第173話 接近遭遇

-500年前 世界大戦期初頭

@ナパージュ皇国 大本営


 会議室に軍服の男達が集まり、前に立つスーツ姿の男性の話を皆黙って聞いていた。スーツ姿の男性は外交官のバッチを胸につけており、その顔はどこか疲れ切っているように見える。


「……え〜以上が、外務省からの報告になります。我々も、ローレンシア側とは必死に交渉しておりますが、このままでは開戦は時間の問題かと……」

「ロろすけめ……!」

「ええい、忌々しい! 皇国はみかどおわす神国ぞ! こうなったら、こちらから打って出るまで!」

「やめておけ。向こうは世界を敵に回せる超大国、対してこちらは小国の島国よ……大極的に見て、どうにかなる問題ではあるまい」

「では、このまま黙ってやられろと!?」

「そうは言ってない! まずは落ち着けい!」


 時は統一歴200年初頭……世界が産業革命を経て近代を迎え、世界中で国交が結ばれてから2世紀が経とうとした頃、歴史は大きく動いた。世界最大の国家、超大国ローレンシアが突如として全世界に対して宣戦布告、電撃的に侵攻を始めたのだ。

 ここ太平洋に浮かぶ島国、ナパージュ皇国も例外ではなく、領海侵犯や離島への艦隊派遣などのローレンシアからの軍事圧力を受けており、もはや開戦は時間の問題となっていた。


「外交官、アメリア連邦との話し合いはどうなっている?」

「そ、それが……現地の大使によると、部署をたらい回しにされて、未だ大統領との面会も叶わないそうです……」

「くそう、アメ公め……! 所詮は口先だけの連中か!」

「……小国なぞに構っている暇などないと、そういうことか」

「他の軍事条約の締結国はどうだ?」

「他の国もダメです。皆、ローレンシアの侵攻に備えるのに手一杯のようで……」

「……援助は期待出来そうにないな」

「これでは一体、何のために条約を結んだのやら……」

「それで、時間稼ぎはどのくらい出来そうなんだ?」

「は、はい……1ヶ月、いや良くて3週間でしょうか……」

「3週間……一体何ができると言うのだ……」

「こうなったら、玉砕も辞さぬ! 我らだけでも、この国を死守するのだッ!」


 開戦すれば、負けは必至だ。相手は世界に覇を唱える超大国……国力もそうだが、兵器や武器の製造力も桁が違う。帝国も他国に負けない技術力があると喧伝してはいるが、所詮は職人の手作業だ。物量戦では確実に負ける。

 そのことは会議室の誰もが理解しており、重苦しい空気が漂っていた。


 その時だった。突如、会議室の窓から明るい光が差し込んできた……。


「ん、何だ?」

「今は正午……陽は南中してるはずだが……」


──ゴォォォンッ!! バリィィンッ!!


「うおっ! なんだ、地震か!?」

「まさか、ロ助の爆撃!?」

「バカもん! さっさと机の下に入らんか!」


 突如、激しい揺れと突風が会議室を襲った。窓ガラスは割れて飛散し、調度品が倒れる。爆撃だろうか? 閃光と爆音、地面の振動、そして大気を揺るがす衝撃がしばらく続くと、やがて静寂が訪れた。


「お、収まった……?」

「大丈夫か?」

「こっちは何とか……」

「おい大変だ、帝都が!」


 幸いにして、会議室にいた人間は無事に済んだが、彼らを待っていたのはあまりに辛い現実だった。

 帝国の首都……つまり帝都が変貌を遂げていたのだ。街路樹は薙ぎ倒され、建物は倒壊し炎上。そして、その様子を呆然と眺めることしかできない住民達……。

 一国の首都がこんな状態では、とても戦争どころではない。もはや、彼らは戦う前から負けが確定し、先程までの話し合いも水泡に帰した。


 その事に気がついた将校達は、ワナワナと膝をつく。


「こ、これが……これが帝都……?」

「なんだ……い、一体何が起こったと言うのだ!?」

「こ、皇居は無事か!? 陛下は何処におわす!? 至急近衛に確認させろッ!!」

「な、何だアレは!? 皆、蓬莱山がッ!」

「なんと!?」

「ああ、我が国の宝が……」


 帝都は、ある山の麓に広がる平野に位置している。山の名を“ 蓬莱山 ”と言い、皇室に縁がある神山として、この国では崇め奉られていた。またその美しい造形から、国を表現する一種の象徴のような存在であった。

