第5話 全ての兵と国民が動いた
やっと三番目の関所に着いた。もう空は完全に青空で太陽がでている。見晴らしもいい。僕は今まで通りの嘘をついて、
そして関所を振り返って僕は真っ青になる。遠くの地面からもうもうと大量の
ついに追手がここまで来たかと思った。僕は馬をさらに走らせて逃げた。でもあとちょっとだ。もう少し逃げれば助かる。ミッションも
クリアできると信じて僕は逃げた。馬車で走るよりやはり馬も積み荷がない方が速い。ぐんぐん追い付かれているのが目に見えてわかるというのは本当に心臓に悪い。
国境線を超えられれば助かる道も方法もきっとある。思いつくさ。そう信じて走っていた。
でも生きるために
だから武器の入った樽を背後に並べ盾とし、矢を防ぐ準備をする。攻撃するための投げナイフを5本用意する。そして護身用のいつもの短剣を握りしめて、馬車を走らせ僕はさらに逃げた。
アルタリアに行く前に作った罠の目印を探す。そして設置した目印を見つけた僕はその目印を目掛けてナイフを投げる。
うまいことナイフは当たった。後は罠が作動してくれるかどうかだ。ドーンという爆発音とともに、
天気が晴れてくれていたおかげで火薬が生きてくれていた。天に感謝して僕はさらに逃げ続ける。
ある程度時間が稼げているのだろう。次の目印が見えたら僕は次々に目印をナイフで
そしてその度にドーンと言う爆発音がおきる。そして土砂が雪崩れおちてくる。ちょっとでも足止めできていますようにと僕は心から祈る。
振り返ると見える粉塵は依然としてなくならない。国境まではあとどれくらいだ! と叫びたくなる。
「誰かあの粉塵を巻き上げて追撃してくる敵部隊を蹴散らしてくれ!」
と僕は叫ばずにいられなかった。罠の目印も、もうこれで最後! とナイフを投げる。爆発音と崩れ落ちる土砂。
けれど敵がとうとう見えてしまった。相手からも見えるだろう。相手は勢いづく。
相手の追跡部隊の攻撃を国境のあとちょっとというところで、僕は肩に矢を受けてしまう。
しかしそれでも諦めずに逃げる。
僕は必死に逃げた。
ついに国境を抜け、狭い道を右に曲がりもうダメかと諦めかけた。けれど、視界が開けた先には万を超える味方の軍勢が待ってくれていた。
僕のたった一人の行動が成功すると信じてくれた騎士団長のサリアさん。
ギルドのみんな、「ウマい亭」を知っている街のみんなが信じてくれたからだろう。
今までだした情報は全て騎士団長のサリアさんから国王へ届いていたのだ。
そして騎士団長のサリアさんは国王に打診し話し合いを重ねた結果、ハウスター国王は
「シグライザーを必ず助けよ。そやつを無駄に死なせるな! いいか必ずだ‼」
とそう厳命してくれたそうだ。それに応えるように全ての兵と国民が動いた。
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