第8話 小説という商品

作品に対する思いとか感情って人それぞれだと思うんですよ。


我が子だ、と表現する人もいる。

ちなみに僕にとって小説は、商品です。


僕がこれまで生み出した作品は、短編まで入れたら数えきれない。覚えてない。

もしも、子供だとしたら、とんでもない親ですよね(笑)


おいおい。自分が生んだ子供の数、覚えてないって鬼畜か? ってなりませんか?


僕は売れない(受けない)って思った作品は、連載辞めます。

もちろん、序盤で見切ります。

時間がもったいないんで。

次々に生まれて来るアイデアの中から、これ面白そう、これ書いてみようって言って、書き始める事がデフォルトなんですよ。

なので、常にストックはないです。

連載に行き詰ると言う事は、筆が乗ってないってこと。

つまり、その作品は、僕にとって面白くないって事。

なので、連載やめます。

そういう作品って大体、交流してる作家さんだけが、応援コメントくれるような状況だったりします。

終わってんなって、自分で自分に引導を渡す感じです。

これダメだなって思った作品に注ぐ時間はもったいないと感じます。


もしかしたら、僕以上に読者さんの方が、僕の作品に思い入れあるって事が多いかもしれません。

僕が、登場人物に感情移入するのは、連載中だけです。

完結後、下手したら、登場人物のフルネームすら忘れてます。


ウケがよかった作品は推敲、改稿。次なるチャンスのためにブラッシュアップします。


だって、僕が目指してるのは商業作家なので。

売れてなんぼの世界なんで。

買い手がない商品をいつまでも店先に並べるような物です。

しかもそれには時間と労力というコストがかかる。


ただ、この思考に至るまでには、いろいろありましたよ。

真っすぐにここまで来たわけではありません。


プライドもあるし、技量の未熟さも、もちろん自認してます。

作家で稼ぐんだって、言うのが恥ずかしくて、ずっと「僕なんて……」って俯いてこの世界の端っこを浮遊してました。


けど、僕はある答えに辿り着きました。


技量ってあんまり関係ないって。そこそこ平均並みにあればいい。


要は、いかに売れる物をコンスタントに生み出す事ができるかなんだって。


めっちゃ能力と時間のある人なら、同時にいろんな事ができるのかもしれない。

でも僕は、そんなに能力ないので、面白い作品、感動させる作品、好まれる作品を生み出す事に全集中したいのです。


読者の皆様には、連載がエタったら、次これより面白い作品に出会えるのだと、思って頂けたら嬉しいです。

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