[変更済]MISSION 11 :納骨も戦いも終わって‪……‬






「あー、腕がくっつく身体に強化済みで良かったー」



 野戦修理キットっていうやつでちぎれた腕とにのうでをくっつける強化人間プラスアルファな傭兵系美少女、大鳥ホノカちゃんは、



 本当はおばあちゃんとお母さんの納骨式だったのに気がつけば戦場になっちゃった場所から、

 泊めてもらった同業者の傭兵スワンのキリィちゃんの家でもある神社に戻ってきましたとさ‪……‬




「いや、それはそうとアンタ、まさかそいつらも持ってくるとは思わなかったけど?」



「‪……‬デスヨネー」



 ‪……‬ついでなんだけど、私を殺しにきたシンギュラ・デザインド・ビーイングちゃんの二人を連れてきたのであった。


 2人とも身体はもう私ぐらいナイスバディな女の子だけど、中身は9歳だから‪……‬っていうのもアレだけど、なんか口を尖らせて不服そうな涙目で膨れてましたとさ‪……‬


「‪……‬‪……‬ぶー」


「ぶー」


 うん、もういつ駄々こねてもおかしく無いぐらい膨れっ面!

 まぁ、瞬殺機体大破して煽っておいてお説教じみたことまでした家族同然の同族の仇に連れてこられたらこうもなるよね。


「ギャハハハハハ!!

 見ろホノカァ!!フグじゃ!!フグみたいな膨れっ面、いっでぇぇぇぇぇぇぇ!!!噛んだぞ!!

 活きがええのぉ!!」


 ついでにキリィちゃん、そんな膨れっ面突いて笑ってるし、指噛まれてる。

 そういやフグって、めっちゃ歯が鋭いんだぞ!


「辞めなよキリィちゃんー」


「まったく、今の若い人は‪……‬」


「まぁ、勝ったものの特権だろうよ」


《せやなー》


「あまり褒められたものではございませんねぇ?」


「‪……‬少しかわいそうな‪……‬」


 そして、他のみんなも神社に集まってきたのであった‪……‬


「‪……‬‪……‬よし、じゃあキリィちゃん。

 もうお昼のいい時間だし、広間借りるね」


「お!やっとか‪……‬お前らも来い!

 今日は宴じゃ!!」


「「え?」」


「おねーちゃん、いいの?」


「良いかどうかは君のお仲間次第だよ。

 今日は弔いと遠路はるばる来たみんなのために奮発したしね、二人ぐらいは」


「あの二人私と同じぐらい食べるのに?」


「‪……‬だいじょーぶ!!多分!!」


 もうどうにでもなれ!

 戦闘も終わったし、まぁもう今は敵じゃない。





 てなわけで、


 ジュワァ、と焼肉用ヒーターでお肉を焼き始めたのだった。



「はい、じゃあ改めて‪……‬今日は家族の納骨のためにお集まりになっていただきありがとうございますー。


 ま、お母さんは知らないけれど、おばあちゃんはなんだかんだ湿っぽいのは嫌いだし、そういうのは私が散々やったから!!



 こっからは普通に打ち上げ!!!

 てなわけでみんな肉食え!!故人を偲びつつ盛大に食べて飲む!!!」



『おー!』



 他は知らないけど、湿っぽいのは多分後ろの壁に立てかけた二人の遺影も同じだし、打ち上げだ打ち上げ!!



「よし、焼くか私が仕込んだカルビ」


「ようやくじゃのぉ!よう焼くだけにけ?」


「キリィちゃんさむーい!」



 ジュワァ、と専用のヒーターで焼くちょっと大きめ豚バラカルビ。

 ふふ、いつかおばあちゃんが「焼肉屋やってみたかった」って言って私に教えた秘伝のタレに絡めてるから既に良い匂い〜♪美味しそー!


「ホノカ、ビール勝手にとっても良いか?」


「御老公、はしたないですよ?」


「あー良いよウタヌお婆さん!

