兵器:戦略兵器
敵国の産業や軍事・放送・公共施設などを大規模に攻撃し、経済基盤や国家活動に致命的なダメージをあたえることによって、敵国の戦争継続能力を失わせることを目的とした兵器。
各陣営が、それぞれの抑止力として開発を進めていた。これらの存在により、崩壊後は文明が衰退することとなった。
【ルシファー】
連合により試作された、世界初の戦闘衛星。MIRV化された核弾頭を搭載しており、軌道上からの核攻撃が可能だった。軌道上からの核攻撃は、弾道ミサイルとは異なりブーストフェイズ(打ち上げ段階)が存在しない為、迎撃される可能性が非常に低く、迎撃は非常に難しいとされた。
なお、世論の強い反発を受けて、後継となった“セラフィム”には核弾頭は搭載されていない。
6枚の稼働翼と、6枚の固定翼の計12枚の翼を持つ。稼働翼により姿勢制御を行い、固定翼にソーラーパネルや、防衛用のレーザー兵器やミサイルを多数搭載していた。他にもレールガン、中性粒子ビーム砲を搭載し、次世代の戦略兵器としてデビューを果たした。
しかし、一つの衛星に多くの機能を詰め込み過ぎた結果、機体が大型化し、調達費が高騰した為に、後にそれぞれの機能を分割した“セラフィム”が開発された。
唯一の核搭載衛星として、主に連合の仮想敵である同盟……特にローレンシア上空に配備されていたが、最終戦争時に同盟軍の対衛星ミサイルの飽和攻撃により撃墜された。
【セラフィム】
連合が保有していた戦闘衛星群の総称。表向きには、偵察や防空、発電を目的としていたが、その実態は、大出力ビーム兵器やレールガン、防衛用レーザー兵器、ミサイル等を搭載した戦略兵器である。多数機で常に世界中の空をカバーすることで、時・場所・地形を問わない即時戦略攻撃を可能としていた。
“ルシファー”での経験から、役割を分割した各衛星の兵器を使い分けることで、戦略性を増し、コストダウンを図っている。
それぞれ共通した構造として、高性能ソーラーパネルを搭載した6枚の稼働翼を持ち、姿勢制御装置の他、自身の防衛用のレーザー兵器やミサイルを機体に搭載している。
崩壊後の世界でも、大半が稼働状態にあり、未だに世界を見下ろし続けている。
●ミカエル
セラフィムを構成する、人工衛星の一つ。
レールガンを搭載し、地上に向けて攻撃が可能だった。レールガンは、攻撃地点にクレーターが出来る程の威力がある。堅固な地下バンカーをも攻撃する事ができ、主に戦略攻撃用として位置付けられていた。
レールガン発射時は、姿勢制御の為に稼働翼が激しく動き、反作用相殺の為に、砲後部から収束した爆風を噴射する。
●ガブリエル
セラフィムを構成する、人工衛星の一つ。
大気圏突入ミサイルや、戦術コンテナ(通常爆弾などの兵器を、大気圏突入させる為のカプセル型コンテナで、目標上空まで誘導し、コンテナ内の兵器を投下する)を搭載している。また、“AM-U1”といった兵器もガブリエルに搭載されており、敵地に潜入した特殊部隊に対し、戦術兵器を軌道上から空挺投下して、火力支援を行うことができる。
●ラファエル
セラフィムを構成する、人工衛星の一つ。
防衛・支援用の衛星であり、レーザーやミサイルなどで、地上から発射された弾道ミサイルなどを撃ち落とす役割を持つ。また、他の衛星に飛来するデブリやゴミの除去も担っている。
一応、地上に向けてレーザーによる戦術攻撃も可能ではあるが、ミサイル防衛が主目的であり、あまり使用される事はなかった。
この衛星のおかげで、連合加盟国は、最終戦争時のダメージが比較的小さく済んだ。
●ウリエル
セラフィムを構成する、人工衛星の一つ。
大出力の中性粒子ビーム砲を搭載しており、地上に向けて攻撃が可能だった。特徴的なのは、照射の絞りや出力を調整する事で、戦術・戦略攻撃どちらにも使用出来る事で、対施設目的の大規模な攻撃から、火力支援目的の小規模な攻撃までと、汎用性が高かった。
【ヴォジャノーイ級戦略潜水艦】
同盟陣営の戦略兵器。連合の戦闘衛星群、セラフィムに対抗する為に作られた超大型潜水艦。アーセナルシップとして潜水艦発射弾道ミサイルの他、巡航ミサイル、対空ミサイルなど各種ミサイルを搭載し、それらを潜航中に発射する水中発射能力を備えている。他にも、レールガンやビーム砲を搭載し、その攻撃能力は非常に高い。
また、ある程度の母艦機能も有しており、浮上時に船殻を開くことで、航空機の離発着ができる。また、船体後部ドックからは、ホバークラフトも発進可能で、搭載されている戦車の揚陸を可能としている。
また、通路や部屋はかなり広く設計されており、居住性が高い設計となっている。内部には、長期の潜航に備えた娯楽設備が整っており、バーやジム、プールやスパなどが完備されていたとされる。
【N-3】
共和国の戦略兵器。意図的にグレイ・グー(自己増殖性を有するナノマシンが、周辺の原子を用い、無限に増殖することによっておきる、世界の終焉を想定した架空の事象)を引き起こし、都市を丸々消滅させることができるとされるナノマシン兵器。実在するかは不明だが、諜報筋では存在していると想定していた。
ナノマシンによる攻撃は、非常に発見が難しい性質がある。その為、他の陣営と中立的な立場にある共和国が、他の陣営に気付かれない攻撃手段を模索した結果生み出された。攻撃時は、工作員や外交官などにより、ナノマシンの封入されたスーツケース型カプセルを起動することで行われると予測されている。
グレイ・グーの範囲を限定する為に、ナノマシンには自壊機能が付与されていると見られる。
【APX-b8651】
共和国の戦略兵器。ウイルスを用いた生物兵器とされ、感染した細胞のDNAをランダムに書き換え、感染した生物の生存を困難とする死のウイルスとされる。感染経路は、おそらく空気感染。
感染後、体細胞のDNAの変質に伴う多臓器不全を引き起こし、死に至る。発症時の致死率は99.99%で、非常に危険。未完成品で、自国民を巻き込む危険性から、研究は中止されていたが、このウイルスの主任研究員が、最終戦争の影響で精神を病み、世界に解き放ってしまったとされる。
元々、自然界に存在する感染力が殆ど無いウイルスを改造したものとされ、これにより核攻撃を生き延びた人間も、被害に遭ったと考えられている。
動物にも影響を与え、崩壊後、ミュータントなどが生まれた原因の一つとなったと思われる。
現在では、元となったウイルスに自然淘汰された結果、自然界に残存していないとされる。
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