第114話 真面目な話
〜エルフ〜
いや、謎だわぁ。
石板に101人?
あの英雄(笑)が抜けて99人、神様が何かしたのか2人増えてる。
朱音さんと帰宅してから女神様達に報告した。
すぐ調べてくれて、確かに名前は101人分あったみたい。だけど原因は不明。
『あいつ、この忙しい時に調べないといけない事を増やすなよ!
上位神の権限を使って、捕まってる間も仕事できる様にしてやろうかな?!』
って女神様キレてたなぁ。
というか、神様まだ出てこないんだ。
「そんな場所なら行かない方が、いいんじゃないかい?」
今、白仁家のリビングでは朱音さん、ママさん、友美さんが会議してる。
会議って言ってるけど、話し合い。
「そうですね。ランキングに似た物があって少しだけギスギスしてるとは聞いてましたが、私もそこまでとは…」
「訓練は大切なのはわかるんだが、2回行って訓練らしい事はしてないんだろ?」
「そうですね、体力作りとトランプをやっただけです。」
トランプなぁ…
あ、そういえば美人さんの名前聞くの忘れてた。
あの後、美人さんを1人にしちゃったけど大丈夫だったかな?
朱音さんの事を庇ってくれて、優しかったし、また会えた時に聞こう。
「無理して行く必要はありません、と言いたいのですが事情が少し複雑でして。」
友美さんは、鞄から資料を取り出し説明を始めるみたい。
周りのストーカーを魔法で警戒しつつ、さりげなく話を聞く。
朱音さんのストーカー対策にも関わるかもだし、ちゃんと最後まで聞かねば…!
ーーーーー
「リースちゃん起きて〜、一緒にお買い物行きませんか〜?」
「んゆ…」
体を揺すられて目が覚める。
気がついたらソファーに横になってて…あっ!
うん、ダメでした。
途中までは頑張って起きてたんです!
でも、エルフボディは私が意識して集中し続けると眠くなるみたいで殆ど記憶ありません。
そういえば、最近は昼間に寝ても神様ワールドに飛ばなくなったな、やっぱりケルベロスのせいで忙しいんだと思う。
「いく…」
「フラフラしてますね。歩けそうですか?」
朱音さんがお買い物に行くみたい、着いて行かねば…
「うーん、やっぱり辞めておく?」
「大丈夫、行く…」
今は寝起きだから、直ぐにシャキッとなるから…
目をパチパチさせて起きようと頑張る。
「そういえば姉さんは何処に?」
「琴音なら大学だよ。」
ほぼ感覚で準備をする。
鏡を見ないで手で寝癖の確認、服がクシャってなってないかざっとみて。
「おっけ〜…」
「お、大丈夫そうですね。行きましょうか。」
2人で玄関に向かう。
「いってらっしゃい。」
「「行ってきます。」」
手を繋ぐ。
友美さんの為に料理作った時、1回だけ行ったスーパーに向かう。
「なに、買うの?」
「ネギ、キャベツ、…と、何か安いのがあれば買いましょうか。」
「うん…」
朱音さんと外に出て。
しばらく歩いてから気づいてたけど、ストーカーは着いてきてない。
「む…」
「どうしました?」
「…大丈夫。」
でも視線は感じる。
エルフボディが探知しても正体がわからないからストーカーじゃない、普通に視線集めてるだけかと思ったけど違う気がする。
なんだろ、遠くから見てる?
いやハッキリ見られては、いないような…
うーん…
よくわかんね。
「リースちゃん、少し寄り道して行こうか。」
「え?うん…」
寄り道はそこそこ広い公園、2人でベンチに座ってボーッとする。
「魔法使いなんですか?」
「え…!?」
急に聞かれた質問に驚きながらも朱音さんを見る。
目が合った、理由はわからないけど私が魔法を使えるのを確信してる。
「な、なん、で…?」
エルフボディも動揺してる。
「なんとなく、じゃ納得できませんよね。
まぁ1番はお守りです。自分でもビックリするぐらい普通に納得してましたが、普通お守りワープしませんから。」
確かに、お守りがワープするなんて怖すぎる。
「今日、私に絡んできた男が急に寝たのもリースちゃんが何かしてくれたのでしょう?」
もう誤魔化すなんてできないな。
「うん。ごめん、なさい…」
「謝る必要はないよ。」
「……」
「助けてくれてありがとう。」
ありがとう…?
お互いに目は逸らさず、真っ直ぐ見つめている。
「なんで…」
「なんで、とは?」
「朱音のこと、騙してた…」
「え、騙してる事なんてありましたっけ?」
「魔法を使えるの、黙ってて、それで…」
本当にわかっていないのか、ポカンとした後に微笑みながら
「それって何か悪い事ですか?」
当たり前の様にそう言った。
「誰にも隠したい事はあります。
それにリースちゃんの場合は秘密が大きいですから、仕方ありません。」
ツー…ポタ
涙が溢れた。
エルフボディも私も恐れてたんだろう。
設定が関わってるのかもだけど、受け入れられて嬉しかった。
〜
「うわぁぁ、あかねぇ…」
冷静になった頭で考える。
私の質問に対してリースちゃんは明らかに怯えていた。
本当に聞いちゃって良かったのか、今更後悔しつつある。
「ねぇ、朱音…」
「なんでしょう?」
少し落ち着いたリースちゃんは、私の手を両手で掴み自分の頬っぺたに当てる。
めっちゃプニプニ。
「気づいた…?」
「なにが…え?」
私の手が触るリースちゃん顔、耳だけが少し違う。
尖ってる?いや、長い?
「ちょっと失礼しますね。」
綺麗な銀色の髪をずらして見えた耳は、
「これは…」
「私、エルフ。」
…実在、していたの?!
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