 その山頂に、円柱形状の“何か”が突き刺さっており、そこを中心に山肌に地割れを起こしており、文字通り山が割れている様に見えたのだ。


「アレは一体……まさか、ローレンシアの新兵器か!?」

「おのれロ助めぇぇぇッ!! 至急、帝都駐屯地の空挺団に連絡! 奴らの新兵器か何だか知らんが、帝都を……我が国の宝である蓬莱山を傷つけるなど許される事ではないッ! 空の神兵の鉄槌を喰らわせてやるッ!!」



 * * *



-1時間後

@蓬莱山上空


《指定空域に到達。第三陣、降下開始せよ!》

《ヨーイ、ヨーイ、ヨーイ、降下! 降下! 降下!》


 例の事件からすぐに、軍部は近隣の基地から軍を蓬莱山へと出動させた。目標は、山頂に突き刺さる謎の物体。昨今の国際情勢から、ローレンシアの新兵器だと考えられるが、詳細は不明だ。

 だが、彼らにとってそんな事はどうでもいいのだ。重要なのは、“ソレ”が彼らにとって神聖な山を傷つけたという事実だ。


 “ソレ”に対し報復せんと、帝国軍の空挺部隊が集結し、続々と蓬莱山に対して続々と空挺降下を実施、部隊を展開して“ソレ”に迫った。


《ミミズクより司令部へ。空挺戦車および山砲の配置完了。送れ》

《オオワシより司令部へ。目標視認。今のところ動きなし。送れ》

《ハヤブサよし司令部へ。降下完了。ミミズクの背後に展開中。送れ》

《司令部から全部隊へ。予定通り進軍し、対象を調査せよ。なお、攻撃があった場合は直ちに反撃、我ら皇国臣民の怒りを思い知らせてやれッ!!》


 司令部からの命令に順い、兵士達は進撃を始める。そして、“ソレ”を取り囲むように展開し、“ソレ”が何の反応も示さない事を確認した上で、数名の兵士が調査に向かう事となった。


「暑いな。普段、山頂は寒い筈だが」

「きっとアレのせいだ。帝都があんなになるんだ、相当の熱量がある筈だ」

「しかし、アレは何だ?」

「見たところ、金属の塊のように見えるが……」

「そもそも、どうやって蓬莱山まで飛ばしたのだ?」


 そんな事を言いつつ、“ソレ”に近づく兵士達。だが、“ソレ”は兵士達が触れるまで近くに来ても、遂に何の反応も示す事は無かった……。


「……やっぱり、何かの砲弾か?」

「て事は、これを飛ばす為のどデカい大砲をあちらさんは持っとる訳か」

「な、なあ……コレ、爆発したりしないよな? 不発弾って事も……」

「お、おい怖い事言うなよ!」

《……ハヤブサから偵察隊へ。対象の様子はどうだ? 送れ》

《おっと……こちら偵察隊。今のところ対象に動きなし……》


──ガゴンッ、プシュゥゥゥゥ……ウゥゥゥン……


《待て……た、対象に動きありッ! 送れ!》

「な、何だありゃ!?」

「ひ、ヒィィィィ! も、もののけじゃあ!!」

「違う、ありゃ妖怪じゃけぇ!」

「どっちも似たようなもんだろッ!」

《こ、こちらでも対象の動きを確認した! どうした、何が起きているんだ!? 送れ!》

《な、中から……中から…………!》









 * * *



-現在

@ノア6 ヴィクターの私室


[こちらでも対象の動きを確認した! どうした、何が起きているんだ!? 送れ!]

[な、中から……中から…………!]


