[変更済]MISSION 15 :燃える街の傭兵達









 傭兵系美少女大鳥ホノカちゃん、

 今日は帰ったらなんか燃えていた住んでいる街で戦うよ!



「ちょうど良い場所だ!」



 今日の機体はガチタンアセンのティタニスだ!

 重い機体で空から落ちてきて、ちょうど広い場所にいた敵のダチョウみたいな脚のいつものMWに‪……‬


 はいドーン!!


 重武装でクッソ重いガチタンの着地だ!!


 ギュラギュラ履帯で残骸を踏み砕きながら大通りを進み、新しく手に入れた左腕の榴弾砲ハウザーでビビった逆脚雑魚メカマシンウォーカーに叩き込んでおく。


 ズドォン!!!


 一撃で爆散。残った脚がティタニスが生み出す履帯の振動で倒れる。


「良いじゃんハウザー!

 この威力!!」


<コトリ>

《ふははは!テロリストどもが爆発するのは気持ちがいいね!!

 さて、ルート情報通り進めば撃って楽しいテロリストとはいえ、嫌になるぐらい沢山いるみたいだ。

 リコンこまめに飛ばそう。ビル影が多いから、レーダーだけじゃ拾えない》


「おっけー!」


 普段、割と素早い機体で飛ばしてない偵察用小型無人機、ちょっと頼れる『リコン』ちゃんを射出。

 いくら頼りになるオペレーターのカモメちゃんのヘリの情報だけでも、ここ燃えまくってる街じゃ全部は見えないしね?


 ────ルート右、曲がってる途中でオートスキャニング反応!?


「やべ、」



 ズドォン!!!



 曲がりきった瞬間、前面のEシールドとティタニス自慢の正面装甲に爆炎!


「〜〜〜ッ!?」


 リコンちゃんの情報で3D解析したワイヤーフレームな映像で、例えるならカブトムシの角がキャノンになってるって形ののマシンウォーカーMWが見えた!


<コトリ>

《移動砲台型だ!

 あの大口径はティタニスでも何発も食いたくないヤツ!》


「こんにゃろ、やったな!?」


 カァオッ!!

 右腕のデカくて強いいつものプラズマキャノンをぶっ放す。

 だけど、直前でビルの影から出てきた逆脚のMWがそれにわざと当たってかき消した!


「自殺!?」


<コトリ>

《違うね、無人制御さ。

 AI社製よりは頭悪そうだけど》


 なるほど、しかもおかわり沢山!

 またやってきたカブトムシキャノン(命名は私)の強力な一撃を、アサルトブーストで真横のビルの隙間の道へよけてやり過ごす。


「でも隠れてても突破できないしな‪……‬やっぱ、ガチタンアセンでやるべきは、」


 そして、反復横跳び的にアサルトブーストでドヒャアと元の位置に戻って、背中のガトリングをぶっ放し始める。


 ギュルゥ、バババババババババババッ!!


 文字通り弾丸の雨の中、蜂の巣からのスクラップで倒れていく雑魚メカ逆脚達。


 必死に狙っているカブトムシキャノン君に、狙いを定めて、ストライクブーストを起動!


 ガキャァァンッ!!


 緊急脱出用の大出力で、カブトムシキャノンが撃つ前に周りの雑魚メカごと轢き逃げブーストチャージだ!!


 ティタニスの武装含めた重さを乗せた、カブトムシキャノン君の攻撃に耐えられるタンク脚正面の分厚い装甲部分でぶつかるんだよ?


 そりゃ、後ろの建物と挟まれて薄いハンバーガーの具みたいにもなるし色々飛び散るよ。


<コトリ>

《よし!ガチタンの正面の立った時点でこうなるよね!》


「相変わらず、ティタニスに乗ると私も雑というか、2脚とかと違ってパワー全開、ぶつかりまくりのお相撲さん戦い方になるよね?」


 レタスみたいな感じの薄く潰れてしまった残骸からバックして、ルート情報通り右に旋回したティタニスにキンキン何かが当たる。


「‪……‬避けられないからもっと驚いたほうがいいかな?」


 いつもはもっと真剣に避ける様な逆脚MW達のマシンガンだけど、ほぼノーダメージなのは過程装甲値っていう見えてるデータが減ってないことからわかる。


<コトリ>

《タンクで避けるとか無しでしょ。

 コイツの重装甲は避けるっていう『手間』を無視するためにあるんだから!》


「そのかわり、攻めろって事だっけ!?」


 カァオッ!!

