第6話 俺様は魅せつける

~ブロンズSIDE~



Aクラス担任

「Aクラスを受け持つことになった笹原 刀也(ささはら とうや)だ。宜しくな。」



席に座るとAクラスの教員が檀上に立ち黒板に自分の名前を書いた。この名前は………




生徒A

「え!笹原竜って現役の冒険者じゃないか!?それもSランクチームの!!」


生徒B

「1チームでスタンピードを解決したあのチームだろ!?」




ああ、そうだそうだ。確か【一騎当千】とかいうSクラスチームの1人の名前だったな。


現役冒険者がクラスの担任を勤めるのか………案外冒険者も暇なのか?



この教師は山形県のBランクダンジョンで起きたスタンピードをたった5人のチームで解決した1人だ。しかも被害は近くの土地が荒らされた程度。


今までに起きたスタンピードの中では今まででも稀に見ない功績だ。通常であればスタンピードが起きると小さな町1つはなくなってしまうような被害が出てしまう。現に撫子もスタンピードの被害者で全てが無くなってしまうのが殆どなんだが…


俺様

「暇でも何でもいい!この教師からは学ぶことが多そうだ!!俺様はまた一歩、素晴らしい自分に出会えるのだ!!」



俺様の知る限りこの者の実力は遥か雲の上の存在だ。いずれは俺様が先を行くがまだまだその道程は長い。そのような者から教えを乞うのも面白いだろう。



笹原(Aクラス担任)

「はは…そう思って貰えて光栄だよ。さて、まず最初に皆の自己紹介をする予定なんだが、ありきたりじゃつまらないだろ?


もう一度第一鍛練所で腕試しと行かないか?その方が皆の名前と顔………そしてお前らを挑発した


【生意気な成金野郎】の実力も肌で感じられるだろうからな?」



俺様

「………ははは!!!その通りだ!俺様がお前らに現実というのを教えてやるわ!!」



やはりこの者は面白い。




撫子

「い、いいいい、今、いま!この塵芥川が………


このゴミがブロンズ様をおおををを!!」



俺様

「おい、撫子。そんな事でいちいち怒るな。仮にも俺様を教える者なんだ。」



撫子

「はい。すみません、あの者が無礼だったのでつい。」


俺様

「ふぅ………お前の短気は直らないな?」



クラスの者達が先程までいた第一鍛練所に向かっていたが撫子だけが座ったまま教師に怒っていたので軽く諌めてやる。


コイツは昔から短気だから困ったものだ。



そう言えば顔見知りもチラホラいたがアイツらも少しは強くなったのか?それも含めて楽しみだな?







ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー





笹原(Aクラス担任)

「よーし、皆集まったなー?それじゃあ自己紹介を兼ねて模擬戦を始めるぞー?」



俺様

「俺様が相手してやろう。」



鍛練所に着いて模擬戦が始まると真っ先に俺様が名乗りを上げる。



笹原(Aクラス担任)

「おー?知らない奴はいないだろうが、コイツは【相模原ブロンズ】なー?


それじゃあコイツと戦いたい奴いるかー?」


強志 ルーカス

「「はい!!」」




そして真っ先に手を上げたのは俺の顔馴染みの二人だ。毎回ボコボコにされても懲りない奴等で俺のお気に入りの【おもちゃ】だ。



俺様

「強志。お前は先月に相手したばかりだろう?最初はルーカスとだ。相手してやるから掛かってこい。」



ルーカス

「ふん。毎度毎度上から目線で気にくわない!