「「「 ……ゴクリ! 」」」


──ピッ、ブツッ!


「「「 ああっ!? 」」」


 俺はホームシアターを電脳で操作して、強制終了させる。暗かった部屋の照明がつき、部屋の中が明るくなる。と同時に、ソファーで寛いでいた3人の女性が悲嘆の声を上げる。カティアとミシェル、そしてミリアの3人だ。


「ちょっと、何するのよヴィクター!」

「ヴィクターさん、今いい所だったのに酷いですよ!」

「全く、デリカシーに欠けた男ですの!」

「……おいお前ら、いつまで他人ひとの部屋で映画観てるつもりだ? もう夜だぞ!」

「えっ……嘘、もうこんな時間!?」

「時間が経つのがあっという間でした!」

「いいから、早く続き見せるんですの!」

「お前ら、他人の部屋で随分と勝手に……。だいたい、これ【帝国の逆襲シリーズ】じゃねぇか! 観るにしても、よくもこんなクソ映画を選んだな!?」

「えっ、面白いですけど……そんなに評価悪いんですか?」

「いいかミシェル、このシリーズは設定は無茶苦茶、俳優の使い回しは当たり前、挙げ句の果てには固定カメラで会話シーンを垂れ流したりと、手抜き丸出しのクソ映画として有名なんだ!」

「た、確かにさっきもそんなシーンがありました……!」

「ソレを、よりにもよって俺の神聖なホームシアターで鑑賞するだと……許せん!」

 

 俺の部屋は、俺自身の趣味で、映画鑑賞用のホームシアターが完備されている。それも、崩壊前ココに配属が決まった時に、吟味に吟味を重ねて買い揃えた、当時逸品と言われる品々だ。スピーカーや、投影スクリーンなどハッキリ言って映画を楽しむには最高の環境だ。

 そんな環境で、娯楽の少ない崩壊後の少女達が映画を観ようものなら、時を忘れて楽しんでしまうのも無理はないだろう……。それはそれで嬉しい反面、観る映画は最高の物を……とまではいかなくとも、せめてマトモな物を観て頂きたいと思う。


「だいたい、映画ならお前達にあてがった部屋でも観れるだろうが。装置の操作方法教えただろ?」

「そ、そうなんですけど……ねぇ?」

「ん……ですの」

「何か違うのよね……ここで観る映画は」

「お褒めいただきありがとう。じゃ、そろそろ出て行ってもらおうか?」

「ねぇ、せっかくだし皆んなで鑑賞会しましょ……ここで!」

「ダメだダメだ! 今からこの部屋使うんだから、お前らはさっさと出て行け!」

「……どうせ、ジュディとおせっせでしょ?」

「ん、何で知ってるんだカティア?」

「あの娘、朝から機嫌良かったからね。でも、怪我人がそんな事してていいわけ?」

「ふっふっふっ、昨日ロゼッタから、完治の診断もらってるんだよなこれが。だから、いくらヤっても問題無しだ!」

「このケダモノ!」

「ジュディさん……」

「うらやま……いや、何でも無いですの」


 そう、これからジュディとの楽しい楽しい夜の運動会を開催する予定なのだ。今までは、身体に障るとかでロゼッタしか相手がNGとなっていたが……まあ、それはそれで別に問題ないのだが、せっかくのハーレムなのだ、手を出さないのはダメだろう。

 そこで、ロゼッタの次にお気に入りのジュディを指名し、夜の復活祭を開催するのだ。誰にも邪魔はさせんぞ!


