第102話 良ければ、連絡、先を…
〜
最初から最後まで意味がわからない試合でしたね。
終わった時には既に全員揃っていたようで、強制参加初日という事もあり軽くトレーニングし、レクリエーションっぽい物が始まった。
内容はただの雑談、特に目的もなくお菓子を食べながら話すだけ。
護衛の人達は別室で待機、この部屋には魔法を使える人達しか居ません。
境遇が似てる事もあるからか、仲良くなってるグループもチラホラ。
自己紹介などを終え、3時間経って流石に暇になったのかトランプをやってる所まであります。
「………」
まぁ、私は1人なんですけどね!
ふふふ…はぁ……
神様、私がなにをしたのでしょう…
同じ学校に通ってる、浅井さんが居ると思ったんですけど見つからなかったんです。
「……あっ」 ベチャ!
お手玉みたいにして、遊んでた透明ボールが水っぽくなった、集中力が途切れて形を維持できなくやっちゃったみたい。
周りを見てもボッチは私だけ…
「はぁ…」
もうお手玉をマジシャンレベルまで極めようかな。
コツコツ
ん?
1人の女性が歩いてくる、それと私の周りに居た人達が静かになった。
コツコツ
これ私に近づいて来てません?というか私の事を見てますね。
「初めまして。」
「あ、はい。初めまして。」
「此処、座っても構いませんか?」
「どうぞ。」
私に向き合う形で座った。
かなりの美人さんですね。遠目からでもわかったけど、近くで見るともっとわかりやすい。
ちょっと目が怖いけど、なんか睨まれてる様な感じ。
「3位の方に会えて光栄です。」
「はぁ…」
なんの3位か分からないからか、どうでも良いというか、何にも感じない。
「私は2位なんですけどね。」
は?嫌味ですかこのヤロー。
いえ、ヤローではないですね。この場合は何て言うんでしょう。
「良ければ、お互いにどの様な訓練をしているか教え合いませんか?」
だから、なんのランキングでなんの訓練だよ。
候補として魔法じゃないかとは思ってるんですけが、いまいちピンと来ないんですよね。
訓練だって、透明ボールで遊ぶだけで3位って馬鹿げてますし…
「あ、すいません。聞くなら私から話さないとですよね。1年前まで海外に居たので、その日本の文化に疎くて…」
「……」
言葉だけなら、少し、本当に少しだけ申し訳ないって伝わるんです、でもねその真顔では無理があるよ。
煽ってる様にしか見えないよ。
「基本的には毎日魔力切れになるまで、ずっと魔法を使い続けてます。どんな意味があるか、どんな人でもわかりやすく言うと筋トレに近いですね。」
「ソウデスカ。」
「…?あぁ、魔力が増えるんですよ。」
わからなかった訳じゃないんだよなぁ。
私の話を待ってるみたいですし、透明ボールでも見せますか。
「私の訓練方法はコレです。」
「それはなんですか?」
やられっぱなしも嫌なので、ちょっとイタズラしてやりましょう。
「えいっ。」
軽く投げて、当たる直前で消す!
「キャっ!…あれ?」
やっと表情変わったな!
とても可愛かったですよ!はぁ、なぜか負けた気がします…
「透明b、じゃなくて魔力を球状に固めてずっと維持する、それだけです。」
「な、なるほど…」
「最初は球状にするので精一杯だったんですが、最近は柔らかくしたり形変えたりと色々できる様になりました。」
大きくするのは怖くて試して無いですけどね、また訓練場に来た時に試してみようかな。
「ただ家に穴が開く可能性があるので、慣れないうちは投げたりしないほうがいいですよ。」
「穴が?!そんなに危険なのですか…」
あの時はビックリしたね。
リースちゃん達に当たらなくて本当に良かった。
『本日の交流会は終了です。引き続き施設を使用しても構いません。』
あぁ、救いのアナウンス。
「では私は帰りますね。」
「え…あ、あの良ければ、れんらーー」
何か言ってますが、もう早く帰りたい!
ナインさん、ナインさんは何処だ!
「あ、し白仁様。」
居た!
って、たい焼き食べてる。
「か、帰るのですか?その、友達とか、良いのですか?」
良いんです。
さっきまでの交流会で話したの、煽ってくる美人さんただ1人ですからね。
「今日は疲れたので、帰ります。」
「わ、わかりました。こっち、車あるので…」
意外と帰る人、少ないんですね。
今日は散々だったな。
チンピラに絡まれ試合、3位って言われて注目浴びて、1人寂しくお茶、所々煽ってくる美人さんに絡まれて…
「あ、姐御!」
「ん?」
ゲッ、チンピラだ。
「俺を、弟子にして下さい!」
「疲れてるから今度ね。」
リースちゃん、帰ったらギュッてさせてくださいね…
〜エルフ〜
猫です。
銀髪少女にゃんこです。
ナデナデ
はい。愛美さんのお見舞いをしたあとは家に帰って猫耳付けられて撫でられてます。
謎のガンガンも止まったし、やる事も特にないからね。
ガチャ
あ、朱音さん帰ってきた。
もうそんな時間なのか。
「朱音ちゃんおかえり!」
「ただいまです…」
「おかえり…」
おっと、目が疲れてるなぁ。
「今日はリースにゃんになってるんですね。夜ご飯まで一緒に上行きませんか?」
「いいよ…」
行こうか。
何があったかはわからないけど、一緒にゆっくりしよう。
琴音さんが泣きそう、でも今回は朱音さん優先!
腕から抜け出して朱音さんの元へ、流れる様に抱きかかえられて階段登っていく。
「なにか、あった?」
「チンピラに絡まれました。」
「え…?」
「すぐに解決しましたけどね…」
チンピラか、少し心配だなぁ。
もし何が起こった時にすぐ動ける様にするためにも、神様達に見ててもらいたいんだけど、今は女神様だけで忙しそうだからなぁ。
ダメ元で言ってみるか。
「次、一緒に行く…」
「ダメです。私はすっごく嬉しいですけど、リースちゃんの安全の為にもね。」
やっぱりかぁ…
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