7話
暗い…重い…苦しい…。ここは…どこ?まるで水の中にいるかのようだった。
(あれ?さっきまでベットにいて…で、急に気をうしなってしまったんだっけ…。)
私は起き上がろうと力を入れた。その時気づいた。
(あれ?動けない?)
身動きが取れないほど狭い空間に私はいた。周りはクッションのように柔らかく、それでいてとても、あたたかかった。こんなところ記憶にない。しかし…何故か懐かしい気持ちになった。
その時、薄い光が目に入った。それと同時に私の体は光の方向へ押し流された。そして狭い出口を通ると、白い天井と見覚えのある顔が見えた。私は驚いた。
(なんで…私がいるの?)
私の目の前には私がいた。意味がわからない。理解が出来なかった。
「おめでとうございます。元気な男の子ですよ。」
目の前の私は滝のような汗をかきながら満面の笑みを浮かべていた。
「…と。あなたの名前は…ゆうと。」
(ゆうと……。私の…子供…子供!!!)
その時、目の前が強い光に包まれた。そしてこれまでの記憶が流れるように湧き上がってきた。
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