第3話 少しだけ、軽くなった気がする
次の日、僕は一人で食堂に居た。昨日と同じ様に灯が話しかけて来た。
「シュウちゃん♡」
茶化すように言うトモを少し睨んで
「ミカの真似しないで」
「良いじゃーん、いつから付き合ってんの?」
「一年くらい前…ほら、灯がメンバー選ばれて忙しくなったあたり」
「フーン、幸せ絶頂!!って訳じゃなさそうだな。何があったよ」
「別に何も…」
「最近お前へんだぞ」
「え?」
「マジでなんかあったんじゃねぇの?昨日も言ったが、話さねぇとなんも伝わんねぇよ」
僕を見つめる。強い灯の目は僕の弱さを映し出しているようで嫌になる。
「でも、言ったら嫌いに…」
「なんねぇよ」
「…でも」
「お前が悩んでんだ。力にならせてくれよ」
背中を叩かれて、一気に涙が出てきた。
「灯…僕、自分が分かんないよ…助けて」
ミカに暴力を振るっている事、どうしてなのか分からない事、それでもミカと離れたくないと思ってる事、大泣きしながら全部吐き出した。
「うぅ自分が都合いいのは分かってる…どうしたら良いか、分からない…」
「修…」
「ぐちゃぐちゃなんだ。全部。ぐちゃぐちゃで自分を信じられないし、大切にしたいのに…分かんない」
体を丸めて泣きじゃくる僕の背中を叩いて、
「修!」
「っ!な、に」
「俺が修って呼んでれば修だ!正直俺はよく分からん!でも、彼女の為に泣いてるお前は俺の知ってる修だ!」
そう言って笑う灯は本当にいい友達だ
「うん…」
灯と話してほんの少しだけ、楽になった。
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