[変更済]MISSION 19 :大混戦!ここ一応外国なんだけど?








 ────ヨークタウン沿岸部に、その施設があった。


 旧式化したインペリアルの小規模軍事基地、


 現在、蒼鉄王国大使館。




「ふざけんな『2本腕』どもがよぉぉぉぉ!!!

 お前らの住人がここに避難しているんだぞぉぉぉ!?!?」



 目が額含め3つ、いずれも白目が黒。本数も大きさもまちまちなツノが頭の辺りから生える。

 その肌は黄色や白に青、時折黒い金属質な体表。

 腕が4つ、尾が一本、そして女性に似た身体付き顔つきだが、全員両性具有。


 レプリケイターという、火星のもう一つの知的生命体達の国。

 ここは、便宜上そこの法律が動く領土でもあった。



『うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』



 そこに向かって、思い思いの戦闘服風の格好に工事用ヘルメットと、そこら辺で買えてしまうアサルトライフルを手に突っ込んでくる人類たち。



「クソ!国が違うわけでもないのに必死かコイツらは!?

 というか、国は違うぞ!!戦争する気か!?」


「だったらなんで同じ2本腕の同胞を守っている場所に突撃するんだ!?」


 ここで機関銃の弾が切れた。

 急いで、弾を交換するべく動くが、あいにく自国の武器じゃないものは手間取る。



「────企業の手先に鉄槌ぉぁあああぁぁッッ!!」



 そして、狂ったように叫びながら、赤い血を流す天誅の文字のヘルメットを被った人間が、パイナップルの形のアレを投げる。




「「手榴弾グレネェェェドッ!?!」」



 レプリケイターの兵士二人は、咄嗟に自分たちの能力の一つ、体表の金属硬化をする事で、露出の高い服より遥かに硬度の高い黒い姿になれる。


 と言っても、手榴弾は訓練通りに蹴飛ばして返した。

 その上で伏せたために、パンと空中で炸裂し、飛び散った破片が当たったのは人間達の方だった。



「クソ、素人かよ!!」


「けどあいつら、怪我した仲間無視して突っ込んでくる!!」


 目は少ないが似たような顔からわかる相手の狂気、勇敢とは違う何かを感じるレプリケイターの兵士たちだった。


「素人だったら、ビビって逃げるはずだ!

 なんでビビらないんだ!?」


「勇敢さだけなら、外人部隊に雇いたいがねぇ。

 ま、難しいことはク・レリック中尉が調べるさ!」


 装填が終わる。慣れないが、使い方は分かり易いマニュアルがある。

 これほどの武器を作る技術力と、目の前でバカな突撃を敢行しては死んでもなお仲間の死骸を盾に突っ込んでくるアホと同じ生き物とは思えない蒼鉄王国の兵士たちだった。



「うぉ!盾持ちだ!!」


 と、数km先の道路から、盾持ちの名前通り盾を持った半砲台型キャタピラ脚のMWがやってくる。



「こちら西側第45番機関銃陣地!!

 盾持ちが来た!!支援頼む!!」


 これまたレプリケイターにとって『2本腕』達の技術の結晶の小型無線機のスイッチを押して叫ぶ。


 あの半砲台型は、こちらも研究の為に一機購入したので性能はいやでも分かっていたが故の判断の早さだった。



『了解。スカーレットスタリオン、参ります!』



 瞬間、ゴォという轟音と共に真上を通過するものが見える。


 緋色の機体、4脚型eX-W。

 左肩に輝く、金色の馬にまたがる騎士のエンブレム。



「うぉ!?ありゃ、向こうの帝国の姫様じゃねーか!?」


 それは、この大使館にとっては見知った相手であった。




          ***



赤い凶刃レッドセイバーを名乗る匪賊らしい蛮行とはいえ、何故なんの罪もない民の避難場所を襲うのか‪……‬正気でして!?」



 傭兵スワンランク18、エカテリーナ・インペリアル4世は、インペリアル皇帝の血筋としてその瞳に怒りを燃やしていた。


 愛機、重装型4脚『スカーレットスタリオン』を怒りを推進剤にストライクブーストで加速させ、右腕のレイシュトローム社製レーザーランス『ケラウノス LL-12』を突き込み、増加装甲ごとMWを貫く。



<テロリスト>

『ぐあ‪……‬か、革命を前にして‪……‬!!』



「何が革命か、この暴力狂いテロリストどもがっ!!!


