Ch. 03 チャンネルストリップ
それでは、チャンネルストリップの内容についても簡単に説明しておきましょう。
チャンネルストリップの構成は、機種によっても違いますが、大抵はEQとコンプ/リミッター、ゲート、センド/リターン、ボリュームフェーダー、ゲイン、レベルメーターといった感じの構成になっているかと思います。
EQというのはイコライザーのことで、一般オーディオで定番のグラフィック・イコライザーではなく、パラメトリック・イコライザーというものが使われています。
パライコの特徴はグライコのように周波数固定ではなく、周波数帯が可変という点と、キューと呼ばれますが周波数帯の幅も可変であるという点です。ま、意味わからんよね。
要するに、あー、この辺からこの辺までの周波数をこれくらい持ち上げたいよねとか、ちょっと邪魔だから削りたいよねっていう部分を都度自由にカスタマイズして調整できるということです。
コンプ/リミッターっていうのは、コンプレッサー&リミッターなのですが、ザックリいうと音を均す感じに近いですかね。
オーディオ好きの人はダイナミックレンジとかいう言葉を聞いたり使ったりしたことがあるかもしれません。楽器を人が演奏すれば、部分部分で当然音量にバラツキが出ますよね。
コンプレッサーは、設定した音量を超えたら一時的に音量を下げるという仕事をするのですが、大きな音が入ってきたらどれくらいの速さで反応し始めるか、どのくらいの時間反応し続けるかといったことを細かく設定できます。
リミッターは機能としては似ているのですが、設定した以上の音量は一切許さないという原理主義的ないささか融通の効かない働きをします。
設定音量超えた瞬間から、超えている間は一切妥協せずに設定音量をキープします。
ということは、一定以上の音量にはならないわけですから、演奏中の小さめの音が聞こえるようにフェーダーを上げることができるという使い方ができるんです。
これらを効かせてない状態では最大音量の部分で音が割れないようにフェーダーを調整するしかないですから、音量の小さい部分の演奏はほぼ聞こえなくなってしまいますよね。でもそれをある程度解消することができるわけですね。
ただし諸刃の剣という側面があります。ダイナミックレンジが失われてしまいます。演奏者の折角の表現の幅も狭めてしまいます。コンプレッサーの場合は音が潰れるのでやりすぎると汚い音になってしまいます。
ですから、やりすぎ注意なわけですね。
ゲートというのは、ノイズゲートとも言いまして、設定した音量以下の信号は一切通さないという仕事をします。
余計な残響音をカットしたり、スネアの共鳴でジージーなる音をカットしたり、まあ小技から大技までありますが、機能としては一定音量以下の音は不要な音とみなしてカットしてしまうという使い方をします。
次、センド/リターンについて。
これはですね、コンソール外部へ迂回させる回路と言えばいいんでしょうか。たとえばリバーブだとかディレイといった残響成分が欲しい時、センドから音をリバーブやディレイのマシーンに送って再び戻す、しかも元の音にどれくらいの分量混ぜるか調整までできるという機能です。
もちろんリバーブやディレイ以外にも様々なエフェクターを通した音を混ぜたい場合に使いますが、チャンネルストリップの回路を通った後にセンドリターンするのか、センドリターンしてからチャンネルストリップの回路を通るのかといったこともセレクトできるようになっています。
ボリュームフェーダーは出力する音量の調整を、ゲインは入力の音量調整を担っています。
レベルメーターについては言わずもがなですかね。
ただ、これもdbメーターとかVUメーターとか、いくつかあるのですが、数値的な正確性を見るのがdbメーターで、聴感上の音量を表すのがVUメーターといった感じになります。
チャンネルストリップについてはこんな感じです。
ふぅ。
文字だけで書いても付いてきにくいだろうなぁ。
さて、すでに述べた通り、わたしの場合ダイナミックマイクを使っているわけですが、実はこのプリセットファイルのマイク用のトラックにはマイクシミュレーターのプラグインもセットしてあって、自分の声を録音する専用トラックにはシミュレートするコンデンサマイクの機種までセット済みの状態になってます。
これもおまじない程度かなと最初考えていたのですが、意外に効果があって、本当にその機種の音になっているのかどうか実機を持っていない以上比べようはないのですが、それでもセッティング次第で不思議と声の抜けが良くなるんで使っています。
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