 ウタヌお婆さん用にも用意してたし」


 てなわけで、すでにお酒飲みたいって目で訴えてくるクオンさんにも、ウタヌお婆さんにもウォースパイトさんにもビール瓶開けてグラスに注ぐ〜。

 ああ、私やるのに、クオンさんごめんねー。

 ちゃんと3人に分けるのは偉いけど、早速瓶ビール一本キープするクオンさんである。


「む‪……‬このタレ、懐かしい‪……‬!」


「あら、ウォースパイトさんこのタレ知ってるの?」


 と、薬指使って一滴舐めたウォースパイトさんがそう驚いた声を上げる。


「ええ‪……‬昔、まだバリア外も寂れてた時に、依頼ついでに外でキャンプみたいなことしましてね‪……‬

 アンジェ‪……‬あなたのお婆さんが、そういえば今日みたいに事前に買った肉に漬けていましてね。

 ‪……‬‪……‬ちっとも変わっていない‪……‬あの味です‪……‬」


「‪……‬‪……‬アンジェさん、このタレの作り方は最後まで教えてくれなかった‪……‬貰ったものは門下生にも評判だったのに‪……‬」


 懐かしそうな顔で言う二人。

 ‪……‬‪……‬そんな昔からの作り方か。ふふ♪


「こらこら、懐かしんでも良いけど湿っぽいのは無し!

 肉、食べた食べた!」


「‪‪……‬アンジェに申し訳ない気持ちはあるが‪……では、酒が飲める老人どもはさっさと乾杯だな」


 かんぱーい、と大人の皆さんビール入りのコップを乾杯させた。

 そのまま熱々カルビを早速タレにつけて食べたクオンさんは、早速ビールでそれを喉に流し込んだのだった。



「‪……‬くぁー‪……‬合う!

 やっぱり、会うな‪……‬アイツ、そういえば焼肉屋やりたいとか言ってたな‪……‬思い出したよ」


「‪……‬クオンさん、案外おばあちゃんと付き合いあったんですか?」


「‪……‬300年生きていると、まぁ人付き合いも乏しい方にはなる。同世代がいないしな。

 お前が、登録されて頭角を表したときも、苗字に覚えはあったがすぐには思い出せなかった程度には私も忘れっぽい。


 ただ、お前の知らないアンジェの顔を一つ知っている」


 と、私お手製のキムチを食べてから、再びビールを流してこちらを向くクオンさん。


 何を言うのかな?



「────アイツ、強化してなくても、

 私より酒好きで酒が強いぞ?」



 ‪……‬‪……‬あらまぁ。

 横の知り合いの方含めて、うなづいている辺りそうなんだ。


「‪……‬‪……‬だから味濃いめなんだタレ。

 お酒好きってそう言う味にするし」


「塩気をアルコールで流し込むと幸せになれるんだ」


 そういうクオンさん、いつの間にかタンを焼いていて、塩を多めにかけて市販のレモン汁をかけてパクりと口へ。

 言葉通りビールで流し込んでいた。


 ────思い出した。おばあちゃんもやってたもっと子供の頃。




「おねーちゃん、ご飯もらって良いー?」


 そう言いつつ、すでに炊いてた炊飯器からお米を山盛りにしているルキちゃんがいる。


「はいはーい、私の分残しといてねー?」


「なんじゃ、お前ら。肉食ってるのに米食ったら肉食えんじゃろ?」


「「「「「は!?肉あるのにお米無しとか舐めてんのか!?!」」」」」



 あれ、ハモった?


 ルキちゃん?あとツナコちゃん??

 あ、ほかのシンギュラ二人も???



「「「「「だよね〜♪」」」」」


 そうだよ〜♪と思いながら、みんなで炊き立てご飯のある茶碗を片手にオン!


 タレのついた肉!!お米!!


 美味い!!日本人の味!!


「キリィちゃん、お米はいるよ。

 濃い味をお米で中和すると口の中が幸せになるんだよ?

