第5話 俺様のメイドは感動する

~撫子再度SIDE~






ブロンズ様

「何故お前らは俺様に【勝とう】と!!


この成金やろう!!【俺の方が上】だと!!!



【悔しい】という気持ちにならない!!?


何故同級生の俺様を神格化している!?



お前らのような雑魚どもには飽き飽きしてるんだよ!!」




ああ、やっぱりブロンズ様は素敵です。向上心もない只の一般人にも目を掛け本心から悲しんでおられます。






ブロンズ様

「お前らのようなアメーバにも劣る小物どもと同じ場所にいるだけで虫酸が走る!!


悔しかったら【俺様】を超えてみろ!!失礼する!!!」




自身が悪役になることで共通の敵を作り皆さんが団結してブロンズ様を超えようとする素晴らしい環境を作る手助けをされてます。




周りの単細胞で出来たような生徒達はキャンキャン吠えてますが、中にはブロンズ様を好意的な目で見てる方もいらっしゃいます。



教職員の方も校長先生と学年主任、そしてもう一人の方は感謝の気持ちでブロンズ様を見送ってる方がいました。





それにしても罵声ばかり飛んでで煩わしいですね?




撫子

「キャアアアアアアアア!!ブロンズ様あああああ!!カッコいいいいい!!!すてきいいいいい!!!」




ブロンズ様が望んでこのような結果になってるので我慢しますが、本当ならば煩わしい生徒達を1人ずつ粛清したいところです。


その中で大声を出してる生徒で見知った方を発見しました。



???

「うおおおおおお!!今年こそは勝って見せるぞおお!!」






あの方は毎回ブロンズ様と【ダンジョンバトル】の決勝戦で戦っている【前田強志(まえだ こうし)】さんです。



同年の中ではブロンズ様には敵いませんが他を圧倒する戦闘力をお持ちの方で良くも悪くも真っ直ぐな方です。


確か有名な武家の子孫だったとは思いますが前田さんもこの学校に入学したんですね?





???

「なでちゃん!!久しぶりね、元気してた?」



撫子

「はい?あ、お久しぶりです楓さん。ブロンズ様も私も変わらずです。」




そして私のブロンズ様の愛を聞いて近くにやって来たのは【左近寺 楓(さこんじ かえで)】さん。日本でも有数の会社である【左近寺グループ】のご息女様です。



楓さん

「それは良かったわ。それにしてもあの人は変わらないわね?貴方もあんな人のメイドは辞めて家に来ない?歓迎するわよ?」



撫子

「ありがたい申し出ですが私は生涯ブロンズ様のお近くにいますので。」



楓さん

「そう、いつものことだけど気が変わったらいつでも言ってね?」



撫子

「ありがとうございます。」



楓さんは手を上げて元の自分のクラスへと戻っていきました。


どうやら楓さんは隣のクラスのBクラスです。Bクラスとは良いますが今年は成績優秀な生徒が多いのか何かしらの分野で有名な方が多くいるような気がします。


前田さんや左近寺さんは当然ですが、他にもドラゴンテイマーの方や剣聖の御子息様。日本一の冒険者チームに加入が約束されてる方等々、日本各地にいる同い年の偉人達がこの場所に集結していると言っても過言ではありません。


そんな方達がいる中でBクラスに入れる実力があっただけでも誉められることです。



そして今年の入学生に実力者が集まったのは全てはブロンズ様がこの学校に入学したからです。


ブロンズ様は様々な事で成果を出し、そして日本有数のお金持ちです。


そんな素晴らしい方がいる場所に行きたいと思うのは当然でしょう。



職員

「お前ら。そろそろクラスに戻るぞ?」


Aクラスの方達は比較的に罵声を浴びせてる方は少なく、担当の先生の声も全員に届きます。

他のクラスの方達、BクラスとCクラスの方達はブロンズ様に怒ってる方が多いのですが、【それだから】Aクラスになれないのが分からないのですかね?

