AM:アイゼンメッサー研究所製

 ヴィクターが村長を務めるグラスレイクに亡命してきた“グウェル・アイゼンメッサー”と、その孫娘である“エルメア・アイゼンメッサー”の住まいである、アイゼンメッサー研究所。ここでは、同じく亡命してきた旧親衛隊メンバーの機体整備の他に、発掘した遺物のレストアや研究、新たな機械や武器の開発などを行なっている。

 ここはグラスレイクの技術の中心であり、ノア6からの資料提供と、“巨人の穴蔵”から発掘してきた“万能製造機”とマザーコンピューターにより、崩壊後の世界では充実した開発環境が整っている。

 ヴィクター達の活躍により終結した、モルデミール事変後、継戦派の将校や敗北を認めなかった者達が武装解除に従わず、セルディア各地に潜伏を始めた。

 彼ら残党は野盗と化し、中にはAMまでも運用する者達も存在する。その為、モルデミール軍残党が運用するAM等の兵器に対抗する為、アイゼンメッサー研究所にて製作改造されたAMが、グラスレイク守備隊等に運用される事となった。



【ER-01 タイタン】

 巨人の穴蔵から回収したり、討伐したモルデミール残党軍から鹵獲したAM-3 サイクロプスをレストアし、戦闘力を削ぐべくデチューンを施した機体。グラスレイク(ヴィクター)が方々から鹵獲・回収してきたAMが過剰になった為、作業用の重機として主にカナルティアの街とモルデミールに売り出すべく作られたAM。

 改修はアイゼンメッサー研究所が行っており、コックピットブロックや関節部などの重要部位を除き、装甲を崩壊前の特殊多層分子複合装甲から、ただの圧延鋼板に貼り替えている。これにより防御力の低下を図り、万一の敵対時の無力化を容易にすると共に、機体シルエットを元のAM-3から細身に変えて、機体を識別しやすくしている。ただし、コックピットブロックの装甲にはほとんど手を加えていない為、乗員保護能力はAM-3とさほど変わりは無い。

 また、パイロットの認証を簡略化しており、従来の電脳認証や腕時計による認証から、スティック状のキーを差し込む方式に変更されており、キーさえあれば誰でも動かす事が可能となっている。




【ER-02 ギガス】

 操縦支援システム“ヘカトンケイル”を導入し、アイゼンメッサー研究所により魔改造されたAM-3 サイクロプス。グラスレイク守備隊AM部隊の隊長機。

 元モルデミール軍親衛隊の隊長で、現グラスレイク守備隊隊長のギャレット・ロウの乗機であり、彼の要望にアイゼンメッサー研究所が全力で応えた結果、原型を留めないほどの大幅な改造が施されている。

 具体的には、隊の主力機であるAM-5Bとの歩調を合わせるべく、ノア6より供与された“ドラコーン”と呼ばれる外装式スラスターと燃料タンクを背部と腰部に装備し、限定的な飛翔能力を獲得している。だが、その結果機体が大型化し、操縦が極めて難しくなっている。咄嗟の近接戦闘に備え、ドラコーンは戦闘中にパージする事が可能であり、僚機の手助けがあれば再装備も可能である。第1.5世代AMとでも言うべき代物。

 また、AM-3に元から備わっている油圧機構を活かして、固定武装として左腕に、腕部一体型の油圧式3本爪タイプの大割圧砕機を装備している。

 



【AM-5B アルビオン改】

 操縦支援システム“ヘカトンケイル”を導入した、AM-5 アルビオン。グラスレイク守備隊の主力機。

 元はグラスレイクに亡命した、旧モルデミール軍親衛隊のパイロット達の乗機である。グラスレイクで塗料が不足している事から、カラーリングはかつての親衛隊機ほとんどそのままの状態で、エンブレムのみグラスレイク守備隊のもの(吠えるピューマ)に置き換わっている。

 基本構成は、量産型ヘカトンケイルを導入しただけのAM-5であるが、運用上の都合(モルデミールの内紛に秘密裏に介入する事)から、ECMを増設しており、戦域の通信やレーダーを遮断・制限する機能が付与されている。

 また、元々AM-5が搭載していたスラスターも復活しており、短時間・短距離の飛翔や、地上スレスレを水平飛行(俗に言うホバー)して敵機との距離を詰めると言った、高度に戦術的な機動も可能となっている。

 モルデミール各地で目撃されており、その外観(親衛隊のカラーリング)から、“親衛隊の亡霊”と噂され、残党軍から恐れられている。




【AM-5C ヴァルキュリア】

 AM-5を元に、アイゼンメッサー研究所により再設計を施された試作AM。全部で4機がロールアウトしている。

 機動性のさらなる向上を主眼に、装甲形状の見直しが図られており、元のAM-5の角ばった外観から、流線的な物へと変更されており、そのシルエットはどこか女性的なデザインとなっている。これにより、従来のAM-5よりも空力特性に優れており、スラスター使用可能時間の延長、飛翔距離の増大、機動速度の向上等、総合的な機動性の向上が実現している。

 また、改造元であるAM-5と比較して、機体重量は軽くなっているが出力自体は同等なので、結果として戦闘時の機動力や、武装のペイロードは増している。その一方で、装甲の防御性能はAM-5よりも若干低下してしまっている。

 機体はグラスレイク守備隊のAM小隊である、クーガー小隊の機体となっており、エルメア機、ジーナ機、ティナ機、カティア機それぞれに、パイロットに合わせた調整が施されている。普段はテスト機として、データ収集に用いられている他に、有事の際はグラスレイクの直接防衛に動員される。




【AM-5C/01 エルメア機】

 AM-5C ヴァルキュリアのエルメア専用機。

 クーガー小隊の隊長機であり、通信機能・指揮管制機能の強化の他、情報収集能力の強化を主眼に調整されている。

 主にセンサー類が強化されており、後方からの索敵や情報収集、狙撃などに特化している。戦闘時は、後方支援・指揮・狙撃を担当。

 専用武装として、105mmショットキャノンを基に新開発された“ブランダーバス”を装備しており、従来の榴弾や散弾の他に、砲発射型ミサイルの運用能力が付与されている。


[武装]・40mmコンバットライフル

    ・ブランダーバス

    ・プラズマカッター




【AM-5C/02 ジーナ機】

 AM-5C ヴァルキュリアのジーナ専用機。

 機動性の強化を主眼に、近接戦に特化した調整が施されている。

 ノア6より供与された強化型のスラスターを導入しており、飛翔時は他の機体より高い速度を発揮する。また、パイロットのとる戦術から被弾率が高くなる事が予想された為、主要部や関節部などの脆弱部など、一部だけ装甲が増設されている。

 機体の高速度を活かした専用武装“ショックコーン”を装備し、腕部と胴部には突撃時に武装を固定する為の装置が組み込まれている。

 戦闘時はパイロットの気質通り、敵中に斬り込んでいき、撹乱する。


[武装]・ショックコーン

    ・ウェイストシールド

    ・プラズマカッター




【AM-5C/03 ティナ機】

 AM-5C ヴァルキュリアのティナ専用機。

 他の専用機と比べ、特別な調整は施されていないが、唯一“ヘカトンケイル”を搭載しておらず、性能を発揮するには電脳操縦が必須の機体となっている。

 電脳化したティナの専用機であり、他の機体よりも柔軟な動きが可能。

 戦闘時は、突出したジーナ機の援護に当たり、ジーナ機の討ち漏らした敵機の撃破や、共に敵部隊の撹乱に従事する。


[武装]・30mmサブマシンガン×2

    ・プラズマカッター×2




【AM-5C/04 カティア機】

 AM-5C ヴァルキュリアのカティア専用機。

 武装の運用能力に主眼を置いた調整を施されている。主武装の“30mmガトリングガン”の他、肩や腰、脚部にミサイルポッドを装備し、“乱射姫”の異名通りの強力な火力投射能力を誇る。

 弾切れや近距離戦闘に備えて、バックアップに“50mmアサルトライフル”を装備しており、継戦能力を高めている。

 増大したペイロードへの対策として、ジーナ機と同様の強化型スラスターが導入されており、武装満載時でも編隊行動が可能。


[武装]・30mmガトリングガン

    ・ミサイルポッド

    ・50mmアサルトライフル

    ・プラズマカッター

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