第25話不安を覚える幹事長と官房長官
杉田晴幸の「処分」を決めた、与党幹事長田村は、官邸の官房長官の藤田に電話をかけた。
「おい、マジか?・・・三田と岩崎がって・・・」
「杉田は切ったが」
藤田官房長官
「動画が出れば、しかたがない」
「下手を打ちましたな、最近、殺し過ぎだ」
「とにかく、ある程度の議員の処分は徹底しないと、マスコミも野党も抑えられんよ」
田村幹事長
「処分を徹底する?選挙に困るよ、近いのに」
「俺の派閥も、心配している奴が多い」
藤田官房長官
「わからんよ、今の段階では、彼らの動きは断片的にしかわからない」
「断片的に、ワザと見せている可能性も高い、彼らの策として」
「とにかく、三田華音を馬鹿にしてはいけない、ただの戦闘坊やではないぞ」
「表も裏も、あらゆる組織も、彼と彼の組織を敵にしないほうがいい」
田村幹事長
「金がある相手に金で解決は出来ず」
「人間凶器と、歴史ある最強集団相手か」
「厄介だな、下手を打てば、政権交代か?」
藤田官房長官
「いや・・・政権交代というより、候補者全員の再点検」
「変な金は使わないほうがいい」
「ただ、華音君の政治思想はわからんが、左ではない、と思うが」
「俺たちだって、どう思われているのかも、わからん」
「俺も、調べられているようだから」
田村幹事長
「・・・となると、俺もか?」
藤田官房長官
「おそらく・・・と言うより、間違いなく」
「どう、判断されるか」
田村幹事長
「でもな、あの金は俺個人と言うより、政党としてだよな」
「俺ばかり責められてもな」
「ずっと前の幹事長の時にも、いろいろ、あった」
藤田官房長官
「それが、殺しとかの原因になっている場合もある、今回みたいに」
「それは、あの金そのものを公表させないための、仕方ない措置としても」
「まあ、与党なら全員知っていることではあるが」
田村幹事長
「日本が、ガタガタにならないように、との措置だ」
「確かに、消した人もあるが」
藤田官房長官
「それをマスコミに公表されたらどうする?」
「今までは、金払って、口を封じて来たけれど」
「もう、全件、調査しているらしいぞ」
「もし、それを投票日直前にマスコミに出されたら?」
田村幹事長
「厳しいな」
「とにかく、余計なことを言わんように、徹底させる」
藤田官房長官
「総理も、与党議員の軽口だけは、恐れている」
田村幹事長
「ボンボンの総理だ、叩かれれば弱いからな」
藤田官房長官
「長話をしている暇はないかな」
田村幹事長
「わかった、急ぐ」
与党幹事長と、官房長官の電話が終わった。
田村幹事長は、あちこちの派閥に電話をかけはじめた。
藤田官房長官は、厳しい顔で、首相執務室に向かった。
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