 相手を間違えて進むバカがおりますかッ!」


 そのままレーザーを展開した槍を振り回し、周りのMWを盾ごと切り裂く。


<テロリスト>

『うぉぉぉぉぉ天誅ぅぅぅぅぅぅ!!!!』


 しかし、直後両脇からキャタピラを火花が散るほど走らせてきた盾持ちMWが2機、挟み込むように突撃してスカーレットスタリオンを抑え込む。


「ガッ‪……‬!?」


<テロリスト2>

『たかだか300年の歴史のお飾り皇帝のお姫様がぁ!!』


<テロリスト3>

『お前も所詮は企業の飾りだ!!

 企業というガンに加担する邪魔くさい飾りを壊してやる!!!』



「このっ!?」






<アンネリーゼ>

『その飾りにすら及ばないゴミが何をしているのかしら?』



 ズドン、ズドン、と2機のMWが、チーズのように穴だらけになり爆発炎上する。



「お姉さま!?」


<アンネリーゼ>

『呼び捨てで結構です、エカテリーナ殿下。

 ついでに、突出しすぎでは?』


 深紅の4脚、ブラッドハントレス。

 背中の大型散弾砲スラッグを、さらにやってきた敵へ放ち穴だらけにする機体の中、アンネリーゼが少し笑って答える。


「あなたがいるからです、傭兵伯ゼルトナーグラーフ

 背中は無事でしょうから」


<アンネリーゼ>

『全く、お転婆なのは相変わらずで。

 お兄様たる皇帝陛下の気が休まりませんよ?』


「ここで下賤なテロリスト共を許すようでは、逆に兄様に顔向けできません!」


 スカーレットスタリオン背部右に備えたグレネードを展開し、まだまだ街からやってくる敵のMWへ打ち込むエカテリーナ。


「ところで、わたくしなんかよりずっとヨチヨチ歩きの、レプリケイターのeX-W乗りの皆様の世話は良いのですか?」


 エカテリーナがこちら側に単騎で来た理由である、反対側で戦うレプリケイターが操るeX-Wたちの安否を尋ねる。


<アンネリーゼ>

『腕が4つもあるなら、私たちのように強化手術抜きでも充分扱えるはずですもの。

 それに、本人ではないのが不服とはいえ、援軍もきました』


「援軍ですって!?」



           ***




「クソがぁぁっ!!腕4つ全部使うってどんな操作性なんだよぉぉぉ!!」


 レイシュトローム製中量2脚『フェンリル F2-A』フレームと、レーザー兵器で固めた企業標準型の工場から出荷したままな状態の機体を操る、青肌レプリケイターが叫ぶ。


「レリックおじさんが改造してなきゃ、こんなの扱えるわけないって!!

 2本腕、どうやってこれ操縦してんのさ!!」


 狭いコックピットの中、急増したコントロール用操縦スティック二つも、無論足も、たまに自在に動く尻尾も総動員して、一応彼女はこの機体を動かす。


 レプリケイターの体の構造を熟知した強化手術用の医師もおらず、そもそも強化手術はまだ彼らに渡すかも協議中故こうなっていた。


 それも、このフェンリルフレーム、

 最高級クラスの性能なのに反して、人を選ぶ機体でもあった。


 ハイレーザーを扱う企業の製品であるゆえに全フレーム中3位のレーザー適正、しかしレーザー前提の腕故に射撃安定性能は中の下、

 Eシールド出力が高い反面、速度や運動性能は中の上、上の下程度、そしてシールドを抜かれるとアヤナミマテリアル製フレームよりまし程度の装甲、



 そんな機体で、慣れない状態で、

 猛攻する無数のMW相手に立ち回る必要があった。



「くそぉ!!落ち着け!!落ち着けク・ララース!!

