兵器・乗り物:崩壊前製

 崩壊前の戦術兵器や、ロボットなどの遺物。崩壊後の世界においては、オーバーテクノロジーになる為、新たに同じ物を作ることは出来ない。

 大半が最終戦争と、経年劣化により失われているが、一部の物は保存状態が良かったり、レストアを施されて現役である物もある。

 崩壊後の世界では、対抗できる手段に乏しかったり、兵器の戦闘力が高いので、敵に回せば恐ろしい脅威となると共に、味方であれば敵への強力な牽制と抑止力になる。



【テトラローダー】

 軍用の警備ロボット。4本の脚を持ち、足先の球体状のローラーで平面移動する駆動方式を採用している。尚、段差などは脚を駆使して移動する。

 外部電源方式を採用しており、ドラム缶のようなずんぐりとした上半身に、人工衛星からの電力を受信する受信機が組み込まれている。その為、駆動時間は実質無限である。

 頭部はセンサーの役割を果たし、胴体から生えた2本の腕には機関銃などの武装が内蔵されている。また、肩にあたる部分にも武装が可能。通常は暴徒鎮圧用に、旧式の迫撃砲を改造した大口径のグレネードランチャーを装備している(基本は催涙弾を使用)。

 崩壊前は、連合軍のマスコットキャラクター『正義のロボット テトラ君』として、イベントなどでマントや帽子をかぶせたものが子供たちに好かれていた。因みにアニメ化もされており、全5シーズン放映される程人気があった。

 崩壊後は、電脳化していない人間を、身分を認識できない「不審人物」と認識して襲ってくる為、危険視されている。ギルドによる危険度はA。出会ったら隠れ、見つかったら即刻退避することを推奨しているが、逃げられる者は殆どいない。


[全高]約2m(脚の伸展により変動)

[速度]最高80km/h(路上)

[武装]・6.8mm口径機関銃×2

    ・18.4mm小型滑腔砲×2

    (12ゲージ用スタン弾を主に使用)

    ・60mmグレネードランチャー

    (最大2つ、通常1つ。主に催涙弾を使用)

    ※仕様により異なる。




●死都用テトラローダー

 テトラローダーに、セルディア中央銀行から頂戴したレーザータレットを改造した、小口径レーザー砲を搭載した物。多数存在し、死都を常時巡回する事で、ノア6までの安全な経路を確保している。

 安全な経路といっても、それはヴィクター達にとっての話であり、他の人間にとっては危険度Aのロボが跋扈ばっこする、地獄のような環境となっている。

 テトラローダーは、衛星で発電された電力を無線送電されて動いている為、実質無限の動力源を持つ。その為、電力を動力とするレーザー砲との相性が良く、従来の機種よりパワーアップしているといえる。


[武装]・6.8mm口径機関銃×2(両腕)

    ・18.4mm小型滑腔砲×2(.12ゲージ用スタン弾を主に使用、両腕)

    ・60mmグレネードランチャー(右肩)

    ・小口径レーザー砲(左肩)

    ・発煙弾発射機(腰部)




●秘密基地防衛用テトラローダー

 地下駐車場内という閉所での戦闘を想定して、外付けの装甲板を増設し、いざという時に敵の攻撃から人員を守ってくれる、遮蔽物として機能するようになっている。また、肩部のグレネードランチャーを撤去して、代わりに小口径レーザー砲を2門装備した。それに伴い、コンデンサーやラジエーターを背中に増設した為、通常のテトラローダーよりもゴツい外観をしている。


[武装]・6.8mm口径機関銃×2(両腕)

    ・18.4mm小型滑腔砲×2(12ゲージ)

    ・小口径レーザー砲×2(両肩)

    ・発煙弾発射機(腰部)



●テトラローダー 狼旅団仕様

 狼旅団に使役されていたテトラローダー。ジャルドーという名前が付いていた。毒々しいペイントに、尖った鉄筋や端材を溶接したトゲトゲしいボディ、ドクロのような頭蓋骨を模した頭部など、どこか世紀末感漂う外観をしている。

 武装は、腕部内臓の機関銃があるが、弾薬(6.8×43mm弾)が崩壊後の世界ではあまり流通していない為か、使われていない。代わりに、廃品のリーフスプリングを改造して作った、大型のマチェットを腕部マニピュレーターに握らせる事で、接近戦を可能としている。

 しかし、本来テトラローダーに白兵戦機能はプログラムされて無い為、その戦力は低く、トゲトゲボディによる体当たりが主な戦法であった。

 唯一まともなのは、背中に乗用ラックが取り付けられた事で、人一人が搭乗出来る事だろう。


[武装]・リーフスプリング改造特製マチェット×2

    ・トゲトゲボディ



●チャッピー

 ガフランク防衛戦にて、狼旅団から鹵獲したテトラローダーをノア6で改修した物。テトラローダーの兵站輸送仕様とでも言うべき代物で、ミシェルの専用機。

 ボロボロになっていた機体を、ノア6でメンテナンスした結果、腕部内蔵の武装も復活した。また、7日間戦争の際にヴィクター達が交戦した、ボードンのガトリングガンを回収・修理し、それを肩にマウントしている。

