[変更済]MISSION 17 :女子も周りの目がないと大抵ゴリラ





 どうも、10万cnカネー(1cn=ユニオン通貨の円で1万円)の為に、化け物みたいな巨大移動自立兵器に挑む傭兵スワンな女の子、大鳥ホノカです。



 突然、先輩のスワンで関西弁喋る生き恥パイスー美人のオルトリンデさんは、自分の機体を移動要塞へ向けて行きました。



<オルトリンデ>

『お前らも登るんや!!死にたくなければ登って行った方がええ!!』


 登った方がいい‪……‬?

 あ、まさか!!


《「そうか!」》


 コトリちゃんも私と同じ考えみたいなら、正解じゃん確かに!!


 スノウウィンドさんの情報を無視して、直接相手へ向かう私!!


<エーネ>

『どういうことなの!?』


「先輩の感冴えてるってこと!!」


<キリィ>

『あのバカ、やっぱこういう時使えるバカやらかすのぉ!!』


<エージェント・トルペード>

『まぁ、戦闘機でも艦艇でも戦車でもできない技よね!!』


 みんなも向かうなら、やっぱこれ正解か!!


<インペリアル部隊長>

『そういうことか‪……‬続くぞ皆!!』


<レッドセクション2>

『まさか‪……‬アレですか隊長!?』


<インペリアル部隊長>

『さっきから言ってるだろう!?

 登る、と!!』



 ────さてここで、コトリちゃんの解説をお聞きください。



<コトリ>

eX-Wエクスダブルが機動兵器と呼ばれているのは、アサルトブーストや各種ブーストの運動性能だけじゃないんだ。


 機動力って、辞書で言うと正しい身は二つある。


 1、戦略・戦術上の必要に応じて、軍隊として迅速に移動する能力


 2、状況に応じて素早く活動できる能力


 これは別に運動性能がいいからと言う理由で『機動兵器』なんて名前がつけられた訳じゃないことを意味する訳さ。


 eX-Wはね、地上を動く兵器では唯一、『地形に左右されないで運動性能が高いまま動ける』んだ。


 ブースターと呼ぶアレらが、無限のエネルギー故に使える重力・慣性制御機構の応用だからというのも大きいけど、実はね‪……‬


 一番この機動力を保持しているのが、脚そのもの。


 今じゃ4脚とか、タンクとかのパーツが出てきても、2脚型が滅びない理由。


 それはね?


 その脚だけで、たいていの地形を走破できちゃうんだ。


 戦車並みの装甲と航空機顔負けの火力でね》




 解説ありがとうねヒナちゃん。

 長くなったけど、実践して見せようか。


 ────このデカブツの身体を蹴る。

 蹴った力で、機体が真上へと飛ぶ。


「これ初めてやったけど‪……‬うっそ、エネルギーほとんど減ってない!?」


<コトリ>

『ブースターほとんど姿勢制御以外で使ってないしね。

 覚えとくといいよ。

 聳え立つ地形は、eX-Wの前じゃ楽しいアスレチックさ!』



 壁のような高さの相手を蹴り上げ、真上へどんどん登っていく。

 今まで上昇はブースター頼りだったから、すんごいエネルギー管理を考えなきゃだったけど、それが馬鹿らしいぐらい全然コンデンサの容量のゲージが減らない。

 しかも、近すぎて相手の攻撃手段がミサイルだけだ。


「登るのが正解。

 オルトリンデさんさすが先輩だ!!」


 コイツを蹴って登っていく。


 ロボットの脚は何のため、なんて話題がネットにあるらしいけど、このためだったんだ!


<インペリアル部隊長>

『ミサイルにだけ気をつけろ!

 なるほど‪……‬大きければ、それだけ至近距離が安全地帯になる!

 ミサイルだけなら、いけるぞ!!』


<オルトリンデ>

『気ぃつけぇや!!

 上に登ったらまた地獄や!!

 コイツの真横をケツまで移動して行くで!』


「オッケーです!!」


 デカブツを蹴る。足場として、上に上がらないように。

 なるほど‪……‬あの大砲の内側、撃ったら自分も傷つく場所!

 気をつけなきゃ行けないのはミサイルだけ。

 あ‪……‬ちっこい砲台さんこっち向いてる!?