 ふーっ、ふーっ、お前は出来る子なんだ!!士官学校だって主席だった!!実践経験もある!!」



 レーザーライフルで相手の急所を狙い、なるべく動きを阻害させる立ち回りが出来るだけ、焦る心と裏腹に彼女ことララースは、才能があった。



「何よりお前の叔父のク・レリック技術士官殿が改造したんだ!!2本腕の兵器ぐらいなんだ!!

 兵器ぐらいなんだってんだぁぁぁ!!!

 生き残れ私ぃ!!2階級特進は要らない!!

 少尉のまま!!みんなの前で胸を張って、勲章を貰うんだ!!

 棺の中は嫌だ!!こんな場所で死ぬなんて!!」



 何機か捌いた彼女の機体に、盾持ちMWが履帯から火花を散らす勢いで突撃してくる。


(回避、間に合わ─────)




<友軍信号>

『何勝手に抜けてんだゴラァァァァァァッッ!?!?』




 しかし、今度は真横から別の盾持ちの履帯がやって来てそのMWを弾き飛ばす。



 とっさに見た先には、真っピンクなタンク脚が一機。


 面という面に謎の人物の顔とポーズのデカールが敷き詰められ、肩のエンブレムにはただ『ありすちゃん命』の仰々しいフォント。


 いや、よく見れば、レプリケイターも使う言語である地球生まれの日本語の漢字が、肩の装甲やタンクの正面装甲に刻んである。




<友軍信号>

戦場上等いくさばじょうとう呀地嘆御免ガチタンごめん

 ありすちゃん命!!


 ありすちゃんファンクラブ傭兵軍団、『覇群強唖陸斗パンツァーリート、総長!!


 出嶋タミコ様の見参だゴラァ!?』



 両腕の増加装甲を広げ、背中のキャノンをぶっ放し、MWの群へ突撃して物理的に押し返す。


 それは、レプリケイターの文明にはまだ存在せず、そして今ですら絶滅危惧種の存在、

 『珍走団』

 あるいはより古い言い方の『暴走族』そのままの姿だった。



「援軍ですって!!ありがたい!!」


<タミコ>

『よく耐えたな!!もうすぐアタイらの軍団チームが来るからなァ!?

 ありすちゃんのライブぶっ潰したお礼、

 何よりテメェらの訳わかんネェ理屈に一般人バンピー巻き込んだクソみてぇな性根!!


 “ミンチ”にして叩き潰してやるぞゴラァ!?』



 !?


 日本語のはずなのでレプリケイターでも分かるのだが、いまいち分からない言い方だった。

 とりあえず、ララースは何かこの傭兵に『やる』凄みを感じてはいた。



<友軍信号2>

総長リーダーァァー!!速いっすよー!!』


 と、別の同じようなカラーと装備の機体が2機やってくる。


<タミコ>

『ショウコォ!!アズゥ!!お前ら気合い足んねーぞオイ!!』


<友軍信号3>

『無茶苦茶言いやがるんだよ、総長リーダーは!

 まぁ、あーしもこっから巻いていくケド!!』


<友軍信号2>

『遅れた分っていうのもアレっすけど、気合い入れていくっす!!』



<タミコ>

『おっしゃあ!!お前らありすちゃん命で魂燃やしてまもんぞぉ!!』


『『合点承知ィ!!』』



 3機の盾持ちガチタンが、迫り来るMW達を文字通り押し返す。



「‪……‬‪……‬これは、蒼鉄王国軍人として、負けてられない!」


 ララースも、彼女らの援護のためにも慣れない機体で攻撃を再開した。



           ***




<アンネリーゼ>

『この程度で死ぬなら、そこまで。

 殿下もそのつもりで傭兵スワンをやっておられるでしょうに』


「手厳しい。わたくしがランカーになる訳ですわねお姉さま!」


 お互い、広い大使館までの道と空き地を利用して動き回り、逆に街から道路で出てくる相手をモグラ叩きのように潰していく。


 手際は、ランク2のアンネリーゼはもちろん、実力でランク入りしただけはある動きをエカテリーナは見せていた。


「しかし、やはり数だけは多いですのね!

