地理(崩壊後)

 最終戦争時、各陣営の戦略兵器の応酬の結果、国家は完全に瓦解した。現在は、生き残った人々が作ったコミュニティーから発展した村や街が存在している。




【街】

 崩壊後の世界における、都市国家のような存在。街ごとに異なる政治体制を持ち、街の規模も大小様々。基本的には、明確な法は存在しないが、泥棒や殺人などを取り締まる為の自警団を組織したり、他の街からの防衛の為の民兵隊を組織している街が多い。

 崩壊前のインフラを利用する為に、崩壊前の都市等の跡地が利用されている事がある。

 レンジャーズギルドの支部があるのが特徴。




【村】

 街程の規模は無いが、人が居住している地域。農村や、鉱業などで成り立っている場合が多い。最寄りの街の影響下にあることが多く、交易品や税を納めることで街の庇護を受けている。

 最寄りの街のレンジャーズギルドの出張所があることがあるが、小さい村にはないことがある。




【カナルティアの街】

 崩壊後の都市国家の一つ。セルディア盆地の中央部に位置しており、崩壊前に建設されたニュータウンを母体に発展した。南部に崩壊前の大規模遺跡群である旧セルディア首都カナルティア……通称「死都」が広がっている。

 セルディア盆地は、北西部の一部を除く周囲を山脈に囲まれた低地で、最終戦争によるダメージが比較的少なかった事と、安定した地盤・気候から、崩壊前の遺跡・遺物が数多く残っており、一攫千金を狙う人間がよく訪れるほか、周辺の村や町からの交易品の集積地として栄えている。

 死都からの危険度の高いミュータントの襲撃を警戒して、特に死都に近い南部は高く分厚い壁で覆われている。

 崩壊後の世界に於いて、比較的治安や政治は安定しており、選挙により選出された市長を中心とした民主主義体制を採っている。市長の任期は5年。再選可。

 独自の治安維持組織を保有しており、市長の指揮の下に街の中心部を管轄する“自治防衛隊”と、街の有志の組織する“警備隊”が組織されている。




【オカデルの街】

 セルディア北西部、カナルティアの街の北北西に位置する街。周囲を山脈に囲まれたセルディアの玄関口である、オカデル回廊の出入り口に位置し、セルディアの“外”との交易が盛ん。

 一方で、街の規模はカナルティアの街と比べると小さく、治安もそこまで良くはない。

 モルデミール事変後は、旧モルデミール軍の敗残兵が難民のように集い、治安の悪化に拍車をかけている。




【ガフランク農園連合】

 セルディア西部に広がる穀倉地帯に存在する、農園群を中心に構成された、農家達の互助同盟。カナルティアの街の食料の、6割以上はガフランク産である。

 いわゆる、農業協同組合に性格が近く、独自の自警団を組織している。

 名前の由来は初代会長、ガフランク・エルハウスより取られている。現会長は、マシュー・エルハウス。




【モルデミール】

 カナルティアの街の北東に位置する街。かつて、レンジャーズギルドに武力供与を要求した事に端を発し、ギルド本部による武力介入を受け、当時の権力者や有力者の他、多数の兵力を喪失して惨敗した過去を持つ。以降、ギルドにより“敵性都市”として認定され、カナルティアの街など周辺の街との交流を断つ。

 それ以来、レンジャーズギルドへの反攻と周辺の街の侵略の為、兵力増強に力を入れる。独自の車両部隊や、崩壊前の兵器であるAMを“鉄巨人”と称して利用しており、大変危険な存在である。

 モルデミール事変後は、独裁者デリック・エルステッドに代わり、旧モルデミール軍准将のアルバート・クランプが代表を務め、新生モルデミールとしてギルドへの融和政策を実施するとともに、旧モルデミール軍の残党狩りを実施している。




【ローアンの街】

 オカデル回廊より北方、旧オーレリアと旧マンゴラ両国の国境にあたる位置に存在する街。かつてはフラー平原の利権を巡り、争いの絶えない両国だったが、近世以降の融和政策により、鉄鋼業の共同事業を展開。その為の拠点として建てられたのがローアンである。

 セデラル大陸循環鉄道が通過しており、駅が存在する。世界大戦時代には、ここで製造した鉄を鉄道で大陸全土に送り届けていた。また、産業革命期の街並みを色濃く残しており、崩壊前は鉄道旅行のツアーに組み込まれていた事もあり、観光地として賑わっていた。

 ローアンの街は、かつてのローアンの地に建てられているが、最終戦争時に近隣に核弾頭が着弾している為、かつての街並みは一部を除いて失われてしまっている。

 崩壊前時点において、連合の環境保護政策により鉱山は閉鎖されていたが、崩壊後は近辺での採掘が再開され、再び鉄鋼業が盛んになっている。また、それらの採掘や製錬には各地から集められた奴隷を使うのが一般的となっており、奴隷の街としても名高い。




【マルロンの街】

 かつて、セデラル大陸循環鉄道の車両基地や、貨物駅として使用されていた場所に作られた小さな街。その立地の関係で、街の住民達は崩壊前の貨物コンテナや、鉄道車両を改造した物に住んでおり、街の路上にかつてのレールがそのまま走っているなど、独特な雰囲気を醸し出している。

 ギルド支部も、かつての貨物駅の事務所を丸々再利用している。

 鉄道沿線でもパッとしない街であるが、最近ではカナルティアから移住して来たとある人物により広まった、独特のファッションが若者を中心に流行り出している。街もその影響で、スプレー缶による前衛アートの様な物や、カラフルでサイケデリックな塗装が至る所に施され、混沌と化している。

 街の青年達により、自警団が組織されている。最近では、この自警団にも例のファッションが浸透し、自分達を「マルロン・レイダース」と名乗り、活動するようになった。

 主要産業は、貨物保管と綿花栽培。




【ルインズランド】

 セデラル大陸中央部、セデラル大陸循環鉄道の内側に広がる地域。ギルドによる統治が完全に行き届いておらず、無法地帯と化している場所が多い。

 かつては普通の土地であったが、最終戦争時の戦略兵器の応酬に伴う気候変動により、現在は荒地や荒野、砂漠が広がっている。

 セデラル大陸循環鉄道の内側という立地上、かつては多数の工業地帯を内包しており、崩壊後はそれらが“遺跡”として遺されている。それら遺物を掘り起こす事を生業とする、“スカベンジャー”という者達の楽園である一方、遺物のもたらす強大な力を背景に暴れ回る者達もいる。




【ローシュ】

 ルインズランド中央部に広がる砂漠地帯の南東よりに位置する、オアシスを中心に形成された集落。スカベンジャーのテックハンター一族が住処としている。

 過去に、ウェルタウンと不可侵協定を締結するも、一方的に反故にされて侵攻を受け、砂漠で壮絶な戦いを繰り広げた。その結果、集落の防衛には成功したが、その損失は大きく、現在、人手不足や資材不足に悩まされている。

 昔から砂漠で活動するスカベンジャー達の休息所として機能しており、その関係で、各地で住処を追いやられたスカベンジャー達が、難民の様に流れてきている。

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