「ほら、わかったらさっさと出てけ!」

「この淫獣ッ! もう知らない!」

「……淫獣って何、ミリア?」

「性欲の塊みたいな意味ですのよ。しかし、映画……面白い物に出会いましたの。これは、色々と使えそうですわ……フフフ……」



 * * *



-同時刻

@ノア6 女子トイレ


──ジャァァァ……


「どうだった、エルメア?」

「……ビンゴです。フェイさんは?」

「……私も当たり。決行するなら今日しかないわ」


 ノア6の女子トイレにて、フェイとエルメアが怪しげな会話をしていた……。


「いい、エルメア? ここだけの話だけど、ヴィーくんはギルド本部から召集がかかってるの。きっと、ギルドに顔を出し次第にその話になるわ」

「はい」

「本部なんて、そもそも行けるのか……帰って来れるとも限らないわ……」


 ギルド本部は、現在の大陸とは異なる大陸にある。崩壊後の世界でそこまで旅をしようとして、行ける保証も無ければ、帰って来れる保証もない。野盗やミュータントによる襲撃など、途中で命を落とすかもしれないのだ。


「まあ、ヴィーくんに関しては大丈夫だと思うけど、あの性格だし……」

「はい、確実にこれからも増えちゃいますよね……女性関係……」

「そう! だからこそ、この機を逃す訳にはいかないわ!」

「ええ、やりましょうフェイさん!」

「ロゼッタさんにも許可は貰ってるわ、さあ行くわよ!」


 何かを決心する二人……その手には、スティック状の何かが握られていた……。



 * * *



-数分後

@ノア6 ジュディの私室


「〜〜♪  今日はお呼ばれ、らんららん♪」


 鏡の前で、ジュディが小躍りしながら複数の下着を手にして、あれでもないこれでもないと吟味していた。


「う〜ん、ヴィクターは動物柄が似合うって言ってたからな……豹柄? いや、ゼブラも捨てがたいかも? どうしよっかな〜、フフ♡」


──ヴーッ、ヴーッ! ウィーン……


「入るわよ、ジュディ」

「ぎゃぁぁぁッ!?!?」

「お、お邪魔します!」


 部屋の呼び鈴が鳴ったかと思ったら、ジュディの私室にフェイとエルメアが入って来た。

 恥ずかしい光景を見られたジュディは赤面し、慌てふためいた。


「ふ、フェイ姐さん!? それに、エルメアさんまで……な、何の用!?」

「ジュディ、楽しみにしてるところ悪いけど……今日のヴィーくんの当番、代わってくれない?」

「なんでさ!? いや、いくらフェイ姐さんの頼みでも、アタシにだって譲れないものが……」

「ジュディ……」

「な、何さ……ヒィッ!?」

「ジュディもう一度言うわ、代わりなさい?」

「……代わって頂けないですか、ジュディさん?」

「……は、はい」

「そう、恩に着るわジュディ」

「ジュディさん、ありがとうございます!」


──ウィーン……


 二人のただならぬ雰囲気に気圧されたジュディは、思わず了承してしまった。そして二人が部屋を出て行くと、ジュディはベッドに飛び込んで、枕に顔を埋める。


「……グスッ、怖かったよぅ……何なのさ、いきなり。せっかく楽しみにしてたのにぃ……もういいや、トレーニングでもしよう」


 そう呟いて、ジュディは運動用の下着を着ると部屋を出た。



「あれ、ジュディ何やってんすか?」

「これから運動?」

「カイナ、ノーラ……」

「これからご主人様と……すよね? いや〜羨ましいっすね〜、にしし! 前のウォームアップってやつっすか?」

「カイナ」

「ん、どしたんっすかジュディ? ……うぇ!?」

「今からスパーリングするから、テメェちょっと付き合えやッ!」

「な、なんで怒ってるんすか!? ウチらこれから、カティア達と映画を……グエッ!」

「いってらっしゃい」

「ノーラ、見捨てないで助けて欲しいっす〜〜ッ!!」



 * * *



-数十分後

@ノア6 ヴィクターの私室


「あれ、今日はジュディの日じゃなかったっけ?」

「あの娘急に体調崩したみたいで、代わってもらったの♪」

「今日は、私とフェイさんが相手するね♪」

「そうなのか? ああちょっと待て、今ゴムを……」

「あなた、夫婦にそんな物いらないわ♡」

「わ、私もゴムは好きじゃないかな〜なんて……」

「おいおい、そういう訳にはいかないだろ……。お前ら二人とも、今日はダメな日じゃなかったか?」

「「 ……  」」

「ん、どうしたんだ?」

「きょ、今日は大丈夫! 大丈夫なんです!」

「そう、エルメアの言う通り! 薬飲んできてるから! ダイジョウブダイジョウブ……」

「そうなのか? だったら、ちゃんと【ハーレムカレンダー】に記録しておいてくれよ。でも、それなら遠慮はいらないよなぁ!」

「「 やんっ♡  」」



 * * *



-同時刻

@ノア6 カティアの私室


[生き残ったのは私と僚機だけ……ミッションは失敗です]