<コトリ>

『そのまま蹴って!!』


 ちっこい砲台さんへ、アサルトブースト。

 一瞬の大加速をつけて、蹴り飛ばす。

 意外なほど簡単にポーンと丸っこい機銃が外れて飛んでった。


「あんな飛ぶ!?」


<コトリ>

《固定不完全なのか。

 思ったより、コイツ色々急拵えなのかもしれないね》


<オルトリンデ>

『あそこまだ武器乗ってないやん!!

 これ作りかけやで色々!!特にケツの方!!

 攻撃が緩いのもうなづけるで、こりゃ!!』


<インペリアル部隊長>

『強襲は正解だった‪……‬!!

 コイツが完成していれば、今頃我々はもっと近づくのに苦労していたのか!?』


 そう言うことか、さっきのお話し中の楽な時間は。


 まぁいいや!!

 なんだかんだで、最後尾近く!!



 このまま‪……‬蹴り進む!!




「ついた!!」


 意外と広いそこに降り立つと、いくつかの砲台に4脚が付いたみたいなのがこちらに向いた。

 新しく買ったライフルとスナイパーライフル一発で黙らせておいた。

 強い‪なこれ!?



<オルトリンデ>

『にしてもなんやこの締まりの悪そうな穴!』


 そして、目の前にはこの移動要塞の内部に通じる入り口がある。


<キリィ>

『隔壁も未完成か、ガバガバじゃあ』


<インペリアル部隊長>

『下品で閉まらない話だが、中は地獄らしいな』



 ────巨大兵器の中には、壁面に地面に天井に、全ての壁にへばりつく自立兵器たちがひしめいていた。


 一斉に、その赤い瞳がこちらに向く。

 こちらに襲いかかる気だ!



<サージェント・トルペード>

『じゃあ『座薬』行くぞ!!!』



 そんな襲いかかる群れより早く、ボンボンと打ち込まれるは、トルペードさんの機体の両背中のロケット。

 初めてロケットっていうものを見たけど、やたらめったらという言葉の似合う恐ろしい数、爆発する弾が飛んでいく。


<コトリ>

『ロケットは、最高火力のグレネードと同じ破壊力で、グレネードより連射力あるからね。なにせ自力で飛んでく無反動砲だから、弾道の変化が特殊なのとロックオンできない事以外は見てよこの威力。

 こう言う外す方が難しい相手にはやばい使える』


「じゃあ、私も撃っとく?」


<コトリ>

『必要あるこれ?』



 ふははは、と高笑いしながら、巨大兵器の内部の自立兵器の群れが爆散するほどの連射を見せるトルペードさんの機体である。


<サージェント・トルペード>

『ふぅーっはっはっはっはっはっはっは!!!!

 宿便にしては結構綺麗に爆ぜるじゃない!!!』


<キリィ>

『よし、このケツの中綺麗になったら、次行くかの』


<オルトリンデ>

『こうなるともうトルペ姉さんの一人勝ちやな。

 さすが、傭兵ランクは10の女』


<サージェント・トルペード》

『アリーナ以外は無敵なのにねぇ!!

 よし!行くわよ!!』


 いつの間にか燃えて真っ黒になって、まさにアレな残骸達のある穴に、いよいよ突っ込む。


 ────改めて、中は広い空洞だった。

 向こうに隔壁が見える。

 あそこは壊した方がいいのかな?


<キリィ>

『ワシが開けるけぇ!そのあと弾ぁ撃ち込むんじゃ!!』


 瞬間、ストライクブーストってやつで加速した黒い機体、キリィ先輩の機体が隔壁に近づく。


 その右手、なんだかぶっとい釘みたいな武器が腕についてる。


<キリィ>

『だっしゃぁッ!』


 その釘みたいなので扉を殴るとして直後爆発したみたいな勢いで扉が吹き飛んだ。


「何あれ!?」


<コトリ>

《射突型ブレード、パイルバンカー、とっつき、好きな呼び方でどうぞ。

 当てるのは難しいけどあの通り強力なやつ。

 さ、君の出番だぞ?》


 説明どーも。

 しかも、扉の先にはキョトンとした4足の丸い胴体の自立兵器の皆さんと、何か光る柱みたいなのが。


<インペリアル部隊長>

『プラントだ!撃て!!』


 撃ちます!初めてのロケット!!

 ガイドラインって言葉が似合う白い線に合わせて飛んでいくロケットで、次々中を爆散させてく。


<サージェント・トルペード>

『ずるい!!私も撃つ!!』


 さらに後ろから追い討ちのロケット。

 もうロケットあれば十分だなここの中は!!


