武器・兵器

武器:遺物

 登場する武器はモデルがあります。読んでて、コイツどんな武器使ってるんだ?と思った方は、モデルをググれば画像が出てくると思います。

 一応、殆どの銃器が使用している弾薬は、実在の物です。口径表記は基本mmで統一していますので、混乱する方がいたらゴメンなさい!(例:.40S&W弾→10×22mm弾、.357マグナム弾→9×33mR弾等)


 また、作中世界での流通状況や開発経緯を考慮して、モデルとなった銃器と作中に登場する銃器とで、使用する弾薬が異なることがあります。




【遺物】

 崩壊前に製造された物で、崩壊後の技術力では再現が難しい物の総称だが、ここでは主に銃火器のことを指す。

 軍用の高性能な銃器は、マイクロマシンによる射撃支援を前提として、各種センサーを搭載された物があり、制御ソフトを脳にインストールすることで、射手の視界に弾道や照準を表示したり、その他情報処理により、高い命中精度と操作性を獲得できる。また、これらの軍用の武器には、マイクロマシンによる認証が必要になる物がある為、文明崩壊後でこの機能を使える人間は、ヴィクターなど特定の人物に限られている。

 洗練された最新技術を用いて作製されている為か、2世紀以上もの年月を経てもなお使用可能なものが遺されており、手入れを施されたり、復元されたりした後に使用されている物がある。

 主人公ヴィクターが使用する物は、ノア6の武器庫から持ち出した物が多い。




□◆ 旧連合製の装備 ◆□


【トライショック‼︎Ⓡ】

 民生品のピストル型スタンガン。電極の針を射出し、標的に突き刺さることで高圧電流を流し、相手の行動を停止させる。

 警察などが、暴徒鎮圧、捕縛などに用いていた。カートリッジ式で、装弾数は3発。有効射程が短く、約10m程度とされる。

 軍では正式に採用していないが、憲兵隊が治安維持任務の際に使用する為、購入していた。


[使用弾薬]バッテリーカートリッジ

[装弾数] 3発

[有効射程]10m前後

[モデル] テーザー X3

[使用者] ヴィクター




【MAR-06】

 統一暦520年当時最新の、連合軍制式採用自動小銃。ブルパップ式アサルトライフルで、光学照準器やフラッシュライト、高精度センサーなどを内蔵している。ほぼ全ての軍人がこれで訓練を受けており、使えない人間がいないと言われる程の基本装備となっていた。

 完全なアンビデクストラス(左右両利き仕様)で、中空のチャージングハンドルを左右どちらかに押し込めば、排莢口も合わせて左右に切り替わる。

 ハンドガード部にグレネードランチャーを搭載する事も可能。

 その魚類のような外観から、“アンバージャック”(スズキ目の魚)という渾名がついていた。


[使用弾薬]6.8×43mm弾

[装弾数] 30発

[発射速度]700-750発/分

[有効射程]600m

[モデル] FN F2000

[使用者] ヴィクター




【MAR-64 A3】

 連合軍の旧制式アサルトライフル。様々なオプションパーツの装着が可能で、高い拡張性を持つ。パーツ装着用のレール一体型のハンドガードと、変更可能なストックが特徴であり、モジュール化されたレシーバーや銃身を交換する事で、他の弾薬にも容易に対応可能。

 サードパーティ製のパーツが豊富であり、40連大型マガジンや、60連複々列マガジンなどが販売されていた。

 新型のMAR-06が制式採用されても、一部将兵の希望から現役の物や、保管されていた物が多数存在した。

 A3型は最終生産型であり、これ以降はMAR-06に移行した。


[使用弾薬]6.8×43mm弾 等

[装弾数] 30~60発

[発射速度]650-750発/分

[有効射程]500-600m

[モデル] レミントンACR

[使用者] ヴィクター、カイナ




【HP-98】

 連合軍制式採用の拳銃で、数多のトライアルを経て採用された。過酷な環境下でも確実に動作し、各部品の耐腐食性が高くなっている。専用のホルスターを用いれば、銃を抜く際にスライドを引いてくれるので、即座に発砲可能になる。


