第6話 脱出! 動物園
「ここに入るんですか」
「そうだよ」
虎白が動物園の看板を見上げている中、ムトは門を開けて中に入っていった。
「先へ進むにはこの先に行かないといけないみたいだね。ほら、おいで」
「勝手に入っていいんですか?」
「良いんじゃない?」
ムトはケロッとした表情で言う。虎白たちは顔を見合わせた。仮面ヒーローが飛んできて叱られそうな、そんな想像をしてしまう。仮面ヒーローは扉の向こうまで来ていなかったけれど不安はあった。
「あ、あそこにいる従業員さんに話してみようよ」
葉月が虎白の裾を引っ張った。見ると帽子を目深に被った従業員が箒と塵取りで園内の掃除をしている。
「そんなに心配?」
「だ、だって捕まったら怖いじゃないですか」
「そんなに怖がらなくてもいいのに。自分の心の中なんだから」
虎白は不安そうな葉月の言葉通り、従業員に確認を取ろうと近寄った。
「あの……」
「ようこそお越しくださいました! どうぞ、登園をごゆっくりご覧になってくださいね!」
「えっ。あ、あのお金は?」
虎白が声をかけたにも関わらず、従業員は一礼すると歩き去ってしまった。
「何だよ。無視しなくたっていいだろ」
「まあまあ落ち着いて。早く進もうよ。帰りたいんでしょ?」
「そうだな。さっさと通ればいいんだ。行こうぜ」
無視されるなんて気分が悪い。少し頬を膨らませ虎白は大股で歩き始めた。すぐに別れ道に行き当たり、虎白は迷わずまっすぐ進んだ。この先にはヤギが居るみたいだ。
けれど。
『ブブー。ハズレ』
「は?」
パッと虎白の目の前が白く光った。思わず目をつむっても、まぶたを通して光が突き刺さってくる。
光が弱まり、恐る恐る虎白は目を開ける。
そこは、先ほど入ってきた動物園の入り口だった。隣にムトや葉月、萩香、そしてメダカたちが居る。皆目をパチパチさせてビックリしていた。
「ど、どうなってるんだよ」
「多分、ハズレの道を選ぶと園の前まで戻される仕組みになってるんだろうね」
「ハズレの道って言われても、正解の道ってどうやって見つければいいんですか」
萩香が慎重に園内へ入り、ヒントになりそうな物を探し始める。
「そんなのあてずっぽうしかないだろ。勘だよ勘」
「こんなに広いのに本気で言ってるの琥珀君」
萩香は眼鏡の奥から鋭い眼差しを向けてくる。心なしか顔色が悪い気がする。
「もしかして萩香、動物嫌いなの?」
すると萩香は眉間に皺を作り、渋い顔のままそっぽを向く。
「モシャモシャしてるのが苦手なだけ」
「じゃあ猫とか犬もダメなの?」
葉月の問いに萩香は静かに頷く。そんな人が居るのかと虎白は内心仰天した。猫も犬もかわいいのに。なんてもったいない。
しかし萩香の意思は固いようだ。勘で何度も動物園を行ったり来たりする事に断固として反対してくる。
「とにかく、正解の道があるのなら相応の法則性があるはずだから。何としてでもそれを見つけるの」
「萩香ちゃんがそこまで言うなら、まずは本人に聞いて、ヒントを貰おうか」
ムトが葉月を見る。葉月はきょとんとした表情をしていた。
「僕?」
「そう。葉月君はこの動物園に行った事があるはずだ。その時の事を思い出して。何か印象深い事はなかった?」
葉月は皆に見つめられ、小さく縮こまった。どうやら思い当たる節があるようだ。葉月は気まずそうに地面に視線を落とした。
