけた。古い時代のオーレルム語の辞書のようで、読めなくはない、くらいの損傷具合だ。


カデア:「覚えておいても損は無いんじゃないか?あんたの目的である〈時の卵〉は、古くからこの地に伝わるものだ。必然、古い言葉で文献が残されてる可能性もあるだろ」

フィオラ:「確かに。よし、それじゃあ……アルナブ、解読頼んだ」

アルナブ:「解読担当になって来てるね、僕。……えーと……」


 書かれていたのは、いくつかの単語の意味と、古オーレルム語の特徴について。

 マカブは『墓所』、ドゥハは『英雄』、アディティは『叡智』、ラフィキは『友』、アミニは『信頼』を意味する。

 そして、古オーレルム語は原則として、肯定的な言葉しか存在しないようだ。否定的な言葉や悪い意味を持つ言葉は、『肯定的な言葉を逆さ読みにする』という形で表現されるらしい。

 例えば、『裏切り』は『信頼』の逆なので『ニミア』、という具合だ。

 分かりやすいようなそうでもないような、という感想である。……さておき、気になる単語がひとつ混じっているな。


フィオラ:「墓所……?あの村に、それっぽい雰囲気は無かったけどな」

カデア:「あんたの故郷の名前だっけか、マカブって。確かに、村の名前とするには不適当な単語な気もするな」

ヤザン:「なにか、偉大な人物が最期を迎えた場所なのかもしれないな。そういう言い伝えは残ってないのか?」

フィオラ:「いやぁ、聞いたことねえな……そもそも、オーレルム語に古いとか新しいとかいう区分があるのも今知ったわ」

ウルリサ:「じゃあ、偶然の一致……?そんなことあるのかしら」

フィオラ:「わからん。……まいいや。無事に帰れたら、ワリムの爺さんにでも聞いてみるぜ」


 強いて言うなら、あの神殿(プロローグを割愛しているので印象が薄いシリーズ)はそれっぽい場所なような気はするが。本当にそれっぽい、というだけだな。

 まぁ、頭の片隅にでも入れておこう。それより今は潜入作戦である。

 HPがそこそこ減っていたプラトーンに〈救難草〉を一本使いつつ、更に遺跡、もとい線路の奥へと進む。するとまたチャレンジが用意されていた。多いな今回。


 〔13点の魔法ダメージを受ける〕というのがあったので、どうせ〈救難草〉でカバーできるしええやろと言って、これをフィオラ・プラトーン両名で選択。あとは〔解除判定/目標値14〕に挑んでみる(コロコロ)成功。更にボーナスチャレンジで〔生命抵抗力判定/目標値15〕に挑む(コロコロ)これも成功して、合計で900Gと経験点1200点。


フィオラ:「だいぶ奥まで来たな……って、なんだこりゃ。ホームが大量にあるぞ」

カデア:「これは……資料にあった、大聖堂の地下にあるっていうターミナルじゃないか?この規模の設備、近隣にそういくつも無いだろ」

ヤザン:「では、ここが目的地か。ここから神罰房に向かえるという話だったが……どう行けばいいんだろうか」

アルナブ:「こういうのは、鍵の掛かってるところが怪しいもの……あ、あった。魔動機製の錠かな、これは」


 そうして到着した地下ターミナルにて、鍵の掛かった大扉ををひとつ見つけた。しかしキーピックなどで開けられそうな雰囲気はなく、かと言って物理的に壊すのも、何が起こるか分からないので危険だろう。


フィオラ:「あー、賦術教わった時に見たことある文字だな、これ。えーと……このボタンをポチって、暗証番号を入力しねーと駄目だな」

ウルリサ:「なるほど……その番号が分からない場合は?」

フィオラ:「さあな。片っ端から試してみるか?8桁くらいあるっぽいけど」

カデア:「何時間掛かるんだ、それ……進みようがないなら、一度引き返そう。ハリス達の方の話だったり、マグハリ村の調査だったりで、何か分かるかもしれない」


 まずは第一次遠征成功、ということで、一旦キャラバン本隊へと帰還することに。

 疲労点をさらに4点獲得させられたが、まあまだなんとかなる範囲か。


 ◇ 幕間 ◇


フィオラ:「─────ってな感じ。そっちはどうだったよ」

ハリス:「マシャリキの地下は、どうやら地震の際に崩落が起きてしまったようです。完全に道が塞がれていました」

サウリル:「どかすのも無理ね、ありゃ。ま、道に関しては、そっちが見つけてくれたから問題ないのかしら」


 本隊にてハリス達と合流し、マシャリキでの成果を聞いてみると、このような答え。


シヴァニカ:「それと、これを。あまり意味が分からないものだけど」

カデア:「古文書……か?マシャリキの歴史について書いてあるみたいだな」

フィオラ:「役に立つのか?……まぁ、読んでみるか」


 内容は、その昔マシャリキの地で、ドゥヒアという名の英雄が魔神将を打ち倒したのだというもの。

 しかしドゥヒアは、仲間であったラフィキ・アミニの裏切りによって瀕死の重症を負うも、賢者アディティによって救われたのだそうだ。

 この時、ラフィキは魔神によって操られていたそうだが、魔神の真名を口にすることで、その身体から引き剥がすことに成功し、その後『八つの数字で閉鎖された鋼鉄の大扉』の奥へ封印したと伝えられている。

 その真名というのは……


ヤザン:「友、そして信頼と真逆の存在……古オーレルム語の法則に従うのなら、キィフラ・ニミア、あたりだろうか」

フィオラ:「そうなりそうだな。……ところで、この大扉ってのはもしかして、あたしらが見たやつのことか?」

アルナブ:「そうかも?……だとすると、魔神を封じてる場所が神罰房ってこと?」

ウルリサ:「……嫌な予感がしてきたわね」


 悪い予感ほど当たるものと言われるが、果たして。


 ひとまず、一行は一旦休憩(6時間の睡眠)を挟んでから、パスワードの手がかりを求めてマグハリ村に向かうことに。キリが良いのでここで一区切りとします。

 次回、村での聞き込みから。

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