[使用弾薬]10×22mm弾

[装弾数] 14発+1

[有効射程]50m

[モデル] SIG SAUER P320

[使用者] ノーラ




【HP-98C】

 連合軍制式拳銃HP-98のコンパクトタイプで、主に将校の護身用などに用いられていた他、警察でも一部使用されていた。上述のホルスターも使用可能。


[使用弾薬]10×22mm弾

[装弾数] 13発+1

[有効射程]50m

[モデル] SIG SAUER P320 コンパクト

[使用者] ヴィクター、ロゼッタ




【PDW-08】

 統一暦520年当時最新の、連合軍制式採用PDW。ブルパップ式でMAR-06よりも小型軽量。先端に各種センサーを搭載している。共和国製であり、連合では車両搭乗員や、AMパイロット、特殊部隊、後方要員の自衛用に用いられていた。

 専用弾を用いることで、貫通力を高めているが、新型の歩兵用耐弾装備に対する効果は不明。


[使用弾薬]4.6×30mm弾

[装弾数] 45発

[発射速度]850発/分

[有効射程]250m

[モデル] マグプル PDR

[使用者] ミシェル




【RT-91】

 連合軍制式採用の携行式無反動ロケット砲。状況に合わせ、様々な弾薬が用意されている。廃れつつあった従来のロケットランチャーと、携行式対空ミサイル、携行式対戦車ミサイル、無反動砲等を統合する目的で開発が行われた。

 後装式で、弾薬ケースを発射管後方からセットして用いる。発射時は弾薬ケースがカウンターウェイトを兼ね、発射時のエネルギーで弾薬ケースは粉々に破砕しながら後方に撃ち出される為、発射時には後方に人がいないことを確認する必要がある。

 専用の誘導弾を用いることで、ヘリコプターや車両などに対する誘導能力を獲得しているが、装甲目標に対しては限定的な効果しか望めない。これは、兵器の相手は基本的に歩兵ではなく、兵器が行うという連合の戦術方針によるもので、設計段階から対装甲目標に対する攻撃能力を捨て、携行性を向上させている為。


[使用弾薬]HEAT-MP弾 / サーモバリック弾 など

[装弾数] 1発

[有効射程]1500m(HEAT-MP弾)、弾頭により変動




【AMR-3】

 対物狙撃銃。スマートバレット(誘導弾頭)を使用し、目標に対する誘導能力を獲得している。長距離狙撃時は、ロックオンした目標に対して、弾丸が微調整をしながら飛翔する為、狙撃手からはまるで目標に弾丸が吸い込まれて行くように見える。

 高倍率の狙撃用レンズは、反射を防ぐ艶消し用の塗料が蒸着されている。


[使用弾薬]15.5x106mm弾/スマートバレット

[装弾数] 4発

[有効射程]3000m以上

[モデル] チェイ・タック M200




【GW-422R】

 旧式の狙撃銃、GW-422のマイクロマシン対応の近代化改修型。ボルトアクション式だが、ストレートプルボルトを採用しているため、射撃間隔はセミオート並に早い。長年使用されてきた信頼性と、電脳との連動による精度向上により、戦闘力は大幅に向上している。


[使用弾薬]8.6×70mm弾

[装弾数] 5発

[有効射程]1500m

[モデル] L115A3

[使用者] ノーラ




【TS-5】

 崩壊前、警察の特殊部隊や軍で使用されていた、CQB・突入用の短銃身散弾銃。銃床が省略され、全体が短縮されているので、携行しやすい設計になっている。

 セミオート式で、独自の反動吸収メカニズムにより、ショットガンとは思えない低反動を実現している。


[使用弾薬]12ゲージ

[装弾数] 5発

[モデル] レミントン V3 Tac13

[使用者] ジュディ




【TS-8】

 ブルパップ式自動散弾銃。マガジン給弾方式で、アサルトライフルに近い操作で扱うことができる。セミオートとフルオートを切り替えることができる散弾銃で、連合軍が採用していた。

 外観は、連合軍制式ライフル:MAR-06に近い。主に、特殊部隊が屋内への突入時やCQBに使用していた。


[使用弾薬]12ゲージ

[装弾数] 5発、20発(箱型大型マガジン)