「僕、この動物園で迷子になっちゃって、園内の放送でお父さんとお母さんを呼び出してもらった事があるんだ」
「よし、じゃあその放送した場所に行けばいいんじゃないか?」
「ちょっと待って」
虎白が意気揚々と歩き出すのを萩香は慌てて止めた。
「その放送した場所がどこなのか私たち知らないでしょ。それに、そこまでどうやって行くのよ」
「どこかに持ち歩ける地図があるといいんだけどね。葉月君、どこかに地図はない?」
「えっ? ええっと。僕が来た時は出入口の辺りにあった気がする」
先ほどは素通りしていた動物園の入り口。そこにちょこんとパンフレット置き場が設けられている。動物の紹介など、数種類のパンフレットが何枚も置かれている中、虎白は園内の見取り図が書かれた物を手に取った。蛇腹折りに折りたたまれた地図を広げると、簡単な動物園全体のイラストと共に動物の名前と小さな写真も印刷されていた。
「地図はあったけど、ここからどうするんだよ。これにはヒントも何もないぜ」
「ちなみに、葉月君はどんな動物を見て回ったの?」
萩香が葉月を振り返る。
「僕は、まずペンギンを見に行ったよ」
「ペンギンは、左の道にあるな」
地図を確認すると、動物園に入ってから3つに分かれた道の左側にペンギンの名前と写真が確認できた。
「とりあえずペンギンを見に行こうぜ」
「そうだね。葉月君の歩いたルートを辿れば案外早く抜けられるかも」
萩香は1人ため息をつくが虎白は真っすぐペンギンの居る場所へと歩いていく。今度はハズレなどとは言われず進む事が出来た。
「おい見ろよ。本当にペンギンが居るぜ」
「く、来る途中でも他の動物見たじゃない」
「でもペンギンは見てないだろ。もしかしたらペンギンだけ居ないかもしれないじゃん」
柵の向こうでは水がためられており、数匹のペンギンが泳いでいる。奥には石が設けられ、よちよち歩くペンギンの姿もあった。
「萩香、ペンギンも無理なのかよ」
「まあ、猫とか犬とかよりは大丈夫だけど」
「変な奴。かわいいじゃんペンギン」
「私は別にいい」
「僕もかわいいとおもうだけどなあ」
ペンギンの前でそんな会話をしていると、1羽のペンギンがこちらに興味を持ったのか小さな歩幅で駆け寄ってくる。その瞬間、萩香は柵から数歩下がった。
「あれ、メーちゃんたちもペンギン苦手なのかな」
ペンギンが柵まで近づいてくると、それまで葉月の傍にくっついていたメダカたちは一斉に萩香の背に隠れてしまった。メダカもペンギンは怖いらしい。萩香の背中に隠れて出て来ようともしなくなった。
「それじゃ、萩香ちゃんが卒倒しちゃわないうちに移動しようか。次はどこかな」
ムトが名残惜しそうに柵から離れる。
「ジャガーです」
「ジャガー?」
「肉食で大きい猫科の動物。かっこいいんだよ」
「じゃあ次はソイツのところに行くか」
本当はずっと見ていたかったし、せっかく近づいてきてくれたんだから何か話しかけてみたい気持ちもあった。けれど、ずっとこの場所に留まっている訳にもいかず、虎白は柵から離れた。
「でも、メダカは大丈夫なのに何でペンギンはダメなんだよ」
再び歩き始めた虎白はメダカたちと身を寄せ合って表情を固くする萩香に尋ねた。
「メダカは毛むくじゃらじゃないでしょう?」
