未来を掴む
「この不快な感覚!」
冷たい声が狼狽える!かつてセイントメシアに喫した屈辱の記憶がスカージに僅かな動揺をもたらしたのか?その隙を逃す手はない!ライトブレードムスタングが巨大な剣の形をとる!それを災い魔の胸元へ降り下ろす!
「不敬だぞ!テーリッツ!」
スカージは既に持ち直している!スカージはライトブレードを握りしめ、インフェクターを構える。
「これで逃げられまい!忘却の闇に沈め!」
インフェクターをナインスのコクピットへ刺す!ライトブレードが分離!インフェクターを持つ腕を切断!
「おれに油断も慢心もないぞ。スカージ」
「テーリッツ!貴様!」
そこに再び振動!
幸太郎のところでなにかが起きている!
セイントメシアテンスの装甲が黄金色へと変わっていく。テンスが最終形態である第七形態へと変貌するのだ。それは戦意を奪う能力。邪悪なる意思、こちらへの害意は完全にシャットアウトされる。
「終わりだ」
エーデルワイスの大きな腕ももはや虚仮威しにすらならない。
「……もらうぜ」
「?」
「俺達の未来を返してもらう」
「馬鹿な!?」
エーデルワイスは!礼三郎は!戦意を喪ってなどいない!この光が効かないのか!否、今の今まで勘違いしていた。第七形態の光は全ての戦意を奪うわけではなかった。礼三郎の目的は俺に勝つということではない!エーデルワイスのビッグアームがテンスに触れた!
「俺は君を知っているぜ」
ビッグアームはもう一機のセイントメシアの手をしっかりと握っていた。
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