[発射速度]300発/分フルオート

[モデル] UNG-12




【ズルッキーム ZU-322】

 長い歴史を持つ老舗銃器メーカー、ズルッキーム社の誇るポンプアクション式散弾銃。崩壊前の時点で200年近い歴史があり、警察、軍、民間で使用されてきた。ショットガンといえば、コレが頭に浮かぶほど認知度は高い。

 ポンプアクション式の利点を活かして、ゴム弾やスタン弾などの非致死性弾薬や、その他特殊な弾薬にも対応することが出来る。

 モジュール化された設計が特徴で、使用者の好みのカスタムが出来る。


[使用弾薬]12ゲージ

[装弾数] 6発

[モデル] ベカス12M




【MMG-93 A2】

 連合軍採用の分隊支援火器。本体重量は4.2kgと分隊支援火器としては軽量で、本体もスリムな為、取り回しが良い。A2型は、A1型以前よりも銃身が肉厚で、放熱の為のフルートが緩やかな螺旋状に彫られている。銃身交換無しで、1200発の連続射撃に耐えるとされる。

 発射速度が速い割に、反動が少ない。


[使用弾薬]6.8×43mm弾

[装弾数] 100発 / 200発

[発射速度]1000-1200発/分

[有効射程]800m

[モデル] セトメ アメリ

[使用者] ヴィクター、ジュディ




【バイソン P-16】

 警察用に作られたリボルバー 。スイングアウト式。警察用拳銃は、自動拳銃が主流になっていたが、更新されずに使われていた物が多い。

 耐久性が高く、マグナム弾にも対応している。

 マグナム弾は、ストッピングパワーに優れ、中型の獲物に対応出来る為、崩壊後もコピーされたものが使用されている。

 プラスチック製の、円形スピードストリップが販売されており、素早いリロードが可能になっていた。


[使用弾薬]9×29.5mR弾 / 9×33mR弾

[装弾数] 6発

[有効射程]50m

[モデル] S&W M19




【ストリームシールド®︎】

 崩壊前、警察や機動隊で使用された、小型軽量のバリスティックシールド。一応、遺物。

 チタン合金やスチール、セラミック、ケブラー繊維といった耐弾性物質の薄い板が多層を形成しており、特許を取得した特殊な構造により、軽量ながら高い防弾性能を実現しており、装備者の機動性を損なわず防御力の向上が可能。人間の上半身をカバーすることができ、近接戦時の急所への被弾や、長物での打撃攻撃を防ぐ。

 盾を装備した際の火力低下に対応する為に、盾にロングガン(ライフルや散弾銃などの長い銃)用のラックが存在し、突入時の制圧を補助する。

 使用しない時は、専用のスリングで背中に担いだり、肩に掛ける事もできる。


[モデル] Hardcore Defense Bravo Shield™

[使用者] ジュディ




【ドラゴンヘッド】

 崩壊前に製造された、回転式拳銃。発砲時の跳ね上がりを抑える為、銃身がシリンダー下方に設けられているという、独特なデザインをしている。シリンダーも、角の取れた六角形型であり、従来のリボルバーの外観とは一線を画する。

 巨人の穴蔵にて、カティアによって回収され、ボリスによるレストアを経て、カティアのサイドアームとなった。

 リロード時には、ヴィクターより支給されたリンククリップを使用している。このクリップは常に湾曲して輪状になるようテンションがかかっており、弾薬が円状に並ぶフルムーンクリップのように振る舞うが、開いて板状に伸ばす事が可能であり、携帯性にも優れている。使用時はクリップを専用のホルダーから引き抜くだけで、弾が円状に並ぶので、クリップをそのままシリンダーに装填した後、クリップを引き抜くだけでリロードが完了する。


[使用弾薬]9×29.5mR弾/9×33mR弾

[装弾数] 6発

[モデル] Chiappa Rhino 30DS

[使用者] カティア




【HAR-2】

 連合軍制式の対防護服用重小銃。強化服やパワードスーツなど、発展した防弾装備に対抗する為に開発された。セミオート式のブルパップ式対物ライフルで、歩兵でも扱いが容易なように軽量化・低反動化が施されている。

