第231話 死活問題

〜エルフ〜


朱音さんをエルフボディパワーで復帰させたあと、リーナも復帰させた。


だがリーナの様子がおかしい。

私に近づいて来ないし、抱きついてもこない、1番おかしいと思ったのは別々に寝ると言い出した時だ。


流石にどうにかしなきゃと思ったよね。


神様ワールドに飛べばリーナとお話しできると思ってたんだけど…


「リーナ〜…」


「ふん!」


話しかけても顔を背けて距離を取られる、エルフボディがめっちゃ落ち込んでて泣けてくる。


「なぁチャラ男、あの2人なにがあったんじゃ?」

「俺達はずっと軍服女神と会議だったし、わかる訳ねぇだろ。」


なぜか軍服女神様はここには居ない、理由を聞くのとリーナとではリーナの方が優先。


「あの2人の状態的にベストとはいえない、今日の襲撃はどうする?」

「……」

「爺さん?」

「追いかけっこしてるみたいで可愛いのぉ。」

「しばくぞ。」


そこの2人組ちょっと静かにしててくれない?こっちは死活問題なんだよ。


「リーナ…」


「……」


「「……」」


…危なかった。

みっともなく喚き散らすところだった。


「怒、ってる…?」


「別に…」


これ怒ってるじゃん…


「別に、琴音とデートしてなんか契約が強固になってるなぁって思ったけど別に思ってないから。

キスかなんかしたんだろうなー、とか考えてないから。」


間違いなく考えてます。

でもどうするべきか、謝るのはなんか逆効果な気がする。


抱きついて有耶無耶にするとか?

どこぞの誤魔化そうとする最低な男みたいだけど、それぐらいしか思い浮かばない。


「リースたん。」


「神様…」


いつのまにか近くにいた神様が話しかけてきた、ニヤけてて少し気持ち悪いです。


「リーナちゃんに許される方法、知りたくないかのぉ?」


「…!」


なんという事だ、神様がそんな魅力的な事を教えてくれるなんて!


「知りたい…!」


「ギュッとして耳元で謝罪の言葉を萌え声で囁けば解決じゃ。」


…そうだ琴音さんも似たような事を言ってて実際に2人は治った、ならこの神様が言ってることも実は正しいんじゃないだろうか?


「【ヘイスト】」


「…!

やる気だね、お姉ちゃん!」


移動速度上昇の魔法使ってリーナに抱きつこうとしたのに避けられた、やっぱりおかしい!


「大丈夫、すぐ終わる…」


「今まででトップクラスに積極的だけど今はダメ!少し反省してほしいの!」


「反省…?」


私は何か思い違いをしていたのかもしれない。

てっきりリーナは拗ねてるんじゃないかと思ってた、でもそれだけじゃ無かったのか?


「もしかしてわかってないの?」


「……」


正直に言うとわかってない。

琴音さんと2人でデートしたのが理由なのは間違いないんだけど…


「朝起きたらお姉ちゃんが居なくて、変な書き置きがあって、お姉ちゃんにメッセージ送ったのにサラダって意味わからないこと言われたんだよ。」


メッセージ来てたのか…

というかサラダって、私に一体なにがあった?


「それからずっと無視されて寂しかったなぁ…」


「あ、あわ…」


「謝罪の言葉、聞いてないなぁ。

帰ってきてからずっとイチャついてて、羨ましかったなぁ…」


うそ、メッセージ送り続けてたの?!?!

それは本当にごめんなさい、気付かなかったんだよ。


「ぁぅ、ご、ごめん…」


「……」


まさかの無反応!

これは、かなりやばいかも…



〜神様〜


「それからずっと無視されて寂しかったなぁ…」


「あ、あわ…」


「謝罪の言葉、聞いてないなぁ。

帰ってきてからずっとイチャついてて、羨ましかったなぁ…」


なるほどのぉ。

じゃがリースたんは今までメッセージを防ぐ事は無かったし、その方法も知らんと思ってたんじゃがな。


「ぁぅ、ご、ごめん…」


「……」


ショックを受けた様子のリースたん、その様子とは対照的にリースたんに見えないようにニヤついてるリーナちゃん。

…面白くなりそうな予感がするぞ。


カチャ


すでにカメラを構えているとは、チャラ男も用意が良い。


「ごめ、ごめんなさぃ…」


…別に儂等はSって訳じゃないんじゃが、リースたんの泣き顔には少し別の感情が湧いてしまう。」


「待て爺さん、なに俺を巻き込んでんだ。」


「違うのか?」


「違うわ!」


興奮しているチャラ男を手で合図して黙らせる。

今リーナちゃんがリースたんに話し始めたんだ。


「なんで2人でデートしたの〜?」


「なんで、って…」


「あ〜、元から決まってたんでしょ?私に教えてくれなかったの寂しいなぁ…」


「朝、急に決まって…」


「へー。」


興味無さそうじゃなぁ。

この会話は、おそらくリースたんに要求を通させるための下準備じゃろう。


「ゆ、許してぇ…」


ふむ、リースたんは自分でもどっちの感情かわからなくなっておるな。


魂は少し冷静で身体は見ての通り、じゃがその行動は魂からの行動じゃな。

ほとんど同化は終わっておる、最初から魂と身体が別だと理解しておったからバラバラに見えておるんじゃろう。


「じゃあチューしてくれたら許す。」


これは…来るぞチャラ男!


「わか、わかった…」



ウヒョーーーー!!



ー配信は終了しましたー

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