 ティタニス右腕にプラズマキャノンでMWを蒸発させて、まだわらわら出てくるMW達には両肩のガトリングをバラバラばら撒いておく。




<ありす>

『───ガチタンはね、『怪獣さん』なんだよ?」




 突然、無線と共に吹き飛んできた逆脚MWが進路上の無事だった方を巻き込んで破壊しながら左にすっ飛んでいく。



「ありすちゃんか!?」



<ありす>

『アイドルっぽくはないけど、ガチタンって言うのは怪獣さん。


 下手な武器では倒せない。逆に踏み潰されて終わっちゃう』



 ギュラギュラギュラ‪……‬!


 左の道から、残骸を踏み潰しながら、ピンクの可愛い色の、その実は一切可愛くない『ガチ』の機体構成がされたeX-Wが現れる。



<ありす>

『吐き出す炎は全てを焼き尽くす。真っ黒に』



 背中左の3つの伸びた棒が3角形作ってる『砲身』の武器から、光るプラズマが放たれた。


 逆脚MW4機をまとめて炎に包んで消し飛ばす‪……‬すごい威力だ!



<ありす>

『それがガチタン。鋼鉄の大怪獣。

 可愛くはない、可愛気なんて物が存在しない。


 だから、ガチタンは強いんだよねっ!』




 ズドン!!


 あのカブトムシキャノンMWの別のやつがビルからありすちゃんのeX-W『ハピ☆タン』のピンクな装甲へ自慢のキャノンを叩き込む。


 当然、一瞬脚が止まった程度で、すぐにハピ☆タンは可愛い名前に似合わない重厚な履帯の音を響かせて進み始める。


<ありす>

『ハピ☆タン相手に削りあいはダーメ♪

 逆に削っちゃうぞー?』



 右側の折り畳まれた丸い筒の武器、よく見るグレネードランチャーが展開して、やっぱりグレネードが放たれる。


 直撃。


 爆発四散、って言葉が本当に似合う形でカブトムシキャノン君は破片となってしまった。


 破片降り注ぐビルの真下の道路、

 突っ立ってた逆脚MWに、破片とは別方向から降り注ぐ『砲弾の』雨。



 ブロロロロロロロロロッ!!


 ハピ☆タンの両腕の4つの砲身をもつキャノンが、凄まじい勢いで砲弾を連続発射しているのだ!



<コトリ>

《マシンキャノンって、いつ聞いても良い音色だね?》




「ありすちゃんやっぱ強ぉぉぉい!

 ありすちゃんのファンになるわ!!」




<ありす>

『まだファンじゃなかったのぉ!?

 もー!!』



「言葉のあやってやつ!多分!!」



 マシンキャノンの雨から漏れた敵MW達を、こっちのガトリングで蜂の巣にする。


 さて、敵はまだまだうじゃうじゃいる。

 ルート情報通りに履帯を進ませて、武器を放ちながら進んでいかないと!


<ありす>

『にしても多いなぁ!?

 弾薬持つかな!?』


「持たないかも!」


 ガキャァァン!!

 二人で弾代節約の体当たりブーストチャージを決めて見るけど、これだけ潰してもまだ出てくる。


<ありす>

『補給のために、どっかで私のオペレータージャーマネちゃんを呼ぼうかな?』


「ふむふむ‪……‬私達の頼れるオペレーターちゃんのカモメちゃーん!!

 補給ってできそう!?」



 とりあえず、出し惜しみしてる量じゃないので弾丸はばら撒いておく。

 エネルギー武器だけになっちゃう時も近いかもなー!



