第13話華音の計画

華音は、自分に集まる視線は、全く気にしていない。

そのまま言葉を続けた。

「史裕さんを襲った、プロ、おそらく、プロの集団だろう」

「そこら辺にほっつき歩いているチンピラではない」

「そいつらを退治しないと、また、元の木阿弥」

「仕事をくれる人が別の人になるだけで、被害者は出続ける」


華音が、そこまで話した時だった。

会議室のモニタースクリーンに、橋本スタッフが映った。

「橋本です」

「沢田さんのお宅をうろういていたチンピラのスマホから、判明しました」

「大別して、予想通り、四系統」

「日本全国規模の最大指定暴力団の関係、シークレットと言われる連中」

「アメリカのマフィア」

「ロシアの工作組織」

「中国の工作組織」


「チンピラは、全てから仕事を貰う、下っ端の下っ端でしたが」


柳生清は。華音の顔を見た。

「で、どうする?」

「全部、潰すって、潰しきれんぞ」


華音は表情を変えない。

「潰せる奴だけ、潰す」

「もう、死んでしまった、消された極道もいるだろうし」

「ただ、こちらでチンピラでも潰し始めれば、奴らにも反応が出る」

「親分が出て来るか、あるいは手を引くか」

「それで、どうするか決める、強い警告にはなる」

「これが、当面の、考え」


沢田史裕は、話の展開、特に華音の口から出て来る言葉に、驚きを隠せない。

「華音君・・・大丈夫か?」

「華音君の命も・・・すごく強いとは妹から聞いているけれど」


答えない華音の代わりに、柳生隆が答えた。

「華音の強さ、分析力は、人並みではない」

「最近は、自衛隊でも、戦闘訓練を積んでいて、トップクラスか、それ以上」

「並みの、プロでは、歯が立たない」


松田明美が、華音に声を掛けた。

「でも、華音君、無理はやめてね」

「警視庁を信じて」

「今度は、本気に華音君を守るから」


華音が、首を横に振ると、会議室のドアが開いた。

柳生関西事務所長の柳生寛と、もう一人、迷彩服を着た中年の男が入って来た。

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