涙雨

なんで僕ばっかり。

なんで私ばっかり。



学生生活に理不尽はつきものだ。


先生のお気に入りの子は見逃されたのに自分が何故か叱られる。

いやいや僕はただ見ていただけですよ。



掃除をサボっていた子に注意するなんてそんな労力は割きたくなかったから無視して自分の作業を全うしていたというのに。



どうやら悪いのは注意しなかった僕らしい。



現在進行形で何度も同じことを言う教師をじっと眺めていたらなんだか面白くなってきてしまってちょっと薄ら笑いを浮かべてしまった。



なんで笑ってるのちゃんと話を聞きなさいとかの定型詩を吐く目の前の茹蛸を見ながら今日はもうスクールバスには乗れなさそう、市営バスで帰るしかないな。最近は夕暮れが綺麗だから歩いて帰るのもいいななんて考える。



雨は少しだけ降って、すぐにやんだ。



8ガツ31ニチ キョウハナミダアメ。

*涙雨…ほんの少しだけ降る雨。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

天気日記 白田 @kon_56n

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