第2話 金があれば何でも買える。店の品物全てが買える。

~ブロンズSIDE~


俺様

「ほう………ここが俺様が通う高校か。」



都内にある一等地にある俺様の通う高校はまるで要塞のような場所だった。


外観からはそれ程広い場所には見えないが入学のパンフレットでは山1つ分はある広さだと書いてある。


しかし、この場所は良くてショッピングモール程度しか広さは無いと思うが場所を間違えたか?


俺様

「ふむ………だが門には【ダンジョン探索者専門高等学校】とあるし、1度入ってみるか。」



地図の場所も間違ってはいないし1度中に入ってみよう。


大きな両開きの門の中は不思議なことに中は真っ暗な暗闇のようになっていて見えなくなっている。


俺様は深呼吸を1つすると暗闇の中へと足を踏み入れた。








俺様

「………ほう!これは壮観だな!」



中に入るとその場所は一本道が続きその道を沢山のお店や施設のような建物が囲んでいる。


1番奥には城のような建物が建っており、一本道を進んでいる俺様と同じ制服を着てる者はその場所へと向かっていた。


入学のパンフレットにも書いてあったが俺様達が通う場所は城であると書いてあったがその通りで感服したぞ!!


軽い足取りで城へと向かい様々な店を見ながら歩いていく。まだ朝早いから閉まっている店は多いが朝から開店している店もちらほらとはあるようだ。



俺様

「………ふむ。【骨董屋】か。こんな朝早くから開いてる骨董屋とは珍しいな。」




開店してる店の中には骨董屋があったがその骨董屋は何か不思議な空気を感じて城へと進んでいる足が自然と立ち止まる。



骨董は偽物も多く出回っているが俺には目利きの才能もあり、【鑑定】の【スキル】もあるから得した事はあっても騙されたり偽物を掴まされたことは今だかつて1度もない。


もしや掘り出し物が有るかもしれんからな。まだ時間も早いし寄ってみるとするか。




俺様

「お邪魔するぞ!!」



店員

「はーい。いらっしゃい。


こんな朝早くから物好きねえ?新入生かい?」



俺様

「その通りだ!物好きというが骨董屋をこんな朝早くから営業してるとはお前も物好きな奴だな!



俺様がどんな物があるか吟味してやろう!!」



店員

「はいはい。好きに吟味してきなあ?何か欲しい物があれば声をかけておくれよ?」




骨董屋の中には初老の人当たりが良い女性の店員がいた。

その女性と少し話をしながら陳列してる物をざっと確認したがココは【ダンジョンから発掘された】骨董品が多いのだろう。


少し見ただけで【魔力】をまとう品物が多いのが分かる。鑑定してみると中々掘り出し物が多いので良い場所に来たなと思ったが値段が高いな?



俺様

「おい、この【自己回復増加の銅像】はこんなにしないだろう?なぜこんなに高いのだ?」



店員

「んーどれどれ?ああ、それは【安眠】と【微量魔力回復】の能力も付いてるからねえ?」



俺様

「ほう………それなら相場よりも10倍は高い1500万万円という値段は安く感じるな?


やはり名前だけでは分からんこともある。」


店員

「………あんた【鑑定】のスキル持ちかい?それで今のを信じるのかい?」


俺様

「ん?今貴様が言ったことは嘘なのか?俺様は名前しか鑑定では分からんが【大体のことは】覚えてるぞ?


そんなに能力がある物は初めて聞いたが嘘なら買わないぞ?」



店員

「いや、嘘じゃないよう?でもねえ?他の鑑定のスキルを持ってる子達は【そんな能力が付いてる】なんて見えないからねえ?高額だということもあるけど誰も買わないんだよう。」



俺様

「………ふむ。この【毒無効のお守り】は誰もが欲しがるだろうに。何故誰も買わずに埃を被ってるんだ?100万なら能力から見ても安いだろう?」



店員

「それはねえ?アタシが作ったお守りなんだよう。それも鑑定のスキルを持ってる子達は【何も能力なんてない】って言って騙してると思われるんだよう。」



俺様

「………ふむ。そうか。


なら貴様があの自己回復増加の銅像に【安眠】と【微量魔力回復】の能力を【付与】したのか?」



店員

「………へえ?良く分かったねえ?流石世界有数の御曹司ということかね?」


俺様

「バカにしてるのか?まずこの敷地に店を建てられてるというだけで【偽物】を扱う阿呆などいる訳がないだろう?そんなことしたら悪くて死刑だぞ?


