第9話 ガチゲーマー

「やっと5階に着いた」

ウォーリーは息を切らしながらも、やっと自分の部屋の前に戻ってきた。

「ハァハァ、ロボットも息切れするんだぜ」

ウォーリーは掃除担当がいないのを確認すると、ドアを思いっきり開けた。

ドォォォォォォォォォン

「す、涼しいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」

ウォーリーはエアコンのリモコンを見つけると、スイッチを押してエアコンを止めた。

「ハァ、やっとだ。あとは帰るだけ」

窓から飛んでいけばすぐに帰れるのだが、不運なことに、窓の外には偵察機が飛んでいる。

「あいつら融通が利かないんだよな。窓からは無理か?」

ウォーリーは部屋を出ると、辺りをキョロキョロ見渡した。

「誰も…いないな?」

慎重にエレベーターに入ると、ボタンを押した。














「1階に着きました」

ドアが開くとそこにはなんと、いや、なんとなくわかっていたが、ラリーがいた。

「⁉︎」

「エレベーターから来るだろうと思ってたよ」

ウォーリーは黙ってエレベーターのボタンを押した。

「え、あのちょっと今話してるとt」

バタン

「ふう」

エレベーターの天井から音がした。

ガチャン

「おいお前ら着いたぞ。あ、いたぜやはりな」

「通気口から出てきたとかあり⁉︎」

「流石レイだ」

なんとエレベーターの通気口からレイたちが来たのだ。

「kitaaaaaaa、a、anataga………、ouensitemasu!!!!!!」

「ぴやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、ウォーリーさんダァぁァァァ。か、かっこいい(どんなふうに料理したら美味しいかな?)」

「おいお前ら、こいつは俺たちが昇格するために利用させてもらうただのマネキンだぞ。ファンなんて引退しろ」

ガチャン

「ふう、やっと開いた。アリーナがいなかったから力づくで開けなきゃならないからな。おや、新人どもじゃねえか。ここでボス戦かwww。BGMでも流そう」

ラリーが入ってきた。

「(なんだこいつら)。ここで捕まるわけにはいかない!!!!!!」

「ほう、俺は勇者アナゴ6420時間やり込んだんだぜ。勇者ランク9999だ」

ラリーが自慢げに言った。

「お前ガチゲーマーだったの」

「甘い!俺は200000000時間やり込んだんだぞ」

レイも自慢げに言った。

「なんだと新人のくせに生意気だ。ならクイズで勝負しよう。河川敷ロードにあるアイテム全て言ってみろ」

「ほう、面白い。まず、ガラスの破片、ボロッボロの下着、ハンガー、犬の○○、スマホ………………………………」

2人はウォーリーなんて気にせず、言い争った。

「今のうちに逃げた方が」

ウォーリーは走って逃げた。が、そのことには全く気づかない2人。残りの新人2人は呆れた。

「bokuradetukamaereba、konobakadomowobukanidekinjane?」

「おおそれいいな。追いかけるぞ」

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