 全方位からやってくる以上、向こう側の新人同然の方に戦力が集中する事があれば‪……‬!」


<アンネリーゼ>

『殿下、逆です。

 向こうは、MW達もいる。戦いの基礎が数の勝負な以上、いくら質が良い我らでも、』


「なるほど、手薄なのはこちらか!」



 レーダーに映る、MWとは動きの違う存在を見る。




           ***


 ─────都市側の入口とも言える、スカーレットスタリオン達をのいる側を見れる高速道路の上、




「良い動きだ。やはりランカーは侮れない」



 一機、珍しいエンフィールド企業標準機である武器腕タンク型のeX-Wが、アンテナ頭とも言われる頭部のカメラそのままな部分の視線を向ける地味な暗いグレーの機体がいた。


 その中のクールそうな雰囲気の彼女は、当然違法傭兵ブラックスワン


<サブリーナ>

『ギャハハハハハ!!あの程度で侮れないとか言いやがりますのねぇ、さすがクッソノロマなタンク脚の使い手らしい言葉ですわねぇ!?!』



 その隣‪……‬赤茶けた色の何やらすごいシルエットの機体がいた。

 フレームは、バーンズの1001Bとレイシュトロームの『ユニコーン F8-G』混成の中量2機型。


 その右腕には、電鋸に似たレーザー『チェーンソード』、アヤナミマテリアル製『暁3型』。


 左腕はバーンズ製ガトリングマシンガンと一見普通の構成だった。


 問題は、背中に背負う、巨大な何か。

 右側に垂れ下がるそれは、ドリルだった。




「サブリーナ嬢に言われるとおり、私達は慎重すぎる物でな。

 臆病者のために、前に出てはくれるか?」


<サブリーナ>

『あらまぁ、ヤケにおとなしいですこと!

 言われなくても、あんなクソ傭兵どもなんざグチャグチャにしてやがりますわ〜!』


 その奇妙な背負い物を持つ機体の中でギャハハとゲスな笑いを響かせ、ユニコーンフレーム脚の運動性能で身軽にビルの壁面を蹴って進む相方の後ろを見る彼女。



「さて、お父さん達からうけついた『機甲淑女同盟』第2支部長、東出ひがしでミルの名前にかけて、出るか‪……‬


 無人機部隊、発進」



<PLシステム>

《PL-1より16、オペレーションを開始します》




 ビルの影から、似たような武器腕タンク脚の、人の姿を辞めた機体達が出てくる。



「さて‪……‬うまく行くか‪……‬?」



          ***



<機体AI>

《敵反応急速接近。識別はeX-Wです》


 頭部の重装甲型の割に、人工知能AIレベルの高い機体AIが、エカテリーナにその事実を教える。


「本命ですか。レーダーは、斜め前」




<???>

『ギャハハハハハハハハハ、ハァ────ッッ!!』



 ストライクブーストと、回る光をスカーレットスタリオンをジャンプとブーストで浮かせて回避させる。


傭兵スワン‪……‬ではなく、違法傭兵ブラックスワン!」


<???>

『だーい正解ですわぁーっ!?

 ワタクシ、サブリーナ・ピエラントーニと言いますのよぉーっ!?


 まぁ、覚えたところでここでグチャグチャになって死ぬテメェらには関係はないですけれどもぉーッッ!!』



 左腕部ガトリングマシンガンを乱射し、動きを牽制して、ギュラギュラ回るレーザー刃ノコギリを剥けて突撃してくる赤茶けた中量2脚。



「『ミンチお嬢様』ですか。お噂はかねがね!」


 エカテリーナは、避けなかった。

 こちらのレーザーランスを相手の回転する刃に当ててそこだけ逸らし、4脚の前二つを機体に叩き込んで止める。


<サブリーナ>

『アァン!?味な真似しくさりやがって!』


「あらごめんなさい?いきなりこんな距離で手を取り合うだなんて失礼でしたわね?」


 相手がガトリングマシンガンを向けようとするのをさらに左腕の四角い武器で押さえて、頭部パーツを相手へ近づけて言い放つエカテリーナ。


<サブリーナ>

『チッ!鼻持ちならない言い方ですわねぇ!?』


「無礼を承知で言いますけれども、アナタは確か違法傭兵ブラックスワンでも相当な実力者、

 つまりは雇うにもお金がかかるはずですわ。


 いったい誰に頼まれて、テロリストのお守りをしていらして?」


<サブリーナ>

『ハァ!?