 恐ろしいぐらいにすぐ黒コゲの広い空間が生まれた。


「これで次に向かえばいいか‪……‬」


<エーネ>

『なんだか、狭いと火力が物を言うんだね‪……‬

 一人で突入しなくて良かったかも』


<キリィ>

『狭い場所の戦いは、装甲と火力が物を言うからの。

 やられる前にやるが鉄則じゃ。

 撃ち合いで回避もできんけぇのぉ』


<オルトリンデ>

『‪……‬ん?

 なんか変やな‪……‬黒いのー、ちょい次の扉を開けてー?』


<キリィ>

『なんじゃエセ関西?気持ち悪い声だしよって‪……‬ほら!』


 すいーと進んですぐとっつく。

 と‪……‬今度はなんか向こう側は静かだ。


<オルトリンデ>

『やっぱここだけ自立兵器がおらへん‪……‬あ、いるにはいるわ、せやけどこれテラホちゃんや』


 そこには小さなって言っても2、3mの円形の体には4つ脚の自立兵器たちがいた。

 と言ってもちっちゃい上に戦う気がないのか、そそくさと壁の上に上がってこっちを見ているだけ。


 というかその登った壁には‪……‬見たことある頭が。


「うわぁ、これって!」


 頭、そう頭部パーツだ。

 それ以外にも色々パーツがある。


 綺麗なものからなんだかバラされてるものまで、色々ある。


<オルトリンデ>

『ほーん、ええもん持っとるのー?

 おうテラホちゃん達?せっせと集めてなーに悪巧みしとるんやー?』


<キリィ>

『コラあかんのう?非常〜に危険じゃの。

 これとかまだ使えるし売れるしのぉ〜』


 何このヤクザ二人?壁の小さい自立兵器ちゃん達完全に怯えてる。


<オルトリンデ>

『てなわけで、このパーツら山分けしよや?

 新人ちゃーん、フルトンマーカーの打ち方分かるかー?』


「なんですかそれ?」


<オルトリンデ>

『落ちてるパーツに付けとくもんや。

 後でここが海に沈んだり、このデカいの自体がトラストに回収された時にな、こうやって、リコンちゃんから打っとくマーカーがあるとそっくりそのままウチらの物になるんやで?

 しかも沈んでも、マーカーが膨らんで浮き輪になってくれるから漏らしもなしや。

 ほれ、新人も何かと入り用やろ。

 早いもん勝ちやけど、さっさとなんかのパーツにマーカー打っとけや』


「へー、拾ったらポッケ入れていいんだパーツ。

 太っ腹だなートラスト」


<コトリ>

《君最初の任務でちゃっかりパルスナ拾ってたよね?》


 じゃ、遠慮なくやっておこう。

 そこのおっきいやつで。


<レッドセクション2>

『コイツらのせいでいくつか我々の補給物資がなくなってるんだよな』


<レッドセクション5>

『たくましい夜盗どもだ』


<インペリアル部隊長>

『だがどうにもきな臭いぞ?

 何故奴ら、eX-Wの研究などしている?』


 インペリアルの皆さんの脇をそそくさと避けて歩いていたらテラフォーマーは、バキッと踏まれて潰されていた。


 でもたしかに、この盗んでくださいと言いたくなるパーツ群、目的はたしかに気にはなる。


 何のための、パーツだろう?


 と、その時、すごい音と一緒にこの場所がかすかに揺れた。


<オルトリンデ>

『なんや?』



<スノウウィンド>

『各機へ通達。

 敵巨大不明兵器、分離!!

 切り離した‪……‬あなた達のいる区画と前を!!』



 なんだって!??


 急いでキリィ先輩が隔壁を切り離し、外を見る。



 夕焼けの海が見える。

 もう割と離れた次の場所の入り口と、改めて巨大な相手の全貌が後ろから見えた。



<オルトリンデ>

『味な真似しおってぇ!!トカゲの尻尾切りかい!!

 行くでみんな、改めてカチコミや!!

 ここまできて10万逃すかい!!』



 言われなくても‪……‬!!

 ちょっとこのパーツ部屋は名残惜しいけど、行くしかない!!



           ***























































《修正プログラム、最終レベル》







《全武装、チェック終了》






《戦闘モード、起動》






《ターゲット侵入と同時に、行動開始》







          ***

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