 全身に折り畳み式の、貨物運搬用ラックを備えている為、ある程度の物資輸送が可能となっている。また、騎乗用の座席を、折り畳み式の物に変更した他、剥き出しとなる搭乗員を守る為の、簡易的な防盾も展開出来る様になった。ただし、背後までは守れない事と、貫通力の高い弾は抜ける恐れがある為、戦闘時には注意が必要となる。

 その他にも駆動系を改造し、脚部の球形タイヤを小径のノビータイヤに換装している。この結果、真横にスライド移動したりは出来なくなったが、不整地での走行性能が向上し、積載力も向上した。また、通常機より若干全高が高くなっている。


[武装]・6.8mm口径機関銃×2

    ・18.4mm小型滑腔砲×2

    ・5.45mmガトリングガン(左肩)

    ・発煙弾発射機



●チャッピー改

 モルデミール潜入作戦の際に、旧連合の秘密バンカーである“巨人の穴蔵”より回収したAIデバイスをリンクさせたテトラローダー。

 基本的な構成は以前と変わっていないが、AIによる柔軟な動きが可能となり、両手のマニピュレーターを有効に活用できるようになった。その為、新たに設計された腕に換装されており、歩兵用の小火器や重火器を携行使用することが可能となっている。その代わり、腕部内蔵式の武装が減らされている。

 出番の無かったハウンドの機関銃(デスパレート)を改造し、歩兵仕様とした物を専用装備として支給されている。

 背中の座席も健在で、いざとなれば騎乗できる。


[武装]・スタンニードル発射機×2(両腕)

    ・試製個人携行式ガトリングガン(左肩)

    ・発煙弾発射機(腰)

    ・デスパレート

    ・RT-91ロケットランチャー等 



【ハミングバード】

 正式名:MV-95小型多用途垂直離着陸機

 多用途の小型VTOL機で、従来のヘリコプターの役割や、COIN機、軽攻撃機の役割を統合する目的で開発された。しかし、多用途性と引き換えに性能は多少妥協しているので、性能は専門機に劣る。

 その為にこの機体が従来機を完全に統合することは無く、少数が連合軍に配備されたに留まり、ハンガーで埃をかぶってしまっていた。

 基本武装として20mm機関砲を機体下部に収納しており、使用時は機体内から旋回式のタレットが出てきて、機体上方以外の全周に攻撃ができる。他にも、ハードポイントに爆弾やロケット、対戦車ミサイルなどを搭載できるが、攻撃ヘリほどの搭載量は無い。

 乗員は1~2名で、他に4名の人員を乗せることができる。


[モデル]TriFan 600




【MV-88】

 連合軍の使用していた、多用途ティルトローター機。電動で、電力は外部電源方式を採用し、衛星から電力を受信する事で、超長大な航続距離を実現している。

 崩壊後の世界でも、ギルドによって複数機が連絡用として用いられているようだが、何故ギルドがこの様な高度な機械の整備や運用ができるかは現時点では不明。


[モデル]ベル V-280 ヴェイラー




【高高度プラットフォーム】

 セラフィムが計画される以前に研究されていた、大型の成層圏飛行船。流線的な外観をしており、降発着脚を兼ねた下向きの主翼と尾翼がヒレに見える為、空に浮かぶ白鯨のような外観をしている。主翼と尾翼には、ラダーの他に全方位回転可能な電動プロペラが内蔵されており、機体の推進や方向転換に利用される。

 数機の試験機が製造され、実際の飛行試験にて成功を収め、ほぼ開発は完了していたが、軌道エレベーターの建設とセラフィムの開発決定に伴い、製造中止に追い込まれた経緯を持つ。

 その後、無用の長物としてスクラップヤードを圧迫していた所を、連合内の大手興行企業が購入して改装を施し、豪華客船ならぬ豪華飛行船としてセレブ向けの空の旅を提供するようになり、好評を博した。

 大型の試作機、セルシウス、ケルビン、ファーレンハイトと、その後継としてダウンサイジングが図られた数機の先行量産機(ランキン、ドリール、ニュートン、レオミュール、レーマー)が存在する。




【ト・ルータス装甲車】

 かつて連合軍の、主にセデラル大陸の国家で運用されていた、8輪の多用途装輪装甲車。モジュール化された車体が特徴で、任務によりモジュールを変更する事で、装輪戦車や、装甲兵員輸送車、戦場救急車、戦闘指揮車などの多彩な用途に使用する事ができた。

 ノア6にも、数台保管されているが、金塊運搬やショッピングモールに突っ込まされるなど、碌な運用をされていない。

 崩壊後のカナルティアの街に存在する物は、最終戦争時にニュータウンの治安維持任務に動員された物で、大半が装甲兵員輸送車タイプ。カナルティアの街が保有する、最強の戦力と言ってもよい。

 電脳による遠隔操作が可能だが、カナルティアの街の物は、長い年月により周辺機器が劣化しており、遠隔操作を受け付けない物が多い。


[モデル]ボクサー装輪装甲車



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