<カモメ>

『そうくると思いまして用意はしておりますが、場所が必要ですね。できれば広い広場が』



 流石カモメちゃんは優秀であった。優秀美人アンドロイドさんだ。


<カモメ>

『なかなか良い知らせですが、ルート上に大使館土佐ほど近くない良い場所があります。


 インペリアル本線エデン駅東口です』


「あそこかー!良いじゃん広くて」


 エデン駅は、駅中のデパートのお惣菜とかレストラン美味しいんだよね!

 何よりこういう襲撃後もちゃんと営業してるし。


<カモメ>

『しかし、少しだけ悪い知らせが。


 ────ルキさんがピンチです!』



 マジで!?

 リコンちゃん真上へ射出!視界を神経接続と無線を通して共有!



 200m先、近い!!

 あの子の4脚が囲まれて、指みたいなマシンガンを乱射している!!



「アレ!?なんで4脚で止まっちゃってるの!?」


<コトリ>

《君、最近記憶力いいね!

 あれはあのアセンじゃ悪手だ!》


 急いでギュラギュラその場所へ向かう。

 ボボボ、って景気のいい音が聞こえて来て、ビルの隙間の大通りの交差点へ!


「おーい、無事かぁい!?」


 囲んでいたのは、盾を持った同じくタンク脚なマシンウォーカーMWだ!

 後ろからなら柔らかいから、ハウザーとプラズマキャノンで消し飛ばして、残骸を踏み台にしてルキちゃんの4脚の元へ。


<ルキ>

『ありがとう、やばかった!』


「4脚のそのアセンで立ち止まっちゃダメだぞ?

 その武器、射程短いっぽいし」


 背中合わせに、私はガトリングをばら撒いて応戦。

 ルキちゃんは、相変わらず指っぽいマシンガン乱射中。



<ルキ>

『アンタ‪……‬フィンガーを使ったことあるの!?』


「ないけど、君の戦い見てりゃわかるよ。

 というか、背中のチェーンガンにした方がいいよー?

 そっちのが射程長いし集弾率良いから、弾数ほど火力低いわけじゃないし」


<ルキ>

『‪……‬詳しいわね?』


<コトリ>

《私が鍛えました》


「鍛えられちゃった、先輩傭兵スワンのAIちゃんに!」


 まぁ全部は覚えられるほど私は頭いいわけじゃないけど!

 でも機体と武器の特性ぐらいはね?


 と、ルキちゃん早速背中の二つの武器へ切り替える。


 チェーンガンと、何だっけあのキャノンっぽいの?

 でも、さっきよりは当たるし倒すのが早い!


<ルキ>

『アンタ、タマコとは戦い方が違う感じね。

 でも冷静なところはそっくり。

 ────おねーちゃんに従ってあげる』


「従わなくても良いよ、生き残れるなら?」


<ルキ>

『その言い方、含みがあってムカつく!!』


 でも言葉と違って素直な子なので、ルキちゃんは私と背中合わせに撃ちまくって大量のMWを鉄屑に変えるのであった。


「ムカつくついでに、もっと4脚なら動いた方がいいよ?

 どの武器も近接よりだもん!

 ちょっと中距離すぎじゃない?」


<ルキ>

『先行したあの赤い人みたいに?

 確かに、あの人の動きちょっとタマコっぽい!』


<コトリ>

《ふむ‪……‬ルキちゃんは多分、適性が中距離‪……‬いや遠距離か。

 なるほど‪……‬移動しながら撃つのは得意かい?》


<ルキ>

『AIちゃん、得意って人基準?それともシンギュラ基準??』


<コトリ>

《そういうってことは、あんまり人基準でも得意じゃないかな?》


<ルキ>

『‪……‬バカにして!』


 ルキちゃんの4脚が、ジャンプした。


「あ!」


 一体、盾持ちのMWにブーストチャージを叩き込んで、そのままフィンガーに武器を切り替えて相手を蜂の巣にする。


 けどダメだ!!すぐ動いて!!