今日こそは僕が君を叩き潰す!」



そう言いながらやって来たのは小さい頃からの腐れ縁の龍崎 ルーカスだ。前に会った時よりも鍛練を積んでいるのか雰囲気がそれらしくなってきたようだな。



笹原

「よーし、それでは模擬戦はじめー。」




やる気のない担任の掛け声と共に俺に突っ込んでくるルーカス。先手必勝ということだな。良い心掛けだ。


弱者は弱者なりに虚を突き、欺いて、そして見苦しい姿を見せても勝ちにいかねばならないのだ。



俺様

「おお、以前よりもスピードも体幹も良くなっているな?」


ルーカス

「だまれ!!いつまでも僕の上にいられると思うなよ!」



ルーカスの持つスキルは【魔刀】という比較的強いスキルだ。魔力で刀を作ることが出来てその者の才能や鍛練次第では長さや太さを自由自在に変化できる。


突撃してきた時も魔刀を作り、俺様に切っ先を向けながら突進してきたがその攻撃を難なくと避けて見せる。


そのまま流れるような連舞で俺様を攻撃してくるが当たってやる義理もない。


ルーカス

「ここだ!!幻視刀!!」


避けた際に少し距離を取るとルーカスはチャンスと思ったのか【何も持っていない手】で刀を横に振るような仕草をする。



俺様

「………ふむ。新しい能力に目覚めたのか。まぁまぁだな?」


ルーカス

「ば、ばかな!これも当たらないのか!?」



ルーカスは何も持っていないように見えて【目では見えない刀】を作り、しかも俺に届く長さの刀を一瞬で作ったのだ。



前までは長い刀を作るのにも時間はかかり、見えない刀を作るなぞ到底不可能だった筈だ。


その見えない刀を【魔障壁】のスキルで簡単に防ぐ俺様。



俺様

「はははは!!!ルーカス!お前も日々鍛練をして成長してるように俺様も日々成長してるのだ!!」



俺様は鍛練の他に以前ルーカスと闘った時よりもスキルも多く所持している。


スキルを購入した金額はサラリーマンの年収10人分は使っただろうがそれも込みで俺様の実力だ。



俺様

「また1から鍛練に励むのだな?


【ショック】」



ルーカス

「ぐああ!!…くそ、こん…か…いも………だめか。」



そう言ってルーカスは気を失った。




ルーカスを気を失わせたスキルは【スタンショック】という相手を気を失わせる事の出来る【アタックスキル】の1つだ。



【アタックスキル】とは攻撃に特化したスキルでそのスキルがあれば魔法のような攻撃や特殊能力を備えた攻撃が出来る。



有名な物では【ファイアーボール】や【マジックアロー】【衝撃波】【火炎斬り】【氷雪斬り】等が上げられるがスキルショップで購入できるアタックスキルは全て【俺様は所有している】のだ。




俺様

「よし、次は強志。お前が来い。」




強志

「っしゃああああああ!!やってやるぜええ!!」




笹原

「よーし、相模原はまだまだ元気そうだからそのままいくぞー?

次の相手は前田 強志だぞー?


強志の次は誰が闘うか決めておけよー?」



担任が何か言ってるが強志も先月よりも強くなったな。コイツは【身体強化】【打撃強化】【体術強化】【闘気】のスキルを持つ近接特化の猪に負けず劣らずの突進野郎だ。



コイツを簡単に倒す方法はあるが強志の全てを受け入れ、その上で叩きのめすのが俺様だ!



俺様

「はははは!!!まだまだだあああ!!」



強志

「っしゃああああああ!!」



強志はもう少しフェイントや搦め手を勉強しなきゃダメだな。攻撃パターンが単調で全ての攻撃を難なくと予想できる。一撃でも貰えば俺様でも骨の数本は持ってかれるが当たらなければ意味がないんだ。



俺様の攻撃だけが当たり強志は一撃も当たらない。全力の攻防が数分続くと強志は肩で息をしながら大の字で地面に倒れた。


強志

「かあああああ!!!くそおお!!また勝てなかったああああ!!


でも………楽しかったああああ!!また明日やろうぜ!!」



俺様

「はぁはぁ…ふん。いつでも挑戦してこい雑魚が。」




強志とヤるのは疲れるな。いつか俺様に攻撃を当てられるのを楽しみにしてるぞ?



笹原

「よーし、次は誰だー?


本当なら相模原も終らせたいが俺もコイツが倒されるのを見てみたいからな?


相模原を倒すまで勝ち抜き戦やるぞー?」




そう言って担任は俺様を見てイタズラが成功したような顔をしている。



俺様

「はははは!!!俺様がこんな雑魚の集団に負ける訳がないだろうが!!


誰でも良いから掛かってこい!!」




さて、格の違いを見せてやるか。

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