八聖節
一年を八つに分ける事が出来る。それは、青の節より始まり蒼、赤、朱、白、銀、黒、玄の節に終わる八つだ。それぞれに由来所以を持ち、生活と切り離す事のできない重要な節目となる。特に、『玄の節』は大陸に暮らす者たちにとって特別な意味を持っている。それは、『玄の節』が一年の終わりと始まりを司る日だからだ。
海の民はこの日ばかりは皆が漁を休み、自然の恵みに感謝しながら静かに一日を過ごす。書使達も全員が『書の邸』に集い、その年一年の働きを称えあう。風乗りや早駆けもこの日には体を休め、それぞれの街や村で杯をかわす。一年の息災に感謝し、次の一年の無事を願いながら。
極寒の季節の最中一年は終わりを告げ、新しい一年が始まる。それを祝うのはどの時代でも変わる事がない。世界を作り法則を定めたのが忌むべき神々だとしても、ここで時を刻み、歴史を積み重ねて来たのは人の意志であり、それこそが誇りなのだろう。
立ち寄った小さな村でも夜通し行われる新節の祭の始まる。懐かしくも感じる笛の音が新しい年の始まりを誇るように響き渡る。
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