第193話華音の仕掛け? 柳生隆からの相談
総選挙投票時間の終了は、午後8時。
その午後8時の時点で、日本近隣諸国の「日本攻撃システム」の管理サーバーに、異常が発生した。
具体的には、
「日本攻撃プラン」ファイルが、全て閲覧不可能。
また、その「日本攻撃プラン」とリンクしている戦闘機(有人、無人を含む)の起動システムに壊滅的被害。(戦闘機が、空を飛べない状態に)
及び、軍艦、潜水艦も、同じ。
航行が不能となってしまったのである。
陸軍地上戦攻撃においては、戦闘機も船舶も動かない(動けない)ので、島国日本に対しては、「各国陸軍」は「無力」となってしまった。
それでも、各国の日本攻撃スタッフは、ミサイルシステムを点検した。
しかし、よりひどいシュミレーション結果となった。
つまり、日本に向かって、ミサイルを撃つと、自らの首都や軍事施設を攻撃するように、軌道が変えられており、変更及び初期設定にも直せないことが明らかになった。
あるいは、日本ではない有効隣国の首都や軍事施設に向かって、ミサイルが発射されてしまうシュミレーションも出た。
全く予想外の事態に、近隣各国の軍部首脳は当然、政府トップも必死に原因究明に努めた。
しかし、その原因は、「解読不明なウィルスのため」としかわからなかった。
そして、何故、解読不明なのか、も追及された。
しかし、追及空しく、原因は明確になっていない。
それらの結果と思われるが、総選挙投票終了後、あれほど日本上空を我が物顔で飛び回っていた隣国戦闘機及び、日本の港全てに顔を出していた軍艦は見えなくなった。
さて、総選挙は、事前の予想通り、新党「こころ」が、立候補者全員が当選。
総議席数の三分の二以上を獲得し、政権についた。
首相は、三田雄嶺、副首相に元官房長官の藤田、主要閣僚は事前の協議通りに。
また、吉村学園長が、文部科学大臣に任命された。
翌日から株価は、急上昇、為替も安定し、まずまずの滑り出しを見せた。
また、政権公約にかかげた諸政策への取り組みも、実に迅速。
官僚たちも、旧政党の利権目当ての口出しが皆無となったので、働きやすいらしい、機能的な働きを見せている。
そのような安心できる状況の中、華音は、官邸に呼ばれた。
入ったのは、官房長官の部屋。
柳生隆が、官房長官として、出向かえた。
「まさか・・・あのウィルスは華音が作っていたのか?」
華音は、手をヒラヒラとさせて否定。
「言うわけないでしょ、知りません」
柳生隆は苦笑。
「そうだよな、華音は裏のトップも兼ねるか」
華音は、また笑う。
「それも言わない、裏柳生って何?」
柳生隆は、華音の目を見た。
「華音しか、解読できないって、柳生霧冬爺さんが・・・」
「業平の崩し文字?それとも小野小町?それを仕込んだの?」
華音は、プッと吹いた。
「さあねえ・・・何のことやら」
柳生隆は苦笑いしたまま、話題を変えた。
「なあ、華音、憲法改正のついでに」
「衆議院議員の被選挙権の年齢を変えたい」
華音は、目を丸くした。
「何歳にするの?」
柳生隆は、胸を張った。
「25歳を撤廃、成人年齢なら全て被選挙権を持つにする」
「それも急ぐ、憲法改正は一気に進めるから、迷ったら何もできない、進まない」
華音は、首を傾げた。
「それ・・・意味あるの?」
「他はともかく、被選挙権は、必要を感じない」
柳生隆は、華音を直視した。
「華音、お前だよ」
「日本、世界のために・・・お前を早く政界に入れる」
華音は、面倒そうな顔。
「それ・・・マジ?」
柳生隆は、大きく頷いた。
「その気概を持て、お前ならできるし、見ていて面白い」
華音は、大きなため息をついている。
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