代替の巨人

タイムスリップ

  


パープルアップルの剥離した地表が重力を離れ浮いている。その上で立つ黒い巨人の影。

「おぞましい」

この世でもっともおぞましい存在のひとつはそう呟いた。

「吐き気がする」

黒い巨人は未来から引っ張られた災厄を睨んだ。

「恐怖でか?」

白い巨人が黒い闇より現れた。

「プッタネスカ」

「そうだ、我々の世界は近いぞ。ペペロンチーノ。……ということにしておいてやろう」

「お前はやつらと遊んでいるのかと思っていた」

「そうさ、お遊びの途中だ。邪魔をするなよ」

「……」

「怖いのだろう。だがそんな感情もじき忘れるさ。なぜならばお前は代替特異点になるのだから」

  


そうだ、やつは希望だ。やつらにとってではない。我らにとっての希望。既にもうこの世界は終わっているのだ。そしてそこに君臨するのは……。

  


  

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