 教える訳ねーに決まってんですわよぉ、クソ傭兵がァッッ!!』



 うまく身をずらして、蹴りとバックするようアサルトブーストを蒸して離れる敵の機体。


 上手い。


 エカテリーナはこの僅かな攻防で、相手が十把一絡げ程度の腕ではないことを理解できた。



「ならば、他の方に尋ねましょう。

 ところで、アナタのお墓には何て書けばよろしいかしら?」


<サブリーナ>

『決めましたわ!テメェは12に切り裂いてから絶望した顔を見てぶっ殺してやりますわ!!

 ワタクシの『マチェラーヨ』で解体されやがりなさぁぁぁぁいッッ!!』



 来る、と身構えた瞬間、ふと真横から来た散弾に、相手は凄まじい反応速度で回避するのが見えた。




<サブリーナ>

『あぁん!?!』



<アンネリーゼ>

『どこの田舎貴族の娘か知らないけれども、この方を誰と心得て刃を向けるのかしら?』


 ブラッドハントレスの真紅の機体が、再び大型散弾スラッグを吐き出す。



<サブリーナ>

『ハァ!?田舎貴族と言いやがりましたわね!?!

 ワタクシのピエラントーニの家名を田舎だとこのクソ傭兵如きがぁ!?!


 そういうテメェは、どこのクソみたいな血筋ですのゴラァッッ!?!』



 ガトマシの乱射と共に突っ込み、ブラッドハントレスの運動性能でもかなり危うい鋭い電鋸ブレードの一撃の軌道をなんとか避けるアンネリーゼ。


 横で見ていたエカテリーナは、思わず息を飲み、結果を見てホッとしてしまう一瞬の攻防だった。



<アンネリーゼ>

『そうね、せいぜい領民に顔も覚えてもらえない傭兵伯ゼルトナーグラーフって程度の地位かしらね?』


 クスリ、と鼻で笑いながら言うアンネリーゼに、無線越しでもわかるほど間抜けな『はひ?』と言う声が聞こえる。


「わたくしですら、せいぜい兄が皇帝というだけのじゃじゃ馬な血筋ですの。

 まぁ、ピエラントーニ、でしたっけ?

 それほどの家ですらあまり聞かない程度の田舎なもので、わたくしの住むインペリアルの勢力圏は。

 まぁ、大したことのない300年程度の短い血筋の家ですわ、わたくしなんて?」


 一瞬、空気が凍り敵の機体の動きも止まる。


 ───やがて、広域無線で聞こえるほどの歯軋りが始まる。



<サブリーナ>

『‪……‬一々癪に触る言い方しやがりまして、まぁ見事な血筋マウントですのねぇー!?このクソ傭兵どもがぁ!!


 殺す。ワタクシの家から色々奪い去った企業のクソどもと同じぐらいムカつくお前ら貴族様はぁ、


 ぶッッッッッッち殺してやりますわぁッ!!!』



「良いでしょう、アナタの家の誇りを汚した我ら、受けて立つ責任があります。

 何より、我が名にかけて、あなたを倒すのはこちらですッ!」



 先に動いたエカテリーナ。

 乗機スカーレットスタリオン、その突撃力を持ってレーザーランスを突き立てる。




<サブリーナ>

『‪……‬‪……‬くひひ♪


 でぇもぉ‪……‬!!』



 だがその瞬間、赤茶けた色の機体『マチェラーヨ』がストライクブーストを起動して一気に距離を離す。



「!?」


<アンネリーゼ>

『殿下!周りを!!』


 ドン、と砲撃がスカーレットスタリオンのすぐ近くに着弾する。


「何!?」


<サブリーナ>

『ギャハハハハハハハハハ────ッッ!!!

 まぁ、結果が同じならワタクシがしなくても良いのも真理ですわねぇ─────ッッ!?』




          ***




 サブリーナのかき乱した2機を、無人PLeX-W達が包囲していた。



「相変わらず、サブリーナ嬢は仕事は真面目だ。


 ─────殲滅せよ」



 東出ミルという名の司令塔からの言葉に、無人機達が殲滅に動き始めた。





 目標は、2機のeX-W、二人の傭兵スワンだ。





           ***

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