 体重?知らない」


「おう、お前強化前からそういや脂肪は全部ここ行くらしいしの」


 こらこら胸を突かないー。


「‪……‬まぁ〜、お米はいるか。じゃけぇ‪……‬わしゃ濃いのが好きじゃけぇの」


 と、ここで立ち上がりスタスタどこかへ行くキリィちゃん。

 疑問に思っていたら、台所から卵のパックと味海苔を持ってきた!


「まさか‪……‬!!」


「そのまさか、食ってから言えぇ」


 ご飯に生卵をオン!!

 味のりパラパラ‪……‬私の秘伝のタレをかけて‪……‬


「そうか!!」


 そう、混ぜた。



 卵かけご飯だ!!




「‪……‬良いね!!」


「じゃろ!?

 卵かけご飯は、味濃い目ぐらいが逆にええんじゃ!!」


 普通に真似して、みんな食べたせいで5合炊いたご飯一瞬で消えちゃった。まぁまだあるけど。

 キリィちゃんの提案した卵かけご飯は美味かった。

 私のタレにこんな使い方が‪……‬!!


「じゃがコレで終わりとは思わんほうがええ。

 コイツを‪……‬」


 いつの間にか良い感じに焼いていたカルビ、

 それで‪……‬なんと卵かけご飯を、巻いた!


 うぉ‪……‬なんと言うか、豪快だけど絶対美味しいやつ‪……‬絶対美味しかった!(過去形)


 周りも真似する!!

 ルキちゃんはじめとしたシンギュラちゃん達なんか、大判に切ったやつでもうおにぎり!!



『くぁー!!』


 大人の皆様、この濃厚な味を肴にビールを流し込む。



「悔しいけど、敵が作ったご飯が美味しい‪……‬!」


「悔しいけど美味しすぎるぅ‪……‬!!」


「おねーちゃん、太ったらおねーちゃんのせいだからね!!」


 シンギュラちゃん達、橋止まってないなら喋っちゃダメよお行儀悪いー!

 まぁ文句言うほど美味しいのは分かるー♪



「でしょー?タレは私手作りだからね!

 にしても、卵かけご飯とは良く考えましたなぁ、キリィちゃんや?」


「卵かけご飯は日本語喋れる奴ら皆の心の飯じゃろ?

 嫌いなのは、周りのインペリアルの連中だけじゃ」


「そ〜〜〜なんですよ〜〜〜!!

 私もぉ、いわゆる日系じゃないですけど、舌はもうバリバリ日系なんですよ〜〜〜??

 だから周りがこういうの許さなくって〜〜‪……‬!」


 ウォースパイトさん、ベロンベロンである。

 出来上がるの早い!!

 と思ったら、3本ビール瓶開けてる!!



「ウォースパイト、お前‪……‬

 今日は控えめだな?」


「たしかに、どうしたんです?柄にもなく遠慮して」



 なおクオンさんすでに10本目。

 ウタヌお婆さん、その歳でもう8本目である。


「おばあちゃん、飲み過ぎだよ‪……‬」


「あら大丈夫ですよツナコ。ほらほら、若い子が何肉を遠慮してるの!そして野菜も食べなさい!!」


「やるからやるから大丈夫だって、ウタヌさーん!」


 ポイポイ野菜と肉を焼肉用ヒーターに突っ込むウタヌお婆さん。

 それ小型だから入れすぎないで〜!



「‪……‬‪……‬戦っている時は恐ろしい人間なのに、」


 ふと、あの①のエンブレムガチタンに入っていた金髪の可愛いシンギュラの子がこっちを見て言う。


「ん?」


「‪……‬普段は普通の人間、なんだ‪……‬」


「‪……‬そりゃあね、私は普通の人間だし」




「────どうして人殺しておいて普通に過ごせるの?」




 ‪……‬あらま。




「おかしいよ‪……‬あなた、AAちゃんだけじゃなくて‪……‬

 もっと殺してるはずだよ、その歳で。

 何十人‪……‬何百人かもしれない。

 なのに、なんでそんな平気な顔でいられるの?

 なんで美味しいご飯を普通に作れるの?


 あなた、人殺ししてる自覚あるの?」




「‪……‬‪……‬」



 ‪……‬‪……‬そっか。



「そりゃねぇ、可哀想とは思うけど。


 で?なんかそれが私が幸せに過ごしちゃいけない理由にもなる?」


 まぁ一般的な感覚じゃあないね。

 ────すんごい顔にもなるよねそりゃ。


「そりゃこんな仕事してる以上、私は地獄に堕ちて焼かれるさ。


 でもコレでも、そもそもの傭兵スワンなんて汚れ仕事人やってる目的が、色々あって背負った借金の返済と、傭兵スワンの契約を解約するための金のため。


 初めから自分勝手な理由で、自己責任。

 なら、私が普段は何食わぬ顔でご飯食べて寝て、たまに買い物して過ごしたって私の勝手なわけだ」



「‪……‬あなたみたいな奴に、AAちゃんは殺されたって言うの‪……‬!?」



「そうだぞ。

 そして君がもし今後私を殺すのなら、君も私と同じような酷いことをうんざりするほどせざるを得ないわけ」



 どうも、そこを思い浮かばなかったようで、驚きの顔を見せる。




「私、別に罪の意識が無いわけじゃないけどさ、

 このクソ仕事は、困ったことにこの星じゃ必要だし、稼げると言うことは需要があるってことなんだよ。

 別に君の復讐や、君達の存在意義は否定しないけど、

 もしも君らはそこらへんで歩いている幸せな家庭をぶち壊すようなことしたくないなら、初めから傭兵なんてならなきゃ良かった。


 まぁ、もうお互い条件は同じだよ。

 500万cnカネーため切るまで、人殺して、誰かの大切な場所破壊して、正義でも悪でも金次第で好きな方につく。


 そんな仕事するしかない。

 そんな仕事するしかなかったからこそ、今ご飯は幸せに食べたほうがいい。


 ‪……‬‪……‬ほら、そこにいる私のお母さんとおばあちゃんを見てよ。


 ある意味で、なんとか戦場から脱出できた人と、できなかった人だよ。


 二人とも、今はどっちにいるのかな?」



 酔いが冷めた顔の年寄り達も、みんな二人の遺影を見る。


 ‪……‬‪……‬なんとも言えない顔で、でもどこか納得した顔で。




「‪……‬タマコも、泣いてた」


「え‪……‬」


 ふと、私よりお母さんと付き合いが長いであろうルキちゃんが声を漏らす。


「‪……‬私は、逃げられないって‪……‬戦いから逃げる方法を失ったって‪……‬

 そうなることを選んだはずなのにって‪……‬‪……‬前にも、お酒片手に泣いてた‪……‬」


「‪……‬‪……‬」


「‪……‬‪……‬ホノカって、おねーちゃんの名前‪……‬呟いてはお酒煽って、謝って‪……‬お母さんごめんなさい正しかったって‪……‬ずっと‪……‬」


「‪……‬‪……‬直接言えよ‪……‬バカ親‪……‬」


「‪……‬‪……‬なんで、言葉足らずな所が娘に似たのですかアンジェ‪……‬‪……‬

 あなたの孫はちゃんと喋ってくれるのに‪……‬まったく‪……‬アンジェとその娘タマコへ」



 ウォースパイトさんが、グラスのビールを掲げて言う。


 ‪……‬自然と、シンギュラちゃん二人組以外は、手元の飲み物を、遺影にむけて掲げていた。




 親族だからってだけじゃない。

 親友だからってだけじゃない。



 この写真の人間達は、明日の自分かもしれない。


 だからこそ、その死を讃えて、慈しんで、乾杯するんだ。





「‪……‬ま、しんみりしたのは無し!