「毛むくじゃらがダメなの? じゃあ、サイとかゾウは大丈夫なの?」
「まあ、なんとか。でも、サイとかゾウって大きいし怖い」
「なんじゃそりゃ」
虎白にはもうさっぱりわからない。毛むくじゃらなのもダメでデカい動物もダメ。じゃあ何が大丈夫な動物なんだろうか。
「金魚とかかわいい魚なら平気。あ、カメレオンも大丈夫」
「「ますますわからない」」
虎白も葉月も萩香の微妙な基準に頭を悩ませる。萩香の好む動物を把握するのはなかなか難しそうだ。
四方を獣に囲まれた萩香とメダカたちは1歩下がってはおののき、また後ずさっては顔を青くしながら虎白たちの後をついてくる。
あまりにもかわいそうだからと動物園を速足で進んだ虎白たちは、フクロウの居る地点までやってきた。
「確か、ここで従業員さんに見つかって、案内所に連れて行ってもらったんだ」
「結構見て回ったんだな」
「半分は迷子になってうろうろしてただけなんだけどね」
葉月が自嘲気味に笑う。
その様子に虎白がどう反応したものか困っていると、『迷子のお知らせです』というアナウンスが拡声器から聞こえてきた。
『迷子の鏡水葉月君、峯川虎白君、日向萩香ちゃん、至急、案内所までお越しください』
男の人の声はそれだけ言うと聞こえなくなった。
「学校で呼び出された時みたいだな」
放送が終わった途端、虎白は誰にともなく呟いた。悪い事をした覚えはないのに、居心地の悪さを感じる。
「まあ、呼び出されたのなら行ってみたらいいんじゃない? 出口を教えてくれるかもよ?」
行こうよ。とムトは張り切っている。ムトは高校の制服を着ているけど、学校の呼び出しも笑顔で向かいそうだ。それとも高校生ってそんなものなんだろうか。
「ねえ、どっちへ行けばいいの?」
「えっと、こっちだな」
ムトに声をかけられ我に返った虎白は地図と照らし合わせて前に進む。
案内所は動物園の端っこに小さく設けられている。華やかな周りの雰囲気に似合わず、案内所だけは妙に堅苦しい空気を醸し出す。
「すいませーん」
虎白は案内所の前で声をかけてみたけれど、中からは誰も出てこない。
「誰も居ないのかな。ちょっと入ってみようよ」
「えっ。勝手に入っていいのかよ」
「あっちから呼び出してきたんだから平気平気。気にしすぎだって」
ムトは話し終える前に案内所の引き戸を開け中に入っていく。後を追って案内所の中に踏み込んだは良いが、中には誰も居なかった。
案内所は机と、その上にある機械、カレンダーやメモ用紙などが置かれ、奥にはどこへ続くのかわからない扉がある。
「いらっしゃい」
ビクッと虎白は自分の体がこわばるのがわかった。背後を見ると、いつ入ってきたのか帽子を目深に被った従業員がたっていた。最初に会ったあの従業員だ。
「あ、あの。俺たちに何か用ですか」
帽子で顔がよく見えないせいだろうか。妙な威圧感を感じる。
「君たち、迷子でしょ? 出口を教えてあげようと思ってね」
従業員は口だけでにっこり笑った。
「本当ですか? どこに行けば出られるんですか?」
虎白は真っ先に尋ねた。従業員は笑顔のまま片手で虎白を制する。
「その前に、1つ欲しいものがあるんだ。それをくれたら、教えてあげる」
「欲しいもの?」
虎白を制した手で人差し指を一点に向けるその人は指さしたものを見て「それをちょうだい」と呟くように言った。
それ?
