第3話 ポメぬい……のはず?
ポメぬいにバイトの愚痴とか響夜の話とか、握りながらテレビ見たりとかそんなのがすっかり日常になって寝る前のキスに至っては習慣と化していた。
そのお陰で、響夜との距離が近くなった気がする。昔程ではないけど…それでも、突っぱねる態度は少なくなった…気がする。
地獄のレポートの最後を響夜の家で一緒にやろうとなったのだ。
「ふわぁ…あと五行!」
テーブルで大きく伸びをする。響夜の部屋は、黒を基調とした部屋で家具やら寝具やらが黒と白で統一され、アパート暮しの大学生にしては相当オシャレな家だと思う。
「みーくん、珈琲飲む?」
「あ〜」
「みーくん眠い?」
「うん」
眠気眼でノートパソコンのキーボードを打つ。昨日は一限から五限まで講義があった上、バイトのトラブルで帰るのが遅くなった。その上今日も一限から…甘く見ていた自分が憎い。
(やべぇ。眠)
最高潮の眠気で何とか最後の文を書き切る。
「しゃあ!!勝った!!」
「お疲れ様」
と俺の隣に腰を下ろした響夜。
(眠い)
「なぁ、響夜」
「何?」
「寝ていいか?」
(眠い。ポメぬい…)
「いいよ。お疲れ」
優しい笑顔を向けてくる。天パの茶髪がだんだん毛玉に見えてきて、完全にポメぬいと同化した。
(フワフワ。ポメぬい…)
「ちょ、みーくん?どうし」
俺はフワフワした頭に口付けた。多分、額だったかもしれない。
「え?み、みーく」
「がっ」
「へ?寝た?」
「ス〜ス〜」
響夜は肩から膝に落ちたミクを見て手で顔をおおった。
「マジかよ。生殺しじゃん」
普段より低い声で言った響夜の声はミクの耳には届かなかった。
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