 ご飯とお酒に戻ろう!!」



「待てぇ、ホノカ。

 じゃったら‪……‬仕切り直しの前に、ここの御神体でも拝みにいかんか?」



 ‪……‬と、キリィちゃんそんなこと言って立ち上がる。



「‪……‬ああ、それもいいか。

 久々に『アマアオギ様』でも見るか」


「あれ、クオンさんも知ってるんだここの神様」


「‪……‬そう言えば、ここに泊まってたけどなんの神様いるのか知らなかったわね。

 アマアオギ様って何?」


「‪私も気になりますねぇ。朝は結局ちゃんと拝んでおかなかったから‪……‬」


「じゃ決まりか。ちょうどホノカとかはここのご利益がピッタリじゃろ」


「‪……‬たしかに」


「で、アマアオギ様ってなんなの?」



 それはねー‪……‬‪……‬








 てなわけで、拝殿の奥の本殿‪……‬って言っていいのかなって場所へ。


 なんせ吹き抜けというか、外だし天井の空いた中庭みたいな構造になってるんだ。



『え!?!?』


 と、知らない人々は驚くよね、



 ────そこには一機のeX-Wのような汚れた機体があった。


 正座したような形で、開き切った胸のコアのコックピットと、上を見る形で固定された頭部。

 ぐったりと腕を広げて、その黒く汚れているけど多分白かった機体が、

 しめ縄で飾られたボロボロの残骸が、光を映さないカメラで遠くの空を見上げていた。



「ここら辺は、インペリアル領内じゃけぇ、本来はキリスト教のが強い。

 ただの‪……‬神道の人間がコレをバリアの外で見つけた時は、そらもう神として祀る他ないと思ったらしいのが、ここ『天仰アマアオギ神社』の謂れじゃ」



「これ‪……‬eX-W‪……‬?」



「それに似ている、旧時代の機動兵器だろう。

 火星人類の歴史のさらに前、私を作った600年前のテラフォーミング計画以前にずっとここにあったまま朽ち果てている」



「‪……‬‪……‬相変わらずすごい‪……‬!」



 ───神様はいる気がする。

 少なくとも目の前で遥かな空を見上げているこの朽ち果てた機動兵器は、神様にしか見えない。



「遠くの空を見上げる様子が、『天に登った魂を見ている』っていう解釈がされとる。

 なんでも、落ちた当時あの視線の先に地球があったらしいからの」


「‪……‬‪……‬」


「死者を鎮めてくれる神じゃけぇ、土地柄もあるけ参拝客も氏子もそんないない神社じゃ。


 ワシは、ここの神主、巫女の家系じゃけ、傭兵業でずっとここの維持費を稼いどるんじゃ」


「そ。死んだ後の魂が、どっちに行くにしろ見守ってくれてるっていうの。

 こじつけだけどさ‪……‬私、キリィちゃんに見せられてから結構信じてる」


「おうじゃあもっと賽銭落とさんか」


「そのうちね。

 ‪……‬でも拝むのなら何度でも。特に今日はね」




 神様、アマアオギ様、

 お母さん、おばあちゃんを頼みます。


 酷いこともしたでしょうけど、どうか安らかな場所へ‪……‬



 手を合わせて拝む。

 みんなも‪……‬自然とこのアマアオギ様に祈りを捧げていた。




「‪……‬‪……‬よし!

 じゃ、続きしようか!!

 しんみりしすぎてたら、お母さんもおばあちゃんも成仏できないし」


「よし飲むか」


「まだですかクオンさん!?」



 また、みんな笑い声が戻ってくる。

 ちょっと曇ってた顔のシンギュラちゃん達も、まぁ仕方ないって顔で。



 ‪……‬明日から、いつもの傭兵稼業に戻るんだ。


 今日ぐらいは、笑って、たくさん食べて、死んじゃったおばあちゃん達の話とかで花を咲かせて、


 騒いで過ごそう。




 ふと、御神体のある本殿を出ようとした時、斜め上に変な気配があった。


 私と、何故かルキちゃんも足を止めて、アマアオギ様の見る遠くの空の先を、見てしまう。



 ‪……‬‪……‬そこにいるの?




「‪……‬‪……‬まさかね」


「‪……‬ま、そう思ってあげる」



 そうして、またキリィちゃんの家で、肉を焼いて宴会を繰り広げたのであった。





 また明日から、傭兵生活だ。




           ***

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