六章の登場人物とあらすじ
○オウリ
サイカ族出身の若手商人
○カナシャ
シージャ族。クチサキ(巫女)の力を持つ
●シージャ
パジ カフラン商会の人々
○カフラン 優男で曲者な商会主
タオの人々
○イハヤ 族長の息子
○シラ イハヤの妻で護衛
●カツァリ
○ルギ 腕のいい弓使い 族長候補
○トゥガ 現族長の息子 族長候補
○シュナ 現族長の娘 ルギに迫っている
○ウフト 現族長
◆ ◆ ◆
オウリがパジに戻るのにはイハヤとシラも同行した。到着した商会には、小猿を連れたルギが待ちかまえている。カツァリ族の氏族とカダル族の町の間で持ち上がった米取引の問題で相談があるというのだった。
その問題を解決することが次期族長を選ぶための試験なのだろうとイハヤが指摘し、ルギは渋々認める。本人は族長の地位に興味がないのだ。そのうえ現族長の娘シュナに言い寄られて逃げ出してきたらしい。
しかし問題を解決してやらなければ飢える者が出る可能性もある。オウリは米取引を請け負うことにしてルギと共にカツァリへ向かった。
途中まで同行したイハヤは、自分も間もなく族長に立つ身なので一緒に民を率いようと提案する。ルギも結局のところ面倒見のいい人柄なので、その未来を否定はできないのだった。
オウリがまとめた取引で、問題はあっさり解決。ルギは本人の意思に反して族長候補筆頭となってしまう。後は各氏族からの承認を待つばかりになった時、何故かシュナが殺されかける。オウリとルギにより助けられるシュナ。
現族長の氏族ティスタの長老たちは、族長位を世襲化して権力を握り続けることを企んでいたのだ。シュナをうっとうしがっていたルギに罪を着せ、シュナの兄トゥガを担ぎ上げる算段だった。シュナは女性の地位の改革を目指しており、守旧派の長老たちには目障りな存在でもあったため生け贄にちょうどよかったのだ。
ティスタ内部の反乱者は一掃されルギを次期族長とすることで、カツァリ族の騒動は幕を閉じた。
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