第140話 敵の敵は味方

〜エルフ〜


バキ!


「これも邪魔だよ。」


その首輪取れたんかい!

いや、メキメキ音なってるし、取ったと言うより壊したの方が正しいか。


(よし!

後は向こうの反応次第で、

闇堕ちリースたんvsリーナ&朱音達

が実現する。)


実現するって、私戦いたくないんだけど…


(儂がやるから安心せい。

怪我も…多分大丈夫じゃ。)


怪我関係で多分って1番ダメだよね。

動かせないほど腕が痛くて病院に行って、レントゲン撮らずに、

『多分捻挫でしょう湿布貼って安静にしていてください』

って言われたら不安になるでしょ?


(リースたんなら、体さえ残ってれば蘇生できるぞ。)


いや、それ聞いても安心できないからね?


まぁ、それで良いや。

早くやっちゃおう。


何故か周りたくなって、グルグル自分で動いちゃうし。

うーん、なんか楽しくなってきた。


あっ、ヤバいヤバい。

早くやろう、私のこと操って良いからさ。


ん?髪の毛の色変わってる。

綺麗な銀色から黒メインの紫?何だこれ。


(ほー、素晴らしい闇堕ち姿。

いつでも切り替えられるようにしておいて良かった。)


闇堕ちに切り替えられるってなんでだ…

でも、どんな感じになってるのかは気になる。鏡は近くには無さそう。


なら、


「まずは此処から出ないとだね!」


「「「!」」」


どうせ近くに出口は無いだろうし、壊しちゃおう!


「ストーップ!

ちょっとストップだよ、お姉ちゃん!」


「いやです。」


神様の事だ。

どうせ簡単に直すんだろうし、穴開いても文句言われないよね!


(いやぁ。さすがの儂でも直すのは面倒じゃし、それ壊されたく無いんじゃが…

てか、リースたん自分で制御できておるかの?)


ん?!

わかんない!


「これ使って!」


「どうなってるのですか?!」


「そこの、戦える人間もこれ付けて!」


「は、はい!」


私のリーナが、私の朱音と友美さんに色々と魔道具を渡してる。

神様の魔道具だね、殆どがヤバい効果だろうし出来るだけ当たらないようにしよう。


(凄い好戦的になっているのぉ。)


そう?

私はいつも通りだと思うよ。


(治ったら録画を見せてあげよう。

そうじゃ、主らのうち誰かが本当に危なくなったら強制的に止めるからの?)


危ない事なんて無いよ。

さて、部屋壊し始めよう!


私の装備は、

アイテムBOXに入って…る!


入れたままだったのかな?


「ん〜、ん?」


ほぼ白かった装備の色、変わってるんだけど!

私真っ白の方が好きだったのに…


(闇落ちに白は似合わんじゃろ?

その装備は着る者の雰囲気で、少しだけボロボロな見た目になったり、色を黒に変更されるからのぉ。)


ふーん…

性能が変わらないならどうでも良いかな。


「さー、始めよー!」


ガク


「あれ?」


何処だ此処、

急に転びかけたかと思ったら、部屋が変わって朱音さん達が居なくなってた…


「【サーチ】…こっちか!」


もう、リーナは昔からイタズラ好きだなぁ。



白仁朱音しらにあかね


誘拐犯であるリーナと戦いそうになって、

被害者のリースちゃんと出会って、

私達は放置で2人で話してたと思ったら、

リースちゃんが真っ黒になった。


急展開について行けません。


「あれが…」


事情を知ってるであろうリーナは、1人で考え込んでいて話をしてくれない。

友美さんも考えを纏めているのか壁に寄りかかりながら目を瞑ってます。


私も考え…ても無駄ですね。

そもそも、私が此処にきた事で始まってしまった事です。

もう何もせず指示を待ちます…


ジャラ…


リーナに渡された鎖。多分ですがリースちゃんを捕まえる為に渡してきたんだと思います。


使い方とかは心配してません、

何故かはわかりませんが、持った瞬間に使い方が頭に入り込んできたので。


「はぁ…」


リーナは、時間稼ぎだからそれまで休んで、って言ってましたけど緊張で休めないですよ。


「ねぇ。」


「…はい、何でしょうか。」


うわ近い!

いつの間にこんな近くにいたんでしょう、拳一つ分しか距離空いて無いですよ。


「あなた、名前は?」


至近距離で顔を見たのは初めてですが、結構リースちゃんに似ていますね。

リースちゃんのふわふわ感を、半分にした感じです。


「白仁朱音と言います。」


「シラニ、アカネ…

ねぇアカネ、お姉ちゃんとはどんな関係?」


どんな関係…

色々複雑ですが一言で表すなら、


「家族のような、大切な人ですかね。」


「…お姉ちゃんは、前に進んだんだ。」


少し間が空いた後、少しだけ悲しそうな声でした。

どう言う事なのかを詳しく聞こうとしましたが、


「ま、関係ない話はこれでおしまい!

お姉ちゃんの状態は正直わからない、でも元に戻ると思う、だから手伝って。」


話を終わらせられてしまいました。


手伝いか。

勿論する、と答えたい所ですが…


少し信用できないんですよねぇ。


「私達は敵だけど、お姉ちゃんにはお互い元に戻って欲しいわけじゃん?

元に戻すのは協力しよう。」


「……」


「…ならなに、お姉ちゃんに勝てる?

めちゃめちゃ強いからね、私もこの魔道具があっても不安だから。

それと、協力してくれないなら私が渡した道具はそれは回収するよ。」


確かに、現状勝ち目は低い。

リーナはかなり強いし、貸してくれてる道具も強力だ。もし無かったら勝てるとは思えない。


「わかりました。」


敵の敵は味方です。

いや、正確にはリースちゃんは敵ではないですけどね!

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