[ノープリウスぢゅせゐ完了、みっシょン……こんぷリィと……]

[何だと!?]




「……え、終わり!?」

「お、おっかない映画でしたの……」

「……受精、怖い」

「あ、あれって惑星だと思ってたのが、何かの生物だったって事ですよね……もしかしたら、僕達の住んでるこの惑星ほしも……」

「ちょっとミシェル、怖い事言わないでよ!」

「ミシェル、今日は一緒に寝てもらいますわよ!」

「えぇ……ま、まあ僕もちょっと怖かったし、一緒に寝ようかミリア」

(……グヘヘ、計画通りですの)

「でもさ、最後のじゅせー……って何? よく分からなかったんだけど、皆知ってるの?」

「「「 えっ…… 」」」

「えっ?」


 カティアのまさかの発言に、凍り付く一同であった。その後、映画鑑賞会は急遽カティアに対する保健体育の授業となり、教育用のビデオを観せられるカティアであった……。





□◆ Tips ◆□

※カティア……孤児院での座学は居眠りが多く、特に保健体育は担当したシスターが優しかった為にほぼ爆睡。どういう事をすれば赤ちゃんができるか知っているが、どういう仕組みで赤ちゃんが出来るかを知らない。


※ミシェル……豪農のお嬢様で、牧場も身近にあった事から保健体育は当然バッチリ! だが、座学の知識はあっても、俗な知識には疎い。ミリアの魔の手が迫る。



【帝国の逆襲シリーズ】

 クソ映画。低予算、人員不足、機材不足という劣悪な環境で製作された、正真正銘のクソ映画。

 主に、鎖国によりその内情が一切分からない国……帝国(ナパージュ皇国)が世界に牙を剥くといった内容だが、設定や時代考証など何もかもが滅茶苦茶で支離滅裂であり、独特な雰囲気を醸し出している。散々な内容から酷評されており、当然興行収入は奮わず、携わった監督が映画会社を追い出されている。

 “シリーズ”とあるが、厳密に続編が続いているという訳ではなく、主にこの映画に携わった映画監督が諦めきれず、映画会社を鞍替えしたり、パトロンを乗り換える等して作った作品群を指す。全ての作品で配給会社が異なり、著作権も異なる為に本来なら別の作品なのだが、共通の登場人物が平然と登場していたり、共通する設定や他の映画での話が登場したりと、事実上の続編となっている。

 その後、監督が業界から干されたため、シリーズは打ち切りになるかと思われたが、監督自身が借金までして、何かに取り憑かれたように独自に続編の製作を続行。だが、映画製作で背負った多額の借金に加え、映画業界からの著作権侵害に関する多数の裁判を挑まれた事で多額の賠償金が加わり、監督が自殺。最終的に、全6編のシリーズ作品が完成した。

 正真正銘のクソ映画だが、そのあまりのクオリティーにゲテモノ好きが食い付き、一部にはカルト的なファンもいたようだ。完結はしておらず、ファンの間では幻の7編目があると、まことしやかに噂されていた。



【ハーレムカレンダー】

 そういう目的に使う。本来は女性の生理周期を確認する為のアプリケーションだが、精度はかなり高く、回避率は高い。ヴィクターは、これを使用した上で薬も使用させており、極限まで回避率を高めている。だが、悪用されればヴィクター側に問題ない限りほぼ的中してしまうという、恐るべき代物。

 ノア6関係者に利用されているアプリケーションであり、腕時計からアクセスできる。ミシェルとカティアも、周期を把握する為に利用しているようだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る