<= To Be Continued

「っていう感じでやれば、いくら鈍感な先輩でも私に告白してくれると思うんだけど、どう思う?」

「妄想おつ」

「えー、なんでよー。良い作戦だと思うんだけど」

「いや、ないでしょ? ないない。ありえないよ」

「だからなんでよ?」

「そもそもさぁ、その先輩が勝負を受けなかったらどうすんのさ。話終わっちゃうけど?」

「うぐっ」

「それに、勝負の内容が複雑過ぎる。ルールいくつ出てくんのよ。絶対その場で考えたやつじゃないって、普通の人なら気付くでしょ」

「うぐぐっ」

「あと、勝負の内容がそもそも変態たちの遊びでしかない。なに? 片方がアイマスクをして? 片方が服を脱ぐ? 勝負に勝とうが負けようが、どっちもただの変態でしょ」

「ぐがっ」

「それで? 自分はスク水着てます? いつ着替えたのよ」

「……部室に行く前から」

「仕込みじゃん」

「だ、だって、流石に私も裸になるのは恥ずかしいし……いくら先輩がアイマスクを着けてたからって、外す可能性だってあるし……」

「スク水だったら恥ずかしくないの?」

「恥ずかしいけど、裸と下着よりかは大分ましかなって」

「正々堂々勝負してない。卑怯もののやり口が気にくわない」

「ぐはっ」

「最後に」

「まだぁ?」

「素直にコクりなさいよ。やり方がめんどくさすぎ」

「……やだ、先輩から告白してほしい」

「そんな変なこだわり持ってるから半年もこのままなんでしょうが」

「だって……何かの漫画で見たことあるけど、恋愛は告白した方が敗けだって書いてあったし」

「漫画を参考にすんなし」

「えぇ、だめかなぁ」

「ダメでしょ」

「だめかぁ……そっかぁ。また別の作戦を考えないとなぁ」

「……ねぇ?」

「ん?」

「そんなにカッコいいの? その先輩って」

「いゃぁ、カッコいいとは違うんだけど、頼りがいがあって、優しくて、困ったときは助けてくれて……」

「……」

「普段はぼけーっとしてるけど、ふとした瞬間の真面目な横顔がカッコよかったりして……」

「……のろけてんねぇ」

「の、のろけてるとか、そういうんじゃないし……」

「ふーん……ちょっと興味出てきたなぁ」

「え? ちょっとやめてよ」

「なんで? 別にいいじゃん。彼女いないんでしょ? その先輩って」

「よくないよ!? せ、せめて私が告白されてからじゃないと会っちゃダメだからねっ」

「我が姉ながらめんどくせー。そんな優柔不断にしてると、私がその先輩取っちゃうけど」

「だからダメだってば!?」

「大丈夫大丈夫。私たちなんだし、先輩も気づかないでしょ」

「気付くよ!! だって半年も一緒にいるんだよ!? いくら双子で似てるからって、気付かれないわけないよ」

「ふーん、じゃあ明日試してみる?」

「え?」


  <= To Be Continued

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透明人間になれるアイマスク 獅子亀 @shishikame

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