AM:武装

 AMは、電脳とのリンクによる操縦が前提となっていた為、武装は人間が扱う小火器に似た形状を取っている。一応、操縦桿によるマニュアル操縦でも動かせるが、一定の動作しかできない為、戦闘時の柔軟性に欠ける。

 また共和国では、機体により(主にHAM)専用の武装が用意されている場合があり、注意が必要である。



【50mmアサルトライフル】

 AM用の携行火器。人間で言うアサルトライフルに相当する。

 50mm口径のテレスコープ弾を使用する、ブルパップ方式の機関砲。徹甲弾や多目的榴弾など弾薬の選択により、幅広い目標に対応可能。

 AMの基本的な武装の一つであるが、崩壊後の世界では砲弾の製造が技術的に難しい為、使用されていない。




【130mmバトルライフル】

 AM用の携行火器。人間で言う対物ライフルに相当する。

 旧式の戦車砲を流用した長距離戦闘用の武装で、主に狙撃や砲撃に使用された。ちなみに、バトルライフルという名前が付いているが、ライフル砲ではなく滑腔砲である。

 主にAMの戦術がまだ確立していなかった第一世代型AMの武装であり、崩壊前の時点で既に時代遅れとなっていた(長距離砲撃が発生し得る開けた戦場は、AMよりも戦車の方が有効だった)

 反動が非常に大きい為、基本は機体の肩部で砲を固定し、伏せ撃ちもしくは膝撃ちの姿勢で射撃する。

 崩壊後の世界でも限定的ながら使用されているが、AMのセンサー類の劣化や砲身の劣化などで、長距離での正確な射撃は期待できないようだ。




【30mmガトリング砲】

 AM用の携行火器。4砲身のガトリング砲で、高い発射速度を誇る強力な武装。

 主に歩兵部隊支援の為の制圧射撃や、強襲用途を想定しており、対空・対地を問わず用いられた。




【ミサイルポッド】

 AM用の外装式多連装ミサイルランチャー。AMの肩や腰、脚などに装着され、対装甲目的や支援砲撃目的で使用された。

 任務に応じて様々な形状の物が用意されており、小型でミサイルの本数が少ない可搬性の高いタイプから、大型でミサイルの搭載量が多い重武装タイプまで、色々と取り揃えてあった。

 また、操縦者の判断でパージする事も可能で、撃ち切った後、デッドウェイトとなる事を防止できた。




【パルスレーザー】

 AM用の携行式光学兵器。使用に際して大量の電力を必要とする為、電力供給機能が強化された最新の第三世代型AMか、HAMしか使用できない。

 外観はアサルトライフルの様な見た目をしており、運用方法もそれに近い。

 長時間の連続照射と迅速な目標撃破の為に、複数の発振器を内蔵しており、これを一定時間の照射で切り替えたり、過給電した後に同時照射する事ができる。崩壊前のパイロット達は前者をARアサルトライフルモード、後者をBRバトルライフルモードと呼称して使い分けていた。




【レールガン】

 AM用の携行式電磁投射砲。使用に際して大量の電力を必要とする為、電力供給機能が強化された最新の第3世代型AMか、HAMしか使用する事ができない。

 かなり大型の為、装備中はAMの取り柄でもある、高機動戦闘が難しくなってしまう。また、発射毎に大量の電力をチャージする必要がある為、連射速度は低い。

 その分威力や射程は絶大で、現時点で存在する、ほぼ全ての兵器を撃破できると言われている。




【ハチェット】

 AMの近接戦闘用兵器。柄の先に幅広いブレードが付いた、独特な形状をしている武装。両手でも片手でも扱う事ができる。

 AM黎明期(南極開発計画時)に開発された多目的ツールで、人間で言う斧やピッケル、バールのような役割を担った。

 当初は木々の伐採や砕氷、採掘作業といった、工具目的での使用が想定されていたが、AMの兵器転用に伴いAM用の近接武器へと改造されていった経緯を持つ。

 ブレード部に、高周波振動装置が搭載されており、戦闘時は敵戦車の砲塔をくり抜いたり、敵兵器の弱点に突き刺したりして使われた。

 装備としては旧式であり、主に第一世代型AMの基本装備となっていた。また、AMを作業用機械と認識していた共和国軍のAMは、後述するプラズマカッターより、ハチェットの方が普及率が高かったと言われている。

