第4話
いつかパパゲーノのみんなに言ってみたいことがあった。
‘’オフ会しませんか?‘’
会ってみたかった。だけど、ネットだからこそ、みんなと繋がっていられるのだと思うと、居場所がなくなるのが怖くて、とてもじゃないが言い出せなかった。
窓の外を見れば、うるさいほどの青空が広がっている。嫌味なほど雲もない快晴で、自分とは真逆な感じだと自嘲気味に笑った。
「今日もよく晴れてるな」
睡眠なんてあってないようなものだ。常に頭は霧がかかってるようにぼんやりとしている。考え事は好きじゃないから、こんなくらいがちょうどいいと自分では思っていた。周りはどう思ってるか知らないけど。
私は私を好きになれないから、とても生きにくい。でも私は私をどうにかして好きになりたくて、不器用に藻掻いているのだ。
自分のずっと隣りにある不安。別に私は、解決案とかこうしたらいいとかいうアドバイスとか、そんなのがほしいわけじゃない。
ただ、話を聞いてほしいのだ。自分のことをちゃんと見てほしい。それだけなんだ。それをしてくれているのは、ネットで話しているみんなだけで。
でも、私は本名も住んでる場所も性別も、みんなのことはHNしか知らない。
現実世界には私を気にかけてくれる人なんていない。
不安がどんどん膨らんでいき、どうしようもなくつらくなる。ザラッと薬をとにかく掌に出し、大量の水とともに胃に流し込んだ。
全部全部考えずに、ただただ深く深く思考を落としたい。死ねるなら死にたい。でもどうして。
どうして私は生きてるの?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます