[変更済]MISSION 9 :最後の最後で緊急事態!?
「なになに!?味方なの敵なの!?」
傭兵系美少女の私こと大鳥ホノカちゃん、
やっとキッツイ狙撃戦終えたら、なんだかバラバラ同業者な
<クオン>
『今情報が入ったが、とんでも無いぞ!
私からの依頼では無いが、敵の殲滅依頼が出ている!!』
<ウォースパイト>
『殲滅!?無力化と拿捕では無いのですか!?』
<クオン>
『殲滅だ!!
やられたよ……敵は我々トラスト内部にもいるようだ!!』
なんだって!?
じゃあ……あの何も知らない
「殺すのは良いけど、アレだよね?
つまり、捕まえて色々吐かせるってことが……」
<クオン>
『クソ!!死人に口なしとはよく言うものだ!!』
あー…………じゃあ、私達、つまりは本当に純粋な『自衛の為の戦い』以外は出来なかったってことか……
<ウォースパイト>
『…………結局、旧友のお葬式が台無しになっただけ……ですか』
<クオン>
『財団の正体が分かっただけ、とも言えんな。
…………いずれにせよ、粛清と報復はキッチリしておかねばなるまい』
「……じゃあ、今日はこんだけやって追加報酬絶望的って事ですかー……
あー、それが一番ショックかもなー……」
<クオン>
『…………香典ぐらいはつけてやる。
帰還した方が良いだろう。止める手段は……』
と、その時、
パシュン、と私の今乗ってる機体のリコンが射出されて、近くに来ていたクオンさん乗ってるあのトラックに張り付いた。
「ん?」
<クオン>
『どうしたいきなり?』
「いや、なんででしょ??なんか勝手に……」
<セヤナ>
《あかん……!
ごめんホノカちゃん、せやねん、こうなるって考えとかなあかんかった……》
え、となんだか嫌な言葉を吐いちゃうセヤナちゃん……
「ど、どうしたの……?」
<セヤナ>
《ウチもうAIやもん、こうなる考えなあかんかったんや……!!
ウチに『
アカン、
は、と言いかけて、遠くからライフル弾が飛んできて今乗ってるこの機体に当たる。
<ウォースパイト>
『いけません!!すぐに機体の電源を切って!!』
まだボロボロのウォースパイトさんの乗ってる重2脚型のオールドレディが前に出るけど……
<セヤナ>
『アカン!!動けるけど、機体を捨てられへん!!
中途半端の動かせるとか嫌らしいやっちゃ!!』
「マジだ……戦闘モードも解除できない!!」
視界にエラー文。オイオイ、じゃあ私ここから出れないじゃん!!
<クオン>
『……おい、ルキ。お前運転はできるな?
私がなんとかシステムに介入する間頼みたい』
<ルキ>
『おねーちゃーん!9歳児に運転させようとする悪い大人が隣にいるんだけどー!?』
「今日だけお願い。
クッキークリーム4つで!!」
<ルキ>
『まぁ無くてもするわよ……懐かしい顔が来る。
いや来たわ!!』
ルキちゃんとレーダーが感知した方向、優秀なカメラを向けると……来た!!
ヘリに吊るされて、2つのタンク脚……当然ガチガチのガチタンクが降下してくる。
エンブレムは────片方に覚えある構成だったけど、『①』と『⑦』の2機!
「シンギュラ・デザインドちゃん達か!!」
<ソロネ>
『アレね!AAを殺したっていう
<アンジェリカ>
『────ようやくこの時が来た……!』
人工的な人っぽい生き物、ネオ・デザインドビーイングを超える存在、今トラックにいるルキちゃんをはじめとして9人しかいない、ある意味で戦うために生まれた『シンギュラ・デザインドビーイング』達!
片方は、つい最近私が戦って、仲間を殺した時いた子だ!
<ルキ>
『アンジェリカどころか……あのソロネまで来たのね……!!』
<ソロネ>
『久しぶりねルキ!アンタ私より弱いんだからさっさと逃げなさいよ、死なせたくないの!』
<アンジェリカ>
『ルキちゃん、そこからどいて。
そこの
例の物騒な対艦プラズマビーム砲をこっちに向けてる。
てことは、頭部は硬さ重視だけど、オプションか何かでFCSを長いのにしてる……つまりもうロックオン距離ってことだね。
<ルキ>
『……二人とも本気なのね。
なら分かるでしょ?私は、どかない。
というか傷ついたんだけどソロネ?
絶対生きてやるから』
<ソロネ>
『なによぉ!ちょっとカッコいいセリフだし……ぐぬぬぬ』
<アンジェリカ>
『……』
片方の、①の方のエンブレムのガチタンの背中の物騒な武器のチャージする光が見える。
やばいな……よし……まずは無線を開いて……!
集中……集中……よし!
────相手が思考読めるシンギュラ・デザインドっていうのなら、適当なこと考えてみよう。
回鍋肉の作り方でも。
「ルキちゃん、クオンさん、トラックから出て。
相手は本気だ」
ええとね、回鍋肉は私流だとやっぱ胡麻油多めで作るんだ。
最初はピーマン、キャベツを炒めるんだ。
そんな長くなくていいよ、ちょっと胡麻油で光るぐらいの感じまで……
<ルキ>
『…………?
何する気?』
「良いから、出て!」
<クオン>
『…………分かった』
よっしゃ、じゃなくて、一回炒めた野菜はお皿にどけておいて、
次に回鍋肉に使う豚バラを塩胡椒して焼いたら、色変わった辺りでスーパーのチューブ入りの
<ソロネ>
『…………あのねぇ?アンタ、バカで強くて、だけどその回鍋肉が美味しそうなのは良く分かったけど、
別にそうやって、別のこと考えてても何するかは考えた瞬間分かるから』
いいじゃん、回鍋肉の作り方詠唱したってー。
ここで分けていた野菜をフライパンに入れて、ちょっと炒めて完成!
<アンジェリカ>
『終わりだね。その作り方は覚えておくから』
「うん終わり。
───時間稼ぎは」
この技で何回君らと同じルキちゃん相手にババ抜き負けたと思ってんだ!!
本命は、
<キリィ>
『────ったく人んことここまでパシらせるとはのぉッ!?』
君らの探知外からすっ飛んできたキリィちゃんのブラックインパルスだ!!
ボン!!
流石、反応が速いからあの重ガチタンで上手くとっつきを避けたみたいだけど、隙はできた!
「ありがとうキリィちゃん!!」
最後の1発くれてあげるよホラ!!
ズドォン!!
右腕の残っていたスナイパーキャノン、マジの最後の1発を狙いもそこそこぶっ放す。
⑦エンブレムちゃん辺りを狙ったけど、避けるしまず当てる気はない。
邪魔できればそれでいいし、パージして即座にクオンさんを拾う!
「ルキちゃんは残って!!
ちょっとクオンさんは付き合って!!」
マニピュレーターで優しくしっかり掴んで───ストライクブーストで離脱だ!!
<ソロネ>
『あー!?逃げた!!』
<アンジェリカ>
『逃すか!!』
<キリィ>
『じゃけぇ、ワシも逃げるかのぉ!!』
は、と驚くキリィちゃんに反応できず、パージしたとっつきが①エンブレムのガチタンちゃんにぶち当たった!
見える程度の距離しか離せない────エネルギーギリギリまで距離を離せればいい!!
<キリィ>
『はは、うまく行ったのぉ!?
泊まった時言った通りじゃのぉ、アイツらネオより精度高くても、根本でエセ関西白いの以下の注意力じゃけぇ!』
隣に来て追い越したキリィちゃんの言葉通り、そう先輩
<クオン>
『何をしたんだ?』
「そもそも心読めても、心の中の声がデカいやつ、変な考えばっかりしているヤツの心の声がよく聞こえるし、反対に相手が注意して聞かない声は聞こえてない」
<キリィ>
『生体センサーと同じモン媒介して人の思考聞いとるなら、レーダー範囲や目視光学距離より聞ける範囲も短いけぇのぉ!
何よりヤツらぁ、結局思考速度自体は人間の範囲、それも基本的に優秀なせいでそういう考えたり動く速度あんま鍛えとらんけ。
見えない所から感知しても反応できん速度で近づけば、ましてなんか変なこと考えてるやつに注目しとるようなのはワシには反応しきれん。
というか、ヤツらシンギュラ・デザインドだの大層な名前を言うとったが、
なんじゃあ、白いのもやたらビビッとった割に、ワシの行動にビビる程度か。
しょうもないのぉ!』
<クオン>
『…………お前達、よく人外じみた超能力の対処を思い浮かべるものだな。
それでこそ人間か。良いな。追加報酬を出しておくよ』
やったぜ!!
嬉しい知らせなところで私の機体、エネルギー残量ギリギリ。
ストライクブーストは切るけど……目的地に着いた。
<ソロネ>
『ちょっとぉ!?
誰がしょうもないですってぇ!?』
と、なんとそこで、あのシンギュラちゃん達2機追いかけてくるブースターの光が遠くに見えた。
<ルキ>
『…………あの、味方としてアドバイスで言っとくけど、私達ネオより圧倒的に広い範囲の相手の思考読めるから。
そりゃ多人数一気になんて、ショートクタイシ?みたいなことは個体差あるとはいえ二人かそこらが大半だけど』
<ソロネ>
『私は!!私なら7人ぐらいできるモン!!!』
無線機からはルキちゃんのありがたい言葉、そして先頭を切ってこっちにくる⑦のエンブレムのこの叫びが無線から聞こえる。
「あらら、そりゃすごい。
……でも遅いぜ、正直」
<クオン>
『ああ、プログラムの修正は完了した』
<セヤナ>
《やっとや!ハッチ解放やで!!》
視界が私の元の二つのお目々に戻る。
神経接続が切断。目の前のモニターも停止。
そしてガコンと開いたコアのハッチの真上……
一瞬眩んだ太陽の光と、それを遮るように高度を下げてくるヘリが2機。
『お待たせしました、ホノカさん!』
「待ってたよ、頼れるオペレーターさん!」
カモメちゃんの操るヘリが、私の本来の機体、
と言ってもこの前手に入れた軽量逆関節、『ハーストイーグル』。
それを、変だけど頼れるマッコイさんのショップで頼んでおいた機体構成で持って来てくれていた。
初めから、こうやって合流するために動いていたんだ。
「さて、じゃあ反撃かな……!」
とりあえず、切れていた腕を拾って、見上げる先に降ろされていくハーストイーグルを見ながら呟くのだった……
***
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