 弾丸は通常の重機関銃弾の他、対装甲用の徹甲弾など、幅広く使用できる。携行時の利便性を向上させる為、銃身を後退させ全長を短くした状態で携行が可能。

 試験部隊のテストでは、敵特殊部隊との戦闘で、他のアサルトライフルなどが敵の防具を貫通出来ない中、唯一有効打を与えられた事と、元が対物ライフルなので狙撃にも充分使用できた事や、敵車両にも有効打を与えられた事から、評価は高かった。

 主に特殊部隊に使用された他、防弾装備を完備した敵のコマンド部隊による、後方施設に対する奇襲攻撃に対抗する為に、主要な施設に配備されている事があった。ノア6にも配備されており、ヴィクターが使用した物はノア6の備品である。


[使用弾薬]12.7×99mm弾

[装弾数] 10発

[有効射程]2000m

[モデル] ゲパード GM6 Lynx

[使用者] ヴィクター




【スタンバトン】

 旧型の警察用装備。伸縮型警棒とスタンガンが一体となった、暴徒鎮圧用装備・捕具。崩壊前において、拘束首輪の採用や射出式スタンガンの採用で、既に旧式化していた。

 ジャンプ式で、ワンタッチでシャフトが伸びる。グリップにバッテリーと放電機構が内蔵されており、シャフト部に電流が伝わる構造になっている。また、相手が刃物を使用する事を想定したつばも備わっており、シャフトの伸長と共に展開する。

 旧式の装備で廃れてはいたが、採用期間が長かった為に、専用の警棒術も編み出されていた。


[使用者] ミリア




【ラプトルクロー】

 連合軍の特殊部隊によって用いられる、カランビットナイフ。連合軍特殊部隊用近接戦闘術との組み合わせで、近接格闘において無類の強さを発揮する。使用には特殊な訓練が必須であり、完全に戦闘に特化したナイフである。

 全体的に湾曲した鎌状の刀身を持ったナイフであり、両刃の鋭い刃を持つ。鎌でいうところの峰側に、大きな栓抜き状の切り欠きとセレーションが設けられており、この部位に敵のナイフを引っ掛けて叩き落としたり、敵の衣服や皮膚を引っ掛けて格闘に用いる事ができる。

 柄の後端に指を入れるリングが備わっており、ナイフ保持の補助や固定等に用いる。また、リングに指を通す事である程度手を自由に動す事ができ、ナイフを保持したまま銃火器の操作が可能である。その為、特殊部隊においては基本的にこのナイフを左手で逆手に持ち、右手に拳銃などを持つ、独自の構えを使用していた。

 元はセデラル大陸南洋に浮かぶ島々の原住民に用いられていたナイフで、肉食の小型獣脚類の鉤爪を彷彿とさせる為に、この名がついた。


[モデル] TTGD-SHIELD Reason to live

[使用者] ヴィクター、ロゼッタ





□◆ 旧同盟製の装備 ◆□


【RK-49 J3】

 統一暦349年に採用されて以来、長年に渡りローレンシア軍に使われ続けてきたアサルトライフル、RK-49の最新型。同盟軍は伝統的に、制式ライフルとしてこのRK-49の近代化改修を繰り返して使用している。

 近代化改修が続けられた結果、元のRK-49と比べて設計の一部が見直され、低反動化と使用弾薬の強化が施され、最新型はマイクロマシンに対応し現代戦でも充分通用する性能を誇る。

 150年以上バトルプルーフされた性能は、高い信頼性を誇る。同盟軍で新型小銃の採用コンペがあるたびに、より高性能であるはずの対抗馬に勝利し続けて採用されてきた歴史があり、世界的に見ても傑作アサルトライフルと言われている。

 灼熱の砂漠や多湿なジャングル、極寒の北極圏まで、広大な領土故に、多様な環境があるローレンシアに相応しく、どんなに最悪な環境下でも、確実に作動するように設計されている。

 特に最新モデルであるJ型からは、新型の6.02×41mm弾を採用しており、特殊任務用の亜音速弾や対ボディアーマー用の高速弾などを、マガジンの入れ替えだけで使用できた。だが採用数は少なく、同盟軍の中でも更新が完了しておらず、中央の兵士しか所持していなかったと言われている。


[使用弾薬]6.02×41mm弾

[装弾数] 30発

[発射速度]700-750発/分

[有効射程]500m

[モデル] A-545

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