闇より生まれしもの
マキータは元気でやっているだろうか。と思ってしまい俺は苦笑した。あまりにも年を食っていたからだ。いやマキータは来てくれる。俺と戦ってくれる。マキータが居なければ俺はどこで止まれたというのだろうか?俺は死によってでなくマキータの人間性によって救世主を休憩出来たのだから。だがトンドル侵攻により休憩は終わり、俺は終わりなき救世主という役割を押し付けられた。そして世界はマキータによって平穏を維持していたのですとでもいうかのように彼を喪った途端、混沌の渦に呑まれた。企業連合の勃興、スリーピィドラゴン、仕舞いにはこんな不思議現象が落ちとはね。
「キディ帰ってこないね」
「ねー」
ポッチ姉妹の言葉に思案をやめる。
「彼はマキータの良い戦友になってくれるだろう」
「幸太郎には良き戦友じゃなかったのに」
「のに?」
「そうだ、彼は俺には御し得なかった」
「幸太郎には誰も勝てないよ」
「よ?」
「そうでないことを望むがね」
俺は笑ったふりをする。
「ならば我が相手をしてやっても良いぞ」
冷たい声が影からした。
「スカージか。貴様もマキータとの再戦を望んでいよう。その直前でその望みを絶つこともあるまい」
「貴様……我を愚弄するのか……」
冷たい声に怒りが混じる。
「愚弄?正当に評価してあげているだけですよ。前座を頑張ってください」
「言われておるなあ……ヴェノム」
別の冷たい声がする。
「ヘルスカージ……」
「なんだお前は」
俺は気づいた、影から覗く単眼が7つあることに。
「我はヘルスカージ、救世主どのお見知りおきを」
「我はカーズスカージ、我らはスカージクローン部隊」
「デススカージ」
「ダークスカージ」
まだいる。
残りがヘイトスカージ、エビルスカージと名乗った。
「ほう、頭数だけは揃えたわけだ」
「貴様……」
ヴェノムスカージの怒りは収まらない……。
「良いだろうパープルアップルの護衛にはスカージのみあれば良い。セイントメシアなぞ不要」
スカージ達が身構えた。
「準備運動にはなりそうだ」
「やめぬか」
異質な声がした。
「貴様は!?」
ヴェノムスカージが構えを解いた。
「幸太郎くん、よくないよ。彼を挑発しては。私は、待っているのだから。哀れなるものを」
「あなたは?」
「私はバビロン、パープルアップルが産み出した純生産アームコア」
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