第192話選挙終盤情勢 選挙後の体制 華音の新任務
結果的に、華音の言葉は、国民の心を圧倒的に捉えた。(各新聞社の賛否調査で、華音の言葉や意見に賛成が、90%を超えた)
逆に、旧来の政党、国会議員から地方議員に到るまで、批判を浴びた。
不正な資金の受け取りと、自らの権益を守るために、犯罪(殺人)まで容認、当然のように考えていた、ほとんどの議員。
国や国民の利益よりも、自らの利権、派閥内での序列しか考えない狭量な議員たち。
日本を取り巻く諸外国の侵略戦略などは、何も考えないお花畑議員たち。
国会議員だから偉いと威張り、国民の痛みや苦しみは、何も理解してない議員たち。
政策は、全て官僚や秘書任せ、自らは「台本読み」だけの議員たち。
政党から指示されなければ、議案に賛成するのか反対するのかも、わからない議員たち。
(指示されていても、議決の時点で、その指示を失念、安易に挙手したり、しなかったりする議員も複数いた)
そのような旧来の議員たちに対して、新党「こころ」の各候補者は徹底的に攻撃、国民もそれを当然と受け止めた。
また、新党「こころ」の現実的で理にかなった政策も、国民の心に響いた。
(投票前日の各新聞社の動向調査で、新党こころの支持率は、85%を超え、さらに伸びている情勢となった)
さて、投票日前日、柳生ビル会議室には、翌日からの準備のため、新党「こころ」の主要メンバーがほとんど集まった。(地方議員は、オンライン参加)
柳生隆が司会。
「投票終了後の記者会見は、先日発足会見を行ったホテルのセレモニーホール」
「出席者は、三田御大、元官房長官の藤田さん、それと私が対応します」
全員の賛同を得たので、次の予定を確認。
「おそらく新党こころは、選挙区選挙で全員当選」
「比例区でも圧倒する予想」
「結果的に300を越えます」
「組閣の質問が想定されますので、三田御大は準備を」
三田雄嶺は重々しく頷く。
「全て、事前の打ち合わせ通りに」
「首相は、三田雄嶺」
「ただ、実質的な政治経験がないので、副首相として藤田さんに頼む」
「官房長官は、柳生隆」
「外務、財務、防衛については、官僚出身者、これについては専門性を考慮する」
「それ以外の閣僚については、地方首長経験者等を、柔軟に配置」
「これも藤田さんの意見を参考にした」
三田雄嶺の組閣方針の説明が続く中、華音も会議に出席している。
(ただ、華音は、首相直属の行政調査官なので、以前と変更なし)
組閣方針の説明が終わり、柳生隆は、新党「こころ」の体制の確認。
「これも、事前会議の通りです」
「党首は、三田雄嶺」
「幹事長は、柳生清」
「副幹事長は、柳生寛」
「他のスタッフは、柳生事務所を中心に、三田及び岩崎の政策研究担当が務めます」
その他、具体的、事務的予定の確認を終え、会議は終了した。
会議を終え、華音は、父雄嶺から呼ばれた。
「お前は、学生との二足わらじで苦労掛けるが」
華音は、苦笑い。
「やることは、変わらないさ」
雄嶺は続けた。
「時折、外国にも飛ばすぞ」
華音は、雄嶺の心を読んだ。
「首相の内密の特使?」
雄嶺は頷く。
「エレーナと久保田紀子を連れていけ」
華音は頷く。
「危険もあるから?」
雄嶺
「日本のために、時には厳しく」
華音の顏も、厳しくなっている。
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