従業員が指名しているものに目を向ける。それは萩香の後ろに隠れているメダカたちだった。
「ダメ!」
メダカが狙われてると知るや葉月が両手を広げて前に立ちふさがった。
「この子たちはここまで一緒に来た大事な仲間なんだから」
「残念。せっかく準備してきたのに。
瞬きする一瞬のうちに、従業員の手に虫取り網が握られていた。
「空を飛ぶメダカなんてすごく珍しいね。僕にちょうだい。僕の方がちゃんとお世話できるよ。君みたいに突然居なくなったりしないから」
「っ!」
葉月の表情が歪む。葉月が学校に来なくなってから、メダカたちの世話は萩香たちがやっていた。それを目の前の男は知っているらしかった。
葉月の顔が悲し気な様子へと変わるのを楽しそうに見つめている。
このままコイツと葉月を一緒に居させちゃいけない。虎白は直感で葉月の腕を握り背後の扉を蹴破った。
鍵がかかっているかと思ったが、予想に反して扉は音を立てて開く。目の前に長い階段が見えた。
「行くぞ!」
「えっ」
そのまま虎白は駆け出した。チラッと背後を確認すると、萩香がメダカたちを手のひらに収め追いかけムトが従業員の鼻先すれすれで扉を閉め虎白と同様階段を登ってくる姿が見える。
「お前、あんな奴言う事なんて気にすんなよ」
「……うん」
返事をする葉月の声は沈んでいた。
階段はそれへ向かってずっと続いている。両脇には手すりも柵も無い。虎白たち全員が並んで走れるほどの広さはあるものの、踏み外しでもしたらはるか下方に真っ逆さま。
地面には広い動物園の他に水族館やら遊園地、公園などが見える。ここは葉月が遊びに行った事のある場所が敷き詰められた場所らしい。
階段を駆け上っていると、動物園の方から先ほどの従業員の声が聞こえてきた。
『逃亡者発見。直ちに捕まえなさい』
サイレンが鳴り響く。大雨の警報などの時、町で鳴る、あの不安になるサイレンだ。同じ台詞が繰り返し放送される。そして、何かがゆっくりと動き始めた。
「お、おい。あれ……」
思わず立ち止まった。
隣で息を切らせながら葉月も立ち止まる。少し下で萩香やムトも何事かと振り返った。
動物園はもう虎白たちより下にある。そこに浮かんでいた巨大なクマの風船がむっくりと起き上がった。オレンジ色の風船の体と建物を繋いでいた糸が断ち切られ、クマは自由の身を手に入れる。
そして、ギュムギュムと無理やり首を曲げて虎白を見た。
「逃げた方が良さそうだね」
ムトが言う。巨体を震わせ、クマが宙に舞い上がる。そのまま風を押しのけ勢いよくこちらに近づいてくる。
虎白は唖然としている葉月の腕をつかみなおして階段を駆け上る。けれど、これほど長い階段を上るなんて経験がないためか太ももの筋肉がこれ以上足を上げるのを拒み始めた。
「何でお前の心の中なのに狙われてんだよ!」
仮面ヒーローの時は虎白たちが悪い事をしたという自覚があった。だから狙われても正論を返す事ができなかったが今は違う。
なぜメダカの事で狙われなければならないのか。
虎白の不満に答えたのはムトだった。
「きっと、迷子になった時の葉月君が抱いていた恐怖心が生んだんじゃないかな」
「僕の?」
「そう。そこにメダカ君たちへの気持ちが加わったのかもしれないね」
突然居なくなったりしない。
ちゃんとお世話できる。
その言葉が教室で毎日メダカの世話をしていた葉月の姿と重なった。虎白には友だちみたいに話したり、笑ったりしないメダカと見つめ合って何が楽しいのかわからなかった。けれど、葉月は話もしないメダカとの時間に楽しみを見出しているようだった。
それは虎白も知っている。葉月は後悔しているんだろうか? 学校に来なくなった事に。メダカの世話を放りだした事に。
「葉月、お前が来なくなってから、メダカたちの世話は萩香が毎日やってたんだぜ」
「え」
「葉月君ほどじゃないけどね。ちゃんとご飯を食べて、3匹とも毎日過ごしてたよ。でも葉月君じゃないとやっぱりこの子たちも元気がないの」
萩香の掌に収まっていたメダカたちは恐る恐ると言った様子で葉月を覗く。
「ソイツらはあの男じゃなくてお前が良いんだろ。あんなのいちいち気にすんなよ」
「うん。ありがとう。虎白君。それに萩香ちゃんも」
葉月は下を向いて言った。眉は不安そうに八の字になっていたが、その口角が少し上がっている。心につっかえている物の全てが解決したわけじゃない。そう思わせる表情だった。
「よーし。いい話にまとまったところでもうひと頑張りだ!」
話がひと段落したところでムトが大きな声を出した。
「皆、早く上らないと捕まっちゃうぞー!」
ダダダダッ!