「両脇ぃ!!」


<ルキ>

『何!?』


 ───盾を構えて、突撃する重MW2機。

 まずい、最悪のサンドイッチにされる!!


 マルチロックで両腕の武器で一度に倒せるか!?


<ありす>

『ホノカちゃん右!!』


 咄嗟の指示に、右をプラズマキャノンで撃つ。

 すると、左側の敵が飛んできた別のプラズマで焼かれる。


「危ない‪……‬!

 助かったー!!」


<ありす>

『ダメだぞ妹ちゃん!

 4脚は、意外と難しい脚なのだ!」



 追いついたありすちゃんのハピ☆タンが、ブーストチャージで4機ぐらい吹き飛ばしながらやってきた。



<ルキ>

『‪……‬‪……‬助けてくれてありがとうございます』


 そして、ルキちゃんはめっちゃ不服そうにお礼を言うのであった。


「ありすちゃん無事でよかったー!

 ルキちゃんはごめんね、動けって言ったの私だし」


<コトリ>

《でも動きがタンク脚なんだよね。4脚は空中に行ったら不利なのにジャンプするし、ブーストチャージまでさ‪……‬

 4脚は、雑にやっても勝てるけど真の使い方はちょっと頭使うよ?》


<ルキ>

『あっそ!!出来の悪い遺伝子から生まれて悪かったわね!!』


「まぁまぁ!

 合流できたし、駅に行こうよ。

 正直‪……‬弾薬やばいし」


 今、プラズマキャノン以外は1/3ぐらいか。

 やばいね。


<ありす>

『賛成!

 キリもないしさ‪……‬ちょっとアセンも変えて‪……‬』



 と、その時私たちは気づいた。



 ポイィィィィィィィィィィィィ‪……‬‪……‬



「何、この甲高い音?」


 機体の中にすら響くすごい音が聞こえる。

 空気が震えるような、奇妙な甲高い音。


<コトリ>

《‪……‬『夕立』!?

 まずい!!移動しろ!!

 音響センサー起動!!熱探知サーモも!!

 音の位置と熱源を!!》


<ありす>

『夕立か!!やばいかも!!』


 と、ハピ☆タンは既にすごい速度でビル陰に隠れている中、私のティタニスとルキちゃんの4脚はつい周りを見る。


<コトリ>

《まずい!!

 多分斜め上からくる!!二人とも、『夕立』がくる!!》


「今日の天気は晴れじゃなくって!?」


<ルキ>

『‪……‬ようやく位置がわかった!!』


 と、ガキャァァン、とティタニスが浮くような蹴りを入れるルキちゃんの機体。


 まさか、と蹴られた方向に加速するようアサルトブーストした瞬間、



 ビシャァァァァンッ!!!



 ────雨降る前に雷が落ちてきた。


「何今の!?」


 ティタニスが元いた位置に、光が着弾して地面が丸くマグマ見たいに溶けて穴が開く。


<コトリ>

《『夕立』だよ》


「雷が落ちてきたんだけど?」


<コトリ>

《違う。

 アヤナミマテリアル製パルスレーザーキャノン、

 『夕立1型』。


 独特の甲高いチャージ音から、タンクの天敵であるレーザーでその質量を一瞬で蒸発させるアヤナミ社の最高火力トンデモ兵器だ!》




 なにそれ、と思うなもなく、またあのポィィィィィィっていう甲高い音が聞こえる。




<???>

『は?避けるとか生意気なんだけど?

 ていうか、何で死なないわけ?

 いやしかもそっちバレッドガールじゃん、死んでなかったけ?』



 斜め上、重量2脚、紫の機体!!

 エンブレム‪……‬なんか怪しい粉薬をサラサラ落としているやつ!



<ルキ>

『げ、パープルスモーク!!

 違法傭兵ブラックスワンの中でも、厄介なのが!』




<パープルスモーク>

『これ殺せば懸賞金入るっけ??

 死んでるんじゃないの??


 まぁ、皆殺しでいっか。知らないけど』



 そして、両腕で構えたその夕立って武器が、また放たれた。




          ***

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る