この場所にいても埒が明かないと思ったのかこれから勉学に励む教室へと職員の方は私達を連れていくようです。



Aクラス生徒①

「あの金髪ハーフ面白いな?」


Aクラス生徒②

「ああ、この学校に入学して正解だった。」


前田さん

「うおおおお!!アイツを倒すのは俺だあああ!!」




Aクラスの皆さんはブロンズ様に対して嫌悪してる方は少なそうで良かったです。


慕われ過ぎても照れちゃうのでブロンズ様からしたら困るかもしれませんが、自分の主が認められるのは幸せなことですからね。



職員

「よーし、着いたぞお。皆は好きに席に座ってろお。

相模原が来たらAクラスはホームルームはじめるからなあ。」



クラスに着いて私が最初にしたのはブロンズ様の席取りです。

ブロンズ様の事です。1番前の真ん中の席が良いと言うのは言われなくても分かります。

あの方は頭脳明晰ですが御自身が励むことに余念がありません。


誰よりも励み誰よりも上を目指す。今も昔も変わらず向上心をなくさないのです。




前田さん

「なでしこ!!久しぶりだな!その席はブロンズか!?」


撫子

「お久しぶりです前田さん。その通りですので真ん中の席は開けといて頂けますか?」



前田

「がはははは!なら俺はブロンズの隣で勉強でも教えて貰うかな!!」



そう言うと前田さんは真ん中の席の右隣に座り、私は左隣に座りました。



??

「じゃあ僕はその後ろの席で良いかな?」



そう言ってブロンズ様の席の予定の後ろに座ったのは顔見知りの人です。



撫子

「あ、ツンデレさんもいたんですね?本日から宜しくお願いします。」



ツンデレさん

「誰がツンデレだ誰が!…ゴホン。久しぶりだな。相模原もいつも通りで安心したよ。それでこそ僕が生涯ライバルとして認めた相手だ。」



ツンデレさんもとい、この方のお名前は龍崎ルーカス様。世界有数の会社を設立している社長の跡取りです。

本当でしたらアメリカにいる筈ですが、ブロンズ様の事が大好き過ぎて日本に留学しているツンデレさんです。

事ある事にブロンズ様の近くにいる方ですが昔は高飛車で本心から人を見下す性格をブロンズ様に修正して貰えた方です。



ツンデレさん

「か、勘違いするんじゃないぞ!?俺がしたくてしてるだけだ!」


口癖がこれなので私とブロンズ様はツンデレさんと呼んでいます。





こうして見るとブロンズ様のお知り合いも多く、賑やかな学校生活になりそうですね?



それから暫くすると教室の扉が勢い良く開いて少し賑やかだった教室も静まりかえります。


現れたのは私の最も敬愛する方の登場です。周囲を観察するとブロンズ様はお決まりの高笑いをして教室の中へと入ってきました。



ブロンズ様

「ははは!!木っ端どもが!!精々俺様を超えるように足掻いてみるんだな!!!ははは!!」





撫子

「ブロンズ様。こちらがブロンズ様のお席です。」




ブロンズ様

「………撫子?俺様は学校では話し掛けるなと言わなかったか?」



私の隣に座ると「話し掛けるな。」と、学校では関わるなと言ったのにも関わらずいつも通りにブロンズ様の隣にいることに機嫌を悪くしてるみたいです。




撫子

「はい?私は了承してませんよ?学校でも宜しくお願いしますね。」



ブロンズ様が関わるなと言ったのは私を思っての事です。ブロンズ様のお世話をするんじゃなく学校生活では自分の時間を楽しんで欲しいとのお気持ちで仰ってましたが、ブロンズ様に尽くす以外の楽しみなど私は知りません。




ブロンズ様

「………ふん。勝手にしろ。」




撫子

「はい。勝手にします。」



本当に学校生活が楽しみです。どんな素敵なブロンズ様を見れるのかが今からワクワクします。





ブロンズ様も席に座りAクラスの先生もホームルームを始めようと教壇の前に立ちました。




ここからが私達の学校生活の始まりです。





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