四章の登場人物とあらすじ


○オウリ

 サイカ族出身の若手商人


○カナシャ

 シージャ族。クチサキ(巫女)の力を持つ


●シージャ

カフラン商会の人々

 ○カフラン 優男で曲者な商会主

 ○ナモイ 明るく頼れる年長者

 ○シン 海の民出身 陸ではショボクレ

 ○ズミ 髪で顔を隠す美形 辛辣

 ○ラハウ 真っ直ぐな男


 ○カーラ ラハウの想い人 娼婦


カナシャの家族

 ○テイネ 父 医者

 ○リーファ 母 珠細工師

 ○タイアル 弟 医者の修行中


カナシャの友人

 ○フクラ 刺繍が得意な姉貴分

 ○サヤ 可愛い 染物師の娘で実験好き

 ○ライリ 拳骨をくらいがち


 ○ワンガ ライリの父 家具職人

 ○ツォウ フクラの父 鮮魚運搬業


●サイカ

 ○キサナ アヤル商会員 格好つけ男


●ソーンの港町ジンタンからの客

 ○ジャン・タイフェン 元織物業

 ○ガオ・シャオイェン ジャンの妻 病中

 ○ルー・ウェイ ジャンの通訳

 ○ルー・リン シャオイェンの通訳




◆ ◆ ◆


 地震対策に忙しいオウリ。カナシャが放ったらかされていると憤慨する幼なじみライリは、オウリじゃなく自分がカナシャを幸せにしたいと告白。見事に張り倒されてフラれ、さらにオウリにもひっぱたかれて散々な目にあう。

 サイカから商談に来たキサナが次兄リガンの結婚を伝え、さらにリガンの作り出した花の香る茶を届けてくれた。その出来ばえに笑い出してしまうオウリとカフラン。

 そんな時にソーンから戻った貿易船。同乗していたのは、以前ジンタンで出会った商人のジャンだった。病の妻シャオイェンを連れてハリラムの医術と巫術を求めに来たのだ。

 テイネ、カナシャ父娘の診察を受け、少し楽になったと驚くシャオイェン。喜ばれて一安心のカナシャとオウリは、やっと得られた二人で過ごす時間に杜で寄り添う。

 しかしタオから訪れたイハヤが温泉の異常を告げる。大地の深くを探ったカナシャは地震が近いと告げた。

 そしてその日。

 杜で祈るカナシャを迎えに行ったオウリの目の前で、カナシャは崩れ落ちる。直後、突き上げるように島が揺れた。

 宙を飛ぶ家具。崩れる家屋。

 カナシャの意識は戻らないが、大量の怪我人の手当てに走り回らなければならないテイネだった。そして医者の見習いであるタイアルも、オウリの助けを得ながら必死に治療にあたる。サヤの祖父を看取り、少しずつ大人に成らざるを得ない少年。

 そしてラハウは崩れた娼館からカーラを救い出していた。それによりやっと愛を受け入れようとするカーラ。

 他の商会員たちも、町を救うために働いていた。そして町の人々も、最初の衝撃から立ち直り、助け合いが始まる。

 やっと意識を取り戻したカナシャは何もできなかったことに自己嫌悪を感じるが、すべてこれからだとフクラに励まされて炊き出しに参加。帰ってきたオウリは無事なカナシャに安堵する。

 それから、町は復興に向け動き出す。オウリはカナシャだけでなく、その家族全員に迎え入れられた自分を感じ不思議に思った。愛おしい者があると、その周りの世界全てが大切なものになっていくのだと、初めて理解したのだった。

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