ムトは真っ先に虎白や葉月を追い越して行く。見ると風船クマはすでに虎白たちの上空にまで迫ってきていた。
「やべっ。おいもっと早く走るぞ」
「む、無理だよ。これ以上は」
もう何十段も階段を駆け上っている。虎白も口では早くと言ったが筋肉がピクピクしてうまく力が入らない。
何でムトはあんな軽やかに駆け上がっていけたのか。スポーツをしてそれなりに体力もある虎白はまだまだだと言われてる気がして悔しかった。
虎白を追い越して行った当のムトはなぜか虎白たちの十数段上で立ち止まっている。
「何してんだよ。捕まるぞ!」
「わっと! 押さないでよ、落ちる!」
「うわっ」
ムトを避けた虎白は足がすくんだ。
階段は自分たちが立っている所で終わり。1歩踏み出せば何十メートルも下にある地面に激突してしまう。
しかし、ジャンプすれば何とか足が届きそうな距離に直方体の巨大ブロックが感覚を開けて何本も立っている。巨大ブロックのドミノだ。
「ど、どうしよう」
1人ずつ行くか。そこまでのんびりしている時間はない。風船クマが立ち止まった虎白たちを見てこれ好機とばかりに迫ってきている。風船クマの巨大な影が虎白たちを飲み込んだ。このままだと押しつぶされる。
「肩を組め! 全員で渡るぞ!」
虎白は葉月とムトと肩を組んだ。
「よしきた」
ムトは萩香と肩を組む。迷っている暇はない。髪の毛が風船の表面にチリッと触れたその瞬間、虎白たちは掛け声をかけて地面をけった。
落ちたら終わりだ。
1秒か2秒か。虎白は自分の足元に地面が無い時間の長さにお腹の底が縮みあがった。肩を組んだ葉月やムトの手からも同じような恐怖を感じる。1人じゃない。
トン。
次のブロックに足が付いた。けれど止まらない。止まるわけには行かなかった。
「1、2、3!」
3歩目で同時に地面を蹴る。後ろでゴトンという音が響いた。風船クマが床に接近した風圧で最初に飛んだドミノが傾いたのだ。このままだと自分たち事ドミノが傾いて地面に真っ逆さまだ。
しかし、はじめに作ったリズムを崩せない。1度崩せば自分たちの息がバラバラになる事はわかっていた。
焦るな。このままのペースで。
「1、2、3!」
踏み込んだ足がブロックから離れる直前、ゴトンと1つ前のブロックが当たった振動が伝わってくる。
虎白たちは寸での所でブロックから飛びのていく。その瞬き1回分後に虎白が居たブロックが傾き次のジャンプを急かすようだった。
「1、2、3!」
最後の掛け声。虎白は緊張と恐怖から解放される思いで叫んだ。虎白の足が付いた地面は白く、動物園に入る前と同じように駅舎や線路、クレヨンがある地帯だ。ここなら風船クマからも逃げ切れる。
しかし。
クンッと左肩引かれた。後ろにではなく、下方向に。
「葉月!」
葉月が地面までの距離半歩分足りなかった。虎白の目の前で、葉月はすでに下半身が虎白より低い位置にある。
虎白は反射的に腕を伸ばした。
「わっ!」
葉月は学年でも1、2を争えるくらい体重が軽い。片腕では重く感じるのは変わらないが、虎白は歯を食いしばって腕と腹筋に力を込めた。ムトと萩香も加わって葉月の腕を引っ張り上げる。
葉月の腕が地面の縁に引っかかった。が、そこまでだった。
「虎白君! 上!」
「うわあ⁉」
葉月のもう一方の腕を掴もうとしていた虎白の体はお腹を両側から挟まれ軽々と宙へ待って行った。
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