向日葵

@hairo

向日葵

 向日葵と言えば、夏のイメージがある。一面に咲く向日葵とどこまでも青い空、首がつりそうになるほどに大きい入道雲 この三つが描いている絵があればそれは夏の風景を描いていると一発でわかる。


 本物の向日葵を見た最初の印象は、不気味な印象であった。テレビなどで見たことはあるが、実際に見ると自分の背丈より大きかった。テレビで見ていた視点と違い自分で見た視点では、ただデカくそのギャップが不気味な印象を生んだ。

 それから少し経つと、向日葵よりやや大きくなり上から全体を見ることができた。その時の印象は、この花は不器用なやつだ。向日葵は光合成を効率よく行うため、花がみな同じ方向を向いているのだ。他の花だと同じ花でも同じ方向ではないだろう、それが向日葵だとみな同じ方向に向く。それを見た自分は、ほかの花みたいにそれぞれ自由に咲けばいいものと思った。それゆえ、向日葵を不器用なやつだと馬鹿にしたのだ。

 また、そこから少し経ち向日葵を見た。身長はまた少し高くなった。さらに、知識も増えた。だが、その時の印象は、とくになかった。昔は不気味だとか不器用なやつだと思っていたが、新しい感想はなかった。確かに、綺麗とか黄色の発色がいいとか月並みの感想はあるがそれだけだ。そう、ただそれだけ...

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