そして鑑定で能力が出ないというのはその阿呆共が【付与】についての知識がある者がいなかったのだろう。」



この骨董屋の品物はどれもが知ってる物の相場よりも10倍は高いがそれに見合うだけの付加価値をこの店員が付けてるのだろう。


付与は外からその物に対して行うコーティングの様な物だ。


だから鑑定のスキルを使ってもその物自体にしか効力は発揮しない。付与された能力まで見れないのが普通だ。


付与された能力や細かな詳細が分かる鑑定系のスキルを持ってる者ならこの骨董屋が如何に優れた品物を置いてるのか分かると思うが、そういった者達があえて言いふらすような真似をしないのも納得がいく。



そんな事をしてしまったらこの骨董屋の品物は1日で失くなってしまう。それほどどれもが素晴らしい物なんだろう。



俺様

「それで?俺様ならこの店の物程度なら全て買えてしまうがどうすればいい?」



店員

「それは困るねえ?分かる子達は頑張ってダンジョン探索してお金を貯めて買ってくれるからねえ?


あまり買わないで貰えると助かるねえ?」



俺様

「ふむ。それなら毒無効のお守り二個と先程の銅像を買わせて貰おう。それぐらいなら良いだろう?」


俺はそういってプラチナのキャッシュカードを店員に渡す。


店員

「それぐらいなら構わないさね。アンタも何か欲しいものがあれば言うんだよう?


特別に【付与】してあげるからねえ?


はい、まいどありよ。」



俺様

「ああ。俺様にはあまり関係ないと思うが暇があればまた覗いてやろう。さらばだ。」



そう言うと右手の人差し指に嵌めている指輪が光り一瞬の内に銅像とお守り2つは消えてなくなる。


収納リングというマジックアイテムに購入した物を仕舞った俺様は骨董屋を後にしようとしたが



店員

「ちょっと待ちな。アンタは【あれ】はいらないのかい?」



俺様

「………どれの事だ?」



店員

「目の前に1番豪華に飾ってるんだから分かるだろう?その【村正】だよう。」



店員の言ってる【村正】とは名刀 村正 という世界でもまだ3本しか発見されてないマジックアイテムの事だった。


あの刀は【身体能力強化】【思考速度強化】【剣術~師範~】の3つの能力を備えた物で装備すれば誰もが剣豪になれると言われる物だった筈だ。


相場は10億だったか?それをこの店員が能力付与をして元よりも強いアイテムにしてるんだと推測は出来る。


高くても他のマジックアイテムが10倍よりも上回っていないならこの置いてある名刀 村正は100億か。


俺様なら買えてしまう金額だな。




俺様

「そんな物には興味ない。今度こそさらばだ。」



だがそんなアイテム1つに興味はない。



俺様は強くしてもらいたいんじゃない。



【強くありたい】のだ。



あんな物を持ってしまっては俺の望む俺にはなれんのだ。




俺は俺自身を強くする。



全く俺を舐めた態度を取りやがって。まぁ、良い買い物をさせてもらったから今回は大目に見てやるがな?





それにしても中々良い買い物をしたな?次来るときは撫子を連れてきてやるか。


そしてアイツが欲しそうな物を買って見せびらかしてやろう!!



ははは!!その時が楽しみだ!見せびらかした後は俺様には必要ないから撫子に処分させてやろう!!




ははは!!!その時が来るのが待ち遠しいな!!




………撫子があの刀を欲しいというなら買っても良いな?まぁアイツのことだ。どうせいらないと言うんだろうけどな。



へんな所で俺様に似て困った女だ。アイツのことだ………


『ブロンズ様を守るのにそんな物で守りたくありません。私は私のままで。ブロンズ様をお守りします。』



………とでも言うのが目に見えている。別に守って貰わなくて結構なんだがな?仕方ないからとアイツのワガママに付き合う身にもなって欲しいものだ。





………時間も潰せたしさっさと目的地へと向かうか。




撫子は寄り道してから来るだろうからまだ来ないだろうな。



代表の挨拶の練習でもしておくか。





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