第2話(2)咲き誇る純白の華!生徒会長 白百合雪姫
※ ※ ※
黄崎アリサが校舎に向かうより、少し前のこと。アリサや紅緒がいる西寮とは反対にある、東寮にて。
「きゃああ! 白百合様のお通りですわ!」
「おはようございます、白百合様!」
学園の理事長の娘であり、生徒会長でもある
日本人離れした淡い色の巻き毛に、薄青色の瞳をした彼女は、童話の世界から飛び出してきたお姫様のような美少女だ。彼女は、他の生徒とは全く違う、真っ白なセーラー服を身に纏う。袖やスカートには、他の制服には無いレースやフリルがふんだんにあしらわれていて、制服というよりドレスのようだ。
そんな彼女のそばには必ず、黒百合円香が騎士のように付き従っているのだった。
「円香、暴令嬢戦士が現れたそうですね」
「はい。しかし気にすることはありません。私が必ず始末します」
「まあ、残念。暴令嬢戦士を一目見てみたいと思っていましたのに」
「いけません
「ふふふ、冗談ですわ」
しかし、次の瞬間。自分の足元を見た
「まあ、廊下に汚れが……」
その言葉をきいた生徒たちが、慌てて一斉に廊下に飛び出した。
「白百合様に汚れた廊下を歩かせるわけには参りません! どうか私をお踏みくださいませ」
「わたくしも!」
名だたる令嬢たちが、次々と廊下に腹ばいになって、雪姫が上を通るのを待つ。令嬢カーペットのできあがりだ。それを見て
「まあ。みなさん、ありがとう」
「まったく……しっかり掃除をするよう、用務員と
黒百合が顔をしかめて言う。
アリサたち
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