 モルデミール軍AMの基本武装であり、実戦で確実に相手を撃破出来る武装として認知されている。




【プラズマカッター】

 AMの近接戦闘用兵器。人間で言う、ナイフに相当する。大型のプラズマ切断器で、敵の装甲を瞬時に溶断する事が出来る。

 よくあるロボットアニメのように、カッター同士で鍔迫り合いするような事はできないので、AM同士でお互いにプラズマカッターで戦う際は、相手の攻撃を回避するしかない。その為、軽量で高速な第二世代型以降のAMの基本装備になっていた。




【AM用火炎放射器】

 崩壊後、モルデミールで開発された兵器。敵の村や街を焼き払う目的で使用される。

 燃料タンクは防弾仕様となっており、歩兵用の小火器程度であれば防ぐことができる。また、誘爆したとしても、AMは充分に耐えることが出来る為、問題ない。




【30mmアサルトライフル】

 崩壊後、モルデミールで開発されたAM用の携行火器。上述した、50mmアサルトライフルが使用するテレスコープ弾の製造が技術的に難しかった為、その代用として開発された。

 使用する弾薬は、崩壊前の物と比べると素材も構造も異なる為、AMや他の兵器に有効打を与えられるとは限らない。

 モルデミール軍のAMの、基本武装となっている。




【105mmショットキャノン】

 崩壊後、モルデミールで開発されたAM用の携行火器。人間で言う、ショットガンやグレネードランチャーに相当する。

 旧式の榴弾砲や山砲を元に開発された武装で、専用のキャニスター弾や榴弾を使用し、主に対人用の面制圧や、ミュータントの駆除に使用されていた。

 砲身とグリップが直線上に位置する、独特なデザインをしており、発射時の反動を制御しやすくしている。

 使用されるキャニスター弾のペレット(散弾の粒)には、安価な鉄製の物が用いられている。




【30mmサブマシンガン】

 産廃と化した、モルデミール軍の30mmアサルトライフルを再生利用するべく開発された武装。アイゼンメッサー研究所製。人間で言う、サブマシンガンに相当する。が、対応する拳銃などは存在しない。

 銃身の短縮化や冷却機能の追加、ハンドガードやストックの撤廃、機関部の見直しなど、大規模な設計変更や軽量化により、元とは別物の武装になっている。

 片手で構える事が出来る為、ウェイストシールドと一緒に構えたり、両手で二丁持ちすることも可能である。

 また使用弾薬の見直し(高硬度鋼製弾芯のAPCR等)により、AMへもダメージを与える事ができるようになっている。




【40mmコンバットライフル】

 モルデミール軍残党の使用するAMに対抗する為に開発された武装。アイゼンメッサー研究所製。人間で言う、バトルライフルに相当する。

 崩壊前の対空砲や、歩兵戦闘車の主砲に使用された砲を元にしており、徹甲弾や榴弾などの各種弾薬を発射できる。モルデミール軍で使用していた30mmアサルトライフルよりも、装甲目標に効果的なダメージを与える事ができる。

 グウェル・アイゼンメッサーがモルデミール軍在籍中に研究していた装備であり、グラスレイクで万能製造機とコンピューターを与えられて、すぐに完成に漕ぎ着けた経緯を持つ。

 基本は単発、もしくは3〜5発のバースト射撃(過熱防止と銃身保護の為に、連射に制限が設けられている)で用いる。




【ウェイストシールド】

 AM用の盾。アイゼンメッサー研究所製。廃棄されたAMなどの崩壊前の兵器から剥いだ装甲材を利用している。全面に爆発反応装甲のタイルが貼られており、実弾兵器に高い耐性を持つ。その反面、被弾時に周囲に破片が飛ぶ為、主に外征する部隊がAMと対峙する際に使用する。

 30mmサブマシンガンを併用する事で、攻防一体の運用が可能。また、緊急時には投棄する事も可能。応用技として、盾で敵機に体当たり(シールドバッシュ)する事で、爆発反応装甲を誘爆させ、一時的に視界を塞いだり、体勢を崩す事が可能。




【ショックコーン】

 中近世の騎兵の装備した騎兵槍(ランス)を参考に設計開発された、試製AM用突撃槍。

 AM-5C/02 ジーナ機の専用武装であり、ハチェットと同様の高周波振動装置を内蔵している。これにより装甲貫徹力を高めているが、その形状から刺突専門である。

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