エミ攻略編10 エピローグ


「え? 結婚はできない?」


 結論から言おう。エミの攻略は失敗したらしい。


「うん。マコトと結婚するのはアリアだよ。もう決まってるの」


 すんすんと目をコスって泣いたフリ。

 いや、目が笑ってるぞ。口も。


「わたしはマコトの子供を産んだ後、キズモノとして他の格下貴族に払い下げられる予定だよ。これでも妾の子のあつかいとしてはマシな方だよ」

「なんだそりゃ」

「それが貴族の仕事だもん。家をつなぐの。そうして国をつないでるの。だいじな仕事なんだ」


「俺にネトラレ趣味はねぇんだけど」

「わたしにもないよ。意味わかる?」

「なんだよ」

「わからないかな」


 エミのこういうところは嫌いだ。

 勘がするどいところ。

 わけのわからないカマかけをするところも。


 俺が元の世界に戻りたがっていること。

 恋人に対する未練。

 エミを抱くときにアリアを想ってしてしまうこと。


 そのすべてを口にも出さずに責めてくる。

 だが俺はそんなものは無視する。


「とりあえず魔王がジャマだ。すぐにブッ殺してくるから待ってろ。ぜんぶ解決する」


 エミは笑った。

 俺を信じきったような顔。

 攻略はまだまだつづいてるらしい。


「うん、待ってる」


 エミは指でOKサインをつくって笑った。






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      エミ攻略編 完

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     次回 アリア攻略編

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